アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid Neutralized
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは、サイト-8181の専用収容チェンバーに収容されています。SCP-XXX-JPを使用した実験を除き、Dクラス職員を除いた収容担当の職員は、SCP-XXX-JPに10m以上接近することは禁止されています。SCP-XXX-JPの影響により睡眠欲求が発生した場合は、SCP-XXX-JP以外のベッドを用いて睡眠をとるなどをして解消してください。SCP-XXX-JPでの実験で使用したDクラス職員は体力の回復が確認された時点で再度職務に復帰させてください。SCP-XXX-JPを使用した実験はセキュリティクリアランスレベル3以上の職員による監視の上で行ってください。
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはサイト-8181の専用収容チェンバーに収容されています。SCP-XXX-JPに対しての直接的な作業等はDクラス職員を用いてください。万が一SCP-XXX-JPに明確な変化等が見受けられた場合はSCP-XXX-JPの収容担当者及びサイト管理者へ速やかに報告してください。
説明: SCP-XXX-JPは、一般的に市販されているものに形状が類似した木製のシングルダブルベッドです。SCP-XXX-JPの異常性は、SCP-XXX-JPを使用して睡眠した人物(この人物を対象と指定)に対して発揮されます。SCP-XXX-JPは5mの範囲内に存在している対象に対して「SCP-XXX-JPを用いて睡眠を取りたくなる」という強制力が働きます。この効果により対象が睡眠を始めた場合、その睡眠中に一定の特徴を持った"夢"を認識します。この夢はレム睡眠時に対象の現在の生活・精神・経済状態などに反比例した内容が見られるものとされ、対象のそれらの状態が悪傾向であれば、その分に反比例した対象にとって「幸福的」である夢を認識させます。しかし、対象の状態が良傾向である場合はこの性質は適用されず、後述の対象に起こる状態も含めて目立った異常性は発生しません。SCP-XXX-JPを使用して認識された夢は、非常に強く印象に残るものであるものと対象は認識し、それこそが現実のものであるのだという感覚を引き起こすものとされます。そのため、覚醒した対象は多くの場合、それまで見ていたものが夢であるという事実に強い衝撃をうけたと主張します。
SCP-XXX-JPを用いて睡眠をした対象は、どのような手段を用いても覚醒させる事が難しくなります。この状態となっても、生命活動の兆候は通常の睡眠状態と同様に行われています。この段階で対象に対して脳波測定器を装着し脳波の計測を行いましたが、対象はノンレム睡眠に移行することはなく、レム睡眠状態が継続して続いていることが確認されています。この事から対象は、SCP-XXX-JPの影響により継続的に夢を見続けているものと推定されます。なお、対象をSCP-XXX-JPから強制的に分離させることは困難を極めることですが、分離が成功した場合、殆どの対象は極度の疲労状態となります。
実験が行われた後に撮影されたSCP-XXX-JP。収容設備にも大きな影響を及ぼしている。
補遺-01: SCP-XXX-JPの持つ異常性の一環として、対象がSCP-XXX-JPで5時間以上の睡眠をした場合、SCP-XXX-JPの外見的形状及び、SCP-XXX-JPが配置されている収容チェンバー内が大きく変化することが判明しました。またSCP-XXX-JPの外見が変化すると同時に、SCP-XXX-JPが外部に対して睡眠欲求を誘発させる強制力が働くようになるものと思われます。
実験記録XXX-JP-01 - 日付: 20██/██/█
対象: D-XXX01
実施方法: D-XXX01をSCP-XXX-JPで5時間就寝させる。
結果: 雇用前にD-XXX01の全焼した実家と、そこに住むD-XXX01の家族が認識される。D-XXX01は夢の中で自身の家族と共に「どこかの南国」へ旅行に出かける様子を見ていたと主張。
ベッドの形状: SCP-XXX-JP上、D-XXX01を跨ぐように料理の置かれたテーブルのようなものが出現。このテーブル及び料理ははSCP-XXX-JPから取り外し出来ず、料理に関しては食品サンプルに類似した性質を持っている。
分析: 酷く落胆した様相をD-XXX01が表したため、本人にとって強く印象に残る夢であると思われます。
実験記録XXX-JP-02 - 日付: 20██/██/█
対象: D-XXX02
実施方法: D-XXX02をSCP-XXX-JPで8時間就寝させる。
結果: 財団による手厚い保護とサービス、そして財団そのものの全権限を掌握し、収容中のオブジェクトと生活をする映像が認識される。
ベッドの形状: 収容チェンバー内の緑色の壁紙が縞模様で構成される。掛け布団、敷布団等が出現すると共に高品質なものへと変化し、シングルベッドからダブルベッドへと大きく変化した。
分析: 雇用前、D-XXX02は元々は██家の娘としての生まれでした。おそらくこれらは関連している可能性があります。
実験記録XXX-JP-03 - 日付: 20██/██/█
対象: D-XXX03
実施方法: D-XXX03をSCP-XXX-JPで6時間就寝させる。
結果: D-XXX03が雇用前に殺害した女性と交際し、[編集済]に発展するまでの一連の映像が認識される。
ベッドの形状: SCP-XXX-JP全体が淡いピンク色に変化し、Yes、Noと書かれた枕及び照明器具がSCP-XXX-JPの脇に発生する。照明器具の脇にはSCP-XXX-JPから取り外すことが出来ない状態で[編集済]、[編集済]、[編集済]が置かれている。
分析: その後、インタビューにてD-XXX03が殺害した女性との関係を質問したところ、その女性に対して強い怨恨を表す回答が得られました。
実験記録XXX-JP-04 - 日付: 20██/██/█
対象: D-XXX04
実施方法: D-XXX04をSCP-XXX-JPで5時間就寝させる。
結果: D-XXX04は睡眠欲求を発さず、職員による指示でSCP-XXX-JP上に配置させるも就寝することはなかった。
> ベッドの形状: [N/A]
分析: D-XXX04は現在の雇用状態などに満足しており、財団に対して非常に協力的な姿勢が見られるため、SCP-XXX-JPによる影響を受けることはなかったものであると思われます。
実験記録XXX-JP-05 - 日付: 20██/██/█
対象: D-XXX05
実施方法: D-XXX05をSCP-XXX-JPで7時間就寝させる。
結果: 財団によるオブジェクトの実験中にD-XXX05が「我は世界の覇者である」と叫びながら超能力に目覚め、職員を多数死傷させ当サイトを破壊し、周辺の街を崩落させる映像が認識される。
ベッドの形状: 前回の実験時のSCP-XXX-JP及び室内の外観に、大量の血液が付着したかのような模様が発生し、収容チェンバー内の設備の殆どが破損したかのような状態となる。この血液や破損はあくまでそういった状態のようにを施されているものに過ぎず、実際に設備が破損している痕跡は見られなかった。また収容チェンバーの至る所に20cm大の純金製の像が発生している。
分析: D-XXX05は強い殺人衝動と財団に対しての怨詛的な思考が存在していた事が確認されています。またD-XXX05は雇用前に█████████████という宗教を病的なレベルで信仰していた事もあり、いずれにしてもこれらに関連した物がそのまま反映された可能性が高いかもしれません。
補遺-02: SCP-XXX-JPは、██県██市内に所在する雑居ビル内で発見されました。当時周辺地域で「ビル内に入ると戻ってこれなくなる」という噂が流行し、これが財団の興味を引き派遣した財団フィールドエージェントの調査によって、SCP-XXX-JPが回収されました。ビル内は財団が立ち入る3日前までに放棄されているものと思われ、SCP-XXX-JPと同時に関連する以下の文書が発見されました。
日本生類創研 無機生物開発部 製品開発記録報告書 20██/██/█
クライアント: ██ ███
依頼内容: 夢を作品に落とし込めるようなヤバいやつ。
クライアントからの要求は非常に曖昧な内容であるが、技術的には実現可能。製品番号2948-Bとして20██/██/█に開発を開始。
製品番号2948-B開発ログ
20██/██/█
一般的な寝具を用いて試作品制作。モルモットによる実験の結果、作品に落とし込めるようなレベルの結果には至らず。
20██/██/█
夢を効率よく取り入れるため、製品番号2245-Eで使用した改良済みバクを製品番号2948-Bに第3レベルの方法で合成。実験結果は最初のものよりも良好。
20██/██/██
製品番号2948-Bが一部の夢の取り込みの効率が低下。バクを合成したことによって取り込む夢の好き嫌いが発生したものと予想。
20██/██/██
製品番号2948-Bの形状と室内の外観が実験時に変化するようになる。これなら"ヤバさ"を表現できるかもしれない。
20██/██/██
開発中の製品番号2948-Bが強力な催眠効果を獲得したものと思われる。開発部の人員が2948-Bを使用して睡眠するようになり、疲労により開発が一時頓挫することが多くなった。また室内が限界まで変化し非常に使用しづらくなったため、安全確保も兼ねて一度製品番号2948-Bを解体する。解体後は今まで発生していた全ての効果がリセットされたものと思われ、変化した室内や製品番号2948-Bが全て元の状態へと戻った。
20██/██/██
製品番号2948-Bをもう一度組み立て直し、再度実験を行う。以前と同様問題なく夢を吸収し、その夢の内容に合わせて周囲が変化するようになる。一部の夢以外は吸収をしようとはしないが、現状でもクライアントからの要望を十分に満たしているものと判定し、20██/██/██に譲渡予定。
██ ███という人物は、現在財団が収容を行っているSCP-███、SCP-████、SCP-███-JPに関係しており、要注意団体「Are We Cool Yet?」との関係性が疑われている人物です。これらのことから想定される事柄として、日本生類創研はAre We Cool Yet?からの依頼によりSCP-XXX-JPの制作を行ったものではないか思われています。
補遺-03: 20██年██月██日、収容中のSCP-XXX-JPに対して収容担当者の███博士が睡眠するという収容違反が発生しました。収容違反発生から4時間後、SCP-XXX-JPは███博士を弾き出すように解放し、その後これまでの実験により発生したSCP-XXX-JPの変化が全て液体状に変化しました。この収容違反の発生後、SCP-XXX-JPの実験などにおいても異常性が発生する兆候を見せることはなく、異常性が消滅したものであるとして現在のオブジェクトクラスに再指定されました。
使用している画像:
pixabayの無料画像 - ベッド
pixabayの無料画像 - ベッド
(共にパブリックドメイン)
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはサイト-8181の低危険物収容ロッカーに収容されます。SCP-XXX-JPにはいかなる人物の接触も許可されません。また、SCP-XXX-JPによって編集されたすべてのSCP-XXX-JP-1はサンプルとして同時に収容されているものを除き、焼却処分を行ってください。SCP-XXX-JP-1による影響を受けた職員はクラスB記憶処理を実行してください。SCP-XXX-JPを使用しての実験はセキュリティクリアランスレベル3以上の職員2名の許可を取って行ってください。
説明: SCP-XXX-JPは、内部のテープが黒く着色されている修正テープです。SCP-XXX-JPは市販されている█████社の修正テープと同形状の外観をしていますが、財団フロント企業を使用しての確認調査を行った際、█████社は黒塗り用の修正テープを製造していないということが明らかになっています。
SCP-XXX-JPの異常性は、SCP-XXX-JPによって修正された文書(以降該当物をSCP-XXX-JP-1と指定)によって発生します。SCP-XXX-JP-1の影響を受けた人物(以降該当人物を"対象"と呼称)は、その後に認識した文書等々へ「修正をしなければならない」という衝動が発生します。初期の段階では軽微なものであり、閲覧した文書への違和感を訴えはじめます。
SCP-XXX-JP-1の異常性曝露後1~2時間が経過すると、文書に対しての「修正をしなければならない」という欲求は非常に強くなります。この時点でマーカーやペン等の「黒く塗りつぶしが可能なもの」を所有していた場合、文書に対して修正を行います。しかし、この修正は殆どの場合、可読性を無視した範囲で紙面を少しづつ塗りつぶします。塗りつぶし範囲は一定ではなく、紙面の文字をランダムに塗りつぶし、最終的にはごく一部の文字を除き殆どが黒く修正されます。
修正された文書はSCP-XXX-JP-1へと変化し、異常性を持つようになります。この異常性はSCP-XXX-JPによって修正された文書と同等の異常性であり、曝露した人物は先述の対象と同じ行動を行うようになります。これらは、SCP-XXX-JP-1をコピー機などでコピーした場合でも異常性は保持され続けますが、SCP-XXX-JP-1を複写によってコピーしたものは異常性が含まれないことが実験により判明しています。
SCP-XXX-JPは、財団の職員である██検閲官の私物から発見されました。██検閲官によって検閲された文書は、SCP-XXX-JPへと変化し、その異常性によりサイト内で中規模な認識災害が発生しました。その後、財団による調査の結果、SCP-XXX-JPの発見と収容に至りました。SCP-XXX-JP-1の異常性に曝露された職員はすべてクラスB記憶処理が適用され、平常通り職務に復帰しています。
SCP-XXX-JPを所有していた██検閲官へのインタビュー時、自身がそれまで使用していた修正用のテープを全て消費したため、サイト-8181の購買店で新たに購入を行ったと話しています。おそらくその際に購入した修正テープにSCP-XXX-JPが██検査官の手へ渡った可能性があり、現在該当購買店の職員及び、販売されている物品の仕入元の調査を行っていますが、20██年現在も有力な情報は得られていません。SCP-XXX-JPを購入して以降に██検閲官によって修正されたSCPオブジェクトの数は██個であると推測されます。該当する修正された報告書はすべて再修正され、再修正される前のSCP-XXX-JP-1はSCP-XXX-JPと同じ収容ロッカー内に収容されました。
補遺: SCP-XXX-JP-1及び、SCP-XXX-JP-1の影響を受けた対象によって修正された複数のSCP-XXX-JP-1には、修正を施されていない文字を繋ぎ合わせることによって、一つの文章が完成することが判明しました。以下の文書は、該当するSCP-XXX-JP-1の中に含まれていたSCP-XXX-JPに関する報告書の修正前の文書をDクラス職員を使用して複写したものであり、異常性は含まれません。なお、原本となるSCP-XXX-JP-1はSCP-XXX-JPと同様の低危険物収容ロッカー内に収容されています。
[ここにSCP-XXX-JP-1の複写入れるで]
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは現在サイト-8181の低危険物保管ユニット内に収容されています。保管ユニット内は常に10ルクス以下の暗所環境に設定し、湿度を5%以下に抑えてください。SCP-XXX-JPを用いた実験はセキュリティクリアランスレベル2以上の職員が行ってください。
説明: SCP-XXX-JPは、██県██市████████に所在する市立██████████高校の卒業アルバムです。SCP-XXX-JPは、当該高校の正常な卒業アルバムとの外見上の差異は殆ど認められませんが、表紙のデザインが当該高校の卒業アルバムには確認できるロゴ、文字等が記入されていないなどの点で異なっています。内容については後述の"寄せ書きページ"に関する部分以外の写真等々に複数の落書きと思しき記述が確認できます。
SCP-XXX-JPの特異性は、SCP-XXX-JPの巻末に設けられた"寄せ書きページ"と一般的に称されているページに文章を記入することで発生します(以下、記入した人物を"対象"と指定)。記入される内容には一定の特徴があり、対象の「友人の氏名またはあだ名」「学籍番号」「在籍クラス」「所属している(していた)部活動」「自身の学生時代の出来事」「その他暴言や脅迫に該当する書き込み」などが記入されると異常性を発動することが判明しています。
SCP-XXX-JPへ文章の記入後およそ1~2時間が経過すると、記入した対象に関係していた全ての人物に対し、関係が必ず断絶される形となる過去改変及び現実改変が発生します。発生する過去改変及び現実改変の内容は常に整合性の取れた内容となっており、必ずしも友人関係が対象を嫌忌する形で関係が絶たれるものではないことが判明しています。関係が断絶される人物にも傾向があり、対象が「最も大切だと認識していた」人物が優先的に、また修繕不能なレベルまで関係の悪化が生じます。記入後およそ1~2時間が経過すると記入した内容は全て消去され、白紙の状態へと戻ります。
断絶された対象との関係は過去から現在に至るまでの者にのみ特異性が適用され、SCP-XXX-JPの影響下に置かれます。しかし、現在より未来に出来る友人関係に関しては、SCP-XXX-JPによる影響は受けないことが確認されています。詳細は実験記録XXX-JPを参照してください。
すべての実験記録のうち一部抜粋をしています。SCP-XXX-JPに関するすべての記録は実験記録XXX-JP-██-██████に記録されています。
実験記録XXX-JP-01 - 日付20██/██/█
対象: SCP-XXX-JP
実施方法: D-39210を使用し、SCP-XXX-JPへ学生時代の「あだ名」「在籍クラス」「学生時代の出来事」を書かせる。
結果: 1~2時間後、D-39210に関係する人物のうち宿舎内で相部屋であったD-40128とが殴り合いの喧嘩へ発展し、後に職員による取り押さえにより沈静化した。その後D-39210へ面会させた際、D-39210を「気持ちの悪い人」と表現するなどの行動を確認。その後、D-40128、D-39210はクラスB記憶処理を施し再雇用されている。
分析: このDクラス職員らは親密な関係にあったということでしょうか。さらなる研究が必要そうです。
実験記録XXX-JP-04 - 日付20██/██/█
対象: SCP-XXX-JP
実施方法: D-29184に「自身の名前」のみを記入させる。
結果: D-29184の近縁関係を調査を行い、雇用前に妻であった████氏にインタビューを行ったところD-29184へ様々な罵倒をした。
分析: D-29184の罪に関することの罵倒が多く、復縁も難しいという主張もあったため、親しい者ほど特異性は強くなるようです。
実験記録XXX-JP-06 - 日付20██/██/█
対象: SCP-XXX-JP
実施方法: D-00983に「暴言や脅迫に該当する文章」を記入させる。
結果: D-00983に関係した、財団職員を含む人物の全てがD-00983を強く拒絶した。これらは記憶処理を行っても改善されることはなかった。後にD-00983は終了処理がなされた。
分析: 暴言等については全ての関係が途絶えてしまうのでしょうか。
実験記録XXX-JP-08 - 日付20██/██/██
対象: SCP-XXX-JP
実施方法: D-09278に別のDクラス職員の情報を伝え、10分の面会をさせた上でそのDクラス職員の本名を記入させる。
結果: 特異性は発現せず、現実改変は発生しなかった。
分析: 対象が一方的に知っている人物の名前では効果はないのでしょうか。
実験記録XXX-JP-09 - 日付20██/██/██
対象: SCP-XXX-JP
実施方法: D-04409と関係があった相部屋のD-19938の本名を記入させる。
結果: D-199938がサイト-81██のDクラス職員の不足の影響で移動されたため、D-04409との関係が断絶。
分析: お互いに認知している場合にのみ特異性が発生する、ということでしょうか。
補遺-01: SCP-XXX-JPは、██市内で流行していた「表紙のない卒業アルバムに名前を書くと書いた名前の人から嫌われてしまう」という噂、及び市立██████████高校の生徒██名がSCP-XXX-JPへ寄せ書きを記入したことにより友人関係が全て途絶えていた事等が大きな話題となり、財団の目を引きました。収容時、SCP-XXX-JPに関係していた人物は全てクラスA記憶処理、及びカバーストーリー"最初から作ろう"、"表紙の落丁"が適用されました。なお、所有者はである同校の卒業生の█████氏は、SCP-XXX-JPに関する情報を聞き出すため、インタビューが記録されています。詳細はインタビュー記録XXX-JP-██を参照してください。
インタビュー記録XXX-JP-██
対象: █████氏
インタビュアー: 流星川博士
付記: █████氏はSCP-XXX-JPの確保後、自宅に訪問した際にインタビューを行いました。インタビュー後に█████氏にはクラスA記憶処理が適用され、解放されました。なお、報告書として整理するため不要な部分は省略されています。
<録音開始, 20██/█/██>
[省略]
流星川博士: では、貴方はSCP-XXX-JP……卒業アルバムに関してどの程度までご存知ですか?
█████氏: ええ、まあ……[5秒程度の沈黙]あれと出会ったのはただの偶然?というべきでしょうか……。卒業式で配られた普通の卒アルでした。
█████氏: 確かに表紙も背表紙もなにも書かれてないのは変だとは思いましたけど……でも、先生にも言い出せなかったので、そのまま持ち帰ろうと思ったんです。
流星川博士: つまり、その時には卒業アルバムの異常性は知らなかった、ということでしょうか?
█████氏: ええ、まあ……あいつらが、あの[罵倒]らが僕の卒アルの寄せ書きに滅茶苦茶書いたんです。
流星川博士: あいつら、とは。
█████氏: 僕をいじめていた人たちです。名前は███と██というのが……。
[省略]
█████氏: その、まあ……高校に入ってすぐの時、やっぱり親友とだけ遊ぶ時がしばらく続きました。ずっとぼっちだったものですから……[声の乱れ]。
[省略]
█████氏: すみません。ただ、僕はあいつらから受ける暴力とかに耐えられなくて、親友に助けを求めたんです。もう辛い、耐えられない、助けてくれ……と。
[省略]
█████氏: ……[2秒程度の沈黙]で、親友に助けを求めたのですが、その……。
█████氏: 実は、僕をいじめていたグループの中心に居たのが、その親友だったんです。
█████氏: その、その親友は中学の頃からずっと僕のことが嫌いだった、不愉快でしかなかったと、そう言ってきたんです。ずっと親友だったと思っていたけれど、裏切られたということですかね、はは。
[省略]
█████氏: そして、その時にうちの高校で流行っていた噂というのがありまして……。
流星川博士: それは「表紙のない卒業アルバムに名前を書くと不思議な事になる」という噂でしょうか。
█████氏: はい、それです。結構有名なんでしょうかね……まあ、それはいいとして、僕の卒アルが表紙がないものだったというのがあり、あいつらは冗談半分で、僕への罵倒なんかも含めた寄せ書きを書いたんです。
█████氏: まあ、その時は何も起こんねーって騒ぐだけでしたけど、自宅に帰り、卒アルを見返すと……。
流星川博士: 寄せ書きページが白紙になっていた、と。
█████氏: そうです。あれだけたくさん酷い内容が書かれていた部分がまるまる真っ白になっていて、正直びっくりしました。怪奇現象なんじゃないかって……。
█████氏: それで数日して、元親友から連絡がありました。電話です。
█████氏: その元親友からの電話は「友人どころか親にさえ見捨てられた。お前のせいだ」というものでした。
█████氏: 僕自身は何もしていないんです。あの卒アルの噂が本当だとするならば、そのせいだと思いますけれど……。
流星川博士: なるほど、わかりました。
[省略]
<録音終了, 20██/█/██>
補遺-02: █████氏とその親友の関係性はどの程度のものであるかは不明ですが、█████氏に危害を加えていた人物の全員がSCP-XXX-JPへ書き込んだことにより、SCP-XXX-JPの現実改変の影響下となった可能性があります。そのため█████氏の親友を含めたSCP-XXX-JPへ書き込んだ時点でその全員が過去から現在に及ぶ友人を失い、█████氏は本来友人が居なかったわけではなく█████氏の親友を含めた加害者全員が友人を失ったことで間接的に█████氏が孤立したのではないかと思われます。
アイテム番号: SCP-9000-JP-J
オブジェクトクラス: Keter Neutralized keter Thaumiel
特別収容プロトコル: SCP-9000-JP-J周辺には新たに収容施設を建造し、外部からの確認が行えないように封鎖してください。SCP-9000-JP-Jが発生させた異常性群は911-プロトコル("シナリオ修正")に基づき、機動部隊ぬ-51("伏線回収員")による対策が行われます。SCP-9000-JP-Jによる異常性により、一般に対して隠蔽不能な甚大な被害が発生した場合、O5評議会の命令による核弾頭の使用が許可されます。
説明: SCP-9000-JP-Jは、██県█市██████に所在する使用されていない倉庫内で発見された、1.5m×2.3m×3.5mのスーパーコンピュータが22基並んだものとそこにインストールされた人工知能プログラムです。スーパーコンピュータ側面には掠れた文字で「TOUHEI HEAVY INDUSTORIES Ltd」と5箇所に刻印されています。このことから、SCP-9000-JP-Jは要注意団体「東弊重工」によって開発されたものではないかと推測されていますが、詳細については現在も調査が継続されています。
SCP-9000-JP-Jの異常性は、SCP-9000-JP-Jの起動時、接続されたモニターに「ぼくはみらいよそくくん。みんなのみらいをよそくします。」と表示されるとともにカウントダウンが表示されます。このカウントダウンは停止させることは出来ず、また一度起動したSCP-9000-JP-Jは停止することが出来なくなります。これは、SCP-9000-JP-Jの電源を切断しても稼働し続け、未知の方法を用いて外部によるエネルギーの供給が行われているものと考えられています。
SCP-9000-JP-Jは、前述のカウントダウンが0秒となった場合に不可解な現象を引き起こすということです。カウントダウンの秒数は5時間22分11秒~32日11時間03分27秒の範囲が現在確認されており、また、SCP-9000-JP-Jの異常性の発現時刻と、その日のその時間に起きた過去の事象とほぼ同じ事象が発動します。その事象に則れる状況ではなかった場合、代替的に他の事象が発生します。他の事象は基本的に「人類に対して甚大な被害を及ぼすもの」に限られており、最悪の場合K-クラスシナリオを引き起こす危険性があります。SCP-9000-JP-Jが出力するカウントダウンの表示の下部には、カウントダウンが0になった際に起こる事象が、判別が困難な色で表示されているのが確認できます。事象が代替的なものに置き換わった場合はこれらの表示はされません。
SCP-9000-JP-Jを用いた実験は現在、O5評議会からの全会一致による命令により永続的に凍結されています。SCP-9000-JP-Jによる異常性によって発生した被害と財団による隠蔽工作の詳細は収容記録SCP-9000-JP-Jを参照してください。
収容記録9000-JP-J-01 記録日: 20██年██月██日
出力結果: あかい、あかい、おそらに、おちる。ちじょうの、あな。
異常性発生までの猶予期間: 30日3時間44分11秒
発生した異常性: 異常性発生時刻である██時█分頃、██県██市へ推定直径██mの隕石が落下。これにより██市は隠蔽不能な壊滅的被害を受け、カバーストーリー"隕石の回収"を適用した後財団の関連団体である███████████によって隕石は回収される。
備考: この事象により特別収容プロトコルが改定され、911-プロトコル("シナリオ修正")が実行されることとなりました。
収容記録9000-JP-J-02 記録日: 20██年██月██日
出力結果: あみめ、あみめ。あみのなかに、おさかないっぱい。
異常性発生までの猶予期間: 2時間1分4秒
発生した異常性: 猶予期間終了後█日間に渡り、インターネット上に出力結果と同様のミーム汚染を確認。ミームの影響を曝露した人物は身体機能の一部が魚類の基本機能とすり替える異常性を発する。
備考: █日を過ぎた後に異常性は非活性化しました。その後閲覧者は財団による記憶処理と回収に至っています。
収容記録9000-JP-J-03 記録日: 20██年██月██日
出力結果: うみ、うみ、そこからはえる。しまをしまうよ。
異常性発生までの猶予期間: 32日11時間03分27秒
発生した異常性: 日本列島の周辺8~10海里の範囲に22本の金属製の、600m~800m、直径9mの長さをもつ柱が出現。柱の材質は調査により、地球上では発見されていない未知の物質で構成されている。
備考: 異常性により発生した柱は現在収容には至らず、カバーストーリー"新規電波塔建設計画"が適用されています。
収容記録9000-JP-J-04 記録日: 20██年██月██日
出力結果: [削除済]
異常性発生までの猶予期間: 8時間22分10秒
発生した異常性: [削除済]
備考: 異常性により発生した[編集済]は、その後機動部隊ぬ-51("伏線回収員")による回収が行われました。
補遺9000-JP-J-1: SCP-9000-JP-Jの内部のシステムを調査した際、SCP-9000-JP-J内部には高濃度のエネルギー物質で構成されていると推測されるパーツ(SCP-9000-JP-J-A)が確認されました。SCP-9000-JP-J-Aを調査者が目視した際、SCP-9000-JP-Jの全ての機能が停止し、SCP-9000-JP-J-Aは調査者とともに消失しました。SCP-9000-JP-J-Aとともに消失した調査者は現在も捜索中ですが、SCP-9000-JP-J内部に人間が侵入した際、中度の現実改変が発生していたことがその後の調査で判明しました。なお、その後電源を入力するコマンドを実行しても起動は確認されません。財団による再起動は█回行われましたが、再起動は行われなかったため、オブジェクトクラスがKeterからNeutralizedへ改定されました。
補遺9000-JP-J-2: 20██年█月█日、SCP-9000-JP-Jが再起動しました。機能が停止する以前よりも異常性が更に強化されており、SCP-9000-JP-Jによって引き起こされる異常性は財団の収容しているオブジェクトへの影響も懸念されています。これにより、オブジェクトクラスが再度NeutralizedからKeterへ改定されました。
補遺9000-JP-J-3: 20██年█月██日、SCP-9000-JP-Jに接続されているコンソール画面上に「せかいを、やりなおす?」という表示と「[はい]/[いいえ]」と表示された状態で機能が一時的に停止しました。その間、SCP-9000-JP-Jによって引き起こされた異常性は確認されていないため、SCP-9000-JP-JはオブジェクトクラスがThaumielへ改定されました。再度異常性が発生した場合は、SCP-9000-JP-Jは911-プロトコル("シナリオ修正")に基づいて処理されます。
発見当時のSCP-XXX-JP-3(検閲のため一部編集済)
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはサイト-8181の低脅威度保管ユニット内に収容されます。SCP-XXX-JPは常に昆虫の発生状況を常時監視し、ユニット内は月に1度Dクラス職員を用いて定期的に清掃を行い、昆虫がユニット外へと逃げた場合は早急に駆除してください。なお、SCP-XXX-JP-6のみ2重に密閉されたケースに収容し、内部の清掃は専用の防護服を装着したDクラス職員を使用して行ってください。SCP-XXX-JPを使用した実験はSCP-XXX-JPの担当研究主任の監視のもとで行ってください。
説明: SCP-XXX-JPは、██県██市で発見された、████社、██████社、██████社、██社製の靴に酷似したオブジェクトです。SCP-XXX-JPには外見は発見当初の状態を維持し続けており、経年劣化等は見受けられません。現在発見されたSCP-XXX-JPは6体ですが、その他にもSCP-XXX-JPが存在している可能性を考慮し、現在も機動部隊む-10("シラミ潰し")によるSCP-XXX-JPの回収作業が行われています。
SCP-XXX-JPの異常性は、SCP-XXX-JP内部に有害性及び生理的嫌悪感を誘発させる昆虫が生息しているということです。これらの昆虫は常に一定の個体数を維持し、SCP-XXX-JP内の昆虫の個体数が減少した場合は、どのような方法を用いているかは判明していませんが一定の個体数を維持できるように瞬時に数が調整されます。なお、出現する昆虫は一般的な野生の個体と比較しても、目立った差異は認められませんでした。また、SCP-XXX-JPを電子顕微鏡を用いて観察したところ、SCP-XXX-JP自体が生体組織で構成された生命体であることが確認されています。SCP-XXX-JP内部は、その生体機能により常に昆虫の種類に応じて過ごしやすい温度と湿度が保たれ、またSCP-XXX-JPそのものを捕食することにより内部に生息している生物の生息環境を維持できるようになっているものと思われます。SCP-XXX-JPは食物を一切必要とせず、排泄も行わないにもかかわらず、どのように生命を維持しているかについては現在も研究が進められていますが、有力な情報は得られていません。
SCP-XXX-JPは現在6足が収容されており、それぞれ内部に生息する昆虫の種類は様々です。以下は6足のSCP-XXX-JP(SCP-XXX-JP-1~6)の特徴と生息している昆虫の種類を簡易的にまとめたものです。
オブジェクト番号 |
オブジェクトの特徴 |
オブジェクトの異常性 |
SCP-XXX-JP-1 |
19██年発売の████社製のスニーカー |
ヒヨケムシ目(Solifugae)の成虫1個体生息 |
SCP-XXX-JP-2 |
20██年発売の██████社製の本革靴 |
フロリダウデムシ(Phrynus marginemaculata)の成虫1個体生息 |
SCP-XXX-JP-3 |
20██年発売の████社製のスニーカー |
チャバネゴキブリ(Blattella germanica)の成虫2個体生息 |
SCP-XXX-JP-4 |
███████小学校指定の室内靴 |
サソリモドキ(Uropygi)の成虫1個体生息 |
SCP-XXX-JP-5 |
ホームセンター█████で販売されていた██社製のサンダル |
メナシムカデ科(Cryptopidae)の成虫1個体生息 |
SCP-XXX-JP-6 |
19██年発売の██████社製のスポーツシューズ |
グンタイアリ(Eciton)の女王アリ1個体と雄アリ、働きアリ推定300個体生息 |
SCP-XXX-JP-6のみ、グンタイアリの頻繁に移動するという特性上、専用の密閉構造の保護ケース内に収容されています。SCP-XXX-JPは、全国に流通している一般的な靴類との視覚的な差異は認められませんが、共通点として「使用頻度の低い」「日光や電灯の光が届きにくい」場所でのみオブジェクトが発見されているということです。これにより、SCP-XXX-JPの回収作業は上記の特徴を元に決定されました。
補遺-01: SCP-XXX-JPは、大手通販会社である██████.comの配送センター内の保管庫で発見されました。20██年に発生した台風14号の影響により配送センターに甚大な被害が発生し、センター内に保管されていたSCP-XXX-JP-1の異常性により数日間周辺地域には外来種であるヒヨケムシによる人的被害が多数報告されました。これらの事象を確認したエージェントによりSCP-XXX-JP-1が発見、その後収容に至りました。SCP-XXX-JP-2以降のオブジェクトも、後に編成された機動部隊の回収作業により発見されたものです。回収作業が完了後、周辺地域の目撃者にはクラスA記憶処理の適用後、カバーストーリー"外来種対策"が流布され、SCP-XXX-JPから発生した昆虫の駆除作業が現在も実行されています。