作:darumaboy

SCPで二次創作するときの注意点まとめ

最近いろいろなところで二次創作についてのいろいろな話が盛り上がってます。
SCPも公式ライセンスが、見慣れていないせいでいまひとつよくわからない方も少なくないと思います。
そこで簡単にですが、最低限の注意点を簡単にまとめましたので、ご覧ください。

  1. 二次創作したときは元にした作者の名前と出典元をどこかに書くこと
  2. SCPの二次創作物は無断転載や商用利用される可能性があること
  3. 1と2はSCPの公式ライセンスであるが、だからといってこれらを守ってない相手に「SCP警察」めいたことはしないこと
  4. 国内外問わず元のSCPやtaleの作者が二次創作をサーチしてくる界隈であること
  5. SCP-173に関するものはどんな形でも売ってはいけない

以上!

実際のところやるべきことは1だけで、2~5はマナーや界隈についての話でしかありませんし、SCP-173についてもページを見ればわかることです。
いろいろ難しく言われてますが、少し注意しなきゃいけないことが他のジャンルよりあるぐらいの認識でだいたい間違ってないでしょう。
こういうのに覚えがある方もおられるのではないでしょうか。

結局のところ、他のジャンルより少しだけ手間があるのと、「SCPは良識やマナーを持って、ライセンスを守ればあとは好きにしていいし歓迎もされるジャンルである」という界隈への理解があればそれで十分です。


では、ここからは各項目について少し詳しく話させていただきます。

1.二次創作したときは元にした作者の名前と出典元をどこかに書くこと

SCPはクリエイティブコモンズ3.0 表示-継承というライセンスを採用しています。
作者名と出典元の明記、これが表示の部分にあたるものです。

では継承は何なのかと言うと、二次創作の二次創作、つまり三次創作や四次創作などにも、それぞれの作者と出典元を書かなきゃいけないということです。

例としてあげるなら、

  1. 元になる作者A 作品あいうえお >何も書かなくてよい
  2. 1.を元にした作者B 二次作品かきくけこ > 作者Aの名前と作品あいうえおの出典元を書く
  3. 2.を元にした作者C 三次作品さしすせそ > 作者Aの名前と作品あいうえお作者Bの名前と作品かきくけこの出典元を書く

こういう形になります。ファンアートなどの場合は2.のようにすればいいでしょう。
そう難しい話ではないですよね。

なお、作者名は本家SCP Foundationの場合はこちらを参考にしてください。
もしくは、直接英語版のページに行き確認する方法もあります。
確認方法はページ下部のHistoryをクリックし、rev.0のところに名前がある方、もしくはコメントでrewrite(改稿)したと書かれている方がいればその方を作者としてください。
アカウントが削除されているなどの理由でわからなかった場合は著者不明で構いません。

ただし、特に最初期のものに多いのですが一部のものは上記のリンクと作者名が一致していない場合があります。
これは何故かと言うと、現在のサイトになるまでに何度かサイトを移転したのですが、その際に作者とは別の方が転載作業を行ったことや、元の作者とは別の人物が大幅な改稿を行ったことや、アカウント名の変更などの理由があるからです。
それらの場合はこちらから確認出来ます。
上記と合わせてご確認ください。

SCP財団日本支部(SCP-JPやTale-JP)の場合も同様に履歴のところから確認することが出来ます。


2.SCPの二次創作物は無断転載や商用利用される可能性があること

クリエイティブコモンズにはいくつかのパターンがあるのですが、SCPは商用利用が可能であるというライセンスを選択しています。
また、クリエイティブコモンズ自体が、「条件さえ守ってくれれば好きにしていいよ」というものである為、こういった可能性はゼロではありませんし、SCPの同人誌を作ったとしても知らないところでアップロードされるかもしれません。

ただ、実際それを行うかどうかはSCPファンの良識の問題であるとは思いませんか?


3.1と2はSCPの公式ライセンスであるが、だからといってこれらを守ってない相手に「SCP警察」めいたことはしないこと

これもファンとしての良識とマナーの範囲の話です。
もし、SCPを使って何かしようとしているのにこれらを守っていない方がいて注意しようとしても、「こういうライセンスなのですが、ご存知ですか?」ぐらいにして、良識とマナーを持って注意しましょう。


4.国内外問わず元のSCPやtaleの作者が二次創作をサーチしてくるような界隈であること

作者がサーチしてくるということに何か恐ろしいものを感じる方も多いでしょうが、これは単に「マジか!俺のキャラがこんなにも[好意的な言葉]で描かれてるじゃねえか!お気に入りしておこう!」ぐらいのノリだと思ってください。
SCPという世界観があるとはいえ、自作のオリキャラのイラストなどを描かれて喜ばない人はいないでしょう。

「えっ、ちょっと待って!私、SCPで[公言しづらい内容]なの描いちゃったよ!どうしよ怒られる!」と心配になられるかもしれませんが、少なくとも日本国内ではそういったことは今まで見たこと無いので安心してください。
おそらく大半のSCPの作者が自分のアバターである人事ファイルのキャラ含め、自分とは完全に切り離しているでしょうから。
余談ですが、本家にはギアーズとアイスバーグが大人の関係になる話とかあったりしますし。

むしろ、積極的にSCPのイラストを集めている方もいます。
代表的なのが本家SCP Foundation 管理者の一人であり、クレフ博士の中の人であるDr.Clefです。
彼のtumblrを見るとクレフ博士のイラストを頻繁に載せていますし、またpixivも閲覧されているようで時折コメントを残したりしています。

また、本家SCP Foundationには今月のサイトニュースが2015年から設置され、その中で日本人のSCPファンアートの紹介を行っていたりします。

まあそういう界隈なんですよSCPって。


5.SCP-173に関するものはどんな形でも売ってはいけない
これだけは絶対に守ってください
正確には、どんな媒体であっても加藤泉氏の「無題2004」をSCP-173として商用利用することが禁止されています。
詳しくはSCP-173を見てください。

そもそもSCP自体が匿名掲示板発祥であるので、権利関係はものすごくいい加減なところから始まっています。
SCP-173の使用許可を取ったのも、2014年ぐらいのことでSCPの歴史からするとかなり最近の出来事です。
なので、権利関係については最優先で考えるべきはSCP-173などの特殊な条件で使用許可をいただいたもの、その次にクリエイティブコモンズが来ます。

ただ、商業で何らかの展開があった場合は少し違ってきます。
やはりSCP-173のことでSCP側は非常に敏感になっています。
もしも、SCPに関連することで商業展開を考えておられる方がおられましたら、一度本家SCP Foundationのライセンスガイドをご覧ください。
(翻訳版はこちらから)

捕捉:インセインSCPってどうなの?大丈夫なの?と思われる方もおられるでしょうが、結論から言えば大丈夫です。
詳しくはこちらをご覧ください。
リンク先はSCP Foundationの運営スタッフ専用サイトです。
日本語訳はこちらから。


どうでしょうか?注意点は多いものの、二次創作に理解があれば、あとは良識とマナーの話であってさほど難しいものではないとわかったのではないでしょうか。
繰り返しにはなりますが、良識やマナーを持って、ライセンスを守ればあとは好きにしていいし歓迎もされるジャンルであるというのを理解していただけるとありがたいです。