Hotoribe Yuka
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アイテム番号: SCP-429-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-429-JPはサイト-8123の厚さ10cm、20cm立法の小型耐火金庫に保管されています。金庫にはシリンダーキー、ダイヤルキー、テンキーがそれぞれ2つずつ、合計で6つのロックが施されています。マスターキー、及びキーコードはそれぞれ異なる場所で厳重に保管されています。また、キーを紛失した場合に備えてそれぞれスペアキーが用意されています。もしSCP-429-JPを取り出す必要がある場合には、必ずサイト-8123の管理者に申請して下さい。承認された場合はそれぞれのキーを管理するスタッフが1人ずつ金庫室に入り、ロックを解除して下さい。スタッフが金庫室に入る際には、必ず2人以上の監視員を同伴させて下さい。

説明: SCP-429-JPは3冊からなるA5サイズの上製本です。1冊のページ数は420ページで、表紙には「世界を終わらせる30の方法」と書かれてあります。SCP-429-JPが最初に確認されたのは1992年の北海道███市にある市立図書館です。市立図書館の司書だった████氏が無断で持ち出していましたが、████氏が死亡してからは当時警察官だった██████氏が所有していました。██████氏が死亡してから所在が不明になっていましたが、2004年にエージェント・████が確保し、SCP-429-JPはSafeクラスのオブジェクトとして認定されました。

SCP-429-JPには人間にとって極めて脅威的な技術が記されてあり、また読者の破壊衝動を急激に高めるという異常性も持っています。1993年にはSCP-429-JPの第1巻16ページから57ページに記述されている「周囲に半径10m以内の爆発物を刺激する音波を放つヘッドフォン」(以降、これをSCP-429-JP-1と表記します)を使った爆発事故が北海道███市で確認されています。表向きは事故と発表されていますが、これは███市立図書館の司書だった████氏が自ら作成したSCP-429-JP-1を使用して発生させた事故でした。爆発事故を発生させた████氏の知人は、数年前までは温厚な性格だったが1992年頃から非常に攻撃的で残虐な性格に豹変したと証言しています。なお、この事故によって████氏は死亡しています。
また、当時警察官だった██████氏はSCP-429-JPの第2巻178ページから257ページに記述されている「触れた水分を強酸に置き換える毒液」を使い、北海道███市で水遊びをしていた子供3人に重傷を負わせています。事件を起こした██████氏の知人は、SCP-429-JPを手にするまでは勤勉で実直な青年だったと証言しています。この他にもSCP-429-JPを所有した人物はその殆どが攻撃的な性格に豹変し、極めて脅威性が高く超科学的な兵器を使い、凶悪な事件を起こしています。
SCP-429-JPに記されている脅威的な技術を持つオブジェクト群の作成方法の殆どは、非科学的でオカルト的な手順を踏みます。それ故にとても研究価値が高い書物だとされていますが、上記の性質から現在SCP-429-JPに関する研究・実験は凍結しています。

補遺1: 200█/9/22、警察官██████氏の手記の入手に成功しました。

199█/█/██
 今朝、██通りで爆発事故が起こり、数人が死亡。痛ましい限りだ。
 ██通りと言えば、3冊の本を娘から貰った。
 題名は「世界を終わらせる30の方法」。
 ██通りに落ちていたらしい。物騒なタイミングに物騒なタイトルだ。

199█/█/██
 娘から貰った本を読み進めている。先程第1巻を読み終えた。
 恐ろしい。鳥肌が立つほど凶悪な本だ。
 だが、何故だ。面白いと感じてしまう。読み進めてしまう。
 私が私でなくなるようだ。誰か私を止めてくれ。

199█/█/██
 遂に例の毒液が完成した。色味、匂い、共に最高の出来だ。
 この調子でこの本の発明を実現させていけば俺は神になれる。
 ああ、早く試したい。人間をボロボロに焼け爛れさせてやる。
 まずは娘とその友達で試すとしよう。昨夜口答えした罰だ。

補遺2: 全ての所有者が自らが作った発明のせいで死亡している事が判明しました。1人目は事故に巻き込まれ死亡しています。2人目は毒液が自らにまわって死亡しています。3人目はパソコンがショートし火災により焼死しています。4人目は[編集済]によって死亡しています。[削除済み]。[削除済み]。
上記の記録から、「世界を終わらせる30の方法」というタイトルはこの世界を破滅させるという意味ではなく、自らの世界を終わらせるという意味である可能性が浮上しました。 SCP-429-JPに関する研究・実験は凍結しました。