・SCP下書き
アイテム番号: SCP-xxx-JP
オブジェクトクラス: safe
特別収容プロトコル:SCP-xxx-JPとの接触は全て女性職員に行わせるようにしてください。生殖が可能な男性職員をそれに近づけることは禁止されています。
説明:SCP-xxx-JPは身長148cm、体重40kg、黒く長い髪を生やした女性の姿をしています。全身の器官が珪素を主成分とした物質で構成されていますが、その形質はごく一般的な人間の女性と変わりません。特徴として、本来人の顔に当たる部分に目や鼻といった器官が一切なく、全体が滑らかな表皮で覆われていることがあげられます。
SCP-xxx-JPは生殖可能な成人男性が近くにいる場合、それとの交配を見境無く求め始めます。その際、SCP-xxx-JPは顔に当たる部分の表面組織を変化させ、人間の顔に似たものをつくります。その容貌は、それを見た者がもっとも醜いと感じるものとして認知されます。SCP-xxx-JPは、それが交配の対象とする成人男性を最も興奮させる容貌だと考えています。その顔を見た男性はショック症状を起こし、全員が例外なく勃起不全を発祥します。この顔の変化は女性からは認知することができません。活性化を防止するために、SCP-xxx-JPとの接触は全て女性職員に行わせるようにしてください。また生殖が可能な男性職員をSCP-xxx-JPに接近させないでください。
アイテム番号: SCP-xxx-JP
オブジェクトクラス: safe
特別収容プロトコル:男性職員あるいは出産経験のある女性職員に管理をさせて下さい。
説明:SCP-xxx-JPは白い百合の花に似た姿をしています。女子校など、未婚の女性が多く集まる場所などに自生しており、それらは処女を惹き寄せる誘因物質を発散していると考えられます。誘因物質は被害者に作用し、SCP-xxx-JPの宿主となるようにその思考を誘導します。誘因物質には指向性があり、半径100m以内に入った特定の対象に対し、物理的特性を無視して作用します。閉鎖空間や風の強い屋外などでも、その効果は変化しません。対象はSCP-xxx-JPが任意で選んでいると思われます。
宿主となった被害者はSCP-xxx-JPとが発散するの同じ誘因物質を発散するようになります。宿主はSCP-xxx-JPが指定した新たな対象を誘惑し、それを妊娠させます。SCP-xxx-JPの影響下にある対象は、全員が処女であると自称するようになり、自分たちが処女懐胎したと証言するようになります。身辺調査の結果、発症者はすべて男性との交際経験がありませんでした。処女であるかどうかを調べる有効な検査法が存在していないため、本人の証言と周囲への聞き取りが主な調査方法として採用されています。
12人を妊娠させたのち、SCP-xxx-JPは最後に宿主を妊娠させます。その後、宿主を操り別の土地へと移動し、そこへ根を張り次の宿主を探します。
・ボツ
アイテム番号: SCP-333-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル:SCP-333-JPは標準的な人型収容セル内に保管してください。SCP-333-JPは長期間月の見えない環境下に置かれると精神に異常をきたし、同時に身体機能の衰弱を起こします。それを防ぐためにSCP-333-JPには週に3度、月の観測を行わせるようにしてください。
SCP-333-JPの容貌を詳細に記述することは、それを見聞きした者に対し重度のミーム汚染を発生させるため禁止されています。直接その容貌を見たり声を聞いたりした者も、同様にミーム汚染を受けます。医療行為などの特別な場合をのぞき、SCP-333-JPとの直接的な接触は避けるようにしてください。直接接触する場合は仮面や覆面などを用いてその顔を覆ってください。SCP-333-JPの観察は別室からモニター越しで行ってください。室内にはセンサーに連動して映像を切り替える監視カメラを取り付けてください。監視カメラの映像はSCP-333-JPの動きに合わせて、常に顔の死角部分に切り替わるよう設定してください。会話は筆談やメールを用いるなど、間接的なものにとどめてください。
SCP-333-JPと接触する際はその都度ごとに別の職員と交代するようにし、特定の職員が連続して対応することがないよう注意してください。SCP-333-JPとの過度の接触を避けるため、3ヶ月に1回は担当職員の異動を行ってください。SCP-333-JPとの接触後、担当職員には毎回必ず精神鑑定を受けさせ、ミーム汚染が起きていないかを確認してください。その際に重症と診断された場合は記憶処理を施し、ただちに該当職員を別サイトに移してください。
SCP-333-JPが発生した竹と竹林(竹をSCP-333-JP-A、竹林をSCP-333-JP-Bと呼称)は全て伐採した後、周囲に枯れ葉剤を散布するか、土地の埋め立てを行ってください。環境への影響や地形の問題で実行が不可能な場合は、SCP-333-JP-Aを中心とした半径3kmを立入禁止区域として封鎖し、定期的にSCP-333-JP-AおよびSCP-333-JP-Bの伐採を行ってください。入り口には24時間体制で警備員を設置してください。警備員の異動および精神鑑定はSCP-333-JP担当職員のものに準じてください。
SCP-333-JPは発生から█3年経過した満月の夜、事象の地平面を発生させて自らを消滅させようとします。前兆現象を観測した場合は、SCP-333-JPを速やかに屋外に移し、発生した事象の地平面へ向けて投棄してください。
説明:SCP-333-JPは竹の節の中に発生し、幼生は身長約█cm、体重約█kg、成体は身長███cm、体重██kgで人間の██に良く似た姿をしています。最初の発生が確認されたのは平安時代の██年間、現在の██地方においてと思われます。明治██年に、当時の宮内省図書寮からSCP-333-JPの発生を記録した史料が発見されたことによりそれが分かりました。史料によるとおよそ██年周期で国内に存在する竹林にSCP-333-JPは発生しているようです。その後の財団の調査により、その記述が正しいことが証明されました。史料中ではSCP-333-JPは“霊異”と表現されています。最初のSCP-333-JPの発生により、████や貴族といった当時の為政者らがミーム汚染を受けたことが史料編纂のきっかけになったと考えられています。発生したSCP-333-JPの管理は当時の陰陽寮に対し命じられていたと史料には記されています。
SCP-333-JPは竹から取り出された後、約3ヶ月ほどで幼生から成体へと成長します。SCP-333-JPが発生する竹(以後SCP-333-JP-Aと呼称)は、誘因作用のある未知の化学物質の精製と発光現象を起こすことが確認されています。それらは人間を引き寄せ、SCP-333-JPを竹の中から取り出させるよう思考を誘導します。発光と化学物質の精製を行う仕組みは不明です。SCP-333-JP-Aが発生した竹林(以後SCP-333-JP-Bと呼称)の中には、同様の発光現象を行う個体が発生するようになります。それらの内部からは金などの貴金属類が発見されています。SCP-333-JP-Aの発生によって、竹林がSCP-333-JP-Bへと変化するものと考えられます。SCP-333-JP-AおよびSCP-333-JP-Bは本来ただの竹と竹林であり、SCP-333-JPが竹の内部に発生したことによりその性質が変化したとSCP-333-JPは証言しています。
SCP-333-JPの容貌は、対象とする人間が最も███と感じるものとして認知されます。SCP-333-JPと接触した人間は、それに対する強い独占欲と執着心、および庇護したいという欲求を抱きます。SCP-333-JPによるミーム汚染の影響下にある人間は、常にSCP-333-JPのことを考えるようになります。重症の者は生命維持のためのあらゆる行動を放棄し、SCP-333-JPに対する思考に没頭するようになります。あるいはどうにかしてそれに近付こうと、収容義務違反を含めたあらゆる危険な行動や方策をとろうとします。また、SCP-333-JPは外部の人間との接触を極端に嫌います。これはSCP-333-JP自身が人間に対し重度のミーム汚染を発生させることを知っており、それによる悪影響を防ぐためと考えられます。この性質があるため、SCP-333-JPは収容に関しては概して協力的です。直接SCP-333-JPと接触する必要がある場合は、その顔を仮面や覆面などで隠して見えないようにし、ミーム汚染拡大の防止につとめてください。
SCP-333-JPは発生から█3年経過した満月の夜、SCP-333-JPが“月の使者”と呼ぶ事象の地平面を生みだし消滅します。前兆として、SCP-333-JPを中心として仰角30°、月との直線上300m付近に空間の歪曲が発生します。“月の使者”の放置は大規模な収容義務違反を発生させる危険性があります。前兆現象を観測した場合は、SCP-333-JPを速やかに屋外に移し“月の使者”へ向けて投棄してください。
[[collapsible show="+補遺1:SCP-333-JPの収容義務違反の記録" hide="-テキストを隠す"]]
付記:“月の使者”発生を防ぐために実行されたSCP-333-JPの隔離実験。19██/██/██から19██/██/██に渡り3回行われました。実験に使用されたSCP-333-JPはそれぞれ-1,-2,-3,の番号を割り振られています。
実験記録333-1 - 日付19██/██/██
対象: SCP-333-JP-1
実施方法: SCP-333-JP-1を地下1000mに設置されている人型収容セル内に隔離。
結果: SCP-333-JP-1を中心として仰角30°、月との直線上300m付近の地下に“月の使者”が発生。“月の使者は”周囲の土砂と岩盤を消失させながらSCP-333-JP-1に接近し、それを消滅させます。その際発せられたエネルギーによってマグニチュード██クラスの地震が発生。深度地下ブロックの消失、地上収容施設内の窓が割れるなどの被害が発生しました。
分析:地平線の下に位置していた月に反応したと思われます。SCP-333-JP-1を中心とした仰角30°に月が位置した時に“月の使者”は自動的に発生するようです。
実験記録333-2 - 日付19██/██/██
対象: SCP-333-JP-2
実施方法:SCP-333-JP-2を機械に固定。機械はSCP-333-JP-2の足下を常に月の軌道に向け、それをなぞるように回転する。
結果:規定の日時を過ぎても“月の使者”は発生しませんでした。隔離によってSCP-333-JP-2の衰弱を確認したため月の観測をさせました。その際“月の使者”が発生。SCP-333-JP-2を消滅させました。
分析:規定の日時を過ぎた場合、仰角30°に月が入ると“月の使者”が常に発生するようになると考えられます。
実験記録333-3 - 日付19██/██/██
対象: SCP-333-JP-3
実施方法:SCP-333-JP-3をSCP-333-JP-2と同種の機械に固定。衰弱が確認されても観察を続行。
結果:規定の日時を過ぎても“月の使者”は発生しませんでした。SCP-333-JP-3は月の観測不足により衰弱、同日に活動停止を確認。SCP-333-JP-3が停止したのと同時刻に“月の使者”が発生。最初はSCP-333-JP-3が発生したSCP-333-JP-Aに。そこからSCP-333-JP-3が移動した軌跡をなぞるように“月の使者”が範囲を拡大。途上に存在するあらゆる物体を消失させながらSCP-333-JP-3を収容している施設に接近。その通過ルートの付近にあった都市圏で重力変動によるものと思われる████人の犠牲者が発生。結果、SCP-333-JP-Aから半径███kmに及ぶ範囲で大規模収容違反が発生しました。収容違反は終了したSCP-333-JP-3を“月の使者”が施設ごと消滅させるまで続きました。この事案は大規模な震災として情報操作し、付近に住む█万人に対し記憶処理を施しました。
分析:SCP-333-JP-3という基準点を喪失したため、“月の使者”はそれが存在した座標を無差別に消失させたと思われます。他のSCP-333-JPも同様の現象を発生させると推測されます。SCP-333-JPは規定日時まで厳重に管理し、“月の使者”発生の前兆が確認された場合速やかにそこへ向けて投棄するべきです。
O5-3:提案は受理されました。
対象: SCP-333-JP
インタビュアー: 三室博士
付記:発生する以前の記憶についてSCP-333-JPが証言した際の記録。対象の観察は別室からモニター越しに行う。マイクはこちらからのみ声が伝わるようにし、人型収容セル内の音声が聞こえないよう設定。SCP-333-JPはこちらからの質問に対し、室内に据え置かれた端末から電子メールで返答する。二重括弧内はSCP-333-JPが書いた電子メールの返信内容。
<記録開始, ████/██/██>
三室博士:こんにちはSCP-333-JP。こちらの声が聞こえますか?
SCP-333-JP:『きこえます。こちらのめーるはとどきましたか?』
三室博士:ちゃんと届いています。早速ですが質問をさせてもらいます。今日はあなたが以前言っていた、生まれる前の記憶について詳しく聞かせてもらえませんか。
SCP-333-JP:『█████についてですか?』
三室博士:そうです。あなたが覚えている限りのことを教えてください。
SCP-333-JP:『私たちがおぼえているのは、そこがとてもあたたかかった、ということです。私たちは█████にいる父と母からうまれました。そこではみんながなかよくくらしています』
三室博士:その█████には、あなたや私たち人間と同じ姿をした生き物が住んでいるのですか?
SCP-333-JP:『いいえ、同じではありません。私たちにすがたはありません』
三室博士:姿がないとはどういうことですか?
SCP-333-JP:『うまくいえません』
三室博士:あなたの言葉で、説明できる範囲でかまいません。
SCP-333-JP:『私たちの体はここにきてはじめてできました。すがたはそれまでありませんでした。私たちは他のだれかを、自分と違うとは思っていませんでした』
三室博士:それでは、あなたが父と母と呼んで区別しているものはなんですか?
SCP-333-JP:『母は私たちをうんだものです。父は私たちをつつんでいたものです』
三室博士:包んでいたとはどういう意味ですか?
SCP-333-JP:『父はふとんのようなものです。私たちはその中でぬくぬくしていました。でもあるとき私たちは寝苦しいと思ったのです。そうしたら私たちは父から追い出されてしまいました。気付いたらこの体に入れられてここにいました。寝苦しいと思ったのはきっと悪いことだったのです。それで█████を追い出されたのです』
三室博士:ありがとうございました。質問は以上です。
<記録終了>
終了報告書:発生以前SCP-333-JPは肉体が無く、個体を識別するという概念がなかったと推測されます。精神のみで存在する生命体の可能性もあります。