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【投稿済】SCP-114-JP:「性交する煙」
脚注は迷ってる記述だったり細かい説明だったり出典元だったりします
※脚注消したりつけたりしたのでフォーラムでのやりとりと現行の記事の脚注が全然違ったりします…。




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宮城県███市███町で確認されたSCP-114-JP1

アイテム番号: SCP-114-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: 全国の気象台に職員として潜入した財団エージェントによる24時間の監視、また全国4000ヶ所に設定した定点観測ポイントに設置された異常値自動検出プログラムを組み込んだ監視カメラで、SCP-114-JPの探索任務が行われています。SCP-114-JPの発生が確認でき次第、現地にて出来る限り速やかに収容を行って下さい。発生から収容完了までの推定経路上に集落が存在する場合、居住している住民全員にクラスC記憶処理を施して下さい。
現在財団が収容している全てのSCP-114-JPの色は、別添のカラーリストを参照して下さい。エアーサンプラーでの捕集後、測定器によりサンプルの色を測定して下さい。測定結果とカラーリストを比較し、新規のSCP-114-JPであれば収容報告後にカラーリストの更新を行って下さい。収容時はマンガン鋼あるいはアルミニウム合金製の密閉された3Lから100Lの採気用高圧ガス容器2に圧縮し、摂氏10度以下の冷暗所で保管して下さい。既存のSCP-114-JPと同色の場合、収容報告を行った後、レベル2クリアランス以上であれば捕集したサンプルでの実験が可能です。

説明: SCP-114-JPは日本全国で確認される煙状の物体です。特定の発生源を持ちませんが、山岳の頂上付近から雲に紛れふもとに降りてくる例が最も多く報告されています。都市部や工業地帯では通常の煙と同じく煙突から排出されるSCP-114-JPが数多く確認されている他、焚き火、煙草(吸い殻も含む)、鞄の中、大便器、ソフトビニール人形の内側など、2072の発生例、409通りの発生源例が報告されています。人間からの発生例として口からの発生が21例、鼻が8例、耳が8例、肛門部からの発生が2例の報告があります。

SCP-114-JPは発生時、白と黒以外の固有の単色を持ちます。現在、財団日本支部では314の別色のSCP-114-JPのサンプルを収容しています。SCP-114-JPは通常の煙のように気圧変化に伴う流動性を持たず、人間の目で目視できる程度の濃度を保ちながら自由に移動します。この状態のSCP-114-JPは、発生した地点以上の高度へと能動的に移動する事はありません。

SCP-114-JPの動きは、他のSCP-114-JPと接触するという行動原理に基いているものと思われます。SCP-114-JPは障害物のない見晴らしの良い場所を好みます。目に相当する受容器は確認されていませんが、「目視」をすることで初めて別のSCP-114-JPを認識し、接触を図ろうとします。
2つの別々のSCP-114-JPが接触すると、互いに細長いらせん構造を取りながら一定の距離を保ちつつ高度を上げはじめ、傍目には二重螺旋を描きながら上昇している様に見えます。この際、SCP-114-JPは発生した地点以上の高度へと上昇することができます。

やがて高度10km付近で、2つのSCP-114-JPは二重らせん状での上昇運動をやめ、急速に霧散します。霧散と同時に、2つのSCP-114-JPが上昇を始めた地点の付近で、新たな「子」SCP-114-JPが発生します。子SCP-114-JPはほとんどの場合2つの「親」SCP-114-JPとは別色であり、色相環上で2つの親SCP-114-JPの色の中央値をとっていることが判明しています。子SCP-114-JPは発生後すぐに、親SCP-114-JPと同じように他のSCP-114-JPとの接触を図るため移動を始めます。

最初に確認されたのは19██年、岡山県███市の██山で、周辺の村民は伝承「めおとのろし」としてSCP-114-JPの存在を認識していました。他にも、既に日本各地の複数の地域において「狐のお焚き上げ」「あまのぼり」などの名称でSCP-114-JPと同一の物体が確認されていました。「あまのぼり」を含むいくつかの伝承には「触れば魂が抜かれる」という一節が存在していましたが、現在SCP-114-JPに接触した全ての人間にそのような症状は確認されていません。SCP-114-JP保護の目的の元、現在SCP-114-JPの特徴と合致または類似する伝承の関連文書の回収、伝承の存在する地域の民間人へのクラスB記憶処理を随時行っています。

補遺: 19██年に行われた財団の16の単純な生体反応調査と42の検証実験、また20██年に行われた生体反応調査の再試と新たな2つの検証実験で、SCP-114-JPは非生物であり、その成分は純水を沸騰させることで発生する一般的な水蒸気とほぼ同一であることが実証されました。光・色に特別に影響する成分は認められていません。