雀荘骨折

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博士って何?

博士とは、ワンダーメント社を母体とするある種の製品開発生産流通のための子会社である!
本来はワンダーメント社がまごころ夢工房など、特殊な技術を有する企業を傘下に加えて、技術をわがものとするのが目的であった。
しかし、ワンダーメント博士という国際レベルの大企業に対しては、多少の買収工作も上手くいかないのであった!
よって、ワンダーメント社は『博士』という組織を構成し、非常に危険な玩具のようなものを量産し、ワンダーテインメント博士への風評被害と株価下落を目論んでいるのである。
そしてその他もろもろが成功すれば、ワンダーメント博士社長のエリック・プランクトンが「同業ライバルと言えども、戦場を同じくする友!友の危機には手をかざすのは当たり前でしょう!また、今回の危機が自らを原因とするものであっても、技術者には何の罪もありません!我らがワンダーメント社が喜んで技術者を迎えます!ムッハハハッハ!」とか言ってワンダーメント博士の株式を大量取得&買収する。
そしてワンダーメント博士の技術を吸収してしまうのが目的。
なお、社長のエリックは例のエリックとは全然別人。
ワンダーメント社のワンダー部分も、宝くじを当てて出資したスピーディー・ワンダー(仮名)が由来。

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LEVEL7計画

全人類をミームウィルスにより精神改変して、財団職員としてしまう計画。
ブライト博士とSCP-1192をヒントに毎月のDクラス職員の記憶処置の際に、対象の人格をすべて消去して理想的なDクラス職員の人格を書きこんだことで、一部の職員に認められひそかに計画が進む。
人から人へと感染するウィルスのように広がるミームを放ち、SCP-8900-EXでおそらく要注意団体のメンバーさえもがEクラス記憶処置を受けた時のように、すべての人類の精神に財団職員の標準人格を書きこむ。
勿論、その標準人格がちゃんとしたものか、既にほかの要注意団体によって好き勝手されてなか、などが不安なため計画は中止。
首謀者を含め計画に関係したすべての職員が記憶を消去され、計画の全貌は七つのファイルに分割され、それぞれ個別に保管されることに。

しかしなぜか計画の産物がいつの間にか動いていた

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アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Safe Euclid

特別収容プロトコル:SCP-XXX-JP-A及びSCP-XXX-JP-Bは個別のA4サイズの長期記録用紙に記入し、それぞれ個別の封筒に封入してください。SCP-XXX-JP-A及びSCP-XXX-JP-Bを封入した封筒は別の財団施設の、不活性ガスで満たした気密保管庫に収容してください。SCP-XXX-JP-AとSCP-XXX-JP-Bを同一の施設で保管することは禁じられています。気密保管庫の出入り口と保管庫内部の気圧は常に監視され、異常があった場合は施設全体を封鎖して調査チームを派遣してください。SCP-XXX-JPに関する実験を行う場合は、セキュリティクリアランスレベル4以上の職員5名の許可を得てくださいは現在禁止されています。

SCP-XXX-JP-Aの探索に割り当てられた職員はSCP-XXX-JP-Aの閲覧を一度だけ許可されます。担当する地区を毎日巡回し、SCP-XXX-JP-Aや類似するシンボルを探索してください。SCP-XXX-JP-Aもしくは類似するシンボルを発見した場合は、対象の位置と日時を報告し、除去してください。また、可能な限り対象の作成者や、作成した目的を調査してください。

SCP-XXX-JP-Bの捜索に割り当てられた職員は、インターネットや電話回線、無線通信などあらゆる種類の通信を傍受し、SCP-XXX-JP-Bもしくは類似する文言を創作してください。SCP-XXX-JP-B、もしくは類似するフレーズが確認された場合は、通信元及び通信先を特定し、通信に関わった人物の確保を行ってください。また、各種聴取の後に適切なクラスの記憶処置を行ってください。

SCP-XXX-JP-Cは標準人型オブジェクト収容セルに収容してください。SCP-XXX-JP-Cに対するインタビューを行う際は、セキュリティクリアランスレベル3以上の職員の許可を得てください。要注意団体の捕虜など、Dクラス職員以外の人員をSCP-XXX-JP-Cに変化させる場合は、セキュリティクリアランスレベル4以上の職員の許可を得てください。いずれの場合においても、SCP-XXX-JP-Cと十分にインタビューを行った後は対象の終了、もしくはCクラス記憶処置を行った後にDクラス職員として雇用してください。

SCP-XXX-JP-L7サルベージ計画に割り当てられた職員は、他の職務から一時的に離任されます。SCP-XXX-JP-L7サルベージ計画着任までに指定された専用施設への入居を済ませてください。SCP-XXX-JP-L7サルベージ計画への着任中は、専用施設外部との通信、私物の持ち込み、私的な記録が禁止されます。SCP-XXX-JP-L7サルベージ計画から離任の際は、Bクラス記憶処置を受けたのち、代替記憶の挿入を行ってください。対象職員は事前に挿入される代替記憶を選択することが可能です。なお、SCP-XXX-JP-L7サルベージ計画への志願は許可されていません。SCP-XXX-JP-L7サルベージ計画の詳細については、SCP-XXX-JP-L7サルベージ計画に着任中の職員及びO5職員のみ、閲覧可能です。

説明:SCP-XXX-JPは、財団のシンボルを一部改編した記号(SCP-XXX-JP-Aと指定)と、25文字の日本語の文章を発音することで生じる音波(SCP-XXX-JP-B)です。SCP-XXX-JPの異常性は、視覚と聴覚が正常な人物がSCP-XXX-JP-Aを目視しつつSCP-XXX-JP-Bを聞くことで、財団職員を自称する人格を刷り込まれる点にあります。SCP-XXX-JPの影響を受けた人物(SCP-XXX-JP-C)は、200█年2月時点のにおけるセキュリティクリアランスレベル4相当の職員がアクセス可能なデータの一部を有していることが判明しています。SCP-XXX-JP-Cは影響を受ける以前の記憶を維持しつつも、自身がそれまでの身分を偽装している財団職員であったという認識を刷り込まれ、財団職員としての職務に復帰しようと行動します。具体例としては、最寄りの財団関連施設に連絡を取る、侵入を試みるなどです。現役の財団職員がSCP-XXX-JP-Cとなった場合においても、ほぼ同様の行動を取ることが報告されております。

SCP-XXX-JP-Cの有する情報は200█年2月当時の物ですが、現在の財団においても有効な情報があります。SCP-XXX-JP-Cは尋問及び拷問に対する訓練を修了していますが、記憶摘出技術を有する要注意団体への情報漏洩の可能性がある為、確実な収容と早期の無力化が必要です。

SCP-XXX-JP-Cはその言動と保有する知識から、200█年2月にSCP-███の収容違反により行方不明となった█████監督官の人格が基本になっていると考えられます。現在、Dクラス職員を用いたSCP-XXX-JP-Cへのインタビューや、SCP-███の探索及び調査により、█████監督官の回収によるSCP-XXX-JPの無力化が試みられています。なお、SCP-███は記憶処置によって除去可能なミーム汚染を有するオブジェクトのため、SCP-XXX-JP-L7サルベージ計画に参加した職員は、離任の際に記憶処置を受けることが義務付けられます。なお、SCP-XXX-JP-L7サルベージ計画に着任中は、SCP-███のミーム汚染の拡大防止のため関係者以外との連絡が禁止されます。

SCP-XXX-JP-L7サルベージ計画に割り当てられた職員は、SCP-XXX-JP-L7サルベージ計画文書を熟読することが義務付けられています。

補遺:

SCP-XXX-JPの危険性は、敵対組織に情報が渡る点ではなく、何も知らない一般人が財団職員としての意識を擦り込まれる点にある。いくらSCP-XXX-JP-Cが訓練を受けた元職員の人格で、有する情報が200█年の物だとしても、この世に財団が存在し仮初めの平和を保っていることを知ってしまうことが問題なのだ。我々は、何も知らぬ人々のためにオブジェクトを確保し、収容し、人類を保護しなければならない -O5-█


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・お化け屋敷SCP
・中華料理店をやろうとすると店主が「上 毎飯店」という店名で店を開き、豚肉の代わりにその辺でさらってきた人間を調理して出す。ただし攫ってくる人間はことごとく遺伝子的には人間に擬態している豚。
・スミス式健康体操
・筋肉を吸い取るダンベル
・必殺ダンベル体操
・暁の解放戦線が新聞広告で財団を挑発
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壷を刺激すると体温が上がったり汗が出たりするアレ

評価: 0+x

アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル:SCP-XXX-JP-Aとして指定される地域2は、それぞれ一般人の侵入を妨げる性質の施設に偽装してください。SCP-XXX-JP-Aに持ち込み制限アイテムを搬入する試みは、すべて禁止されています。財団職員以外で、SCP-XXX-JP-Aに侵入した人物については、速やかに身柄を拘束し、侵入目的についてインタビューを行ってください。インタビュー後は、Aクラス記憶処置を施した上で解放、または参考人として収容してください。

SCP-XXX-JP-Aの疑いがある地域については、活性化の要因となるアイテムと、異常が生じる地域の特定を行ったうえでSCP-XXX-JP-A指定地リストに追加してください。

説明:SCP-XXX-JPは、特定のアイテムを持ち込むことにより、全く異なる地域の天候といった自然現象に異常をもたらす場所(SCP-XXX-JP-Aと指定)です。SCP-XXX-JP-Aは複数存在し、場所ごとに活性化の要因となるアイテムや、活性化によって生じる異常の内容は異なります。各SCP-XXX-JP-Aについては、それぞれ下記に示すリストのようになっています。

SCP-XXX-JPの性質が判明したのは、収容エリア81██への侵入によるものです。SCP-XXX-JP-A1の活性化要因アイテムを所有した身元不明な複数人の人物が、SCP-XXX-JP-A1の活性化要因アイテムとして指定されているアイテムを所有してエリア81██内に侵入し、常駐している警備部隊が身柄拘束に向かったところ、強烈な抵抗を受けました。警備部隊が侵入者を拘束し、目的について尋問したところ、SCP-XXX-JP-A1の性質が判明しました。侵入者に対する入念なインタビューにより、さらにSCP-XXX-JP-A2からSCP-XXX-JP-A7までの性質が判明しました。なお、侵入者の本拠地とされる████県██████市内の████████に機動部隊を派遣したところ、争った形跡が残されているほかには何も発見されませんでした。

補遺:

SCP-XXX-JP-Aリスト
分類番号 場所 活性化要因アイテム 異常の生じる地域と内容
SCP-XXX-JP-A1 収容エリア81██ 全長2mの鉄製の棒(φ30±0.02mm)
SCP-XXX-JP-A2 ████県████公園 イリオモテヤマネコ8匹(剥製可)
SCP-XXX-JP-A3 ████港沖2.2km 85個以上の人間の[編集済]
SCP-XXX-JP-A4 ████████空港第█滑走路 精米済みの██████████15~17kg 福岡県████市のバッタの、一回当たりの産卵数を20倍にする
SCP-XXX-JP-A5 ████████城跡 22t以上の塩化ナトリウム
SCP-XXX-JP-A6 ██████県スーパー████駐車場 鉄を主成分とする全長600mm以上の刃物840本 中国雲南省████に震度1程度の局地的な地震を発生させる。地震は活性化中観測され続けた
SCP-XXX-JP-A7 サイト81██職員駐輪場 SCP-███-JP 南極大陸全域の気温を上昇させる。最大18℃の上昇を確認した

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Scary Creatures Prduction
財団のフロント企業で特撮映画用のモンスター的な小道具を作ったりするプロダクション。
クリーチャー系のオブジェクト回収の際に「撮影のため」とかいうカバーストーリーをばら撒くために存在していたが、撮影技術の向上やら何やらで解体。しかし社屋を確認すると、当時の社員の一人が変わり果てた姿で発見された。

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くたばり島の大冒険!

モスマン→マンモス

173-JP用アイデア
見ると匂いを感じる絵画+嗅ぐとイメージが浮かぶ香水=幻覚の臭いとイメージの相互作用により嗅覚と視覚がマヒ

アイデア
Q.博士って何?
A.大手のネームバリューを利用して、とりあえず動くだけのまがい物をサッと作ってパッと打ってチャッと逃げる企業。ラッキーマウスとか、卵ウォッチとか作って売ってるような連中だと思うとわかりやすいと思う。

博士系アイデア

・博士の人気者大作戦被害者・・・身体が粘土のように可塑性で、身長体型も顔かたちも思いのまま!ただし交通事故で腕と足が千切れてから、パーツが足りないまま。小麦粘土を使うといい感じに補えてたけど、本人が小麦アレルギーになってまた部位欠損状態。ねんどマン

提案
・解雇
・配属変更
・転職…エージェントや博士に記憶処置を施し、フロント企業の民間に近い部分に異動させて引退させる処置。非常時の際は記憶を復元させて再雇用する。つまりコブラ

かんがえ中

・SPCエージェントの話
 エージェント二人の共同作業

・財団が正月の挨拶を変えてしまった話
正月の挨拶が「あけましておめでとうございます」なのは、財団が全国規模で情報操作したから。
それ以前の半分形骸化したような挨拶は、実はなんか災いとかを自分以外の誰かに押し着せる呪文みたいなもの

・夜の街を徘徊して通行人にジュースを浴びせかけ、財布から浴びせかけたジュース分の金を奪う自動ジュース強行販売機
・地面にステンレス鏡を配置して、空からやってくるものを追い返すプロトコル

・4月1日に日本式Dクラス職員の雇い方tale
・ちんぴらごぼう
・刺青入りチャーシューを出すラーメン屋台
・料理を頼むと「俺はシチューだ!」などと叫びながら厨房から料理が飛び出してきて殴りかかってくる食堂
・見ると香りを連想する写真→連想した香りをベースに調合した香水を嗅ぐととある女性の姿が思い浮かぶ
・リセット装置あるんなら世界のバックアップが有ってもいいんじゃないの?→数光年レベルで離れた所にまるきり地球惑星どころか太陽系が存在。大陸配置とか見ると完全に地球のコピー。とりあえず交信を試みるけど返答はない。でも、こっちには気が付いているというか監視されているっぽい。

・ハリウッド的なtale
導入:新人女エージェントが引退寸前のおっさんエージェントの下で仕事を覚えろとかそんなの。おっさんは酒浸りだとよし
謎提起:簡単なオブジェクト回収かと思ったら何か襲われた。たぶん要注意団体
第一の山場:「回収チーム派遣するから!」って本部の通信を受けて要注意団体と銃撃戦しながら頑張る二人。回収チーム来た!要注意団体撃退した!でも実は回収チームは裏切り者!殺される寸前で脱出!おっさん負傷!
主人公の挫折:どこかの廃屋で目を覚ます主人公。財団が一枚岩だと思ってたのにとかめそめそ。おっさん軽口をたたくけど意外と負傷がすごい。こんなになってるのに私励まそうとしてくれたんだ・・・排卵促されちゃう・・・
主人公復活:おっさんが一名取り留めて動けるように。なんで回収チームは裏切った?財団に戻って調べよう!
謎解決:裏切りの理由発覚!
第二の山場:要注意団体と裏切り者とで三つ巴の銃撃戦!敵アジト大爆発!
終息:アイテム回収しました。女エージェントとおっさんエージェントが感極まってキス→エンドロール→クレジットの最後に何か映る
オワリ

・爪と指の肉の間に新たな一回り小さい爪が発生する。もちろん普通にくっついてる肉を引き裂きながら伸びるので痛い。発生条件は考えてない

・今朝方夢で見たなにかを未だに覚えているのでメモ書き
ある空域である程度の速度を出すと楽園に移動する
楽園は左右を巨大都市に挟まれた数キロほどの草原だが、野球場ぐらいのスペースを不可視フィールドに囲まれている。
フィールド内には一部分を肥大化させて誇張したり、複数人を繋ぎ合わせて作った人間に似た生き物が住んでいる。
楽園の住人はニコニコ顔でいつも過ごしており、左右の都市から相互にミサイル攻撃(時々楽園のバリアーにも命中)が発生しても驚く様子もない
Dクラスを何度か送りこんだら、住人が増えてたり、住人が少し大きくなってたりする

・異世界がディストピアものってよくある→異世界が割と羨ましくなるレベルのユートピア
・Dクラス職員はウシヅマくんみたな世界から引っ張ってきた多重債務者→士気も質も低いから割と使い捨て
・有能エージェントは英雄化されてはならない→パンドラの箱に対する誰も憧れ内容な立ち位置→セクシーボーイズ2

みみみみみみ
・放り投げると犬の幽霊がどうにかして拾おうとするゴムボール
・手にした人間のサイコキネシス能力を大幅強化する代わりに脳腫瘍を発生させる陶器人形
・秘密暗号通信クマ熊くま
・老婆がすごい勢いで飛びかかってくる屋敷
・脳力トレーニングカセットテープで君も現実改変能力者になろう!
・何か知らない間に増築されてる水中都市
・四人で勝負すると勝ったヤツの願いが叶う雀卓。出来レースは駄目
・芯のあるバウムクーヘン
・すげえ悲惨な内情をコミカルに伝えてくれる閉鎖された街のラジオ放送。しかし町は閉鎖されておらず、電波の出元も不明
・-Jで、ただの土鍋を徹底的にSCP扱い。実験記録は鍋レシピで、蓋を取る際にうっかり取り落とした時の惨事でEuclidに格上げ
・甘味地獄。具体的には蟻が群がる

みみみみみみみみみ

 日本国内に存在する財団関連施設に設けられた会議室の一つに、いくつかの人影があった。
 会議用の長テーブルを二つ寄せ、向かい合うように並べられた五脚の椅子に、財団の職員がそれぞれ腰を下ろしていた。
「時間だ」
 会議室の壁に掛けられた時計が、午後二時を指し示すのを確認してから、席に着いていた男の一人が口を開いた。
「それでは、事前の連絡通り『博士』の要注意団体認定のための審議提案会議を始めたいと思う。議長、及び発起人は私こと、島川が務める」
 最初に口を開いた男、島川博士はそう言うと、同席する面々にむけて頭を下げた。
「今更言う必要もないと思うが、この日本に財団の手が及び、日本国内のスタッフのみで一通りの運営ができるようになってから、それなりの年月が過ぎた。それまでの間に我々は、『前任』からの引き継ぎも含めて数百に及ぶオブジェクトの収容を行っている」
 島川博士は、同席する面々が周知の事実を、改めて口にした。もちろん、この会議の本題に繋げるためだ。
「これまで、我々が収容しているオブジェクトには、明らかに同一の団体の関与が認められるものがある。いわゆる、要注意団体によるものだ。皆も各々が何らかの形で関わっているオブジェクトに、要注意団体の名前を見たことがあるだろう」
 会議の参加者は、島川博士の言葉に、いくつかの固有名詞を想起していた。
「だが、今回集まってもらったのは、周知の要注意団体に関する話題のためではない。未だ要注意団体として認められていない組織を、要注意団体と認定するよう申請するためだ」
 会議参加者の反応は、ほぼ半々だった。島川博士の発言に、驚きを露にする者。そして彼の言葉に静かに頷く者。その二つだった。
「『博士』と称される集団について、我々のセキュリティクリアランスレベルで閲覧可能な文書を一通りまとめてきた。手元の資料を確認してほしい」
 会議室に、紙が擦れる音が響いた。
「詳細は文書に記してある通りだが、『博士』の特徴について簡潔に述べよう。『博士』とは、『博士』を自称する異常な特質を有する物品の作成団体だ。子供の玩具のような外見のオブジェクトが大部分だが、未知の技術が用いられており、危険な効果を及ぼす」
 島川博士の言葉を耳にしながら、会議参加者たちはめいめい文書を目でなぞった。
「少なくとも私が調べた限りでは、『博士』は六つのオブジェクトに関わってる。それも推測ではなく、オブジェクトに付随する文書に、その名前が記されている」
 参加者たちの手元にある文書も、ちょうど六件分であった。
「要注意団体として認定されるには、最低三名の研究者により五つ以上の報告書が作成されている必要がある。この通り、『博士』は要注意団体としての要件を満たしているわけだが、未だに認定されていない。今回の会議では、『博士』が要注意団体としての要件を満たしているということを確認したい」
 島川博士は言葉を一度切ると、席に着く面々を一通り見まわしてから、再び口を開いた。
「まず、『博士』が要注意団体にあたるか否か、各人の意見を聞きたい」
 彼は左隣に座る同僚に、視線を向けた。公式の会議ならば議長が発言者を指定すべきだが、今回は仲間内の会議だ。島川博士の仕草だけで、一同は次の発言者が誰かを察した。
「あーと…入江だ」
 入江博士は、いつもの調子で名乗ってから続けた。
「早速、この会議の腰を折ってしまうようで申し訳ないが、私は『博士』が要注意団体と認定する必要はないのではないかと思う」
 出席者たちから、小さな声が漏れた。いの一番に反対意見が出てきたことに対する驚きのためだ。
「それは…ふむ、どういう理由で反対なんだ、入江博士」
「はい、博士関連のオブジェクトは耳にしていたが、どうも要注意団体として登録するには弱すぎるのではないかと感じられたからだ」
 島川博士の問いに、入江博士は理由を答えてから文書をめくった。
「例えばこのスパイ七つ道具など、ざっと文書を読んだところではanomalousアイテム七種が一つにまとめられた程度の印象しか感じられない」
 参加者たちは文書をめくり、並ぶ文字に目を落とした。確かに、印象を変えるおもちゃの眼鏡や、ペン先を発射するボールペンは、単独ならばanomalousアイテムとして収容される程度の代物だ。スパイなりきり、という一つのテーマの元、七種が揃えられてなければ、実際anomalousアイテムとして回収されていたかもしれない。
「他のアイテムについても、多少特異性のある子供の玩具といった程度で、わざわざ要注意団体として対策が必要だとは思えないのだ」
「確かにその通りです」
 入江博士の隣に腰を下ろす神奈川博士もまた、頷いた。
「特異性のある子供の玩具。入江博士の判断については、私も同意見です」
 入江博士と同意見。すなわち、要注意団体としての認定に反対であろうか?席に着く人々の胸中の思いに、神奈川博士は自ら応えた。
「ですが、入江博士の認識は甘いのではないか、と私は思います」
「甘い?」
「はい」
 神奈川博士は、入江博士の発した言葉に頷いた。
「子供の玩具のようなオブジェクト、というのは確かにその通りです。ですが、この文書の中でも既に、原子の性質を変化させて重量を喪失させるオブジェクトが存在します。名前だけならば『ふわふわマシン』などとふざけていますが、その性質の危険性は軽視できません」
「そうだ。子供向け、という外見ではあるが、団体の危険性は軽視できない」
 島川博士は、神奈川博士に向けて頷いて見せた。だが、神奈川博士の続く言葉は、彼の予想の外の物だった。
「確かに、島川博士のおっしゃる通り、この『博士』なる人物もしくは団体は危険です。ですが、改めて要注意団体として認定する必要はないと思います」
「何…?」
 危険だというのに、要注意団体として認める必要はない。自身の発言の矛盾の理由を、神奈川博士は口にした。
「理由は簡単です。すでに『博士』は、要注意団体として認定されています」
「『ワンダーテイメント博士』か」
 誰からともなく、言葉が漏れた。
「そう、子供向けの商品のようにも見えるオブジェクトを多数生産、販売している団体は、既に登録されているのです」
「しかし、商品説明では『ワンダーテイメント博士』を名乗っていないぞ」
「ええ。ですが実質的には同一組織だと考えられるのではないのでしょうか?ほぼ同一の組織ならば、他国で展開している『ワンダーテイメント博士』対策を日本でも導入する程度の対応で問題ないのではないかと」
「ふむ…」
 島川博士は低く息を漏らした。現時点で、『博士』の要注意団体認定への反対意見が二つ。だが、入江と神奈川の二人はこれまで、『博士』に関わったことはないからだ。
「では次に、中田博士の意見を伺いたい」
「あ、はい」
 島川博士の対面に腰を下ろしていた中田博士は、一拍挟んでから口を開いた。
「えーと、実のところ僕の意見は、判断保留です」
「ほう」
「それは、どういう理由でですか?」
 入江博士が声を漏らし、神奈川博士が問いかける。
「はい。ここまで出た意見からすると、子供向けの玩具のようなオブジェクトを製造してる『博士』は『ワンダーテイメント博士』と同一だろうから独自の対策は不要、ということですね」
「まあ…そうだな」
 入江博士が頷いた。
「ですが、実はとあるオブジェクトにおいて、『ワンダーテイメント博士』が『博士』について言及しています」
「ほう?」
 入江博士が声を漏らす。
「ドキュメントは会議後に確認していただきたいのですが、リトルミスターシリーズの日本版とも言うべきオブジェクトに付随していた文書に、『ワンダーテイメント博士製を騙る悪質な類似品にご注意ください』という一文が入っています。これは、『ワンダーテイメント博士』と『博士』が別組織であることを示しているのではないのでしょうか」
「しかし、いくら別組織だとしても、行動パターンが似ている以上『ワンダーテイメント博士』と同様の対策でよいのではないのですか?」
「そこなんですよ」
 神奈川博士の疑問に、中田博士は頷いた。
「いくら別組織といえども、行動パターンが同じであれば、同様の手法で対策出来るはずです。しかしその一方で、『博士』の製品には時折、敵対的な効果をもたらす物があります。その点で、『ワンダーテイメント博士』とは異なる独自の対策が必要ではないかとも思うんです」
「うーむ」
「そういう考え方もありますね…」
 入江と神奈川が、中田の言葉に呻いた。
「ならば、私は要注意団体への認定に票を投じたい」
 そう言いながら手を上げたのは、骨折博士であった。
「私も『博士』関連のオブジェクトにいくつか関わっているが、いずれも中田博士の指摘通り危険性が高い。事実、島側博士が今回の会議で用意してくれた資料の中にも、私が関わったものが何件か入っている」
 配られていた紙を取り、ぱらぱらとめくりながら言葉を続ける。
「例えば、『爆笑ギャグ250連発』などがそうだ。ダジャレを口にすると、その内容が現実のものになるというものだ」
 何らかの条件を満たせば、現実に一定の効果や影響をもたらすオブジェクトならば、いくつか存在している。それだけならば、実例がいくつか存在するためそう珍しいものではない。
「ただ、問題は収録されているダジャレの中に『SCP敗団』というものがある」
「SCPはいだん?」
「そうだ」
 神奈川博士の復唱に、骨折博士は頷いた。
「正確なところ、字面が似てるだけでダジャレではないし、実験をしていないから何が起こるかも不明だ。だが、問題はそういう部分ではない」
「『博士』が、我々財団を把握してる…のか?」
 入江博士が、疑問符を最後に沿えながら、骨折博士の意図を口にした。
「その可能性はある。そして、財団に対し敵対的である可能性もある」
 骨折博士は頷くと、そう続けた。
「現時点では、『ワンダーテイメント博士』の類似団体という考え方が主流だ。だが、財団に対し敵対的であるという点で、十分に要注意団体として登録するに値するのではないかと考えられる」
 そう言って、骨折博士は言葉を締めくくった。
「これで、全員の意見を一通り確認したわけだな」
 席に着く同僚を見回しながら、島川博士は言った。
 入江博士と神奈川博士は反対、中田博士は保留、そして骨折博士と島川博士が賛成。
 ある程度反対意見が出ることは予想していたが、賛成を得られたのが実質一人というのは、島川博士にとっては想定の範囲外だった。
「あー、ちょと待って下ださい」
 と、その時、席についていたブレインヲシャー情報工作員が手を挙げた。
「なんだ?」
「はい、確かに今全員の意見が一通り出ましたが、他の方の意見を聞いたことで多少立場が変わるという方がいるかもしれないですよね?」
 島川博士の問いに、ブレインヲシャー情報工作員は答えた。
「そこで今、少しのシンキングタイムを設けて、再度意見を聞くというのはどうでしょうか?」
「なるほど」
 確かに、前半で発言した入江博士と神奈川博士は、骨折博士の話を聞いていくらか意見が変わっているかもしれない。中立を示した中田博士も、考えが定まっている可能性もある。
「私も、ブレインヲシャー情報工作員の言うとおりだと思います」
 入江博士が、島川博士の考えを読んだように、ブレインヲシャー情報工作員の言葉に賛同した。
「そういえば、ブレインヲシャー情報工作員の意見をまだ聞いていませんでしたね」
「ではブレインヲシャー情報工作員の意見を聞きながら、我々も考えをまとめてみるというのはどうだろうか」
「そうだな、それがいい」
 席に着く面々が、口々に賛同した。
「皆さんの賛同も得られましたので、自分なりの『博士』に対する意見を述べたいと思います」
 ブレインヲシャー情報工作員は一同を見回し、続けた。
「自分の立場を端的に言い表しますと、『博士』は取るに足らない組織なので要注意団体としての認定は必要ない、というところです」
「ほう?」
 骨折博士が、疑問符を添えながら声を漏らした。これまでの会議の流れに、ブレインヲシャーの意見は真っ向から反するものだったからだ。
「理由は簡単です。『博士』と『ワンダーテイメント博士』は、同じトラの爪と頭です。『ワンダーテイメント博士』が財団に直接敵対行動をとるために創設したのが『博士』なのです」
「しかし、日本で発見されたオブジェクトの付属文書に、別組織であると記載されていたのでは?」
「企業イメージを守るためでしょう」
 島川博士の発した当然の疑問に、ブレインヲシャー情報工作員は答えた。
「とにかく、『博士』も『ワンダーテイメント博士』も同じ一頭のトラではありますが、振り下ろされる爪ばかりに目を向けていてはいけません。むしろ、『ワンダーテイメント博士』というトラの頭を砕くべきなのです」
「それで、『博士』の要注意団体認定は不要という意見なのか」
「はい」
 ブレインヲシャー情報工作員は頷いた。
「それに、『博士』の全貌や組織構造、構成員の正体だなんてどうでもいいことでしょう」
「確かに、『博士』の全貌や組織構造、構成員の正体なんてどうでもいいな。子供だましの玩具もどきを作っているだけの団体だからな」
 入江博士は、ブレインヲシャー情報工作員の最後の一言に同意する。
「ええ、『博士』の全貌や組織構造、構成員の正体だなんてどうでもいいことですね。『博士』と『ワンダーテイメント博士』が別団体であっても、実質的には同一団体ですからね」
 神奈川博士は、ブレインヲシャー情報工作員の意見と自身の意見に、共通点を見出した。
「はい、『博士』の全貌や身体構造、構成員の正体だなんてどうでもいいですね。『博士』も『ワンダーテイメント博士』と同様の対策を取ればよいのですから」
 中田博士がブレインヲシャー情報工作員の発現により、自身の意見を固めた。
「うむ、『博士』の全貌や組織構造、構成員の正体などどうでもいいことだ。だが、いくら『ワンダーテイメント博士』と同一団体と言っても、連中は我々に敵対的だ」
 骨折博士はブレインヲシャー情報工作員の発言に同意しつつも、自身の立場を崩さなかった。
「それでは、意見も出そろったところなので、再度評決を取ろう」
 島川博士は、概ねどういう結果になるかを悟りつつも、あらかじめの取り決め通り会議室の面々を見回した。
「まず、『博士』が要注意団体として認定されるべきという方は、挙手してほしい」
 着席する面々のうち、骨折博士だけが手を挙げた。
「では、必要ないという方は?」
 骨折博士が手を下ろす一方で、入江、神奈川、中田博士の三名が手を揚げる。
 島川博士を含めて、賛成が二に反対が三。
「『博士』の要注意団体認定は不要、ということだな」
 当初の想定とは異なる結果だが、会議を進めるうちにこういう結論に至ると、島川博士には予測がついた。
「それでは、皆さんの意見により、『博士』の要注意団体認定のための申請は見送るとしよう。ただ、今後状況に変化があれば、再度会議を開いて意見を募ろうと思う」
 島川博士は、並ぶ面々を見回してから続けた。
「では、『博士』の要注意団体認定に向けた会議を閉会する。今回は時間を割いていただき、ありがとう」
 解散宣言の後、騎乗の書類をまとめ、口々に雑談を交わしながら席を立つと、五人は廊下へと出て行った。
「それにしても、今回の会議はなかなか面白いものでしたね」
「ああ。普段、自分の担当でないオブジェクトの報告書を目にすることなどあまりないからな」
「それに、要注意団体として認められてない団体の記事なんて、教えてもらわないと分からないですしねえ」
「うむ。私も『博士』関連のオブジェクトを多く扱ってきたつもりだったが、『ワンダーテイメント博士』からの声明は知らなかったな」
 一人ずつ、言葉を交わしながら会議室の扉から、廊下へと出て行く。そして自身以外の四人が退出した後で、島川博士は最後に扉をくぐった。
 会議室から人影が消えた。

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インタビュー記録XXX-JP-48556

対象:SCP-XXX-JP-1

インタビュワー:████博士

付記:SCP-XXX-JP-1の生前の記憶のうち、まごころ夢工房の倒産に関する繰り返しインタビュー第4回目

付記2:本インタビューはまごころ夢工房跡地をSCP-XXX-JPと指定していた時期に行われた物である。

<録音開始>

████博士:こんにちは、SCP-XXX-JP-1。本日もインタビューに協力いただき、ありがとうございます。

SCP-XXX-JP-1:ああ…自分は、これくらいしかできないからな…

████博士:それでは、今回もいくつか昔の事を聞かせていただけますか?

SCP-XXX-JP-1:今度は…いつのころのことだ?

████博士:まずはあなたの勤務先だったSCP-XXX-JPについてです。

SCP-XXX-JP-1:わかった。自分が勤めていたまごころ夢工房は、おもちゃ工場だった。

████博士:どのような玩具を生産していたのですか?

SCP-XXX-JP-1:色々だ。社長や工場長が図面を引いて、自分たち工員が分担して部品を作り、組み立てる。あのころは電池を使うおもちゃもかなり出てきたが、まごころ夢工房のおもちゃは全部ゼンマイ仕掛けか、バネ仕掛けだった。

████博士:あなたが覚えている製品で、印象に残っている物はありますか?

SCP-XXX-JP-1:「一人キャッチボールセット」だ。

████博士:それは、どのような玩具ですか?

SCP-XXX-JP-1:グラヴを嵌めてボールを投げると、ボールが必ずグラヴに戻ってくるんだ。

████博士:なるほど。では、その玩具の原理は覚えていますか?

SCP-XXX-JP-1:いいや。原理は全くわからない。

████博士:なぜ?

SCP-XXX-JP-1:自分は細かい部品を作ったりするばかりで、組み立てや基本的な設計には全く関わってなかった。キャッチボールセットの時も、親指の爪ほどの大きさの歯車を作るばかりだった。

████博士:それでは、玩具の開発や生産において、最も深く関わっていた人物は誰でしたか?

SCP-XXX-JP-1:社長と工場長に、副工場長だ。社長か工場長が引いた図面から、自分たちが部品を作ってあらかた組み立て、副工場長がデカい機械を使って仕上げるんだ。

████博士:デカい機械、というのは何のことですか?

SCP-XXX-JP-1:自分もよくわからない。4トントラックぐらいの大きさで、レバーやハンドルがいくつも付いていた。

████博士:その機械がどのように動作していたか、説明してください。

SCP-XXX-JP-1:自分は作業の合間にちょっと見ていただけだが、機械の横の穴に八割組上がったおもちゃと残りの部品を入れ、ハンドルを何度か回すんだ。そしてレバーを上げて、下ろして、ボタンを押す。すると機械の側面の穴に付けられたベルトコンベアから完成したおもちゃが出てきた。

████博士:その機械を操作、あるいは修理や整備など詳しく見たことはありますか?

SCP-XXX-JP-1:いや、ない。機械の整備は工場長と副工場長が交代でやってて、自分たち工員は触らせてもらえなかった。

████博士:なるほど…それでは、話題を変えましょう。今度はあなたの勤務先の同僚や上司についてです。

SCP-XXX-JP-1:ああ、社長や工場長にはよくしてもらっていた。工員たちも、仕事は気軽に教えてくれたし、給料が出たら皆で飲みに行くほど仲が良かった。だが…

████博士:何がありましたか?

SCP-XXX-JP-1:ああ、あの日…まごころ夢工房がよその連中の手に渡った日に、皆バラバラになってしまったんだ。

████博士:では、まごころ夢工房が倒産した時のことについて、詳しくお願いします。

SCP-XXX-JP-1:ああ…あの日、自分たちは突然作業を中断させられ、工場の真ん中に集められた。そして俺達の前に社長と工場長と、緑のスーツの見知らぬ男が並んで立ったんだ。

████博士:三人目は、どのような人物でしたか?

SCP-XXX-JP-1:よくわからない。目元を怪傑ゾロみたいな目隠しで覆っているのに気がとられて、スーツを着ていても分かるぐらい体格ががっしりしていたこと以外何も覚えていない。

████博士:分かりました。では、続けてください。

SCP-XXX-JP-1:ああ…とにかく、社長は自分達に向かって頭を下げ、「今日からまごころ夢工房はワンダーメント社のものになった」というようなことを言っていた。最初は冗談か何かかと思ったが、社長が頭を下げたままで、工場長が目元に涙を滲ませていたのを見て、ようやく自分は全部本当の事だと気が付いた。

████博士:それから、何が起こりましたか?

SCP-XXX-JP-1:社長は何度も謝りながら、「この工場はワンダーメント社のもの」「自分はここを出ていく」「だが工員たちはそのまま使ってもらえるようお願いしたので安心してほしい」と言っていた。普通なら自分のような末端の工員は追い出して、ベテランだけをもらっていくというのに、社長は本当に俺達のために交渉したようだった。

████博士:それで、あなたはワンダーメント社の傘下に入った工場で勤務を続けたのですか?

SCP-XXX-JP-1:いや、違う。自分たちは誰一人としてワンダーメント社の奴に従おうとしなかった。誰が最初だったかは忘れたが、「社長が出ていくなら自分たちも出ていく」と言いだして、それが工員全員に及んだんだ。

████博士:なるほど、それほどまでにまごころ夢工房の社長に対して忠誠心を抱いていたのですね。

SCP-XXX-JP-1:ああ。社長は自分たちの言葉に、一瞬嬉しそうな顔をした。だが、すぐに首を振って工場に留まるよう言ったんだ。だが自分たちは社長の下で働くことが楽しかったから、社長について出ていくと言って譲らなかった

████博士:あなた方の反応に、その緑のスーツの人物はどう反応してましたか?

SCP-XXX-JP-1:こう、肩をすくめて「やれやれ」と言った感じで頭を振っていた。そして片言の英語交じりの日本語で、「このまま留まるか、社長と一緒に出て行くかもう一度選べ」と言われた。

████博士:でも、あなたを含めて従業員は皆、解雇を受け入れると決心されてたんですよね。

SCP-XXX-JP-1:ああ、社長を首切られ地蔵にしてまで工場に留まる気はなかったからな。それにあの男はかなり立派な体格をしていたが、自分たちも20人はいたから、逆にこっちが追い返してやろうという雰囲気になっていた。だが、スーツの男は半笑いでもう一度頭を振ると、自分たちの首をどんどん、容赦なく切って回ったんだ。

████博士:解雇対象となったのは従業員全員ですか?

SCP-XXX-JP-1:ああ。誰一人として留まるという意志表示をしなかったからな。それにきっと最初から、自分たちを引き続き雇うつもりなんかなかったんだ。とにかく、あの男はバッサバッサと首を切って回った。首を切られてその場に崩れ落ちて動けなくなる奴もいれば、立ったままの奴もいた。俺は衝撃の余り無様にひっくりかえってしまったが、社長と工場長は自分達が首を切られる様子を辛そうに見届け、最後に立ったまま首を切られていた。社長も工場長も泣きそうな…いや、本当に泣いていたが、自分には立派な姿に見えた。

████博士:従業員の解雇後、工場はどうなりましたか?

SCP-XXX-JP-1:緑のスーツの男はその後、どこかに電話を掛けたんだ。そしたらトラックと緑の作業服を着た連中がぞろぞろやってきて、工場の機械をどんどん運び出していった。手で持てるような工具はもちろん、おもちゃの仕上げに使ってたデカい機械も十人がかりでトラックに積み込んで行った。

████博士:SCP-XXX-JPを確認しましたが、建屋の他には何も残っていませんでした。

SCP-XXX-JP-1:それはそうだ。あの連中は机も電灯も洗いざらい持って行ったからな。怖ろしく手際よく、1時間ぐらいで全部持って行ってしまった。そして連中にとってみればゴミみたいな…写真とかちびた鉛筆とかは工場の敷地に埋められた。

████博士:その後、解雇された従業員の皆さんはどうされたのですか。

SCP-XXX-JP-1:まごころ夢工房が無くなってしまったという事実と、首を切られたことで誰も身動きが取れなかった。そのうち家族が迎えに来て連れていかれたりして、いつの間にかみんないなくなった。自分は家族も親戚もいないし、友人もいなかったから誰も迎えに来なかった。それでひっくり返ったままぼんやりしてたら…いつの間にかこうなっていたんだ。

████博士:どこかへ行こうとか、元従業員の誰かを頼ろうとかはしなかったのですか?

SCP-XXX-JP-1:自分にはまごころ夢工房の他に何もなかったし、やりたいこともなかったからな。社長や工場長を頼ろうにも、いつの間にか姿が見えなくなっていて、追いかけようもなかった。

████博士:なるほど。それでは、最後に質問です。あなたはなぜSCP-XXX-JPに留まり続けたのですか?

SCP-XXX-JP-1:社長に工場長、そして工員たちが首を切られた時の無念が、自分の首や体と一緒にここに埋まってるんだ。多分、まごころ夢工房に自分というものが染み付いてるんだろうな。

<録音終了>

終了報告書:首を切るって解雇の婉曲表現かと思ってたのにマジかよ、ワンダーテインメント博士最悪だな。

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