無垢なる魂
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アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル:
SCP-XXX-JPはサイトXXXにある貴重品ロッカー内に保管してください。承認済みの試験手順によらずにSCP-XXX-JPと接触することは禁止されます。違反者には必要なあらゆる手段を用いて終了処置を施してください。
サイトYYYからの再出現が確認された場合、すみやかにSCP-XXX-JPを回収し、サイトXXX内の貴重品ロッカーへ移動させて下さい。この回収任務には、事前にテストを受け財団への忠誠心が高いとされて、かつアブラハム系宗教を信仰していない職員のみ任務に当たって下さい。回収中、収容違反を起こす職員がいた場合、その場で終了措置を取って下さい。
現在、SCP-XXX-JPの試験を室内で行うことは、O5による過半数以上の賛成が得られないかぎり承認されません。
現在、SCP-XXX-JPをDクラス職員以外が装着することは承認されません。
説明:
SCP-XXX-JPは、2本の固定用金具が着いた、横300.00mm,縦485,41mm,厚さ100mmの銀製の十字架です。決して破壊不可能である点を除いて、異常性は確認できません。その特性から、十字架のサンプルを採取し詳細なデータを得ようとする試みはすべて失敗しています。
SCP-XXX-JPは、19██年、 ████国の██████という少数民族が、████████と名付け祀っていた所を近隣の町に住む住民から情報を得た職員が発見し、すぐさま派遣されたチームによって回収されました。██████族とSCP-XXX-JPを目撃したと思われる人物にすべて記憶消去処理を行っています。SCP-XXX-JPはおよそ████年以上前から存在するという以外にSCP-XXX-JPの起源に関する情報は得られませんでした。
SCP-XXX-JPは、その2本の金具で肩に固定することで人間の背中に装着することができます。この時、SCP-XXX-JPは、金具をその人物に合ったサイズまで伸縮させます。この特性はホモサピエンスに対してのみ働くようで、他の動物へ装着することは現実的ではありません。SCP-XXX-JPは、装着者が思い描く翼の形へ変形し、装着した人物の肉体と繋がります。この時、翼はあたかも装着者の背中から生えているように見られ、肉体から力ずくで引き剥がそうとした場合装着者は[データ削除済]。その場合、SCP-XXX-JPは消滅しその後サイトYYYに再出現します。再出現時の様子を確認することには現在まで成功していません。SCP-XXX-JPはあらゆる飛行能力を持つ物の形に変形することができ、
1.猛禽類と思われる褐色のもの
2.翼手目のような骨格と膜からなるもの
3.トンボ類のような2対で透明のもの
4.蝶類のような2対で幅の広いもの
5.AV-8Bなどの人工物のような機械的機構を持つもの
などが現在確認されています。また5のように変形は生物の翼や羽根に限りません。これらの翼はモデルとなったであろうものに近い性質を持っており、装着者が鳶の翼をイメージした場合、その翼は滑空能力に優れたものとなり、ハチドリであればホバリング、蝶ならば不規則な飛行、特に5の場合であれば、燃料の噴射による垂直離着陸までも再現します。この時翼が消費するエネルギーがどこから発生しているかは不明ですが、少なくとも装着者から得ているわけではないようです。
SCP-XXX-JPは装着した人物の精神に対し影響を与えます。具体的には、SCP-XXX-JPによって飛行した装着者はすべてのケースにおいて、今までの自らの人生で犯した過ちを悔いるようになります。特にDクラス職員についてはこれが顕著に現れ、判明していなかった罪までも自白するようになります。同時に、自らの犯した罪を償おうと行動し始めます。また、大抵の被験者は、もう一度SCP-XXX-JPを使用し飛行したいと回答します。これはSCP-XXX-JPによるものではなく、生身で空を飛んだという体験からくる反応だと考えられています。
SCP-XXX-JPの装着者はSCP-XXX-JPを用いての飛行時間に応じて知能が低下していきます。これは恒常的で、回復することも不可能です。試験後の知能テストの結果として、おおむね1時間の飛行につきIQに換算して7程度の知能が失われることが実証されています。このため、長時間使用させ続けるとSCP-XXX-JPの回収は困難となり、サイトYYYでの再出現を待つしか無くなってしまいます。1

補遺:SCP-XXX-JP試験記録
被験者:D-30985 男性、27歳、事前の知能テストではIQ92を記録
目的:IQ0まで飛行させ続けた場合に発生する事象の確認

手順:D-30985にSCP-XXX-JPと通信装置を装着し、可能な限りで飛行させ続ける。飛行場の周囲には照明やクラッカーを設置。IQが低下し指示が不可能となった場合でも飛行場から出ることを防ぐため。緊急時の撃墜のための戦闘機部隊も配備する。

<███████博士による記録>
・D-30985にSCP-XXX-JPを装着し、使用法を伝えた。D-30985はミミズクの翼を選択。
・飛行開始。D-30985は興奮状態にある。敷地内から出ないよう指示。
・一時間経過、疲れや体調の変化はないと回答。
・4時間40分が経過、IQが60を切る。言語での指示が不可能となったため、照明やクラッカー、戦闘機部隊によって誘導 する。
・9時間経過し、IQが30を下回ったあたりで、SCP-XXX-JPに変化が現れた。確認すると白いハト科の翼に変形してい  る。また、このタイミングで大きく旋回をし始めた。誘導中止。
・12時間経過、IQ10を切った。頭と背中に更に一対ずつ、同様の翼が確認できる。
 頭の翼は顔を、背中の翼の内一対が体を隠すように閉じ、残りの一対で飛行し続けている。
・体を隠す翼の隙間から光と熱が発生しているのが確認できる。時間が経過するにつれその光量と温度は上昇している。
・夜9時だというのに、D-30985から発せられる光が辺りを照らし、まるで昼のようだ。
・IQが5を下回る。目視できないほどの光量のため、遮光用の装備を配備。気温が20℃も上昇し37℃となっている。
・IQ0、突然D-30985とSCP-XXX-JPが高度を急上昇し始め、5秒後、まばゆい光に包まれ消滅した。

SCP-XXX-JPは7日後、サイトYYYでの再出現が確認されました。
この際、███████博士がSCP-XXX-JPを持ち去ろうとしたため、確保し尋問を行った後、終了処置を施しました。
その後も財団職員による認可されていない装着や持ち去りを試みる事案が相次いだため、特別収容プロトコルは更新されました。このような行動とSCP-XXX-JPとの因果関係は認められていません。

驚いたな。これほど我が財団の職員が愚か者だらけだとは。いいか、安心しろ。こいつを使って天国に行こうなんて少しでも考えてるなら、お前はリンゴのクソをひり出し切ってるってことだ。きっとお前の空っぽの頭をブッ飛ばす銃声さえ天使のラッパに変わるだろうぜ。―████博士

たとえSCP-███がもたらす精神的影響がこのような行動を誘発しているのでないにしても、事実これだけの職員が収容違反を犯している。SCP-███の収容のためには然るべき人間が業務に当たらなくてはならない。  ―O5-█

████年█月█日付けで、SCP-███はSCP-XXX-JPとして財団の日本支部で収容されることになります。
███████████博士からSCP-XXX-JPによって発生する熱や光を利用した発電機関を作るという提案がありました。提案は却下されました。

我々は何も人類の生活を豊かにするために活動しているのではない。財団がSCP-XXX-JPによるエネルギーに頼らざるをえない状況になれば考えよう。ありえない事だが。 ―O5-█