探偵は激怒した。必ず、かの邪智暴虐の「財団」を除かなければならぬと決意した。探偵には「確保、収容、保護」がわからない。探偵は町を歩き、猫を探し暮して来た。けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感であった。きょう未明探偵は町を出発し、野を越え山越え、30kmはなれた此の[編集済み]の土地にやって来た。探偵には父も、母も無い。妻も無い。18の、内気な妹と二人暮しだ。この妹は、町の或る律気な会社員を、近々、花婿として迎える事になっていた。結婚式も間近なのである。探偵は、それゆえ、式の招待状やら祝宴の御馳走やらを買いに、はるばるこの土地にやって来たのだ。先ず、その品々を買い集め、それから都の大路をぶらぶら歩いた。探偵には竹馬の友があった。バーテンダーである。今は此の都の地に勤めている。その友を、これから訪ねてみるつもりなのだ。久しく逢わなかったのだから、訪ねて行くのが楽しみである。歩いているうちに探偵は、土地の様子を怪しく思った。ひっそりしている。もう既に日も落ちて、土地の暗いのは当りまえだが、けれども、なんだか、夜のせいばかりでは無く、土地全体が、やけに寂しい。のんきな探偵も、だんだん不安になって来た。路で逢った若い衆をつかまえて、何かあったのか、二年まえに此の土地に来たときは、夜でも皆が歌をうたって、土地は賑やかであった筈はずだが、と質問した。若い衆は、首を振って答えなかった。しばらく歩いて家無き人に逢い、今度はもっと、語勢を強くして質問した。家無き人は答えなかった。探偵は両手で家無き人の身体を揺すぶって質問を重ねた。家無き人は、あたりをはばかる低声で、わずか答えた。
「土地の者はみな記憶が曖昧です。」
「なぜ曖昧なのです。」
「財団という研究所の者に記憶を攫われたというのですが、誰もそんな、確信をもっておりません。」
「たくさんの記憶を攫ったのか。」
「はい、はじめも終わりもとんと分かりません。」
「おどろいた。そのようなことがあるのか。」
「はい、記憶にございません。しかし、これだけは覚えております。何がしかの事件や事故が起きると必ず黒衣に身を包んだ者たちが我々に近づいてくるのです。今ではこの者たちの容貌も曖昧になりつつあります、このごろは、この黒衣の者たちはみなくなりましたが、またいつ出くわすのが不安で他の土地の者たちも怯えているのです。」
聞いて、探偵は激怒した。「誰に人の記憶を奪う権利があろうか。捨て置けない。」
探偵は、単純な男であった。買い込んだ物を、背負ったままで、のそのそ聞き込みを始め、「財団」とやら、黒衣らの情報を集めた。しかし、土地の者の記憶は曖昧である。たちまち探偵は行き詰まってしまった。しかし、行き詰まるごときで立ち止まる探偵ではない。時近くに起こった事件や事故、些細な事柄の聞き込みへと調査を変えたのだ。するとおぼろげながら見えてくるものがある。黒衣の者たちが姿を現す時は良く分からぬ、稀有な現象が起きたときだというものだ。ここまでは調べ上げた探偵ではあるが、財団も黒衣の目的はとんと分からぬままであった。そうしている内に日も暮れ、探偵ははじめ考えていた友を訪ねるに至る。
カランコロンと扉の鐘がなる。いらっしゃいませ、とカウンターの奥より声が聞こえそちらを向くと、友がいた。
「ああ、二年ぶりじゃないか。」
「ああ、二年ぶりだとも。」
探偵と店員の間に多くの言葉はいらない。探偵は妹の婚礼を話し、店員は自らの店を持つにいたった経緯を話した。共に笑い、共に祝い、共に夜を明かした二人であったが、明くる朝探偵は店を出る前に一つ聞いてもいいか、と尋ねた。
「この土地には黒衣の者たちが記憶を奪い去るという話がある。これは本当なのか?」
店員はしばしの沈黙の後、意を決したように語った。
「本当はお前に首をつっこんでは欲しくなかった。危険だと聞くからだ。」
それからは堰を切ったかのように話した。ある夜明けに看板をしまおうと道にでた時、
書きかけ
探偵が激怒して財団を調べ上げ、接触するまでに至ったけど、記憶処理されて、その腕の良さを買われて諜報エージェントになりましたとさ。
サイトのはずれにある区画をうろつくスーツ姿の若い男がいた。若い男は配属書類と地図の走り書きされたメモの切れ端を持っており、周りの表札と地図とを交互に見ては、とぼとぼと歩くが、ふいに足を止めた。地図はミミズの断末魔が聞こえるほど乱雑さで、途方にくれるより他なかったのだ。若い男は周りを見渡す。ミミズに代わる新たな導き手を探すためにである。しかし、この区画はサイトの外れでここまですれ違った人は片手で数えられるほどしかない。携帯電話も異動先に既に送られている。携帯できていなかった。
どうしようかと思案を巡らしていると、通ってきた道からカラカラとおとが聞こえる。渡りに船とばかりに若い男が振り向くと、台車を押す初老の男がいた。白衣を来て、あごひげを無造作に生やした男である。
「すいません、この区画の…えーとここにいきたいのですが道を教えてください。」
そう言って人事から受け取った配属書類を差し出した。初老の男は受け取ってまじまじと見ると、すぐに合点がいったようにああ、と声を漏らした。
「君が新人か。話は聞いているよ。じゃあ初仕事でこの台車を頼むよ。」
新人は初老の男から物品を運ぶという大役を任され、目的地までの間軽く自己紹介を交えると仕事の内容を聞かされることとなった。
初老の男は配属された部署の室長であり、職員はほんの数名、人員が欲しいと言ったのに半年待たされたこととか、仕事は物品整理がほとんどであるとかだ。そして最後に目的地の扉の前でこう締めた。
「部屋を見て回ってから改めて詳しくはなそうか。」
扉を抜けると、金属枠で作られた棚があり、そこには意味のわからぬ記号が幾つか張ってある籠が多く置かれていた。辺鄙な場所に来てしまったなと新人の顔に出ていたようで、室長にすまないね、と笑いかけられていた。新人は罰の悪そうに乾いた笑いを返し、室長の後に続いた。
それから室長は個人用のロッカーと机を確認し、、先に届けられた私物と白衣を新人に渡した。便利だよ、と一言添えて。
「じゃあ次は設備について話すそう。」
「はい、宜しくお願いします。」
室長は金属棚の森を真っ直ぐ抜けた先、部屋の奥へと向かって歩いていった。そこには少し開けた会議室のようなもので、中央に長机が3つ繋げて置いてあるのが新人の眼に飛びこむ。。左右の壁のあたりにはデスクトップパソコンが5台ずつ設置され、長机の向こうにある中央の壁には大きな液晶画面が沈黙している。人はいない。
室長が脚を止めると振り返り、嬉しそうに改めて歓迎の意を述べた。
「ようこそ、サイト-8110資料室へ」
そういうと室長は椅子に座るよう促して、珈琲を新人へ差し出した。
「緊張してる?」
「ええ、まあ…」
「来たときには緊張というよりかは失望だったかもね。」
室長がカラカラと笑う。新人もつられて笑うが、眼は泳いでいた。
じゃあ話そう、といって室長は椅子から一番近い棚から籠を持ってきて長机に置いた。そして中から小さい金属製のライターを取り出した。
「この籠は最近亡くなったエージェントの私物が入っていてね。籠の横に名前となくなった日付が入っているだろう?」
籠の横を新人に向ける。
「..はい、Aいく…よしですか?」
「それはいくらと読むんだ。彼はまあなんというか…ビビりでね。ビビり故に危機感知に関しては目を見張るものがあった。その彼がどうして亡くなったのかは分からない。ただ他のエージェントが連絡を受けた現場に行くと、大きい水甕に収まっていたらしいが、頭頂部のみミキサー状だったそうだ。回収後本人だと確認されたよ。」
新人は室長の言葉を想像したようで、少し青ざめた。
室長は続ける。
「そしてこれは彼の愛用のライターだ。現場から回収されて現在特性がないかどうかの検査中でね。この検査は私たちの仕事の一つだ。そして特性が確認されたら適切に処理をする。確認されなかったらカバーストーリーを添えて「遺品」として家族へ渡しに行く。というわけだ。職員の多くはフロント企業に勤める"一般人"であるからね。」
室長は小休止を挟むため、コーヒーを飲む。
「それが主な仕事なんですか?」
「ああ、物品管理と言っているが実質遺品整理だ。これが通称の由来だというのはもう分かったね。気がめいる仕事だろう?」
「..ええ、聞いているだけでも。」
「ははは、そうだよねえ。まあ精神的にまいったら早めに言ってね休暇だすから。」
「…一ついいですか、財団の目的はSCPオブジェクトの確保、収容、保護ですよね。どうして財団は遺品を管理するようになったのですか?」
「そうだねえ..いつからなのかはもう分からないけど、前の室長から理由らしきものは聞いたことがあるよ。」
『人間の偉大さは恐怖に耐える誇り高き姿にある』という古代ギリシア人プルタルコスの言葉を知っているかね?恐怖に耐え、退けるのは常に前線を行く人々だ。エージェントや機動部隊、研究員、Dクラスさえ恐怖の中にある。私は彼らにこそ敬意を払わなければならないと考えている。この資料室でできることが遺品管理ならば、喜んでやろうではないか。
「..とね。まあ前室長はお堅い人だったし、色々考えすぎだとも思うけどね。」
「誇り高き姿への敬意..ですか。」
室長は懐かしむように語ると、またコーヒーをすすった。
「なんであれ、この部屋では遺品管理をしていて、君は新人としてここで仕事をすることに変わりはない。けれど君がこの仕事に向き合う『姿』は如何様にでもなる。」
「…はい」
新人は未だこわばった顔つきである。室長はそんな新人を見て補足を付け加えた。
「….一つだけ言わせてもらうとね。私はこの財団で働く職員は皆プルタルコスの称した『人間』に値すると考えているんだ。何をしようと、誰であろうと。」
新人は頭の中で二人の室長の言葉を反芻した。プルタルコスの言葉、命への敬意と遺品。最後には仕事と向き合うことができるのかという漠然とした不安が脳を駆け巡る。
思い返した先にたどり着いたのは初めて死を覚悟した大災害であった。その災害で友人や親戚に亡くなった人もいる。葬式では立てられた写真のみで密かに開かれ、残った家族は受け入れられない現実に途方にくれるばかりであったことを覚えている。それゆえに「遺品」というものは家族にとって重要なものであることを思い出したのだ。
新人はしばし考え込んでいたが、室長を見据えてはっきりとした声で改めて述べた。
「室長、これから宜しくお願いします。」
投稿無期限延期
財団日本支部は物品をただ処理することはないと考えてまして。エージェントなんかはフロント企業に勤めているわけだから、死亡したら事後処理を必要とするだろうし記憶処理なんてその都度行うのも手間だし…..という屁理屈。
財団日本支部が発端というよりかは、何代も前の室長の「敬意」が代々受け継がれることで財団も認めるようになったという感じですかね。
新人の室長の言葉を受けての心情変化の脈絡のなさ。おいておく。
ある日の昼下がり。
賀茂川カウンセラーはその日の予約を確認していた。カウンセリング室の壁にかけられたホワイトボードにはいくつかの人名と数字が記入されており、その多くは”終了”と横に付け加えられている。
しかし、一つだけ未だその二文字のないものがあり、数字を見ると丁度壁掛け時計と同じ数字を表していた。
「…失礼、カウンセリング室はこちらでよろしいのかな?」
丁度扉を開け、入ってきた人物は初老の男性だ。肩に乗っかる長毛種の猫が目立つ。
「あってますよ~。どうぞおかけになってください。」
賀茂川カウンセラーは初老の男性にそう促してから、スリッパでパタパタと音をたてお茶を淹れにいった。残された男性は書類が積まれた机が近くにある椅子に座った。猫もその膝の上に横たわる。
男性がその無骨な手で猫を撫でると呼応するように喉をゴロゴロと鳴らすのだ。
「はい、どうぞ~。」
賀茂川カウンセラーは淹れたお茶を専用の台車にのせて運んできた。
「どうも、ありがとう。」
撫でている手を止め、お茶を机へと移した。賀茂川カウンセラーはというと台車を横に置き、男性の前に対するようにおかれた椅子に梯子で登った。
登り終えると、息を正してゆったりとした口調で切り出した。
「それじゃあカウンセリングを始めましょうか、朝比奈さん。」
「はい、お願いします。」
「朝比奈さん、最近気分はどうですか。」
「ええ…その..不安になるのです。」
「たとえばどんな時でしょうか。」
「..歩いていても話をしていても不安になってしまいます。私は会話の中で存在感が薄いようで他の職員は気付けないのでしょうが、ひどく無視されているように感じてしまいまして…。そのせいか寝つきが悪くなっていたんです。」
朝比奈博士は一口お茶を飲んではアチッと声をもらした。猫舌なもので、と付け加えた後猫を撫でることに手を戻した。
「ですが、なりたのおかげで幾分気づいてもらえるようになっているので気が楽なんです。」
「膝にいる猫さんですね。可愛いですねえ。」
賀茂川カウンセラーのにこにことした顔がなりたに向けられると、なりたは少し得意げにゴロゴロと喉を鳴らした。
「それでは、最近普段の生活で気になるものはありますか。些細なことで構いませんから。」
「…そうですね。生活については対人に不安が残るくらいで他にとくには…。話が逸れてしまいますがそれでもいいですか?」
「どんな話でも大丈夫ですよ。」
「その…この前研究を手伝ってくれた猫宮研究員についてなのですが。彼の猫たちに会ってみたいというものなのです。」
「猫さん大好きなんですね。」
「好きでもあるのですが、なりたにどうかなと考えまして。財団に入ってからなりたは私に付きっきりでいてくれるのです。それは大変嬉しいのですが、たまには他の猫とじゃれるのも良いのではないかと思うようになったのです。」
「気が合う猫もいるかもしれませんね。猫宮研究員には聞いてみましたか?」
「いえ、いきなり聞いてみるのもどうかと思いまして。」
「そんなことないと思いますよ。」
以降カウンセリングは猫談義に終始するようになり、その日を終えた。
部屋に一人になった賀茂川カウンセラーは扉を見つめ
「猫さんたちに囲まれてみたいですねえ」
と呟いた。
保留
朝比奈博士にはアニマルセラピーが効果抜群だと思う
次はこれ
SCP-751 - Organ Eater http://www.scp-wiki.net/scp-751
臓物喰らい
OC:Euclid
特別収容プロトコル:SCP-751は1立法メートルの密閉された封印容器にて収容したください。容器は高湿度が維持され、文書751-Aに準拠した栄養を毎日注入してください。
万が一、収容違反が発生した場合サイト内の全職員は起床し、高濃度の生理食塩水で満たされたスプリンクラーシステムを起動させてください。一度SCP-751の身体が位置したならば、標準的な処理手順に従ってください。
説明:
SCP-751 is an amorphous parasite that feeds off of the organs of humans and other mammals. It weighs approximately two (2) kilograms before infesting a host, and can weigh as little as twenty-five percent (25%) of this after reproduction. The majority of SCP-751's mass consists of an unknown substance with a gelatin-like consistency, with red veins running through it. Analysis has revealed that the veins contain a mix of blood from its progenitor's hosts along with varying anesthetics and immunosuppressive drugs. A full list of these chemicals is available in Document 751-C.
SCP-751は人間や他の哺乳類の内臓を栄養源とする無定形の寄生生物です。宿主に寄生する前であれば質量は凡そ2kgです。再生後質量のほんの25%を維持します。SCP-751の大部分はゼラチン状の未知物質で構成され、全体を静脈が走っています。分析により、静脈は宿主の先祖に加えて麻酔薬と免疫抑制薬に由来する混合血液を含むんでいることが判明しました。これらの化学製品の全リストは文書751-Cに記述されています。
オオシカ
広島県[編集済]市の海上にて「鹿を見た」という証言が多数報告されました。目撃者にはカバーストーリー「流木」を用いて対処した後、調査したところ2か月で午前[編集済]時に複数回観測されたことを受けて本格的な調査が現在継続されています。
Item SCP-XXX 「出張講義」
OC:Euclid
特別収容プロトコル:SCP-XXXが出現した場合、出現場所一帯を封鎖します。また近隣に住民が存在した際には適切なカバーストーリーを使用してください。出現が確認された場合、Dクラス職員を3名を配置し、SCPXXX-Aの指示に従うようにしてください。
説明:[編集済]圏に出現する人型オブジェクト(SCP-XXX-A)と付随する空間(SCP-XXX-B)です。SCP-XXXは隔週で開かれ、出席者が3人以上いない場合半径2kmの範囲で公園、空き地などの十分な広さのある場所に再出現します。初めの出現から再出現に移行するまでの時間は10分です。また再出現は通常二回までですが、講義への人間の出席率が低い場合、再出現回数が増加することが判明しています。尚8月、12月、3月からそれぞれ一か月の間不活性状態になります。
出席者が3人以上いた場合、教授は講義を開始します。また講義時間内で出席者達は6m×6m×3mの範囲内に行動を制限されます。講義時間は約90分で、内容は多岐に渡ります。「文芸的怪奇学」「相互解剖実験」「非破壊系宇宙航行学」「多次元民族文化学」が今まで確認されました。講義初めには書類が複数枚配布され、適宜利用する旨が指示されます。
SCP-XXX-Aは自身を「教授」と呼称しています。現在の所SCP-XXX-Aについて確認が取れているものは配布された書類に書かれてる未知言語の大学名と思わしきものと苗字が「東雲」であるという事のみです。現在SCP-XXX-Aに対してのインタビューは成功していません。
SCP-XXX-BはSCP-XXX-Aの前方に発生します。初めは簡易椅子が3席1列並べられた状態で出現し、近くの人間は無意識の内に教授の下まで移動し、椅子に着席したい欲求にかられます。3名着席した時点で、簡易椅子それぞれに標準的な木製の四角い机と筆箱が出現します。その後SCP-XXX-A直にA4サイズの書類を配ることが確認されています。椅子、机、筆箱に関しての異常性は確認されていません。
講義終了後に受講した人物は講義内容を復習しようという強迫観念を覚え、配布された書類に目を通します。書類の内容を理解しようとすると軽度の眩暈、吐き気を引き起こしますが、それでも目を通し続けます。この際他者の介入によって中止させる試みは被験者の終了によってのみしか成功していません。最終的には書類内容への理解不足に対して極度の不安感が生じ、「落第した」と言葉を発しながら錯乱状態に陥ります。以降あらゆる精神治療は通用しませんでした。
補遺:近年SCP-XXXがその出現範囲を拡大している可能性が示唆されています。理由は不明ですが、最近の配布された書類には「学会」という文字が多く見られたことが関係していると疑われています。
つまり何?
教授が出席者に講義するスタイルのSCPなんだけど、まず俺が面白いと考えているのは「得たいの知れない学問」「体験型講義」そして「教授」だろうか。
「得体の知れない学問」は一見「狂人の言葉」に聞こえるようではあるが、「八次元幾何熱学原論」においては多次元空間の次元境界面における超越粒子運動を取り扱うものであるが、これを受けてとある科学者は閃きを得た。「熱力学的怪奇学」においては怪奇創作の小説において大成した人物の名前が世に知られている。
もしかしたら「天才」は教授の「生徒」だったのではないかとね。単なる妄想ですよ。
「体験型講義」については「相互人体解剖実験」が良いだろう。これはその名の通りだ、講堂という異常空間において生徒同士が相互に解剖を行うのだ。同時に。「AはBの人の胃を観察してみましょう。BはAの人の心臓を。ああ!メスは切れ味が良いので気を付けてくださいね!講義で死人を出すと講義ができなくなってしまうんですからね。ですが縫合をしっかりとしないと危険ですよ」
この発言より講義時間内で人が死ぬことがないと判明した。しかし、縫合が不完全であった職員は直ちに救護班によって処置がなされた。
「教授」とは何者か。賢者、魔法使い、導師、隠者、宇宙人、未来人、etc.etcしかし神ではない何者である。
・翻訳したいなあ一覧
SCP-301 - Teleporter http://www.scp-wiki.net/scp-305
SCP-751 - Organ Eater http://www.scp-wiki.net/scp-751
・翻訳済み
SCP-376 交通信号樹
要注意団体:通販サイト「Abyss」ユーザー通称「深海」
「文房具から家電ま、海外輸入品までなんでも取り扱っております!注文を受けてから即日発送会計方法多種取扱い!さあ、イスから一歩も動かずに、幸せをお取り寄せしましょう!」
要注意団体 深海
電子メールでおすすめ商品がおくられてきて…..使用すれば諸々の被害が起きる。重工も絡んでキャンペーン期間あったり
要注意団体:通販サイト[Abyss]
この通販サイト[Abyss](以下深海)は日本全国に展開する無店舗販売型の小売会社です。
通常深海に関しての情報は一般に語られるものではありません。監視対象である「2ch」のオカルト板において議論される都市伝説の一つという程度です。しかし、実際深海の顧客の多くは経営者、貿易商、外資系、いわゆる「金持ち」と言われる人達です。深海の経営状態が富裕層対象のものと考えられていましたが、一般人とも取引をする場合が確認されたので経営方針がどのようなものなのかは未だ不明です。
深海の取り扱う商品は広く「文房具から家電・海外輸入品まで」です。以下回収された商品例。
1、万年筆[通常の万年筆のように見えますが、インクにしようされているのは未知の原材料で作られた液体です。
このインクで書かれた文字は受取人は広げた時にインク使用者の声で読み上げられるのを知覚します。]
2、ソファ[人を駄目にするソファと題された商品です。使用者は████になることが確認されています。]
なお海外輸入品についてはマーシャル・カーター&ダーク株式会社、株式会社プロメテウス研究所、ザ・ファクトリーとの関連性を排除しきれていません。
ある顧客のPCより確認することができた電子メール
[編集済]様、商品のお買い上げ誠にありがとうございます。
商品につきましては明日の午前█時に我が社の宅配員がお届けに参ります。ご都合がつかない場合は、この電子メ|ールに希望の日時を添えて返信下さいませ。
それでは、今回お買い上げになった「万年筆 『語り部』」をもって、より素敵な文通をお楽しみください。
またのご利用を心よりお待ちしております。 通販[Abyss]より
より素敵で、刺激的で、興奮するような暮らしを実現させてみませんか?
気になったそこの貴方!私たちのオススメする商品に一度目を通してみてください!
小さなものは文房具から大きなものは家具まで何でも取り揃えております。
期間限定商品、海外輸入品も多数取り扱っており、貴方にぴったりな商品が見つかることを保証いたします。
それでは、ご利用お待ちしております。 通販サイト[Abyss]より
南古書店関連試案
SCP-XXX 書店
OC:Euclid
特別収容プロトコル:SCP-XXXはサイト-81██内にある本棚に保管してください。本棚には本が開くことのないようにブックスタンドを使用してください。
説明:SCP-XXXは見開き数ページの仕掛け絵本です。表紙は全体が薄い茶色がかったていて、所々経年劣化による染みが目立ちます。表紙には一階建ての日本家屋が描かれており、背表紙には本の題名として「書店」と印字されています。著者名・出版年・出版社名は故意に削り取られた形跡があります。しかし、最後のページの右下に「南」という文字の印鑑が押されていることは確認されました。
SCP-XXXを開くと1ページ目には表紙に描かれた書店が立体的に現れます。書店の外見は一般的な一階建ての日本家屋です。2ページ名以降は店の中にある本棚が仕掛けられており、最後のページには最奥のカウンターがあります。本の表紙は一般的な厚いケント紙が用いられていますが、仕掛けには未知の材質で作られた絹のようなと形容される感触を持つものが使用されています。
SCP-XXXを読み進めていくと、読者は自身が書店の中にいると錯覚するようになります。それからページをめくるたびの錯覚は強くなり最後に読者は気絶もしくは昏倒後に死亡します。しかし、途中で読書を中止させることができたならばその限りではありません。詳しくは次の各記録を参照してください。
実施日: 1995/██/██
実験概要: 実験対象D-XXX-JP-34に監視カメラ着きの部屋に配置し、SCP-XXX-JPを読ませた。音声は常に中継され、実験は████博士が指揮しました。<記録開始>
D-XXX-34:俺に絵本を読ませる気かよ。そんな歳でも趣味でもねえんだが。
████博士:気楽に読書だと思ってください。それでは表紙について伝えてください。
D-XXX-34:仕方ねえ。こりゃあ瓦のある普通の平屋だ。タイトルは「書店」だと。看板もあるけど何か擦れて良く分からない。これでいいか?
████博士:結構です。では、1ページ目を開いて内容を詳しく伝えてください。
D-XXX-34:あー、これ飛び出す絵本だ。3,4ページくらいしかない。最初に飛び出してきたのは表紙にある平屋だ。また看板があるけど今度は読めるぞ。看板には東の雲とかいて東雲堂と書かれてる。
████博士:はい。では2ページ目も同様にお願いします。
D-XXX-34:本屋の中に入った感じで本棚が飛び出してきた。本棚の上に「左棚 西洋人物学」って書いてあって目一杯詰まってる。背表紙にタイトルがあるけど英語で読めない。
████博士:結構です。では気になる点を伝えてください。
D-XXX-34:ああ、読めないけどジョンとか名前が入っているのは分かる。あと本棚がリアルだよ本当に。目の前に立って眺めているような感覚がする。
████博士:ありがとう。では次のページを。
D-XXX-34:次も本棚だ。「中棚 異学」とある。タイトルは….読めない。見たこともない文字だ。日本語でも英語でもない。三角形とか四角形みたいなものが組み合わさってできてる。なんというんだっけこんなやつ…..エジプトとかにあるやつだよ
████博士:他に気になる点は?
D-XXX-34:気になる点なんてなあ。いたって普通の本屋だ。本の質感もいいし、状態も綺麗だ。普段本を読まない俺でも惚れ惚れする。
████博士:本とは絵本のことですか?
D-XXX-34:いやこの意味の分からない本のことだ。中身もさっぱり分からないが読んでいたい気分なんだよ。
████博士:あなたは現在仕掛け絵本を読んでいるのですが….
D-XXX-34:あれ?そうだったか?……..ああ、そうだよ….仕掛け絵本を読んでいるんだ。次のページに行くぜ。
████博士:….分かりました。次のページも同様にお願いします。
D-XXX-34:「右棚 東洋人間学」。タイトルも「幸太郎の不幸せな物語」とか「金富豪話」とかの見るからにアジアの奴らだよ。日本語の本があったのか。読める物もあるじゃないか。
████博士:あなたには実物の本棚が見えているのですか?
D-XXX-34:何を言っているんだ?実物も何も本屋だろ?店主もいるのに失礼じゃないか。
████博士:貴方は椅子に座って仕掛け絵本を読んでいるのです。本を閉じてください。
D-XXX-34:あんたは何をいっているんだ?良く分かんねえな。もういい。店主これいくら?….安いなあ。ありがとうよ。
<D-XXX-34は無言でSCP-XXXの最後のページを開き、昏倒した>
████博士:救護班を至急実験室に呼べ!研究員はSCP-XXXを閉じて収容するんだ!
<████博士は実験を中止。D-XXX-34は救護班によって搬送された>
医務室に搬送後、D-XXX-34は心不全により終了しました。
実施日: 1998/██/██
実験概要: 実験対象D-XXX-54に無線通信機と発信機を持たせ、SCP-XXXを読ませた。音声は常に中継され、実験室外に救護班を待機させました。実験は████博士が指揮しました。<記録開始>
D-XXX-54: これは絵本ですか?████博士:そうです。貴方にはその絵本を読んでいただきます。それでは表紙について伝えてください。
D-XXX-54:分かりました。表紙はですね…瓦葺に一階建ての日本家屋の絵があります。入口はガラス戸になっていて、表紙の地は薄い茶色です。本の名前は「書店」です。
████博士:では、1ページ目を開いて内容を詳しく伝えてください。
D-XXX-54:表紙にあった店が仕掛けられていました。平面ではなくしっかりと店そのものが立体的になっていますね。看板には「東雲堂」と書いてあります。触ってみましたが、独特な感触です。滑らかで紙とは思えない。むしろ絹布のような感じです。
████博士:仕掛けにはあまり触れないように。では2ページ目も同様にお願いします。
D-XXX-54:はい。今度は本棚の仕掛けです。上の札で「左棚 西洋人物学」とあります。本の名前は「Mr.John Doe」「Alice can have done it?」などです。
████博士:ありがとう。他に気になる点はありますか?
D-XXX-54:その…本棚がですね、半分しか本が詰まってないんです。それと西洋の本棚なのに「[編集済]回顧録」と日本語の題の本があります。
████博士:結構です。では次のページも同様にお願いします。
D-XXX-54:次も本棚です。「中棚 異学」とあります。文字は記号のようです。中も全く読めません。ああ、立ち読みはダメなんですか?ごめんなさい。
████博士:誰と話しているのですか?
D-XXX-54:この店の主人です。怒られてしまいました。
████博士:あなたは仕掛け絵本を開いているのです。目の前の絵本を閉じて待機sしてください。
<████博士は実験を中止>
追記:D-XXX-54が実験中読み上げた本には1995/██/██い行われた実験の実行者であるD-XXX-34の氏名が書かれていたことが判明した。
追記:実験中止後、D-XXX-54に医療検査を行ったが脳に異常な兆候は見られなかった。この時、衣服よりチラシを発見した。チラシは以下の通りであり、右隅に「南」の字で押印されている。
本日はご来店誠に有難う御座います。
最近仕出しを終えた為、お探しの本が見つからなかったことを深くお詫びします。
再度収集を始めましたので、今度はきっとお気に入りが見つかることを保証します。
では、またのご来店をお待ちしております。
東雲堂
補遺:SCP-XXXは収容された物以外に複数冊が市場に流通していることが確認されました。諜報エージェントは発見次第SCP-XXXを確保し、収容してください。
本系SCP 要注意人物「南古書店」に繋ぐ
古本案
・装丁が動物の皮(人皮ではない似た何か)
・インクは血
・綴られているのは装丁に使われた動物の生の記録
・読了までに貧血、肌がざわつく感覚、体温の低下を訴える。
・読了後、読者も一冊の本になる。
・複数冊存在の可能性
題「生命補完」とかなんとか
書店案
前原さんより「最語のページまで読みすすめると 死ぬ
本の前半は混乱してるような内容なんだけど
中盤からはあきらめた感じになって
後半は遺書みたいになって
最後のページで断末魔あげてたりする
そして誰か死ぬ」