ちょい多忙
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは、サイト-8107の保管庫に、落下による衝撃を緩和させる専用のケースに入れた状態で収容してください。SCP-XXX-JPはlevel2以上の職員ならば誰でも会話をすることができますが、事前に████博士から許可を得る必要があります。SCP-XXX-JPと会話をするときは、卑猥な言葉の使用、SCP-XXX-JPの勝手な持ち出しや会話以外の使用といった行動は禁止されています。
説明: SCP-XXX-JPは█████株式会社でビジネス向けに製造された、シルバー系のカラー電子辞書です。内蔵されている辞書は36種類あり、音声認識機能や発声機能といった高性能な機能を備えています。電源を入れることで活動状態に、電源を切ることで非活動状態になります。
SCP-XXX-JPは自我を有しており、人間と意思疎通をはかることができます。内蔵している辞書の言葉の意味をすべて理解できる知能を持ち合わせています。会話をするときは、音声認識機能で言葉を聞き、発声機能で言葉を発します。口調は極めて紳士的かつ丁寧であり、男性の声を使用しています。主な使用言語は日本語と英語ですが、SCP-XXX-JPはフランス語、イタリア語、フランス語、スペイン語、中国語の辞書を内蔵しており、これらの言語も使用可能であることがわかっています。
SCP-XXX-JPの特異点は、SCP-XXX-JPは、異常性が確認されるまでは財団のlevel2のある職員が一般の電子辞書として購入し、所有していました。購入してから██年経過後、level2の職員が仕事のためにSCP-XXX-JPの電源を入れたところ、SCP-XXX-JPが突然話し出しました。level2職員は、この異常性を財団に報告し、その結果保護されることになりました。
補遺:
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは、サイト███の鉄製の保管庫に保管してください。level3以上の職員のみが接触することができますが、耳栓を着用することを義務付けられています。現在、SCP-XXX-JPの音を鳴らす行為は実験の時以外は認められていません。万が一、SCP-XXX-JPの音を聞いてしまった場合、ただちにSCP-XXX-JPとの一切の接触を禁止し、症状に合わせて適切な処置を受けてください。
説明: SCP-XXX-JPは、横幅26cmの小型の木魚です。███株式会社によって、厳選された███県産の上等な楠で製作されています。通常の木魚に備わっているばちはありません。
SCP-XXX-JPは、自身が魚であるかのように振る舞います。畳の上でのみ移動することが可能です。畳の上以外にSCP-XXX-JPを設置した場合、SCP-XXX-JPは一切の行動を停止します。SCP-XXX-JPが動くと、畳の上に水の波紋が表れます。SCP-XXX-JPは食事、睡眠及び排泄行為をとることはありません。SCP-XXX-JPは自身の感情を表す時に、自ら木魚を叩いた時の音を発します。例として、喜びを表す時はゆっくりと3回、怒りを表すときは強めで5回音を発しますが、1日に108回以内と決まっています。
このSCP-XXX-JPの特異性は、何者かがSCP-XXX-JPから発せられる音を聞いた後、眠気を感じた時に発現します。この音は、SCP-XXX-JPを叩いた時の音のみならず、SCP-XXX-JP自らが発する音も含まれます。対象が音を聞いた後でいづれかの時点で眠気を感じた瞬間に眠り方を忘れてしまいます。この症状は、音1回につき15分眠れなくなるとされています。この症状が5日間以上続くと、永久に眠り方を思い出すことができなくなり、末期症状として覚醒でも睡眠でも無い状態に陥ります。この状態の対象は、生命の維持に必要な機能は活動し続けますが、意識がはっきりとせず、自らの力で体を動かすことができません。症状が5日以内持続する場合でも、精神状態が不安定になると、対象は眠れないことに恐怖を抱き、自身の目をえぐりだすように掻き毟ることがあります。
SCP-XXX-JPは、███/██/██ に、███県██市███村内の寺院で発見されました。寺院の住職一家と村内の一部の住民が原因不明の睡眠障害に悩まされており、その内の住職を含む4人が末期症状に陥っているという事態が発覚しました。調査員が病院の医師として症状が軽い者を診察していた時、寺院の木魚が夜中に独りでに動いているとの証言していたため、異常性があると見て捕獲にのりだしました。同時に、末期症状の4人は財団管理下の病院にて治療・観察されています。調査によると、SCP-XXX-JPの異常性は、製作された当初から発現していた可能性があることがわかりました。また、発症者の追跡調査によると、SCP-XXX-JPによって引き起こされた症状が遺伝することが発覚しました。症状の発症、持続、完治を繰り返しますが、その周期は現在は予測が困難とされています。これらの犠牲者については、症状が風土病であると説明し、村の外に拡散させないよう厳重に監視しています。
会話記録108-JP:以下は、SCP-108-JPの犠牲者とのインタビューログです。
対象:██████
インタビュアー:████博士
付記: 対象は、███県██市███村在住の30代男性です。SCP-108-JPの異常性を受けて、症状を発現してからおよそ3日経過した時の記録です。
<録音開始,████ /4/23>
████博士: 3日ほど寝ていないのだとか…、大丈夫ですか?
██████: 全く大丈夫じゃないですよ、すごく眠いんですから!でも、眠れないんです。
████博士: 不眠症ですか?
██████: いや、違います。眠り方がわからないんです。
████博士: 眠り方がわからない?
██████: 貴方は知ってますか、眠り方を。眠る時、体は横向きなのか、仰向けなのか、うつ伏せなのか。
████博士: 私は…、大抵仰向けですよ
██████: じゃあ、その時の手の位置は?折り曲げてますか、伸ばしたままですか?それとも、毛布から手を出しますか?
████博士: そこまで意識したことはありませんね
██████: 意識してない?じゃあ貴方はどうやって眠っているんです?ねぇ、目はつぶってますか、開けてますか?呼吸は、呼吸はどうなんです、鼻か、口か、ああ、両方使う場合もあるなぁ。あと、部屋の電気もだ、真っ暗にしますかねぇ?どうなんです?
████博士: 少し落ち着きましょうか。
██████: 落ち着いてられない。考えたことありますか、パジャマで寝ればいいのか、素っ裸で寝ればいいのか!どっちもやったけど、ちっとも眠れない。枕も、枕の位置もそうだったな、どこに置いていたっけ、もうわからない、畜生、ああ、眠りたい、眠りたいんだよぉ……。
████博士: さっきから目を掻いてますが、大丈夫ですか?爪を立てすぎじゃあ……。
██████: そんなことはどうでもいい!どうしよう、どうやって寝てたんだ?もうちょっとで眠れそうなんだ、でもどうやって眠るのかさっぱりだ。何をしても、「これじゃあ眠れない」って思うんだよ。逆に頭が妙に冴えちまう。なぁ、教えてくれよ、俺はただ眠りてぇんだよ、おい!どうなんだよ!さっきからじろじろ見やがって、ふざけんなよ!
████博士: これ以上は危険なので、中止しましょう。
<録音終了>
終了報告書: ██████はその後、目を掻き毟る症状を発症したが、SCP-108-JPの症状が無くなった後は眠れるようになり、通常の生活ができるようになりました。このインタビューによって、SCP-108-JPがもたらす症状がわかりました。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: safe
特別収容プロトコル:
SCP-XXX-JPは、サイト███の地下の冷凍保管室に収容してください。室温は常に摂氏0℃以下を保ち、SCP-XXX-JPの水が一定以上になるように供給を欠かさず行ってください。level2以上の職員のみがSCP-XXX-JPに対応することが許可されています。
説明:
SCP-XXX-JPは、直径3.5m、高さ3mの雪洞SCP-XXX-JP-(1)と、飲食物SCP-XXX-JP-(2)と、容量が30Lの壺SCP-XXX-JP-(3)で構成されています。SCP-XXX-JP-(2)及びSCP-XXX-JP-(3)は、SCP-XXX-JP-(1)の内部に設置されています。
SCP-XXX-JP-(1)は雪で構成されているのにも関わらず、どのような温度の環境下においても、その形状を保ち続けることが可能です。又、SCP-XXX-JP-(2)は、飲食可能であり、飲食されてから30分後に自然に供給されています。季節によって飲食物の種類が異なり、春は日本酒と団子、夏はビールと焼きトウモロコシ、秋はワインとカシュ―ナッツ、冬は甘酒と焼き餅になることが確認されています。SCP-XXX-JP-(3)は通常水で満たされています。尚、SCP-XXX-JP-(2)及びSCP-XXX-JP-(3)はSCP-XXX-JP-(1)の内部にのみ存在しており、外部への持ち出すことはできません。
SCP-XXX-JPは時速0.5kmで移動することができます。移動するごとにSCP-XXX-JP-(3)の内部の水が減少します。減少の仕方は温度によって差異があります。摂氏0℃以下の状態で減少の度合いが小さいことが判明しています。
このSCP-XXX-JPの特異性は、SCP-XXX-JP-(3)の内部の水が15L以下になることで発現します。この状態のSCP-XXX-JPを何者かが視覚的に認知すると、突然急激な寒気と空腹感を感じます。それと同時に、SCP-XXX-JPの内部に入り、SCP-XXX-(2)を飲食することを強く欲求しますが、SCP-XXX-JP-(3)の存在を認識することができません。欲求が満たされると、SCP-XXX-JP-(1)の出入り口が雪でふさがります。この時、内部から脱出することは不可能になります。SCP-XXX-JP-(1)の内部の温度は次第に上昇し、摂氏40℃近くにまで及びます。内部の者は次第に脱水症状になり、SCP-XXX-JP-(3)の内部の水が喪失分だけ補充されます。水が完全に補充されるまで、中の者を解放することはありません。水が満たされると、SCP-XXX-JP-(1)の内部の温度は常温になり、出入り口をつくり、再び移動を開始します。
この活動はSCP-XXX-JP-(1)の内部でのみ行われます。外部に水が存在していたとしても、SCP-XXX-JP-(3)の水が補充されることはありません。また、人間以外の生物が同様の行動をとってもSCP-XXX-JPが活動しません。このことから、SCP-XXX-JPは、人間のみを対象とし、餌として水分を吸収し、移動手段を確保していると考えられています。
SCP-XXX-JP-(3)の水が半分以下になる前に水を供給すると、特異性は表れることはありません。又、SCP-XXX-JP-(2)は、SCP-XXX-JP-(3)の内部の水が半分以上であるときは、飲食しても特異性が表れないことが実験により判明しました。
SCP-XXX-JPは███県内の山中で発見されました。真夏であるにも関わらず移動している雪洞があることを、休暇中で帰省していた職員が発見・報告し、財団が捕獲しました。捕獲当初、SCP-XXX-JP内部から男性の遺体が発見されました。死因は重度の脱水症状であるとされ、男性は数日前に行方不明で届出が出されていた███ ███であると特定されました。