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収容当日に撮られたと思われるSCP-XXX-JP-1。

アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JP-1は442 hz1にピッチを合わせ調律を行い、サイト-8181の標準防音ユニットに保管してください。SCP-XXX-JP-2の譜面は劣化を防ぐため、温度を20~25℃、湿度を50~55%に保ちサイト-8181の低危険度物品用収容ロッカーに保管してください。SCP-XXX-JP-2を書き写すなどして複製することは許可されません。実験を行う際はセキュリティクリアランスレベル3以上の職員から許可を得た上で行ってください。

説明: SCP-XXX-JPは、████████社が19██年にカエデなどの硬く緻密な木材を使用して製造したとされるグランドピアノ(以降SCP-XXX-JP-1と呼称)を使い、「最愛の者に神の奇跡を」と題されたピアノ曲(以降SCP-XXX-JP-2と呼称)を演奏することにより生じる現象です。SCP-XXX-JP-2はハ短調、3/8拍子の曲であり、SCP-XXX-JP-2の譜面にはピアノの調律のピッチを444hzに合わせることが記されています。演奏時間はおおよそ7分程度です。

SCP-XXX-JPは、SCP-XXX-JP-2の演奏が始まってからおおよそ3分後、SCP-XXX-JP-2の演奏を聴いていたもの(以降被験者と呼称)に対し、幻覚を発生させます。これによって生じる幻覚は、被験者に「神」と認識される姿で現れます。被験者によって容姿は異なります。この幻覚が現れた後、被験者はこの「神」の持つ超自然的な力をみせられるとされ2、SCP-XXX-JP-2の演奏が終盤にさしかかる頃には、この「神」に対し狂信的な態度が形成されます。被験者のこの一連の行動に対して、SCP-XXX-JP-2の演奏者は違和感を覚えますが、最後まで演奏をしなくてはならないという強い使命感にかられ、演奏を続行します。
SCP-XXX-JP-2の演奏が終了すると同時に幻覚は消滅します。しかし被験者の狂信的な態度は継続し、幻覚が消滅したことに対し激しい動揺や不安をおぼえます。その後、被験者は演奏者に対しSCP-XXX-JP-2を再び演奏するように願い出ます。この願い出に応じなかった場合、被験者は罵声を浴びせ、暴力的な手段で再び演奏をするように訴えかけます。この暴力は再び演奏をするか、演奏者が死亡するまで続きます。再び演奏を再開した場合、1回目とは異なり、演奏が開始したと同時に被験者に幻覚が現れます。このとき演奏者には1回目にみられた演奏を最後まで実行しよう、という強い使命感は消滅します。2回目の演奏後も1回目の演奏後と同じようなアンコールが起こります。これは演奏者に暴力的な行為が蓄積され、死亡または衰弱するなどして演奏が不可能な状態になるまで何度も繰り返されます。被験者は演奏者が演奏不可の状態になったと理解すると、深い絶望をおぼえ、発狂し、周りの人間や自らに対して無差別に攻撃を始めます。SCP-XXX-JPのこの一連の動きは、これらの被験者が全員死亡し活動が停止するまで続きます。

補遺: SCP-XXX-JPは日本人ピアニストで夫である████が、妻で同じくピアニストであった██████のために開催した誕生日パーティーでSCP-XXX-JPを発生させたことで発見されました。このとき夫妻のほか、友人10名を含む12名が犠牲となりました。これを発見し、通報した隣人にはAクラス記憶処理が行われ、カバーストーリー“複数犯による強盗殺人”が実施されました。
その後財団により調査が行われ、SCP-XXX-JPの発生に関係すると思われる記載がある、夫の████の日記が発見されました。以下は日記の一部を抜粋したものです。


画像はこちらからお借りしました。

提供元https://pixabay.com/ja/%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B0-%E7%B5%90%E5%A9%9A%E5%BC%8F-%E7%B5%90%E5%A9%9A%E6%8C%87%E8%BC%AA-%E3%83%94%E3%82%A2%E3%83%8E-%E7%B5%90%E5%A9%9A-%E3%82%B4%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%89-%E3%82%B8%E3%83%A5%E3%82%A8%E3%83%AA%E3%83%BC-433651/
作者:krvvitaliy様



SCP-528-JP - 狂信者のアンコール
SCP-461-JP - 隠れ樹