ebitiriumasi
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アイテム番号: SCP-620-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-620-JPは物理的な収容が出来ません。内部に繋がる山道トンネルを封鎖し、入口に常に二名の警備員を配置して一般人の侵入を防いでください。中に入ろうとする者がいればカバーストーリー『この先危険な野生動物の生息地により閉じ込め中。立ち入り禁止。』を伝えて追い払います。SCP-620-JPを取り囲むように地表3メートル、地下5メートル以上の長さの鉄柵を配備し、高圧電流を流してください。
SCP-620-JPに配備される職員は勤務前に必ず9時間以上の睡眠を取る事が義務付けられます。圧電素子による200V(眠気が吹き飛ぶ程度の痛みを伴う)を1分以内のランダムな間隔ごとにコンマ5秒流す装置を見に付けます。SCP-620-JP内部に人間を伴わない機械を進入させることは現在認められていません。

SCP-620-JP-1は四人か五人ごとに10m×10m×3mのSCP-620-JP-1対策用特別室へ収容されます。この部屋にドアは無く、出入り口は天井に開けられた2メートル四方の穴のみです。穴は普段は重さ100kg以上の鉄板で塞がれており、室内に入室、もしくは退室する場合にのみ鉄板を機械により持ち上げて除去し、はしごを利用して出入りします。

SCP-620-JP-2は全ての施設から150m以上の距離を保った場所に建てられたSCP-620-JP-2対策用特別棟へと収容されます。この施設はSCP-620-JP-1対策用特別室と同じ構造の部屋が数部屋と、研究員用の研究室で構成されます。施設にドアを設置することは許されません。全ての出入り口には二人以上の警備員と一台以上の監視カメラを配置し、併用して警戒を行ってください。施設の周りは高さ3メートル以上の金網で囲い、侵入者対策として高圧電流を流してください。金網に入口は無く、施設への出入りはクレーンを使った上空からの侵入によって行われます。

説明: SCP-620-JPは日本のとある郊外にある廃村です。廃村になる前は████村と呼ばれていました。昔は近くの金山の影響で活気に溢れていましたが、鉱脈の枯渇によって徐々に人が減ってゆき、今では住人のいないゴーストタウンとなっています。調査では野鳥のような自然と入り込んだ野生生物以外の生体反応は確認されませんでした。しかし時折正体不明の人影が確認されており、目撃者は全員が口をそろえて『顔色の悪い中年の男性だった』と証言しています。この男性が何者なのかについては現在調査中です。

とある廃墟愛好者のチームがこの町に入ってきた時SCP-620-JPの異常な特性が発露し、後に帰還したSCP-620-JP-1の要請で駆けつけた地元の警察を通じて財団が存在を確認しました。この時SCP-620-JP-1は確保され、現場に居合わせた警察官や野次馬はクラスA記憶処理を行った後に開放されました。

SCP-620-JPは内部に人間がいない場合には何の異常な性質も示しません。SCP-620-JPの中に入った人間が『一息つけた』と感じた場合に初めて異常な特性が発露します。この一息については無理に思い込もうとしても駄目です。あくまで本心からそう思っていなければなりません。『一息』のつき方は特に限定されていません。喫煙や飲食など、とにかく当人が『一息つけた』と感じられれば基本的に何でもいいようです。

SCP-620-JPの影響を受けた人間はSCP-620-JPに対して急激な好印象を感じます。これは影響者のSCP-620-JPに対する今までの感情に一切関係なく始まります。影響を受けている人間をSCP-620-JP-1と呼称します。SCP-620-JP-1は周りの人間にまだSCP-620-JPの影響を受けていないものがいれば、SCP-620-JPがどれだけ素晴らしい場所かを極めて一方的に語り始めます。この現象によってSCP-620-JP-1となった瞬間を認知出来ます。

SCP-620-JP-1同士はお互いにSCP-620-JPのどこを愛しているかを熱心に語り合い、もしまだその場にSCP-620-JPの影響を受けていないものがいる場合は全員で協力して素晴らしさを説き始めます。この話し合いはしばしば徹夜で行われます。数時間後(最短でも5時間、最長15時間が記録されている)SCP-620-JP-1は徹夜によって引き起こされる極度の眠気や疲労によって突然糸が切れたかのように倒れこみ、眠りに尽きます。これは多少のばらつきこそあるものの誤差5分以内でSCP-620-JP-1全員に起こります。

SCP-620-JPに影響を受けてない者たちはここでようやくSCP-620-JP-1から解放され、就寝します。この就寝という一息つける行為によって、今までSCP-620-JPに影響を受けていなかった人間もほとんどがここでその影響下におかれることになります。

この一連の流れはSCP-620-JP内部に入った人間全員がSCP-620-JP-1になるまで繰り返されます。まだ一服していない人間がSCP-620-JPから出ようとした場合は途中で必ず迷い、SCP-620-JP-1達の元へと帰ってくることになります。GPSを持たせても、ラジコンヘリのカメラからの航空映像を見ながらでも結果は同じでした。これはSCP-620-JPが対象の方向認識能力に影響を与えているのではないかという見方が一般的です。

SCP-620-JPにしばらくとどまった後、SCP-620-JP-1達は意気揚々と帰宅していきます。帰宅後SCP-620-JP-1達はSCP-620-JPの魅力をもっと沢山の人間に知らせるため、知人や友人を初めとした様々な人間にSCP-620-JPについて語り始めます。SCP-620-JP-1の話を聴いた人物は何らかの理由でSCP-620-JPに足を運びたくなります。SCP-620-JPの異常な特性を知っていれば本人の意思しだいで踏みとどまることは可能ですが、知らなかった場合一年以内にほぼ100%何らかの理由で足を運ぶことになります。これまで確認されたものとしては『旅行、失恋、神のお告げ、予知夢、目の前に突然現れた異性の魅惑的な胸部を追ってきたらいつの間にかたどり着いていた』などが確認されています。

SCP-620-JP-1となっておよそ一ヵ月程度経つとSCP-620-JPに対する急激な好印象は消え、評価はSCP-620-JPの影響を受ける直前のものへ戻ります。SCP-620-JP-1の一人はその瞬間を『いきなり目が覚めるように急激にあれに対する熱が引いた。一分前までの自分が信じられない。なんであんな寂れたド田舎をあんなに好いてたんだ』と語りました。

この時からSCP-620-JP-1の受ける影響に変化が訪れます。SCP-620-JP-1が自分の意思で開けたドアは全てSCP-620-JPに繋がるようになります。ドアの出現場所は『開くスペースが確保されており、SCP-620-JPの地面に接している』という条件を満たしている全ての場所からランダムに選ばれるようです。ドアに種類は関係なく、片開き、両開き、回転ドア、エレベーターのドアなど全てにおいてSCP-620-JP へと通じることが確認されています。向こう側に実験室の風景が透けて見えていたガラスのドアでさえ、内部の景色とドア越しに透けて見える景色は空けた瞬間にSCP-620-JPへと変化しました。ただしおもちゃの家のドアのようにあまりにも小さなドアはSCP-620-JP-1の影響を受けませんでした。最低でも人が通り抜けられる程度のサイズでなければ効果は発揮されないようです。

別の開け方としてSCP-620-JP-1にマジックハンドや遠隔操作できるロボットアームを与えてドアを開けさせましたが、全てSCP-620-JPに通じました。SCP-620-JPの影響を受けていない人員を使った実験も行われています。まずSCP-620-JP -1とDクラス職員を同じドアのそばに立たせました。次にSCP-620-JP-1にドアノブを握らせ、その手をDクラス職員に握らせました。この時SCP-620-JP-1には『手に一切の力をこめず、ドアのこともなるべく考えない』という指示を出しています。その状態からSCP-620-JPの手をDクラス職員が道具として使って扉を開ける試みが行われましたが、扉はSCP-620-JPにはたどり着きませんでした。開け方や開けた対象は関係なく、当人にドアを開ける意思があるかどうかで判断されるようです。

なお、SCP-620-JP-1によって影響を受けたドアの回りを掘ってもSCP-620-JPへはたどりつけません。あくまでドアを潜り抜けた場合のみSCP-620-JPへと行けるようです。

ほとんどのSCP-620-JP-1は直前までのSCP-620-JPに対する不可思議な愛情や自分の開けたドアがSCP-620-JPへと通じる現象に困惑や嫌悪や恐怖を示し、それは大抵SCP-620-JPに対する不快感に通じます。しかしおよそ2.73%の確立でSCP-620-JPを心の底から気に入る者が現れます。そうなった固体をSCP-620-JP-2と呼称します。SCP-620-JP-2はSCP-620-JP-1の初期状態と同じ、またはそれ以上にSCP-620-JPへの愛情を示します。この愛情は徐々に増大してゆき、最終的には病的な執着心へと変化してゆきます。

SCP-620-JP-2は自分がどこにいようが今いる場所をSCP-620-JPだと認識します。廊下、室内、地上、空中、密閉空間、水中など、それら全てをSCP-620-JPだと認識しました。この認識は目隠しをした状態でも継続します。そしてSCP-620-JP-2の半径およそ100メートル以内のドアは全てSCP-620-JPにつながる扉へと変化します。この現象に開閉状態、開ける存在、扉の種類などは関係ありません。ただし例外として、唯一SCP-620-JP-2のみが扉を本来の用途で使用できます。これによりSCP-620-JP-2がドアを使った出入りを行う場合は必ずSCP-620-JP-2本人の手によって行われれなければいけません。

以下のインタビューはSCP-620-JP-2の特性が初めて発露したときに緊急で行われたものです。

対象: SCP-620-JP-2(50代後半の女性)

インタビュアー: かいわれ博士

付記: SCP-620-JP-2は施設に隔離されているにもかかわらず、とてもリラックスしているように見えます。

<録音開始>

インタビュアー: こんにちは、SCP-620-JP-2。気分はどうですか?

SCP-620-JP-2: えすしいぴぃ・・・?なんですかそれ?私は████ ████(SCP-620-JP-2の本名)ですよ。

インタビュアー: ああ、そうでしたね。それでは████さん、少しお話を聴いてもよろしいですか?

SCP-620-JP-2: 別に良いですけど・・・。ここはあなたの家ですか?████村にもこんな場所があったんですねえ。

インタビュアー: いえ、ここは████村ではありません。

SCP-620-JP-2: え?そんなわけないでしょう。私は少し前からずっとこの村に住んでるんですよ。まさか、私がこの村の名前を間違ってるとでも言うんですか?

インタビュアー:いえ。あなたはなぜ、ここが████村だと思うんですか?

SCP-620-JP-2:なんでって・・・可笑しいこと言いますねえ。だってこの自然やあの家を見ればすぐに分かるでしょうに。(注※この場所にある自然は観葉植物ぐらいです。)

インタビュアー:自然?家?そんなものどこに・・・。ああ、私の頭に生えてるこれの事言ってますか?

SCP-620-JP-2:はあ?

インタビュアー:ああ、違うならいいです。

SCP-620-JP-2:訳の分からない事言ってからかわないでくださいよ。

インタビュアー:からかってなんかいませんよ。ですが、どこに自然があります?家もどこにもありませんよ。

SCP-620-JP-2:何を言ってるんです?そこには木々が茂ってますし、あそこには火の見櫓もある。どちらも見慣れた光景ですよ。

SCP-620-JP-2はインタビュアーへ明らかな侮蔑の視線を投げかけながら部屋に置かれていたデスクと予備のパイプ椅子を指差しました。

インタビュアー:あれが、木だとおっしゃるんですか?

SCP-620-JP-2:ええ、当然でしょう?そうじゃなかったら何だというんです?

インタビュアー:私にはどこからどう見てもデスクとパイプ椅子に見えますが・・・。

SCP-620-JP-2:はあ!?

ここでSCP-620-JP-2は恐怖と怒りが混じりあった表情を見せると、席を立ち上がりその場から去ろうとしました。警備員に取り押さえられた後も抗議を繰り返していました。インタビュアーはSCP-620-JP-2の奇妙な言動に興味を示し、当初予定していた能力に関する質問の他に、認識能力に対する質問を即席で追加する事を決めました。
謝罪を受けたSCP-620-JP-2は、インタビュアーに促されて先ほど指差したデスク等のそばに移動しました。

インタビュアー:さて、████さん近づいてよく見てください。あなたには本当にこれが木々や建造物に見えますか?

SCP-620-JP-2:だから、さっきからそう言ってるでしょう?これなんてどうみても木ですし、青々しい良い香りが・・・。

SCP-620-JP-2はパイプ椅子の数センチ近くまで顔を近づけて凝視すると共に匂いを嗅ぎ始めました。

あら?あら?あら?あら?しない?なんで?あら?なんでかしら?あら?

████さん、どうしました?

(辺りを見渡しながら)

あ、れ・・・?足り、無い?なんで?なんで?なんでよぉっ!?あそこにはあれがあったはず!さっきまで・・・あった?あれ?さっきまであったのかしら?あら?あら?あら?

████さん、落ち着いてください。

うるさい!なんで、なんでしないのよ!?あれは木のはずでしょう!?ここは████村のはずでしょう!?なんで!?え、なんで、なん、え、なん、あああああああああああああああああああああああああああああああああ!?

████さん!落ち着いて!落ち着いてください!落ち着いて!

この後もSCP-620-JP-2は制止を無視して叫び続け、警備員によって取り押さえられました。すぐにインタビュアーの判断で鎮静剤が投与され、SCP-620-JP-2は気を失いました。

調査の結果、当初SCP-620-JP-2は近くのものをSCP-620-JPの備品に置き換えて認識していたようですが、

インタビュー後には何もない空間にもSCP-620-JPの備品
を想像し、あると思い込んでいる事が明らかになりました。

これ以上の実験をSCP-620-JP-2の認識に更なる悪影響を与える可能性のため、現在は中止されています。

[以下、インタビュー終了まで会話を記録する]

<録音終了, [必要に応じてここに日時(YYYY/MM/DD)を表記]>

終了報告書: [インタビュー後、特に記述しておくことがあれば]

補遺1:SCP-620-JPの特性が判明した後に探索用ロボットを使っての調査が提案され、実行されました。操縦士はロボットをSCP-620-JPの外から操作し、作業は順調に進んでいました。しかし一時間ほど経った後にロボットの全ての操作が不可能になり、命令を無視して動き出しました。ロボットはトンネルのSCP-620-JP側入口に設置された鉄柵で止まり、機体に取り付けられたスピーカーから大音量で合成音声を発し始めました。そのようなプログラムは組まれていないのにです。以下に全容を記します。

「やあやあ皆さんこんにちは!本日は████村に来てくれてどうぞありがとうございます!
私は皆さんを案内するために月からやってきた正義と観光の使者、『ミスター・████(村の名前)』と申します!略して気軽に『みすっちょ』と呼んでくださいね!
さて、私が何なのか気になっている人も沢山いるでしょう・・・。ズヴァリ!私は皆さんを楽しませるためにここにいます!あなた方にこの村を案内し、見所を紹介し、笑顔になってもらう事が私の目的なのであります!
あなたはこの村に何を求めますか?美味しいご飯?美しい自然?優しい人々?美味しい餡子の名物饅頭?素晴らしく油の乗った最高級のお肉?大自然に育まれた新鮮な野菜?
████村にはす~べてがあります!あなたはきっと沢山の思い出を胸に持ち帰り、ルンルン気分で家へと帰る事でしょう。思い出話はさらに沢山の人々をこの村へ呼び寄せ、その人々も素晴らしい体験をして帰ってゆくでしょう。彼らの土産話が更に多くの人を呼び寄せ、その人たちがさらにさらに多くの人を・・!。くぅ~たまりません!幸せの連鎖ですね!こうして日本中、いや世界中の人々がこの村に足を運んでくれる事が我らの悲願なのであります!イエッサー!
私達████村は皆さんを総出でお迎えいたします!この後昼一時からは大人気マジシャンによるマジックショー、三時からはビンゴ大抽選会、五時半からはあの大物歌手によるビアパーティーが開催されます!
そのほかにも各種出し物や出店などが満載!どうか楽しんでいってください!
私も張り切って案内しちゃいますよ!」

音声はそこで終わりました。この後も操作を受け付けない状態が続き、回収のためにDクラス職員二名が台車を与えられてロボットの元へと向かいました。回収の際にロボットがおかしな行動をとる事はありませんでした。回収後ロボットは二時間半おきに上記の言葉を自動で話すことしか出来なくなり、調査のために分解されました。しかし内部を調べても何の異常も発見されず、プログラムにもおかしな点はありませんでした。念のためこれら部品は厚さ10センチの鍵付ケースに収納した状態でサイト12の倉庫に保管されています。この現象以前の探索に使用した機器に特に問題が起こらなかった事から、人間がそばにいるとこの現象は起こらない可能性があります。

補遺2:上記の出来事が起きた後に再び別の探索用ロボットが派遣され、今度は一時間というリミットが与えられました。探索は順調に進み、55分12秒間作業を続けた後戻ってきたロボットに特に問題は見られませんでした。しかし探索後一日程度立ってから同様の障害が再び発生しました。障害は10メートル以内のスピーカーがついた機器全てに伝染しましたが、探索用ロボット以外は音声を発し終えた後正常に戻りました。最初のロボットの二回目以降の音声と分解後に特に問題が起きていないことから、最初の音声のみ伝染するのではないかという仮説が立てられました。これらの仮説に対する実験の許可は伝染の規模、傾向などが未知のため現在凍結中です。この出来事の後二つのロボットはサイト12の危険物一時保管倉庫へ移動されました。

補遺3:SCP-620-JP内の街灯の一つに、宛先として日本の住所が書かれた泥まみれの封筒がビニール紐で縛り付けられていました。差出人の表記は確認できませんでした。これが元々書かれていなかったからなのか、書かれた後に消えたからなのかは分かりません。中を確認したところ絵葉書とカセットテープが入っており、解析した結果どちらも解読が可能な状態でした。以下にその内容を記します。

対象: SCP-620-JP内部で発見されたカセットテープ

<再生開始>

男の声:私はね、この町にいっぱい人を集めたいんだよ。なんたって私の生まれた町だ。
そりゃあ一度は見切りを付けて飛び出しもしたし、こうして訛りが無くなっちまうまで帰ってもこなかった。でも、やっぱり愛してるんだ。捨てられないんだよ。
他のやつらはこんな町もう駄目だって言って都会に行っちまうけど、俺はそうは思わない。どうにかしてここに人を集めれば、また昔みたいに賑やかな町になってくれるはずなんだ。
……もし、もしまたこの町が沢山の人であふれ返ったら。
そうしたらお前もあの子達と一緒にこの町に戻ってきてくれないか。また二人で一緒に住もう。
愛してるよ。君も、あの子達も。それじゃあ、元気で。

<再生終了>

終了報告書: 男性による自己紹介などはありませんでしたが、聞いた感じでは4,50代の中年男性の声のように聞こえます。

絵葉書の方には廃村になる前のSCP-620-JPをPRするために近くの滝の写真が印刷されており、『あなたの心の故郷████村』という文字が被されています。絵葉書に書かれていた村の名前はSCP-620-JPが廃村になる前に名乗っていた名前と一致していました。滝の写真のそばには宛名などを書き記すためのスペースが開けられていましたが何も書かれていませんでした。裏にはただ一言『いつだってあなたのそばに』の文字がボールペンらしきもので書かれていました。 

上記を確認した後に財団の職員が封筒に書かれていた住所に尋ねていったところ、廃屋となった一軒家が見つかりました。近所の住民に聞き込みを行うと、そこに住んでいた家族はある日突然夜逃げしたことが分かりました。家族構成は夫と妻とその子供の三人ですが、夫は何年も前に別居していて実質妻と子供の二人暮らしだったということです。職員が調査のために中に入って見回ったところ、部屋の中に落ちている数枚の葉っぱを発見しました。詳しく調べると不可思議なことにその葉は住所周辺に生息しているどの樹木の葉とも一致しませんでした。後の調査でその葉はSCP-620-JPに生息しているとある樹木の葉と一致していることが確認されました。しかしこの樹木はこの村以外にも自生しており、その葉っぱがこの村のものなのかは現在不明です。