アイデア置き場
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは無風状態が維持された専用の収容室内で、回転羽を固定した状態で収容してください。
説明: SCP-XXX-JPは████████社製の██-███型小型風力発電機に酷似した風力発電機群であり、現在██基が収容されています。SCP-XXX-JPは通常のものと判別することは極めて困難であり、発見は特異性を発揮した後であることがほとんどです。████████社の在庫調査ではSCP-XXX-JPを発見することが出来ず、SCP-XXX-JPが流通ルートのどの段階で紛れ込むのかは不明です。
SCP-XXX-JPの特異性は個人商店の店舗に設置された際に発揮されます(以降設置した店舗をSCP-XXX-JP-Aと呼称)。SCP-XXX-JPを設置すると、設置前と比べてSCP-XXX-JP-Aの純利益が増加する方向に環境や時勢が変化するように、SCP-XXX-JPは周囲に物理的働きかけを及ぼします。その働きかけは概ね小規模で、熱などの放射的に伝播するものに限定されているとみられています。SCP-XXX-JPが最初の働きかけを行ってからSCP-XXX-JP-Aの純利益が増加するまでの期間は場合によって大きく差があり、確認されている中では最短は約1ヶ月、最長は約1年半です。またSCP-XXX-JP-Aの純利益の増加率はSCP-XXX-JPの回転速度とある程度の比例関係をとることが分かっていますが、在庫や収容人員等の要因によって制限される場合もあるようです。
以下はこれまでに発生したSCP-XXX-JP-Aの一例です。SCP-XXX-JP-A | 発覚日時 | 対象店舗 | 設置前の状況 | 設置後の状況 |
---|---|---|---|---|
SCP-XXX-JP-A-1 | 200█/05/15 | ██県██市 ██商店 | 人通りの少ない商店街に位置する個人商店。地元客が1日に十数人訪れる程度であった。 | 行列が出来るほどの有名商店となり、インターネットや雑誌類での評価も上昇した。 |
SCP-XXX-JP-A-2 | 200█/09/21 | ██県██市 ██法律事務所 | 従業員3名の個人事業体。 | 約6年で従業員数30名の弁護士法人へと成長したが、法人化後の成長は横這いであった。 |
SCP-XXX-JP-A-5 | 201█/03/02 | ██県███市 ███骨董店 | 通りに面した個人経営の骨董品店。来客は稀であった。 | 客足が増え、一時在庫が枯渇した。 |
SCP-XXX-JP-A-6 | 201█/03/02 | ██県███市 ███工務店 | 通りに面した工務店。いわゆる自転車操業状態であった。 | 業務受注数が増加し、経営状態が回復した。また、同時期に周辺の既存住宅の倒壊、焼損事件が増加していた。 |
SCP-XXX-JP-A-7 | 201█/08/29 | ███県███市 ███寿司 | 路地に位置する個人経営の寿司店。夜間帯に地元客で僅かな賑わいを見せる程度であった。 | 客足が絶えない状況が続き、ピーク時には数十mの行列が発生した。また、201█/08/27に同地区を台風16号が襲った際にもまばらながら来店客があり、█名の客が帰宅時に負傷した。 |
実験記録XXX-JP-001 - 201█/08/██
対象: ███県████市 ███合名会社本社ビル
実施方法: SCP-XXX-JPを設置する。特異性が発揮される業種の特定を目的とする。
結果: 異常な収益の増加は見られなかった。
分析: 合名会社は対象外なのか、もしくは既に法人になっていた場合は駄目なのでしょう。 -空木博士
実験記録XXX-JP-002 - 201█/11/██
対象: ███県██市 ███運送
付記: ███運送は個人事業主が存在する中規模の企業体でした。
実施方法: SCP-XXX-JPを設置する。特異性が発揮される業種の特定を目的とする。
結果: 2年で純利益が3倍になり、それに伴い従業員数も2倍に増加した。20██/██/██に株式を発行し株式会社となった。直後収益の伸びが停滞し、更に2年後には赤字経営となった。
分析: 個人事業体であることが条件なのでしょう。 -空木博士
補遺: SCP-XXX-JP設置時、風力発電機本来の性質より明らかに逸脱した性質が発生したため、SCP-XXX-JPが与えた影響を追跡するための調査が行われました。
判明したSCP-XXX-JPによる収益上昇のプロセス
- SCP-XXX-JPが6時間かけて周囲の大気より熱量を吸収。吸収した熱量は推定[削除済み]kJ。周辺気温が6時間で██℃降下。
- SCP-XXX-JPを中心に半径約[削除済み]kmの寒冷性高気圧が発生。天候が晴天へと変化。
- 日没。晴天微風であるために強力な放射冷却現象が発生。
- ██市に存在する██通運株式会社1の事業所で火災が発生し、全焼。放射冷却により発生した室内の結露が埃の溜まったコンセントに触れ、トラッキング現象を引き起こしたことが原因であることが調査により判明している。
- 事業所全焼により、██通運が業務継続困難に陥る。
- ██通運の契約先が███運送へと契約先を変更。
- ███運送の業務受注数が増加。
- ███運送の収益が増加。
また、株式発行後の経営衰退は、██通運の業務再開が影響しているとみられる。
実験記録XXX-JP-003 - 201█/07/██
対象: ███県██市 ███薬局
付記: ███薬局は個人薬局であり、実験開始当時は同地区の他チェーン薬局とほぼ同程度の利益を上げていた。
実施方法: SCP-XXX-JPを設置し、収益増加のプロセスを調査する。
結果: 1ヶ月で純利益が約2倍に増加。
SCP-XXX-JPによる収益上昇のプロセス
- SCP-XXX-JPが恒常的に[削除済み]kWhの熱を放出。
- 周囲の気温が上昇し、上昇気流が発生。
- 上空に巨大な積乱雲が形成。
- 集中的な豪雨が発生。
- 高温多湿状態となり、ライノウイルス等の病原が繁殖。
- 周辺地区で感染症の患者が増加。
- ███薬局近隣医院の患者数が増加。
- 医薬品販売数が増加、予防の風潮が高まり予防グッズの販売数も増加。
- ███薬局の収益が増加。
分析: 2倍に収まったのはこの地域が風の少ない地域だからでしょう。 -空木博士
実験記録XXX-JP-004 - 201█/01/██
対象: ██県███市 ███サイクルショップ
付記: ███サイクルショップは通りに面した個人経営の自転車販売店であり、来客はまばらであった。
実施方法: SCP-XXX-JPを設置し、収益増加のプロセスを調査する。
結果: 1年で純利益が約3倍に増加。
SCP-XXX-JPによる収益上昇のプロセス
- SCP-XXX-JPが恒常的に[削除済み]kWhの熱を放出。
- 周囲の気温が上昇し、上昇気流が発生。
- 上空に巨大な積乱雲が形成。
- 連続的な落雷により大規模な火災が発生し、木造家屋が███棟焼損。内██棟は全焼。夜間であり、高齢者の家主が殆どであったため、[削除済み]名が死傷した。
- 約[削除済み]m2の売り地が発生。
- 大手ショッピングセンターチェーンが売り地の周囲も含めた土地を買収。
- ショッピングセンターが建設されたことにより、地域の交通量が急激に増加。
- 路幅の狭さも影響し、大規模な交通渋滞が頻繁に発生。
- 自転車の需要が高まる。近年のエコ意識や健康ブームも影響しているとみられる。
- ███サイクルショップの収益が増加。
分析: 収益を上げるプロセスにおいて周辺に大きな被害をもたらす可能性がある為、これ以上の実験は控えた方がいいでしょう。 -空木博士
実験記録XXX-JP-005 - 201█/02/██
対象: ███県██市 ███葬祭
付記: ███葬祭は個人事業主が存在する中規模の葬儀社でした。
実施方法: SCP-XXX-JPを設置し、収益増加のプロセスを調査する。
結果: 空木博士により実験は中止された。
誰ですかこんな実験を提案したのは。もうこのオブジェクトの性質は十分に判明しています。民間の犠牲者が多数発生するのは安易に想像できると思いますが? -空木博士
インタビュー記録: XXX-JP - 201█/██/██
対象: 梶谷 ██氏
インタビュアー: エージェント・椿
付記: 梶谷氏はSCP-XXX-JP-1に来店していた客であり、新聞の取材と称してインタビューを行いました。なおこの時のSCP-XXX-JP-1は小規模な鮮魚店であり、店頭は数十人の客で賑わっていました。<録音開始>
エージェント・椿: すいません、少しお話を伺ってもよろしいでしょうか?
梶谷氏: えっ、何?エージェント・椿: 私、███新聞社の者でして、今大繁盛を見せているこの███鮮魚店に来店された方に取材をさせていただいてるんですよ。
梶谷氏: 取材? ええ、いいですよ。エージェント・椿: まずお名前をお伺いしてもよろしいでしょうか。
梶谷氏: 梶谷██です。
エージェント・椿: では梶谷さんがこの店に来られた理由は何でしょう?
梶谷氏: 理由って、そりゃ、これを買うためですよ。[梶谷氏は手に提げた袋を示した。中身は鰤の切り身であった]
エージェント・椿: つかぬ事を伺いますが、今日はどちらから?
梶谷氏: ██市からですね。
エージェント・椿: ██市とはまた遠いところから……。なぜそんな遠くから来られたのですか?
梶谷氏: ここの所どの店の魚もいまいち美味しくないじゃないですか。そんな時に口コミで評判になってるから来てみたんです。結果この店に来て良かったと思ってますよ。
[梶谷氏が袋から鰤の切り身のトレーを取り出す]
梶谷氏: 見てくださいよこの鰤! とても色が良くて美味しそうだと思いません? こんな綺麗なもの私の地元じゃもう売ってないですよ。
エージェント・椿: そうですね。他に何かこの店に対して思われたことはありますか?
梶谷氏: 店主の人柄も中々良いと思いますよ。ただ少しお疲れのようみたいで少し心配ですね。
エージェント・椿: 成程分かりました。取材に答えていただきありがとうございます。
梶谷氏: いえいえこちらこそ。
<録音終了>一般の店との比較のために私も鰤を購入してみましたが、確かにいつも行く店の魚よりも美味しかったです。また買いに行きたいですね。あ、いや、比較実験としてですよ? -エージェント・椿
気になることがあります。私も同行するので追加調査を申請します。 -空木博士
許可します。 -サイト-81██管理者
補遺: 201█/██/██、急激な繁盛を見せた██商店2への潜入調査が行われたところ、店舗屋上からSCP-XXX-JPが発見されました。すぐさまSCP-XXX-JPは収容され、関係者全員にBクラス記憶処理が行われました。
店舗内より回収された文書
納品書
██商店 御中
東弊重工社
納品書番号 : 0578-0131
発行日 : 201█/██/██風力型収益向上機(型番 ██-███) ×1 186,857円
小計 : 186,857円
備考
消費税 : 9,343円
合計 : 196,200円
ご使用は計画的にお願い致します。過度の使用は財団の注意を引きつけることになりかねませんのでご注意下さい。貴店の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。
補遺: 店舗内に存在していた他の文書には東弊重工社及びSCP-XXX-JPに関連したものは一切確認されませんでした。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはサイト-8137に設けられている5×5×5m、厚さ10cmの鋼鉄製コンテナの中に、監視カメラによって24時間体制で監視された状態で収容してください。また24時間に一度は保安職員同伴の元、Dクラス職員1名にSCP-XXX-JPを最初のSCP-XXX-JP-1が出現するまで開かせ、その後巻き直してください。
説明: SCP-XXX-JPは約30.3x681.0cmの作者不明の巻物です。放射性炭素年代測定ではおよそ西暦1███年頃の物品であることが判明しています。
意識を持った人間がSCP-XXX-JPを開いた場合、開いた長さに応じてその表面に戯画化された物体(以降SCP-XXX-JP-1と呼称)が複数出現します。SCP-XXX-JP-1の傍には毛筆で書かれたように見える文章が添えられており、この内容からSCP-XXX-JP-1はSCP-XXX-JPを開いた人物3が潜在的に抱いている恐怖の対象を戯画化したものであると推測されています。SCP-XXX-JP-1は大抵の場合モチーフとなった物体に手足を生やしたようなデザインです。なお、元々概念的なものであるものが戯画化されたSCP-XXX-JP-1は出現しないようです。
SCP-XXX-JPを端まで開く、または最初のSCP-XXX-JP-1が登場してから約3時間半が経過すると、それまでに出現したSCP-XXX-JP-1に関わらず、必ず朝日を描いたと思われる場面が出現します。以降これを"夜明けイベント"と呼称します。"夜明けイベント"が開始すると、SCP-XXX-JP-1が実体を持った生物(以降この生物をSCP-XXX-JP-2と呼称)としてSCP-XXX-JPの周囲に出現します。この時SCP-XXX-JP-1は全て消滅し、SCP-XXX-JPは自動的に巻き直されます。この巻き直しを阻止する試みは全て失敗に終わっています。SCP-XXX-JP-2はモチーフとされた生物や物体と酷似した性質を示し、かつ手足により自律的に活動することが可能です。また、SCP-XXX-JP-2はモチーフとされた生物や物体がいかなるものであろうと、全長は0.5-2mの範囲に収まります。なお、日光に曝されるか一定以上の物理的損傷を与えられた場合、跡形も無く消滅します。
SCP-XXX-JPを開くことを途中で中止することは可能ですが、開いている人物は"最後まで開きたい"という強い衝動に駆られ、自力で中断することはほぼ不可能です。
SCP-XXX-JPは、██県██山周辺においての度重なる未確認生物の目撃情報と行方不明者の発生が財団エージェントの注目を引き、19██/██/██に同山中の廃墟内で発見され、収容されました。
事件記録XXX-JP: 19██/██/██、収容中のSCP-XXX-JPが突如開き始め、表面に[削除済み]、[削除済み]を始めとする複数の現実には存在しないオブジェクトをモチーフにしたと思われるSCP-XXX-JP-1が出現し、保安職員の懸命の巻き戻しの試みにも関わらず"夜明けイベント"が開始されました。この事件でSCP-XXX-JP-2が██体発生し、全SCP-XXX-JP-2が制圧されるまでに保安職員██名、機動部隊██名、研究員█名が死亡しました。
補遺-1: 死亡した██研究員は伝説上の生物や架空のキャラクターの熱狂的な愛好者であることが後に判明しており、出現したSCP-XXX-JP-2は主に██研究員の潜在的な恐怖の対象をモチーフにしていたと考えられます。
補遺-2: 発生が直前の実験から約1日後であったことと、後の複数回の実験結果から、現在の特別収容プロトコルへと改訂されました。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはサイト-8181内の低危険物収容ロッカーに保管されます。また、実験を除いて持ち出しは許可されていません。
説明: SCP-XXX-JPは"見て分かる!物理"と表紙に印字された書籍です。内容は200█年に出版された███社の問題集と一致しますが、同出版社より前述の題名の書籍が出版されたという記録は存在しません。
人間がSCP-XXX-JPに記載されている問題文を音読した際、1題分の文章を読み終えた時点でSCP-XXX-JPの近傍(問題の内容によっては近傍に出現しない例も存在する)に不明な材質で構成された物体が出現します(この物体をSCP-XXX-JP-Aと呼称)。SCP-XXX-JP-Aは読まれた問題の設定内容に沿った状態で出現し、問題の設定に忠実に動作します。そして問題で設定されている動作が全て終了した後、あるいはSCP-XXX-JPを閉じた際、跡形も無く瞬時に消失します4。
以下は行われた実験の問題文と出現したSCP-XXX-JP-Aの一例です。
問題文: 地面から小石を19.6m/sの速さで真上に投げ上げた。2秒後の速さvと地面からの距離yを求めよ。重力加速度の大きさは9.8m/s2とする。
(███大)
SCP-XXX-JP-A: 半径5cm程度の小石が地面上に出現し、直後に垂直に減速しながら運動した。2秒後に19.6mに達し消滅。
分析: 二度目もやってみましたが、同様の動作を見せました。しかし小石の大きさは若干異なっていました。問題文で設定されていない部分の描写はまちまちなようです。それに、空気抵抗を完全に無視した挙動をとっているように見えます。空気抵抗を加味しないという暗黙の了解も反映されているのでしょう。 -木林博士
問題文: 高さh[m]のビルの屋上から、水平方向に速さv0[m/s]で小石を投げた。ただし、重力加速度の大きさをg[m/s2]とする。
(1) 小石が地面に達するまでに何秒かかるか。
(2) 小石はビルから何m離れた点に落ちるか。
(3) 地面に達する直前の小石の速さはいくらか。(███大+██大)
付記: 屋外実験場にて、二度試行した。それぞれα、βと呼称。
SCP-XXX-JP-A-α: 高さ30mのビルが出現し、屋上から小石が水平に1m/sの速度で射出された。およそ3秒後にビルよりおよそ3mの地点に小石が落下し、小石とビルは消滅した。また実験場内の重力加速度が一時7.2m/s2に減少した。
SCP-XXX-JP-A-β: 高さ60mのビルが出現し、屋上から小石が水平に75m/sの速度で射出された。およそ3.5秒後にビルよりおよそ200mの地点に小石が落下し、小石とビルは消滅した。また実験場内の重力加速度が一時17.2m/s2に増加した。
分析: 全て文字で与えられている場合は試行によって異なる値で反映されるようです。以降は不測の事態を避けるために数字が明記された問題を選ぶようにしましょう。 -木林博士
問題文: 西向きに60km/hで走っている自動車Bを、東向きに40km/hで走っているバスAの中から見るとBの速度はどのように見えるか。
(███大)
SCP-XXX-JP-A: 西向きに60km/hで走る自動車と東向きに40km/hで走るバスが出現。被験者はバス内部に転移した。両車は無人であった。およそ3秒後に両車がすれ違い、消滅。被験者は地面に落下した。
分析: この地域のナンバープレートが付いていました。そういうところまで描写されるのですね。 -木林博士
問題文: 岩壁に向かって一定の速さで進む船が、振動数840Hzの汽笛を鳴らした。船上の人は鳴らし始めてから2秒後に反射音を聞き、その振動数は20Hzずれていた。音速を340m/sとする。
(1) 船の速さはいくらか。
(2) 音を発射した時の船の位置は、岩壁から何m離れていたか。
(3) 汽笛を鳴らした時間が10秒間のとき、船上では反射音は何秒間聞こえるか。(████大+████大)
SCP-XXX-JP-A: 実験場内に大量の水と全長241mの"飛鳥Ⅱ"に酷似した無人の客船、及び高さ約820m、幅1000m、厚さ10mの岩塊が出現。被験者は客船の船首部に転移。客船は速さ4m/sで岩壁に向かって航行し、岩壁から344mの地点より汽笛を鳴らし始めた。
この時点であらかじめ用意してあった爆薬を起爆し客船の破壊を図った。爆薬は問題なく起爆し、客船は沈没した。時間経過やSCP-XXX-JPを閉じることによっての消滅は起きず。検分記録: 船内及び水中より被験者は発見できず。船体及び岩壁の組成は標準のものと何ら異常なし。また水は純水であった。
分析: 動作中の破壊は可能のようです。しかし被験者が行方不明になるため今後は推奨できません。 -木林博士
補遺: 実験後、問題文が変化した。内容は以下の通り。
岩壁に向かって一定の速さで進む船が、振動数840Hzの汽笛を鳴らした。あなたはその船の上にいる。鳴らし始めてから2秒後に爆薬が爆発し船は沈没する。音速を340m/sとし、[削除済み]をh[削除済み]とする。
(1) 船の速さはいくらか。
(2) 音を発射した時の船の位置は、岩壁から何m離れていたか。
(3) あなたはどこへ行くか。
(4) あなたが戻ってくるまでの時間は何年か。有効数字2桁で答えよ。(████大+[削除済み])
補遺: 巻頭の文面
本書は物理が中々理解できないという方のために、実際に目で見て手で触れて実感が出来る良問を取り揃えています。物理の基本は理解です。理解しそれを想像できることが、回答への近道なのです。ですから物理が理解できないという方も、本書を用いて勉強に励むことで自然と実力は伸び、大学への合格につながることでしょう。
※ 本書では問題文に忠実に回答する素直さも伸ばすことが出来ます。
ああ、いつもの青空だ。それ以上でもそれ以下でもなく、ただそこにあるだけの空。
昼休みの到来を告げる鐘の音と共に、教室から友人たちが出ていく。そうして窓辺でまどろむには丁度良い環境が整った。僕はいつもと変わらぬ青を仰いだ。
女の子でも降って来ないかな。宇宙人がやってきて侵略を始めないかな。そしたらでっかいロボットが飛んできて、僕は女の子と一緒に戦うんだ。世界の平和を守るため──って、それじゃ逆に悪役の台詞か。
まあとにかく、何でもいい。変わり映えのない日常が崩れて、突然現れる非日常。そんなものを望みたくなる年頃なんだ、僕は。
「……うるさいなぁ」
なんだか校庭のほうが騒がしかったので、入眠を邪魔された苛立ちを視線に乗せ、僕は外を覗いた。
地面がひび割れて、そこから何か大きなものが、まるで生えてきたかのように蠢いている。太陽の光を中途半端に乱反射する、肉。
そして3階に居た僕は、それとぴったり目が合った。
"……メ"
それは、僕のよく知る声に似ていて……それでいて異なる声。
"……ジ……メ"
……え、何で……僕の……
"ハジ……メ……"
僕の名前を……知ってるんだ……?
眼前に降り立った非日常によって隅々に至るまで漂白された僕の頭は、その疑問を浮かべることしかできなかった。
そしてそれのてらてらとした生温い照りによってようやく我を取り戻した頃には、脈動を打つそれは僕の目の前にいて────
こんな……こんな非日常なんてたくさんだっ……!!
「ハジメッ!」
「あぶし!」
後頭部に鈍い衝撃を受け、私の意識は現実へと浮上した。
「仕事中に眠るとは良い度胸じゃないか」
「す、すみません!」
「ま、いいさ。ハジメが疲れるのも無理はない。ここのところ休む暇も無い程に仕事が入ってくるからな」
極厚のバインダー、もとい鈍器を小脇に抱えた乱暴な女性の名は姫榊ひさかき 眞弓まゆみ。ここAnomalousアイテム管理部門第一事務室の室長であり、私の上司だ。少々人使いが荒いところもあるが、何かと接しやすい、姉貴のような存在だ。私のことを"ハジメ"と呼ぶのも親近感が沸くように、との配慮らしい。最初は違和感しかなかったが──というか居心地が悪いどころの話ではなかったが──今ではごく当たり前のこととなっている。実際問題下手すると命に関わるような職場であるにも関わらず、私がこうして居眠りも出来るくらい安心して職務に就けているのは、室長の存在によるところが大きい。
あ、申し遅れました。私、檜葉ひば 一はじめと申します。以後、お見知りおきを。
「これ、新しく追加された分だ。データベースへの登録頼む」
「はい」
私の前に置かれた山のような書類。これら全て、Anomalousアイテムに関する報告書である。
我々財団は、世の怪異を集めて隔離し保護しながら日々それらを研究をしている。その中でもやはり、どこの世界にもどうしようもない奴というものがあるもので、あまり役立ちそうになく、また大して危険性の無いものが出てくる。それがAnomalousアイテム(そろそろ長いので以降は"アノマリー"と呼ぶ)だ。
で、私は日夜発見され収集されるアノマリー専門の管理部署の下っ端として、こうして今日も今日とて届けられる報告書をまとめ、データベースに追加しているのだ。まあ大体察したと思うが、Scipを研究する部署に比べれば私たちの部署はあまり地位が高いとも言えない。ここは財団の中でも下にある部署ということだ。哀しいかな、室長といえど財団の中での身分はそれだけ低いのである。
さて、最初は……
積まれた紙の束から一枚を取り上げる。
中に入れた液体を12℃に維持する保温用ポット……か。猫舌の私にはぴったりだ。取り寄せたら使えるんじゃないか、そんな思いを胸に抱きながら、淡々と報告書に目を通し、要点だけをくり抜いてゆく。
アノマリーの記録は、概要、回収日時・場所、そして現在の状態、それらを簡潔に述べたものだ。以前、サイトに収容されているScipの報告書を読んだことがあるが、あんな御大層なものではない。将来使う予定があるわけでもないし、データベースに載せるのはそれだけでいいのだ。
「おい、ハジメ」
と、キーボードに向かう私に声がかけられる。
「何ですか室長」
「あんまり無理するなよ、もう遅いのだから」
見れば時計の針は既に20時を回っていた。室長のほうは、笑顔を浮かべながら数枚の文書で私の右肩を叩いている。……ってそれ、アノマリーの報告書じゃないですか。気を遣っているのか、扱き使っているのかはっきりしていただきたい。
「ほれ、たった今届いたものだ」
はいはい、受け取りますよ。財団に眠れる夜はないですからね。
「……」
だがそれの文面に目を通した時、私の視線は一瞬凍りついた。
「どうした?」
「ああ、いえ、何でもないです」
「そうか。倒れない程度に頑張りたまえ」
鬼ですかあなた。使い過ぎない程度に人を使い倒す辺り、残酷さはそこらのScipと大して変わりないようにも見える。
……しかし、どうしたものか。
「んあー、明日にするかー」
大きく伸びをして、私は先ほど受け取った報告書をデスクに放り込んだ。
キーを弾く音が、早朝のオフィスに刻まれる。
目の前に築かれている紙束の城は昨日よりいくらか低くはなっているものの、それでも周囲に威圧感を振り撒くにはまだまだ十分すぎる量だ。これを今日で終わらせないといけないと思うと気が滅入る。
「おう、ハジメじゃないか。朝早くからご苦労」
「おはようございます、室長」
スーツでビシッと決めた室長に軽い会釈を返し、私は職務へと戻った。
「昨日は何時に帰ったんだ?」
この部屋で一番高級な椅子にふんぞり返り、ブロンドの長髪を遊ばせながら彼女は言った。これでも生粋の日本人なのだから遺伝子というのは奥が深い。
「いいえ、仮眠室で5時間ほど」
「家には帰らないのかい?」
「帰ったってどうしようもないですよ。親は居ないですし、兄弟も私が小さい頃に事故で死んでますから」
「そうか……」
室長の顔が曇る。別に室長は私の来歴を知っているんだからそこで気にする必要は無いのに。
「まあ、あれじゃないですか。一生暮らしていけるだけの設備が揃っているんですし、有効活用しないと」
衣食住はともかく、娯楽施設もそれなりに備えているのだから、とことん私は職場環境に恵まれているのだと感じる。
「ところでハジメ。昨日渡したアレがもうすぐ到着するそうだ。ハジメには動いてもらわないといけないし、アレの登録がまだだったら先にやっておいてほしい」
前言撤回。あんなものの世話役もしないといけないような職場が恵まれている訳がない。
「というか、そういう役回りは私じゃなくて神山博士でしょう。しがない事務員に任せるようなことじゃ……」
「神山博士なら実験に駆り出されているよ」
「でも他にもアノマリー保守業務の職員は居るじゃないですか」
Scipの研究や保守、管理に携わる人員に比べればやはり数は少ないが、それでもこのサイトだけでもアノマリー関係の職員は2桁は存在する。
「つべこべ言うな。部下は黙って命令に従う」
鬼。悪魔。人でなし。
「私の数少ない部下の1人なんだハジメは。だから少しぐらいは命令させてくれ」
少しぐらいって何ですか少しぐらいって。来る日も来る日も顎で使ってるくせに。
「ハジメも分かってるだろう、ここのところアノマリーの回収数が異常に多くてな。これまで問題なく回ってた人員にも限界が来たんだ。だから、な。入口から管理室まで運ぶだけの簡単なお仕事だ。おまけに警護付き」
警護はいつもの事ですからプラスにはなりませんよ。
「了解です……」
私は重い引き出しを開け、無造作に放り込まれている一束の書類を取り出した。
「檜葉管理官ですね。よろしくお願いします」
「ええどうも」
物々しい雰囲気に包まれていたScipの移送団が去った後、とうとう私の番が回ってきて、小柄な金属ケースを渡された。アタッシェケースを3つ重ねたぐらいの大きさ、という感じだろうか。
「よいしょっと……じゃ、行きますか」
異様な重量を感じるその箱を台車に載せ、同伴の武装した職員と共に建物の中へと踵を返す。
Scipの移送の際には多数の武装した職員が同伴するが、アノマリーの移送に大勢の武装職員が割かれることは滅多にない。付いて4,5人である。今回のアノマリーは危険性が低いものとして処理されたため、こうしてこいつは寂しい旅を経てきたのだ。まあ、アノマリーの移送自体が稀な例ではあるのだけれど。たまたま回収された場所から最も近く、かつ生物研究設備の整っているサイトがこの地方ではここしか無かったというだけの話だ。
「……」
早く終わらせたい。そう急く気持ちが歩く速度を早める。
このアノマリーは……私の過去のトラウマを思い出させる。報告書には"腐らない肉片"とあり、ご丁寧に写真まで添えてあった。アノマリーの記録には写真なんて要らないのに。
「よう、働き者よ」
ふと気付けば、隣を室長が歩いていた。いつの間に……? 気配を感じさせないとは恐ろしい上司よ。
「どうも」
「何をそんなに行き急いでいるのかね、若者よ」
「こんな気味の悪い肉片と一緒に居たくないですからね。いっそ薬品にぶち込んでやりたいくらいです」
「アノマリーに破壊を禁じる規則は無いが、あの報告書の山の隣に新たに始末書の山が建立されるぞ」
「それは勘弁願いたいので冗談でもやりませんよ」
「ハジメの不手際は私の責任でもあるからな、無難にやりたまえ」
「ですね」
そうこうしている内に第8連絡路に差し掛かる。目的地であるAnomalousアイテム管理室はこの突き当りを右だ。カーナビだったら音声案内を終了している具合だろう。
「ハジ……メ……」
「何ですか室長。まだ何か用ですか?」
「いや、私はもう用は済んだが」
「でも今私を呼びましたよね」
「ハジメ……まだ疲れが残ってるんじゃないのか?」
「……そうですかね」
いや、確かに……今私の名を呼ぶ声が……
それもどこかで聞いたことがあるような……懐かしくて……そしてぞっとするような……
「ハジ……メ……ハジ……メ……」
「!」
聞こえた! 今度は本当に聞こえたぞ! それもすぐ近く……ケースの中から!
「どうした急に立ち止まって。急いでいたんじゃないのか」
「箱……箱から声が聞こえたんですよ!」
「箱って、これのことか?」
室長がおもむろにケースへと手を伸ばす……
そのケースにはいつの間にかひびが入っていて──
──そこから覗く目と、私は目が合った!
「室長ッ!!」
私は室長をケースから引き離し、台車ごとありったけの力を込めて蹴飛ばした。重いケースを乗せた台車は荷台を震わせる暴走列車と化し、10mほど突き進んだところで重心を崩してその積荷を派手にぶちまける。そして割れた金属を半ば弾き飛ばすような形で、中に詰められていた肉塊が爆発的に肥大化し始めた。
「こっ、これは! 下がってください!」
付き添いの職員が拳銃を引き抜き、構える。警備担当の職員に標準装備されているピストルだ。
「第8連絡路にて異常事態! アノマリーが暴走中! 至急応援求む!」
そう彼は無線に向かって叫ぶ。刹那、けたたましいサイレンが唸りを上げ、赤色灯が慌しく明滅を始めた。サイトが戦闘態勢へと突入したのだ。じきに完全武装の機動部隊が事態を収拾しにやってくるはずだ。
「姫榊管理官と檜葉管理官は直ちにシェルターへ! これは私一人で抑えられるようなものじゃありません! 機動部隊に任せましょう!」
「室長ッ! 逃げますよ!」
「そうだなっ……!」
走る私たちを追うようにして通路の壁に亀裂が走り、照明が粉微塵になって降り注ぐ。
「ヘジェギェエッ!!」
廊下がはち切れてしまうぐらいに膨張したはずなのだが、まるで遮る物が一切存在しないかのような速さで追ってくる。一体どんな動きをしているのかと疑問にも思ったが、振り返って確認できるほどの余裕は私には無かった。こう見えて生死の狭間に立っているのだ。
「伏せろ!」
コンクリがミキサーにかけられる音に混じって、男の大音声が木霊した。それが通路の突き当たりに待ち構えていた機動部隊員たちの声だと理解するが早いか、私たちは真っ白な床の上で盛大なスライディングを決めた。
そしてそれと時を同じくして、頭上を亜音速の飛翔体が切り裂き、背後で大爆発を引き起こす。財団特製のロケット弾が奴に命中したのだ。
「早くシェルターへ!」
機動部隊の1人が叫んだ。他の隊員たちの表情から察するに、先ほどの一撃は足止め程度にしかなっていないのだろう。
「室長!」
「若いもんには負けんよ!」
私たちは転がるガレキの上を跳ねるようにして、築かれた防衛線の向こうへと飛び込んだ。
「撃ち方始め!」
「ヴォエエエ!!」
背後から流し込まれる音のミックスジュースは、新鮮味に欠ける味がした。
「いやー、とんだ災難だったねぇ、ハジメ」
Anomalousアイテム暴走事件から1日。処々方々からの聴取からようやく解放されて戻ってきた私を、室長のそんな言葉が出迎えた。
「まあ、前例が無いわけではないですし、もう慣れましたよ」
アノマリーは殆どの場合、特に危なくもなく、また使い所にも困るような代物なのだが、時たまその例に漏れる奴がいる。そしてそいつは決まって前者の例に漏れる。所謂Scipの卵というべきものだ。だからアノマリーの管理だって、Scipども同様に厳重に行わなければならない。アノマリー専用の収容区画があるし、毎日不測の事態が発生していないか確認してまわる職員だって居る。
しかしまあ、管理の緩い部分があるのは否めない。Scipと違うところといえば、日用品感覚で使われているものもあるし、安易に消費されるものもあるところだ。かと言って最大限の警戒を、というのであればその辺の道端に転がっている小石すらにも御大層な収容チャンバーを設けなくてはならなくなる。
つまりはどの辺りで折り合いを付けるのか、それがほとほと難しい世界であるのだ。だからどうしても、Scipの卵なんかは特に、危険性が露呈してからの事後処理になる。未確認の異常性をScip相手に予測しろというのが無理難題なのだ。だから私には、明日送られてくるかもしれない新しいアノマリーが、ただのちょっとおかしな物品であることを祈るしかないのである。
だがそうは言っても今回は死人が出た分、幾らかはアノマリーの管理も以前より厳重になるだろう。人員が増えれば私の仕事量が減る。死の淵に立たされることもなくなる。良いこと尽くめだ。
「それにしてもあのアノマリー、ハジメの名を呼んでいたような……」
「やめてくださいよそんな気味の悪い話。あれは聞き間違いだって結論だったじゃないですか。あんな肉団子に気に入られてるなんて想像したら、夜も眠れませんよ」
肉団子、か……
「はは、そうか」
「それに、慣れたからといって、決して気持ちの良い記憶ではないですからね。忘れた方が精神衛生上良いですよ」
「なら、忘れるためにもハジメにプレゼントだ」
「……何ですか?」
「見ても分からないのかい?」
分かりますよそれくらい! アノマリーの報告書ですよね、それも20枚は軽くいくような! ああ、もうむしろ見なくても分かるくらいですよ。
私は上司への怒りを書類にぶつけることにし、その束をふんだくった。
「怒るなハジメ、ちょっとからかっただけだ」
「とんでもない。室長の仰せのままに働くことだ私の職務ですからね、文句は一切ありませんよ」
精一杯の批判の目を向けたつもりだったが、室長は相変わらず飾り気のない笑顔を浮かべていた。ほんと、室長らしいというか何というか……
「それでこそ私の部下だ」と言い残し、室長は部屋の奥に鎮座する特等席へと戻っていった。
そうして私と室長の日常は続いた。
いつものように出勤し、いつものように事務仕事。いつものように報告書はキテレツなアノマリーでいっぱいだし、いつものように受け取るアノマリーは常識が通用しない。そしていつものように収容違反が起これば、いつものようにシェルターへ避難する。
子供の頃夢見た世界は今や逆転し、私の周りは常に怪異で満たされている。だけど夢が叶ったことを喜ぶ気持ちは沸かないし、叶わなければと願う心も存在しない。
「室長、昨日のアノマリー事故報告書、データベースに追記したので処分して良いですか?」
「かさばるから出来ればそうしたいのだが、万が一ってことがあるから取っておいてくれ」
非日常も、続けば日常になるのだと。
この世界というのはとことん移ろいやすく、もろく、そしてどうしようもないものだと。
表裏一体で、渾然一体で、そして水と油のように決して混ざらない世界なのだと。
昨日の記録と幼い日の夢を戸棚の奥に仕舞い込んで、私は笑顔を"作った"。
Anomalousアイテムに関する事故報告書
日付: 200█/██/██
サイト-81██に移送されたアノマリーが突如巨大化し、職員を襲撃。サイトの一部が機能を失った。当該アノマリーは機動部隊によって無力化されたが、制圧までに█名の機動部隊員が死亡した。終了されたアノマリーからはヒトDNAが検出されており、[編集済み]。また一部の機動部隊員が"檜葉管理官の名前が聞こえた"との証言が得られているため、檜葉管理官への聴取が行われたところ[編集済み]。当該アノマリーはサンプルの採取後、焼却処分された。
確保・収容・保護──人は口々にそう言った。
ソレに必要なのは、錯愕・畏怖・崇拝であったのだが──
ある時、ソレは山の主として畏れられた。
ある時は里を荒らす暴君として、そしてある時は相撲好きな動物として。
全知全能であったソレがいれば、人に有難がられるソレもいた。
ソレはこの世界で生きていた。
ある時、人は火を使った。闇が払われた。
ある時、人はこの世の法則を知った。理が築かれた。
ある時は宙の果てを、そしてある時は万物の根源を見た。
だがある時、人はそれでも計り知れぬ無秩序の存在に恐怖した。
そしてものさしで埋め尽くされた世界の隙間から、また新たなソレが生まれた。
人は未知の領域に神性を感じとり、個性を与え、世に蔓延ることを許したのだ。
ソレはまさに人に生かされていた。
ところが人の世は同時に、己が作り出した枠組みに嵌らないものを次々と捨てていった。
「見間違い」「気のせい」と言われ、忘れられたソレがいた。
「妄想の産物」「作り話」と笑われ、忘れられたソレがいた。
そしてその枠組みの一部となり、ソレでなくなったソレもいた。
いつの間にか実体を失っていることに、最後のソレは気が付いた。
そして初めて、「死」というものについて考えた。
──死にたくない。
ソレは思った。
彼らが現れたのは、ソレがそんな初めての感情に打ちひしがれていた時だった。
彼らはソレを目にし、はっきりとした恐怖を覚えた。その感情を、ソレは確かに味わった。
ソレの心に久方振りの脈動が走った。
まだ畏れられる──そう感じた。
彼らはソレを閉じ込めた。
猛獣は鎖に繋がれ、強固な檻に捕らえられる。
どれだけ念入りな制圧が行われるか、それはそのまま、人がどれだけ恐れを抱いているかということを示している。
故に囚われの身となったソレは、ひとえに自身の境遇に歓喜していた。
人が再びその存在に目を向けた、そして抑え込もうとした。その事実だけでも、ソレの復権には十分であった。
十分な、考えであった。
──はずだった。ソレはまだ気付いていなかった。
ある時彼らはソレに大量の本を与えた。
ソレは物質を借りることで仮の身体を作ることができたので、本を使って精一杯に彼らの恐怖を得ようとした。
……得ようとした。
しかしソレには既に、過去の記憶は残っていなかった。人が忘れることはすなわち、ソレが忘れることに等しかったのだ。
だが、ソレは試みた。それこそが、ソレの「生きる」ということであり、生存証明であった。
腕を増やした。頭を増やした。角を生やした。身体を増やした。……色んな形に変身した。
本来の姿が何だったのか、ソレはもう思い出すことが出来なかったが、一つだけ、ソレの心に浮かんでいたことがあった。
──「人あらざるもの」であれ。
我は人に非ず。人の推し測るべきものに非ず。この世の条理に非ず。
原初である。深淵である。混沌である──
ソレは続けた。
彼らの恐怖心を煽れば、記憶だって取り戻せる気がした。
しかし彼らはそんなソレにお構いなく、黙々と記録をとっていた。ソレが形を変えるたびに、忙しなく動いていた。
本は崩れた。
ある時彼らはソレにいくつかの球を与えた。
ソレは人の形を作り、歩いてみせた。
しかし彼らはじっと見守っているだけだった。
球は崩れた。
ある時彼らはソレに──
そんな日が続いた。
心が音を立てて剥がれ落ちていく感覚を、ソレは覚えていた。
ある時彼らはソレに問うた。
「いったいどういう存在なんだ?」
「ワスレタ」
──知らない。思い出せない。存在とは何だったのか──
「何故君は一度も脱走を試みてすらいないのかね?」
「イミ ナイ」
──ここを出れば本当に消えてしまう。
私を見てくれるニンゲンは、ここにしか居ない──
「忘れる事と、あなたの存在の危機が、何か関係しているんですね?」
──忘れられた。私は忘れる。思い出せない。恐れられない。私の存在は薄れていく。
死にたくない。死にたくない。死にたくナイ──
──デモ デキナイ モウ ワスレタ──
彼らが出て行った後、部屋はまた一面の黒に支配された。
原初の黒。深淵の黒。混沌の黒。ソレが生まれた場所。
ソレの心はすっきりとしていた。決して悟りの境地に至った訳でもなんでもない。
全てが抜け落ちた後の、空っぽの洞。
ソレはもう気付いていた。人はもはや畏れてなどいないと。
ソレの大きさを測り、振る舞いを記録し、言葉によって整然と記述する。
言わば、「得体の知れない化け物」から「変わった性質を示す空間」へとソレを成り果てさせる行為だった。
ソレの命は、彼らによって物質性へと還元されたのだ。
球が一つ、また一つ落ちてゆく。
ソレは残った腕で球を拾おうとした。が、その手は虚しく床を転がった。
ソレを知る者は、今や彼らしかいなかった。そんな彼らにとって、ソレはモノであった。
モノであるソレは、モノとなるしかなくなった。
そして最期の球が地に落ちるのを感じた時、ソレは視界いっぱいの光を見た。
果てなく続く、安らかな白。
白──────
しろ──────
シロ──────
光に埋もれ消えゆく中で、ソレは、考えることのないモノとなった。
補遺2: 20██年██月██日の午前6:21にSCP-267-JP収容室担当監視員が、収容室内に無秩序に散乱しているゴムボールを発見しました。SCP-267-JPの縮小化が進行していた事から異常性の消失が懸念され、ただちに収容室内の調査が行われました。その結果SCP-267-JP空間領域の消失が確認されたため、当該オブジェクトはNeutralizedに再分類されました。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPの死体は、破壊可能なものは焼却処理し、それ以外はサイト-81██の地下40m100mに位置する地下収容庫に収容してください。また、生存しているSCP-XXX-JPを確保した際は生命維持処置を施し、サイト-81██の標準人型収容房に収容してください。
説明: SCP-XXX-JPはコンテナ等1×0.5×0.5m以上の広さの中空を有する物体の中に不定期に出現する人型実体群です。SCP-XXX-JPの外見はおよそ80~90代のモンゴロイド系であり、通常の人間と生物学的に何ら変わりありません。
SCP-XXX-JP出現事例の大半は既に死亡した状態で発見されています。これは、出現時に既にその大半が老衰による瀕死状態となっているためと考えられています。何故SCP-XXX-JPが老衰した状態になっているのかは不明です。
死亡したSCP-XXX-JPのおよそ71%は死亡後に腐敗の徴候を一切見せず、あらゆる物理的破壊が不可能になります。この状態となったSCP-XXX-JPをSCP-XXX-JP-1と呼称します。SCP-XXX-JP-1の周囲5m内は気圧が0Pa付近まで低下し、重力加速度が1/6近くまで減少します。また20m内に存在する人間は幻覚を見るようになります。幻覚の内容は人により異なりますが、大抵の場合"穏やかな海と空に浮かぶ青い星"が含まれています。また、稀に兎に似た動物を見る場合も確認されています。
SCP-XXX-JPの発見例は財団創設以前から確認されており、現在までに███体のSCP-XXX-JPが回収され、██体のSCP-XXX-JP-1が収容されています。
SCP-XXX-JP-1が収容されている地下収容庫内部は、現在SCP-XXX-JP-1によるとみられる環境改変により月面と同様の環境となっています。また風景も月面サイト-██近傍の月面のものと一致しており、地形の凹凸も実体化しています。しかし本来の地下収容庫以上の広さは無く、本来の壁や天井の位置には見えない障害物が存在します。地下収容庫は現在低重力環境下での実験を行う研究ユニットとしても兼用されています。
補遺-1: 200█/08/20、サイト-81██内の低危険物収容庫M-15室内にSCP-XXX-JPが出現しました。このSCP-XXX-JPは職員の到着時に存命していたため、緊急に延命措置がとられ、集中治療室に移送されました。これは初のSCP-XXX-JP生存事例です。以下は同伴した柊博士とSCP-XXX-JPとの会話記録です。
インタビュー記録XXX-JP-001 - 201█/08/20
対象: SCP-XXX-JP
インタビュアー: 柊博士<録音開始>
SCP-XXX-JP: ……ここは。
柊博士: 詳しくはお答えすることができません。医療設備の整った場所とだけお答えしましょう。
SCP-XXX-JP: ……そうですか。
[SCP-XXX-JPが延命装置を見る]
SCP-XXX-JP: 私は……生かされているのですね。
SCP-XXX-JP: だけど……もう先は長うないですから……。どうかこのしゃがれ声を……最後にあなたに届けられるよう……外してもらえませんか。
[柊博士と医師が会話する]
柊博士: ……分かりました。
[柊博士が延命装置を外す]
SCP-XXX-JP: はぁ……[大きく息を吸う]
[SCP-XXX-JPが目を閉じ僅かに微笑む]
SCP-XXX-JP: ああ……とうとう、あの子は決心したのね……
SCP-XXX-JP: ありがとう……死ぬ時には……こんな空気も……悪うない……
[以後20秒間SCP-XXX-JPは呼吸のみを繰り返す]
SCP-XXX-JP: ……お礼に、最後の自慢話でも、しましょうか……
SCP-XXX-JP: ……私には……一人の息子がおります……
SCP-XXX-JP: ちっちゃな頃はいつも走りまわっとるような、落ち着きの無い子でした……
SCP-XXX-JP: そんな息子が兵役に出たのも……随分と前の話です。静かの海で……侵略があったとか……その時は何人もの兵隊さんが、お礼にやってきました。何でも息子が、危ないところを助けたとか……。ああ、もうどうしようもないやんちゃ坊主では無いのだなあと、思いましたね……今でもはっきりと、覚えています。
SCP-XXX-JP: 孫も生まれて……息子は立派な父親になって……
SCP-XXX-JP: 息子はよう働きました。ええ、老いぼれてゆく私の面倒見も息子が。優しい自慢の息子です……
SCP-XXX-JP: ……心残りといえば、やはり息子でしょうね。
SCP-XXX-JP: 労働力でなくなった老人を……死というけがれを迎えつつある老人を……地上へ……。けがれを嫌う月の決まりとはいえ……息子にはつらいことをさせました……
SCP-XXX-JP: 私がもう少し動けていれば……別れを迎えることも無かったかもしれませんが……
SCP-XXX-JP: それでも……自慢の息子、最後まで務めを果たした……立派な一人息子……
SCP-XXX-JP: ……こんな老いぼれの話を聞いてくだすって……ありがとう……何だか晴れやかな気分です……
SCP-XXX-JP: 死にたくないと言った者もおりました……月に居りたいと……
SCP-XXX-JP: ですが……私は……この地のけがれに侵されて痛み無く死んでゆく……それは、最後の慈悲なのだと思います……
SCP-XXX-JP: そういうわけなもので……私は、そろそろ……眠ることにします……
柊博士: ……SCP-XXX-JP?
SCP-XXX-JP: いつか息子と行った賢者の海に……還るときが……
[SCP-XXX-JPの生命反応が消失]
<録音終了>
終了報告書: SCP-XXX-JP-1に変化しなかったため、検死解剖が行われた。結果、出現予想時刻の時点ではおよそ70代前半の肉体であり、出現後5分かけておよそ90代前半の肉体にまで老化が進んだことが判明した。解剖後SCP-XXX-JPの死体は201█/08/26付で焼却処分された。
SCP-XXX-JPは月に対する言及をしていましたが、発言内容から実際の月ではない、恐らく異次元のものであると推測されます。追って調査が必要でしょう。 -柊博士
補遺-2: 201█/09/██5の日没後、突如収容下にあったSCP-XXX-JP-1の全てが小刻みに振動を始めました。この振動は翌日の日の出まで続き、SCP-XXX-JP-1の影響範囲が周囲92mまで拡大しました。振動の停止後も影響範囲の縮小は確認されておらず、これを受けてSCP-XXX-JPの特別収容プロトコルが改訂されました。またこの時収容庫に居た職員の数人が、SCP-XXX-JP-1が声を発したとの証言をしています。以下はその時録音された音声の一部を抽出したものです。
ツキ……チガウ……ソラ……ウミ……チガ……ウッ……アッ……カエ……カエル……
その他、SCP-XXX-JP-1が涙を流していたとの証言も得られていますが、その証拠は発見されませんでした。
https://www.flickr.com/photos/projectapolloarchive/21080250844/in/album-72157658665465080/
鈴奈庵での蓄音機(父がくれた) レコード(小鈴との思い出の一つに。父のよく聞く曲) ・ジャズ
みすちーの屋台で飲む 赤蛮奇も来る 他愛の無い会話
鈴奈庵の主人に頼まれた村人が有沢を監視している(主人の警戒心
慧音からの調査依頼本 ・SCP-423 - 割り込む登場人物 のフレッドが入り込んだ教科書(桃太郎)
→渡せず持ち帰る フレッドは有沢の手記に入り込む
慧音に本を返す
寺子屋で有沢が特別授業(桃太郎音読)、子供たちと親睦を深める
帰る
家
フレッドと手記で会話する この言語難しいね ここはいつもの所じゃないのか 等
結構のんきだが将来を暗示する話や注意喚起もする
(幻想郷賢人会議
紫がSCPの危険性を語る
ぬえが外の世界への返還を提案
紫が財団の事、また幻想郷の立場を守るために財団に対する発言権を高める計画を話す
永琳が財団の月撤退を要求するよう言う) 語らない
金属の神に頼んで希少金属を作るよう河童が霊夢に依頼
↑河童協力の収容施設(場所は異界か結界内が好ましい)建設
みすちーの屋台で飲む 赤蛮奇も来る
妖怪と人里事情を語る(SCP-571-JP - ニギリ・オブ・ザ・デッドなど色々小ネタ)
有沢のこともさりげなく聞く(追放計画のため)
→なぜ追放? ・里の外なら好きに食べられるから。有沢を犯罪者に仕立て上げる。
・牛鬼の、狩り損ねたという屈辱
・注文分来なかった契約先からの抗議
打ち解ける
有沢の警戒心が薄れる。同時に赤蛮奇らに良心の呵責が生じ、追放計画は延期
有沢、香霖堂へ御使い 貸した本を返して貰いに
SCP-168 - 暗闇嫌いな計算機
帰る 日没
人食いグループに襲われる 牛鬼主導 赤蛮奇は遠巻きに見ている
妹紅が助ける ←外に出て行くのを見ていた
体の一部を渡して退いてもらう(今回できっかり一人分
↑これまでこうして守ってきていたのかと有沢は衝撃を受ける
牛鬼怒る 人食いを侮辱する気か 狩りはアイデンティティーだ
華扇登場、賢者の命令状を渡す(妖怪が襲うことを禁止する
↑赤蛮奇は賢者が有沢を保護するには訳があるのだろうと思う
帰る
鈴奈庵で、小鈴と両親、主で食事。両親が主を受け入れる雰囲気「これからも頼むよ」
紅魔館へ御使い道中で幻想郷側のSCP-211-JP - 秘湯の名泉
↑人食いの現状を聞く (こいつらが牛鬼への終盤説得要員?
紅魔館へ御使い 仕入れ、提携の申し入れ
レミリアが有沢の運命に興味を持つ ←有沢の運命が見えた
SCP-207-JP - 大いなる創作のために
SCP-267-JP - 光に埋もれ消えゆくものは
新聞ネタでSCP-510-JP - 蚊取閃光 SCP-269-JP - 山神
SCP-106-JP - 金太郎の再来
SCP-884-JP - テング熱
SCP-143 - 刃桜
(SCP-279-JP群が人里を襲撃)
疲労困憊の妹紅が慌てた様子でやってくる
人里へ
至るところに血痕
寺子屋で子供たちの惨殺死体と、疲労困憊の妹紅、慧音、命蓮寺の顔ぶれ、生き残った子供たちや人々を見つける
妹紅、嘆く
鈴奈庵へ
小鈴の両親が重傷(意識不明) 小鈴泣いている(両親が庇った 蓄音機が壊れている(小鈴は捨てる、が主人公が拾う)
小鈴落ち込む 両親が死んじゃったら…… 遅かった、ありがとうと言えなかった
会議 霊夢・妹紅・慧音・有沢・聖・赤蛮奇←異変解決は幻想郷皆の仕事
これは異変だ
襲撃者の様子
SCPについて妹紅が調査した結果 ・収容施設は河童製
・いくつかのSCPを回収している
・活動してるのは河童や妖精
マミゾウ登場
マミゾウが、SCPや財団について語る
河童らに協力を頼んで、あとは霊夢や紫に頼んで財団に返せば元通り
でもそれでは対処療法だ→SCPを入ってこないようにしなければ
霊夢「有沢のせいでSCPが入ってきてるんじゃないの?」
場が荒れる
落ち着け
賢者が動くからともかく皆はSCPを回収しろ
今は目の前の脅威に全員が一丸となって対処すべき
何とか収拾 しかし有沢への疑念は消えない
聖らは人里の警備(どこかで、被害者の死体がいくつか持ち出されたという話を:伏線)
妹紅、慧音、赤蛮奇、有沢の会話
有沢、過去を振り返る
生まれてから社会に出て結婚し子供が生まれ、冤罪となり投獄、トラウマものの過去(ここでそっと記憶処理による記憶の齟齬を入れる 例えば空白の時期)
やはり自分が原因では?
妹紅、有沢をビンタ 妖怪に食わすぞ助けた意味が無かろうが小鈴との約束を忘れたのか
気持ちを取り戻す
妹紅、赤蛮奇と一緒に有沢は河童の施設へ
施設へ
茨木華扇が待っている
施設の案内 ・施設は守谷も一枚かんでいる
・チャンバー等は存在するが普段は仙界(華扇の力)などに収容している
・働くのは河童や妖精(研究員・技術者=河童、Dクラス=妖精な扱い)
妹紅は罪悪感から人里へ戻れず、SCP回収作業に従事することに
もし自分が助けた有沢が原因なら、拾った自分にも大きな責任がある 事態の収拾へ尽力することが償い
有沢・赤蛮奇も
色んなSCPが出せるぜ!
・妹紅の不死性を有沢に見せ付ける
・妹紅の焦り、有沢が解消するイベント
・SCP-990 - Dream Man (ドリームマン) とドレミー この先の予言
・小鈴を慰めるイベント 有沢が自身を語る(今頃小鈴ぐらいの年になる娘が居る)
修理した蓄音機を渡す
働けなくなった親の代わりに共に鈴奈庵を再開しようと約束
SCP-279-JP群に遭遇
妹紅、敵討ちと言って追う
赤蛮奇、有沢を逃がす
妹紅、SCP-279-JP群に善戦
全SCP回収完了
これで終わりだ~的なフラグを立てる
有沢が違和感を抱く
まだ解決されていないことが……(死体を運び去った人物・正邪の言動etcこれまでの伏線)
正邪の計画に気付く
・正邪の計画 (※正邪は外そうと考えています。ラスボスに使えそうなSCPを募集中です。)
SCP-1262を使って幻想郷の体制転覆を図る
(実はSCP-279-JPの行動も正邪の犯行?)
SCP-1262が沈んでいる溶岩湖のほとり
正邪が死体を与えて活性化させる
正邪の予想よりも凶暴だったので正邪びっくりして逃げる (有沢たちはこの時振動等で正邪の場所に気付く)
溶岩洞から出てくるところを有沢らに捕まる
SCP-1262の拡大が凄まじくて、妖精機動部隊が次々飲まれる
有沢ら、捕まりそうになるも妹紅が力ずくで抑え、その間に他を逃がす 妹紅はその後飲まれる
全員でSCP-1262を止める 牛鬼率いる大軍団が駆けつけてくれたり
収束
施設へ移送される有沢
有沢の元へ妹紅が 妹紅が状況を伝える
小鈴への伝言 鈴奈庵は一人で無理なら妹紅と頑張れ なんやかんや 殺されることはなくなったから心配するな
転移前に小鈴が駆けつける
最後の会話
今度は遅くならないうちに、感謝の言葉を
有沢共々SCP転移
~終わり~
後日談
防火壁計画完了
SCP-XXX-JP-Aとして収容された有沢
インタビューをする岡崎博士 幻想郷でのことを話す
記憶処理
タイトル:SCP-███-JP - 幻想郷【幻想入り】
シリアス多めほのぼの
映画風、記録映像・音声・文書風
○設定
・主人公:有沢遼二(ありさわりょうじ)
SCP財団日本支部のDクラス職員、D-6720
冤罪により死刑囚に
実は多くのSCPの実験に携わり毎回奇跡的に生き延びているが、記憶を消去されているので直近のことしか覚えていない。
SCP-███-JPの実験に携わる
子持ち
鋭い洞察力の持ち主
<冤罪案>
ガチの冤罪
・岡崎現実(おかざきうつみ)
SCP財団日本支部の博士、研究者
サイト-8182に勤務
SCP-███-JPの実験の中心的人物
夢美の双子の姉、事故死扱い
幻想郷の封鎖に懐疑的
・月
財団が月に勢力を伸ばした事に対して当初は危機感を抱いていなかった。サイト建設も看過。
(しかし本編中で幻想と財団世界の結界が緩み、サイトが月の都近傍に転移。月人はサイトを消去した。以降財団側からも月の都を観測できるようになる。SCP指定)
・その他のO5やサイト管理者等
幻想郷を危険視し、封鎖したがっている
・幻想郷の"賢者"
・八雲紫
財団と対等な立場を保つべくPOIとして財団と張り合う
幻想郷が完全封鎖されたり、危害が加えられたりしないように監視し抑制
しかし近年SCPが加速度的に増加傾向にあり、結界が機能不全に陥り始める(以前からSCPの流入はまれにあったが、紫が対処できるレベルだった)
↑SCPは外の世界で常識と非常識の狭間に位置する非常に不安定な存在、故に博麗大結界を通りやすい。
→新しい結界を張ろう
→結界に干渉可能な装置を提供し防火壁計画を発足させる(財団による収容確立という事実を成立させることにより財団を安心させ、不用意な干渉を抑える)
その為に・・・
・現実差安定装置の根幹はブラックボックス化で解析・悪用を防ぐ
・幻想郷の脅威を示すことで餌やりの要求に従わざるを得ない状況を作る
幻想郷に現れたSCPの収容施設を作る→知・機密掠奪力の誇示、要注意団体レベルとして無駄な被害の生じない対等な立場に立つ
(紫が自ら確保を行わないのは、幻想郷に存在する個々の存在の能力も示すため)
幻想郷の要求(餌やり)を通してもらう
防火壁計画完了後は混乱を抑える為に、SCPに関する記憶の消去を適宜行う
有沢のことは計画の副産物としか思っていないが、有沢はSCP異変の中心人物となっているので行動を妨げないように命令状を手配する
(↑幻想郷内での不要ないざこざを避けるため、ひいては高い統治機能と組織性を対外的に示す意味合いも)
全ては来る妖怪復権の時のためでもある
・封獣ぬえ
阪神芦屋駅近くの鵺塚の中身。他の鵺塚はそれぞれ大阪府都島区のものがSCP-115-JP、京都の鵺塚はSCP-055に。
SCPについて詳しい。財団に対しては好意的。
・二ッ岩マミゾウ
SCPについて詳しい。財団に対してはあまり好意的ではない。
・八意永琳
賢者としては新参
財団への要求に、月面からの撤退を入れるよう要望。その点において紫の案に賛同
・茨木華扇
概ね賛同
・天魔
妖怪の山は無関与を通す
・伊吹萃香、星熊勇儀
元賢者
・人喰いグループ
・実動グループ
がしゃどくろ、牛鬼、黒谷ヤマメ、赤蛮奇、レティ・ホワイトロック、キスメetc
食人リーダー格は牛鬼
主食:人間
狩り担当。紫から通達された日時、場所で待機し、現れた外来人を殺害
狩った人間は食べたり、売りさばいて生計を立てたりする
食人はアイデンティティであり、存在証明であると考えている
○赤蛮奇
人里で"赤柳蛮奇"という偽名を用いて人間として活動。情報屋として通っている
里での諜報活動メイン
・面倒グループ
ルーミア、ミスティア、影狼、鬼etc
人を狩ることを面倒に思い、また食人は嗜好であると考えている。普通の食事で生活可
嗜好品としての人肉は実動グループから買っている。代金は狩りのサポート。
○ミスティア・ローレライ
人里で飲み処"夜雀庵"を経営
妖怪たちの人里におけるセーフハウス
・紅魔館グループ
血液を実動グループより購入
・地霊殿グループ
血液を抜いた後の死体を受け取る
ラストバトルでは牛鬼がその妖怪ネットワークを使って大軍団を引き連れて加勢に来る
・霊夢
通常時:認識災害、ミーム汚染が効かない
夢想天生時:生きるスクラントン
・SCP-███-JP
SCP設定を参照
事件前まではサイト-8182に隣接した研究ユニットで研究
・SCP-279-JP
未発見の4番個体は自然に幻想入り
・登場SCP候補
SCP-1230 - 英雄誕生
SCP-423 - 割り込む登場人物
SCP-132-JP - 紙魚入る
SCP-207-JP - 大いなる創作のために
SCP-267-JP - 光に埋もれ消えゆくものは
SCP-240-JP - 0匹のイナゴ
SCP-510-JP - 蚊取閃光
SCP-106-JP - 金太郎の再来
SCP-571-JP - ニギリ・オブ・ザ・デッド
SCP-390-JP - 山桜
SCP-884-JP - テング熱
SCP-269-JP - 山神
SCP-263-JP - 軟派な御神木
SCP-262-JP - ハテノヒさま
SCP-256-JP - 還り咲き
SCP-247-JP - 愚者の黄金
SCP-234-JP - 孫の手
SCP-211-JP - 秘湯の名泉
SCP-209-JP - Safeクラスオブジェクト
SCP-154-JP - 地酒
SCP-138-JP - 田んぼに入るな!
SCP-746 - 偽物の鳥
SCP-168 - 暗闇嫌いな計算機
SCP-143 - 刃桜
SCP-1640 - 月兎
SCP-1762 - ドラゴンの逝く場所
SCP-011 - 綺麗好きな南北戦争記念像
SCP-039-JP - だれかのペン
SCP-421-JP - 私が見ている
SCP-210-JP - 金属生命体
SCP-2006 - Too Spooky (おおこわいこわい)
SCP-953 - Polymorphic Humanoid (妖狐変化)
SCP-990 - Dream Man (ドリームマン)
SCP-140 - 未完の年代記
SCP-2317 - A Door to Another World (異世界への扉)
SCP-2700 - Teleforce (テレフォース)
SCP-1262 - Hostile Overgrowth (敵対的な茂み)
SCP-2719 - Inside (内側)
有沢
・冤罪
↑小鈴が救いとなった
・無力さ
↑小鈴には十分に力になれている
・小鈴への思い
小鈴は危なっかしい 鈴奈庵を共に再開するという約束
↑社会ののけ者にされていた自分でも他人の支えになれると感じる
小鈴
・有沢への思い
有沢なりに心配してくれている
~両親の負傷後~
有沢と一緒に鈴奈庵を再開しようと約束
有沢の存在が無ければ鈴奈庵を畳むことも考えた
妹紅
・小鈴と有沢の約束を守る