アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JP-1〜8それぞれに一つずつのアイテムロッカーを割り当て、内部に安置してください。認可の下りた実験時を除き、SCP-XXX-JP同士を接触させることは禁じられています。
1997-07追記: SCP-XXX-JPを保管するアイテムロッカー群は10m四方以上の大型チェンバー内に安置して下さい。各ロッカーの内部の樣子を常に定置カメラで監視し、SCP-XXX-JPの活性化もしくはその兆候が見られた場合、直ちに担当のレベル3職員へ報告してください。
説明:SCP-XXX-JPは大きな石の塊状の物体群です。現時点で合計8点のSCP-XXX-JPが確認されており、それぞれがSCP-XXX-JP-1〜SCP-XXX-JP-8の番号を与えられています。それぞれの特徴については表1を参照して下さい。
SCP-XXX-JPの形状はいずれも人間の形状の一部分を精巧に模しています。各オブジェクトの間に形状の重複が認められないこと、また破損箇所の状態などから、現在の状態になる以前は一つのオブジェクトであったと考えられています。復元予想によると、SCP-XXX-JPの本来の姿は全長3〜4mほどの人型と推定され、現在収容中の破片は完全な状態のおよそ60%に相当するものと思われます。また、SCP-XXX-JP-1から観察できる人相は東アジア系の精悍な男性の特徴を備えています。
表1: 収容中のSCP-XXX-JP破片一覧
番号 |
該当する部位 |
状態 |
SCP-XXX-JP-1 |
頭部 |
頭頂〜後頭部にかけてを欠損。 |
SCP-XXX-JP-2 |
右胸〜肩部 |
背面を欠損。肺を確認できる。 |
SCP-XXX-JP-3 |
左肩部 |
左上腕より先を欠損。 |
SCP-XXX-JP-4 |
右前腕 |
右上腕を欠損。 |
SCP-XXX-JP-5 |
腹部 |
背面を欠損。消化器類を確認できる。 |
SCP-XXX-JP-6 |
左腰部 |
背面、右腰部より先を欠損。消化器類を確認できる。 |
SCP-XXX-JP-7 |
左脚 |
左臀部を欠損。大動脈を確認できる。 |
SCP-XXX-JP-8 |
左足先 |
全指を欠損。 |
SCP-XXX-JPの素材は灰褐色のざらついた石材のように見えますが、その表面に傷をつけることは非常に困難です。工具等による切断や衝撃、薬剤による腐食は一切の効力を持たず、唯一SCP-XXX-JP同士の接触によってのみ互いへの損傷が確認されました。接触によって得られた剥離片を顕微鏡によって観察したところ、結晶構造の見た目に安山岩との類似点が見られました。—-
その材質の堅牢さにも関わらず、SCP-XXX-JP各部には一般的な生物のそれと類似した生理的動作が確認できます。顕著な例として、SCP-XXX-JP-2の裏から観察できる"肺"にあたる空間はおよそ2時間40分をかけて膨張し、同じ時間をかけて収縮することを繰り返しています。全ての破片は運動能力を有しており、しばしば僅かにその組織をよじる動作を見せます。音や光などの刺激に対する暴露、また組織を破壊する試みへの反応は一切見られませんでした。
また、複数の関連文章の記述により、SCP-XXX-JPにかつて活性状態が存在した活性状態が存在する可能性は非常に高いと考えられています。SCP-XXX-JPの活性化が起きたとされている時期はいずれも記録された██山の火山活動周期と非常に近似しています。また関連文章に██山の名前が繰り返し記述されていることを踏まえ、活性化と██山の火山活動には強い因果関係があるとする説が有力視されています。
過去に記された活性化らしき現象についての記述は、以下に添付の関連文章から参照できます。いずれの文献も古く、また表現された内容の信憑性は一定の域を出ませんが、これらから過去のSCP-XXX-JPの活動時期を推定することが可能です。
(前略)
上の段、漆の匣には黒い石が八つ収めてある。これらは鬼神の破片である。二百年の昔、都に鬼神が降り、太陽を隠した事が有る。草木が死に、作物が枯れ、人々は怯えた。やがて陰陽師が遣わされてこれを懲らしめ、太陽を取り戻したという。このとき生じた石が持ち帰られ、ここに伝わる。
(後略)
一旦現代語で書いて後で訳す
十一月二十三日、朝から甚震が続く。
正午、ついに長らく抑えていた匣が弾け、八つ裂き入道の姿が現れた。
その半身は黒い石、半身は炎が紅く燃え上がって天井を焼かんばかりだ。両のまなこは爛々と光ってまなじりは切れ上がり、小鼻は怒りに膨れて筋が浮かび上がり、非常に恐ろしい面相だ。
八つ裂き入道が手を空中にかざすと、とたんに長い杖のようなものが現れた。入道はそれをはしと掴み、東の方角へと向き直った。人々は疲れ果て、また入道の威容に怯え、ただ竦むことしかできなかった。
すると陰陽師█████が人々の間から走り出で、その前に立ちはだかった。入道ははじめ意も介さなかったが、やいやいと叫ぶ声に初めてこちらを見下ろした。
「一体何をするつもりだ」
入道はしばし█████を見据え、やがてその手に持った杖で東の方角を指した。
「██だ」
「██とは」
「あの威張りくさった██の頭を打ち据える」
「なぜそのようなことを」
「恨みだ」
「なぜ██を恨むか」
「俺がこのようになったのも、全てあれのせいだ」
「お前は何者か」
八つ裂き入道はがらがらと大笑いする。お堂の全体が震えた。
「何者かなどはどうでもよい、ええ?あれは多くから憎まれておる。多くの者の恨みだ」
入道はそう答えるともはや█████には目もくれず、ただ目の前の空を睨みつけた。棒を構え、エイと気迫を発しながら振り下ろす。
棒は█████の頭の上数寸、あわやというところでぴたりと止まった。█████は放心し、そのまま床に崩れ落ちた。とたんに大きく地揺れし、なにか大層恐ろしげな物音が遠くより聴こえた。他の者は皆一様に腰が抜け、柱にしがみついて震えるだけだった。
四半刻ほどして、八つ裂き入道の輪郭がゆらりと崩れ、がらがらと床に落ちて元の石へ戻った。誰もが立ち上がることかなわず、ただこわごわとその石片を眺めているのみだった。
やがてようやく部屋の外の者がやってきて確認を行った。このとき█████はすでに心臓が止まっていた。居合わせた人間の十三人がうなされて次々と高熱を出し、うち四人は看病の甲斐なくやがて息を引き取った。伝令の者が██の山が火を吹いたことを伝えたが、堂内に居た誰もがそれを既に確信していた。
地揺れによって施設の調度が壊れ、種々様々の書物が書棚より落ちて散乱する被害があった。火焚き場では小火もあった。混乱に乗じて幾つかの品の行方が分からなくなった。この件は別紙にしたためることとする。
京だけでも市井の混乱は凄まじく、██山の麓やさらに東は火や灰による酷い害をこうむった。これら全てをこの八つ裂き入道が引き起こしたものとするならば、その力の恐ろしさは並大抵のものではない。より一層の慎重な取扱いを心得るべきである。
(注)
少なくとも西暦900年頃、SCP-XXX-JPは既に当時の対異常オブジェクト団体であった陰陽寮(おんようのつかさ)によって発見・収容されていたと考えられています。このSCPの正確な出自は未だ断定されていませんが、関連する文章の出土状況などを鑑みるに、日本の中部地方、現在の██岳にまつわる信仰の流れと関連があると考えられています。SCP-XXX-JPは世間から秘匿されたまま数百年保管され、[削除済み]を経て現在のSCP日本財団へと管理が引き継がれました。
補遺: 1997年7月19日、前日には閉じていたSCP-XXX-JP-1の瞼が僅かに持ち上がり、眼球部が露出していることが確認されました。SCP-XXX-JP-1を様々な位置や角度に移動して観察したところ、眼球は一般的な生物と同様のなめらかさで回転し、常に同じ一地点へその正面を向けていることが確認されました。計算の結果、この地点は北緯35度21分/東経138度43分付近、すなわち██山の中央付近と推定されます。
これまでSCP-XXX-JPは休眠状態にあるとされており、長きにわたってSafeクラスに位置づけられていました。しかし現在活性化の可能性が高まっていること、また関連文章-23の記述に見られる活性化時の潜在的な脅威性を汲み、実際の活性化が確認される前ながらもオブジェクトクラスの見直しが行われました。
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brabrabra |
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル:
・適当に置いといてください
説明:
SCP-XXX-JPは普遍的な炊飯機能を備えた炊飯器です。市販品に類似するものはありません。
・生米を炊くと米が歌い出します
・実験ログ中心に構成
・生米、SCP-002-JP、炊き込みご飯、おかゆ、カビた米etcetc
・料理のできない博士と助手のツッコミメモ
・玄米→籾でオチ
二言でまとめると
・SCP-XXX-JPは炊飯器のSCPです。お米は最後の一粒まで感謝して食べよう。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス:
特別収容プロトコル:
練り直し中
集合知のなんやかんや
説明:
SCP-XXX-JPは、静岡県███市の██山山腹に位置する神社です。SCP-XXX-JPは江戸時代の寛永年間に建立されたと推定されており、その祭神を特定できる記録や物品は未発見です。1900年頃にはすでに学業を司る神として近隣の住民に認識されていたとみられます。SCP-XXX-JPは当初、参拝した対象がその本来の能力を超えためざましい学業成果を挙げるという特性によって財団の注意を惹きました。
SCP-XXX-JPに接触して参拝にあたる行動をとった人間のうち、年間およそ1-2人ほどがSCP-XXX-JPの影響下に置かれます(以降この対象をSCP-XXX-JP-αとする)。SCP-XXX-JP-αとなった対象は、大学在学程度の知識を問われる各種のテストにおいて非常に高い能力を発揮します。対象がSCP-XXX-JPと接触する以前に計測された偏差値及び知能指数の高低はこの結果を左右しません。SCP-XXX-JP-αと影響前の対象の間に外見的変化はみとめられず、性格検査の結果も著しい変化は示しません。対象の幾人かは自身の変化について述べるとき、「思考能力が上がった」というよりも「知識量が増加した」といった方がよりしっくりくると表現しました。SCP-XXX-JP-αの発生条件はいまだ不確定ですが、SCP-XXX-JPの半径██km内に在住し、かつ大学受験を一年以内に控えていることが条件の一部と推定されています。
SCP-XXX-JP-αとなった対象は県内の諸大学に秀でた成績で入学し、勉学に打ち込みはじめます。対象は勉学以外の活動に興味を示さなくなり、しばしば生命維持活動でさえおろそかにしてはその健康状態を悪化させます。SCP-XXX-JP-αは入学からおよそ2年間は常に良い成績を示します。2年以上が経過すると、対象は徐々に元々持っていた趣味への興味を復活させたり、突然一切の勉学から離れるなどの傾向を示すようになります。この傾向を示した対象に以前と同様のテストを課したところ、多くの場合成績が著しく低下し、うち█例は在学中の大学入学に必要な基準を下回りました。また2年以内であっても、移住や旅行などの理由で一旦県内を離れた対象は、その日を境に急激な学力低下を示すことが確認されています。これらの事例から、SCP-XXX-JPの影響は時間の経過および物理的な距離の開きによって弱まると考えられています。
事件XXX-JP以降SCP-XXX-JP-αの潜在的危険性が問題となっていますが、SCP-XXX-JP-αの発生を根本から防ぐことは難しく、またSCP-XXX-JP-αと単なる成績優秀者を判別することも現状では困難とされています。SCP-XXX-JPの有効範囲が限られ、範囲外への一時的な移動という比較的簡易な処置によって影響が消失するため、現在はSCP-XXX-JP-αである可能性がある対象を全て処置することで対応しています。
事件XXX-JP:
198█年██月██日、SCP-XXX-JP-αの一人と目される対象(以降α1とする)が爆発物使用予備罪の容疑で逮捕されました。α1は自宅アパートにて大量の爆薬を調合加工している所を発見され、取り押さえられました。現場分析により、α1の専攻が天文学であるも関わらず、対象は爆発物の制作及び使用に対する高度な専門的知識を有していることが伺えました。
財団は直ちにα1を確保し、インタビューの場を設けました。α1は当初ひどく混乱していましたが、数度に渡るインタビューによっていくらかの興味深い供述を得られました。
対象: SCP-XXX-JP-α(以下α1)
インタビュアー: ██博士
<録音開始>
██博士: 作成した爆薬はどうする予定でしたか。
α1: えーと…██山と██山の間に。そこに貯めておくんです。
██博士: そこで爆発をさせるつもりで?
α1: ううんと、いえ、まずは地下に穴を掘るんです。ボーリングマシンを準備して。
██博士: ボーリングマシンの操作ができるのですか?
α1: えー…(少し考えこみ) はい。ボーリングマシンの動かし方ならわかります。
██博士: そのマシンの入手先は?
α1: それは、ええと、わかりません。
██博士: ふむ。質問を変えましょう。あなたはその行動によってどんな結果を期待していましたか?
α1: その行動?
██博士: 一連の行動です。爆薬を作り、それを穴に埋めて、おそらく点火をするのでしょう。
α1: 結果…とは。なんでしょう。わかりません。
██博士: わからない?
α1: はい…ニトロを作ったら、山に持って行って、貯めるんです。十分に貯まったら、穴を掘って…それが自然な流れというか、常識じゃないですか?なぜかなんて、考えたこともなかったです。
██博士: ふむ。しかし現実にはあなたの行動は社会にそぐわないと見なされ、あなたは逮捕されたのです。
α1: そうですね、次はしっかり法律を勉強しなきゃ。
██博士: 次とは?復学時を指していますか?
α1: 次。その…つぎ、ってなんでしょうね?分かりません。すみません…
<録音終了>
インタビューの中に出た地名を調査したところ、該当地点の地下にはマグマ溜りに通ずる断層が存在するという論文が発見されました。この地形と「目的」に相関があるかどうかは追って調査を必要とします。
ノート:上記の論文を精査したところ、著者である[削除済]氏は、██年前の調査においてSCP-XXX-JP-αと思わしきと記録された[削除済]氏と同一人物であることが判明しました。
補遺XXX-JP-01: 19██年██月、SCP-XXX-JPを囲むようにして██山上に新たなサイトを作り、隔離収容する計画が立てられました。しかし工事のために封鎖を敷いたところ、SCP-XXX-JP及び██山の敷地内において数多くの異常が観測されはじめました。██山の環境および麓の居住地域に与える影響を鑑み、計画は一時撤回されました。
観測された異常のリストは以下にあります。
・河川の水量の急激な上昇及び低下。約3時間周期で繰り返され、上昇時には小さな橋を押し流す程度の流量になった。
・小規模な土砂崩れ。発生の直前、██山の敷地内のみにおいて軽微な振動が観測された。
・動物の大移動。コウモリ、ネズミ、鳥類、蛇などの群れが一斉に移動する樣子が観測された。
補遺XXX-JP-02: 上記の計画が破棄されたのち、改めて██山全体を調査したところ、崩れた山腹から廃坑内に繋がる穴が発見されました。内部を調査したところ、本来の入り口に繋がる道は土砂で塞がっており、手前に老朽化した神社の残骸が新しく発見されました。詳しい調査により、この神社の祭神は[編集済]、██山の名を冠した山神であることが判明しました。██山は江戸時代から明治時代にかけて銀や銅を算出する鉱山として知られていましたが、資源の枯渇により19██年に閉山され、跡地は市から立入禁止区域に指定されています。
その他オチの方向性を模索中
・かわいい方面
→封鎖に伴う副作用を削除。完封Safe
→記憶処置やってみたらばっちり効いちゃった。完封Safe
→なんらかの趣味にハマってしまい毎年遊び歩くだけの存在になってしまう 引き続き監視中Euclid
→背後存在との意志疎通に成功、協力してもらえる(ただし知識のほどはよく勉強のできる人間程度)
・恐ろしい方面
→αの時限性を削除 神社の封鎖は成功するもαを見つけるのが難しく、未だ世の中に潜んでいると思われる
二言でまとめると
・SCP-XXX-JPは参拝した人間の学力を上げる神様です。実は人間の意識に間借りして自身が高等学問の知識を蓄え、その組み合わせによってゆくゆくは火山の噴火を目論んでいるっぽいです。
頂いた指摘・反省点
・封じ込めに係る財団の態度がちょっと弱いかも
・コンセプトが読み取れない
・もうちょっと邪悪だったり歪んでいるとよりホラーになるのでは
・太平洋海底ケーブル
・フォビアの増幅か反転か
・踊る炊飯器
・ジーコ
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe/Euclid/Keter
特別収容プロトコル:
説明:
補遺XXX-JP-XX:
実験XXX-JP-XX: