斬り裂きマリー診療所

家族

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現在のSCP-XXX-JP-1

アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPを含むSCP-XXX-JP周辺の土地は財団が所有し、財団職員を近隣住民として配備します。SCP-XXX-JP-1の各条件に見合う職員を、それぞれ4名以上配備してください。過去にSCP-XXX-JP-1であった可能性が疑われる者はSCP-XXX-JP任務には割り当てられません。SCP-XXX-JP周辺への一般人の立ち入りは阻止されます。各SCP-XXX-JP-1は常に監視し、死亡又は条件の逸脱が確認された場合は速やかに代わりの人員をSCP-XXX-JPへ配備してください。SCP-XXX-JP-1集団から外れた者には規定の検査を行い、適切な処置が施されます。

説明: SCP-XXX-JPは鳥取県米子市の郊外に位置する、日本家屋の建つ広さ635坪の土地です。この土地にはSCP-XXX-JP-1が居住しています。SCP-XXX-JP-1が5名以下になった場合、欠けたSCP-XXX-JP-1の条件に合う人間(Homo sapiens)が未知の手段でSCP-XXX-JPに引き寄せられます。この誘引現象によるSCP-XXX-JPへの人間の接近を妨害する試みは成功していません。

SCP-XXX-JP-1はSCP-XXX-JPに居住する6人の人間の集団です。条件と合致する人間がSCP-XXX-JP領域内1に侵入すると、SCP-XXX-JPが自分の住処であり、SCP-XXX-JP-1は自分の家族であると認識するようになります。この状態に陥った人間は、以降SCP-XXX-JP-1集団の一員となります。各SCP-XXX-JP-1は1名までしか存在できず、既存のSCP-XXX-JP-1が除外されない限り、SCP-XXX-JP内の人間が新たなSCP-XXX-JP-1に変化する事はありません。

SCP-XXX-JP-1 役割 条件
SCP-XXX-JP-1-A 祖父 満60歳以上の男性
SCP-XXX-JP-1-B 祖母 満60歳以上の女性
SCP-XXX-JP-1-C 父親 満18歳から満60歳までの男性
SCP-XXX-JP-1-D 母親 満16歳から満60歳までの女性
SCP-XXX-JP-1-E 息子 満18歳までの男性
SCP-XXX-JP-1-F 満16歳までの女性

SCP-XXX-JP-1の条件は、誕生日ではなく出生時間に起因する事が判明しています。財団が観測して以来、SCP-XXX-JP-1はその人間の誕生日になってもすぐにはSCP-XXX-JP-1からは外れず、出生時間を迎えた瞬間にSCP-XXX-JP-1から除外されています。SCP-XXX-JP-1集団から除外された人間は、今まで同居していたSCP-XXX-JP-1やSCP-XXX-JPに強い郷愁を示します。個人差はありますが、この懐かしむ気持ちは日常生活に支障をきたす程の物ではありません。

SCP-XXX-JP-1は、SCP-XXX-JPが人間を引き寄せSCP-XXX-JP-1へと変化させる事、そしてSCP-XXX-JP-1となる条件についての知識をSCP-XXX-JP-1となった時点で獲得します。SCP-XXX-JP-1から除外されたとしてもこれらの知識は失われず、異常性に対する違和感も覚えません。SCP-XXX-JP-1から除外された人間は記憶処理による知識の消去が可能となります。

妊娠中の女性、及び胎児はSCP-XXX-JPへの誘引対象とならず、SCP-XXX-JP内に存在したとしてもSCP-XXX-JP-1へ変化しない事が確認されています。SCP-XXX-JP-1は自発的に子供を作ろうとはせず、「現状の家族で満足している」という共通の認識を有しています。Dクラスから変化したSCP-XXX-JP-1-C、-Dを用いた妊娠によるSCP-XXX-JP-1からの脱却実験が行われましたが、妊娠したSCP-XXX-JP-DはSCP-XXX-JP-1から除外されず、出産後も変化はありませんでした。出産された新生児はSCP-XXX-JP-1-C、-Dからの要望により財団に引き渡されました。SCP-XXX-JP-1全員に対してインタビューを行った処、SCP-XXX-JP-Dから生まれたとしても生まれた子を家族とは認めがたい、という意見で一致していました。新生児は検査を受けた後、異常性無しと認められ財団に保護されました。

他にも様々な方法でSCP-XXX-JP-1脱却実験が行われましたが、いずれも失敗に終わりました。SCP-XXX-JP-1を長期間SCP-XXX-JP外に拘束した場合、SCP-XXX-JP内の不明な位置から鐘を撞くような音が広範囲に響き渡るようになる為、拘束実験は現在凍結されています。

SCP-XXX-JP-1はお互いに深い愛情を示しており、SCP-XXX-JP-1間での暴力を伴う諍いが報告された事例はありません。稀に小規模な衝突は見られるものの、最終的に関係は修復します。SCP-XXX-JP-1から外れた者にもこの影響は残っており、自身の家族、親類に対する愛情の増大が確認されています。

インタビュー記録042 — 日付1991/06/19

対象: D-64653(対象はドメスティックバイオレンスの傾向が強く、暴力的。アルコール依存症)

≪記録開始≫

甘夏博士: インタビューを開始します。D-64653、あなたの殺害した妻と娘について、何か思う事はあるでしょうか?

D-64653: あ? これ、取り調べか何かか? もう随分前に答えただろ。

甘夏博士: 今現在、妻と娘についてどう思っているのか答えてください。

D-64653: そんなもん変わりゃしねえよ。悪いのはあいつらで、俺は悪くねえ。俺が気持ち良く酒飲んでたってのによぉ、██(D-64653の娘)が昼間っから酒飲むなって生意気な事言いたがったから殴って躾けてやったんだよ。親に向かってその態度はなんだって思うだろ? そしたら███(D-64653の妻)が邪魔してきてよぉ、殴って黙らせたんだよ。後の事はあんまし覚えてねえけど、気が付いたら警察がうちに乗り込んできたっけなぁ。俺も酔っちゃいたけどよ、あいつらが生意気な事しなけりゃ死なねえで済んだんだよ。俺は一家の大黒柱だぜ? 家長のやる事に口出しするなってんだよ。なぁ?

甘夏博士: 後悔はない、と。

D-64653: あいつらが死んだせいで捕まっちまったし、酒も飲めなくなったしなぁ。後悔はしてるよ。

甘夏博士: 良く分かりました。インタビューを終了します。

≪記録終了≫

このインタビューの3日後、D-64653はSCP-XXX-JP-1-Cに変化しました。SCP-XXX-JP-1に生活物資と共にアルコール飲料を供給。SCP-XXX-JP-1-Cはアルコールを接種すると暴力的な傾向を見せ始めましたが、付近に居るSCP-XXX-JP-1に対する暴力は避けるように動きました。この一件の後、他SCP-XXX-JP-1からの説得によりSCP-XXX-JP-1-Cは以降のアルコール摂取を自主的に控えるようになります。SCP-XXX-JP-1はSCP-XXX-JP-1から除外されるまで断酒を続け、他SCP-XXX-JP-1に対して暴力を振るう事もありませんでした。

インタビュー記録079 — 日付2000/08/26

対象: D-64653(対象はSCP-XXX-JP-1-Cから除外された直後である)

≪記録開始≫

霧崎博士: これよりインタビューを開始します。D-64653、あなたはアルコール依存症でしたが、10年以上の禁酒に成功していますね。何か理由はありますか?

D-64653: 酒をやめた理由か? そりゃ、██(1991年当時のSCP-XXX-JP-E)に酒を飲んだ父ちゃんは怖いって言われたからだよ。酔っ払って、気付いたら周りのもんをぶっ壊してたからな。酔って家族を傷付けたらと思ったら、酒なんて飲めなくなっちまった。

霧崎博士: 以前の記録を見ると、あなたは家族を含め、他人に対して配慮するような人物には見えませんが。

D-64653: そんな事はねえよ。いや、前の俺なら確かにそう思ってたかもしれねえ。けどな、あいつらと家族になって、分かったんだよ。家族は大事なもんだってな。家族程、大切なもんはねえよ。そうだ……家族程……大切なもんは……。[D-64653は顔を覆うと、泣き始める]

D-64653: すまねえ……すまねえ……███……██(D-64653が殺害した妻と娘の名前)……。俺……俺は……なんつう……取返しのつかねえ事を……。

霧崎博士: 2人の事について、どうかしましたか?

D-64653: どうもこうもねえよ! 過去の俺をぶん殴ってやりてえ [嗚咽] なんで……俺は……[しばらく嗚咽が続く]

霧崎博士: D-64653の心境の変化については分かりました。それではインタビューを—

D-64653: なあ。

霧崎博士: —何でしょうか?

D-64653: その……二人の……███と██の墓参りって、できねえかな。どうしても、二人に謝りたいんだ……頼む!

霧崎博士: 検討します。

D-64653: 頼むぞ! 一度で良いんだ。一度で良いから、二人の墓の前で謝りたいんだ……███……██……。

霧崎博士: それでは、インタビューを終了します。

≪記録終了≫

D-64653の要求は却下され、D-64653は記憶処理の後、別オブジェクトの任務に異動となりました。

 
SCP-XXX-JPの北東の一角には死亡したSCP-XXX-JP-1を乗せる為の岩(以下SCP-XXX-JP-2)が存在します。SCP-XXX-JP-2の大きさは変動する為、現在の大きさは別紙を参照してください。初期収容時では長さ2.2m、幅0.7m、高さ1.2mでした。SCP-XXX-JP-2の下部は約0.7mが地面に埋まっていました。

過去にSCP-XXX-JP-1であった事がある人物の遺体をSCP-XXX-JP内に置いた場合、他SCP-XXX-JP-1は遺体の葬儀を行います。通常、SCP-XXX-JP内の何処に置かれてもSCP-XXX-JP-1は遺体を発見できますが、直径3cm以下の小さな遺体の一部は偶然か他者からの指摘が無ければ発見できません。体毛や爪は遺体の一部とは認識されず、単体で放置されてもゴミとして処理されるか、関心を持たれません。

葬儀はSCP-XXX-JP内に存在する土蔵から運び出された犬槇で作られた棺桶に遺体が納められ、SCP-XXX-JP-2の上に置かれる事で完了します。この時、喪服を着たSCP-XXX-JP-1が数珠を手にして合掌する様子が多く確認されますが、これは日本における一般的な葬儀を行っている為と判断されています。特定宗派の僧侶やキリスト教の神父を招く等、死んだ個体の信奉していた宗教に沿うような葬儀を行おうとする場合もありますが、実行が困難な場合は生存個体の判断で葬儀が執り行われます。どのような葬儀であっても、最終的に遺体はSCP-XXX-JP-2の上へ置かれる事になります。

SCP-XXX-JP-2の上に置かれた棺桶は3秒から10秒経過してからSCP-XXX-JP-2に吸収されます。棺桶を用いず、直接遺体をSCP-XXX-JP-2の上に置いた場合も同様の結果となります。SCP-XXX-JP-1となった事のない遺体はSCP-XXX-JP-2へ吸収される事はありません。

遺体がSCP-XXX-JP-2に吸収されると、SCP-XXX-JP-2の体積が僅かに増加します。この時に体積が増加する度合いが、吸収された遺体の体積よりも小さい事は注目に値します。SCP-XXX-JP-2の組成を調査した結果、閃雲花崗岩を主として、微量の人骨、人間の歯、体毛を含んでいる事が確認されました。吸収された筈の筋肉や血液、遺体が纏っていた衣服、棺桶に使われた犬槇等は確認されていません。

死後50日以上が経過した遺体、又は過去に葬儀が行われた個体の遺体の一部は上記のような葬儀は行われず、SCP-XXX-JP-2の上へ遺体を置き手を合わせるだけの簡易的な弔いで終了します。

SCP-XXX-JP-2の近くには赤い実を付ける南天(Nandina domestica)が、SCP-XXX-JP南西の石燈籠の近くには白い実を付ける南天が存在します。どちらの南天も地下深く広範囲に渡って根を張っており、お互いの根が地下で複雑に絡み付いています。SCP-XXX-JP外へ南天の根が伸びていない事は確認済みですが、根の正確な情報は調査中です。南天の実、及び枝の一部を採取し研究施設へ持ち帰り栽培を試みましたが、SCP-XXX-JP内で見られるような異常な根の成長は確認されず、非異常性の個体と同様の研究結果しか得られませんでした。

SCP-XXX-JPの南東ではオランダイチゴ属(Fragaria)の栽培種がSCP-XXX-JP-1によってハウス栽培されています。SCP-XXX-JP内で生育したオランダイチゴ属の実を摂食した者は、食べ物の嗜好に関係無く好意的な反応を示します。イチゴアレルギーを持つ者が摂食したとしても、アレルギー反応を起こさず接触可能です。この異常性の獲得には生育中のオランダイチゴ属が10日以上SCP-XXX-JP内に存在し、かつSCP-XXX-JP内で実を結ばなければなりません。異常性を獲得した後であれば、SCP-XXX-JP外へ持ち出したとしても異常性は持続します。

SCP-XXX-JPの南西にてセージ(Salvia officinalis)が群生していますが、異常性は無いものと見做されています。

事件記録2001006 — 日付2000/10/06

<21:23>:

SCP-XXX-JP南西に存在する石燈籠には以下の文字が刻まれています。

家族
昭和二十二年七月七日 佐伯正信

石燈籠に刻まれている佐伯正信(さえき まさのぶ)についての調査が行われた結果、SCP-XXX-JPにて1971年に死亡している事が確認されました。この情報はSCP-XXX-JPに近い██寺の記録から得られた物で、寺の記録では佐伯正信の葬儀が1971年2月4日に行われたとされています。佐伯正信についての情報はこれが最後であり、当人物の出生記録から算出される現在の年齢を考えても死亡は確実のものと判断されました。SCP-XXX-JPが1981年まで財団に発見されなかったのは、当人物がSCP-XXX-JPに何等かの隠蔽措置を施していた為と考えられています。しかしながら、どのような手段で財団の監視網から逃れていたのかについては不明のままです。

██寺にある記録から得られたものですが、

SCP-XXX-JPの北東の一角には産地不明の岩があります。

SCP-XXX-JPの北東の一角には以前のSCP-XXX-JP-1と思われる人物達が埋葬されている墓地があり、側には白い実を付ける南天(Nandina domestica)が存在します。南西の一角にも南天が存在し、こちらは赤い実を付けます。どちらの南天も地下深く、広範囲に渡って根を下ろしており、お互いの根が複雑に絡み合っている事が調査で判明しています。

インタビュー記録XXX — 日付2010/XX/XX

対象: ████(対象はSCP-XXX-JP-1-E-2だったが、条件を外れた為SCP-XXX-JPより退出した)

霧崎博士: これよりインタビューを開始します。██さん、貴方はこの家屋で6人の共同生活をしていますね? [SCP-XXX-JPの日本家屋を映した写真を見せる]

████: はい、その家で暮らしています。

霧崎博士: 何故この家屋で暮らしているのでしょうか? 貴方のご家族は、貴方が居なくなった事で大変心配していますよ?

████: 家族? [4秒間の沈黙] ああ、前の家族の事ですか。確かに、黙って出て行ったのは悪かったと思います。帰ったら連絡を入れますよ。

霧崎博士: 前の家族とは?

████: だから、前に俺が住んでいた家の家族の事でしょう? [██家の人物を3名述べる]。この人達の事ですよね? 俺の事を心配しているって言ったのは。

霧崎博士: ええ、その方達の事です。その口振りからすると、今は家族ではないと言う事でしょうか?

████: そうですね、今は新しい家族と暮らしているので。

霧崎博士: この表札の無い家に住んでいる人達の事ですか? [SCP-XXX-JPの日本家屋を映した写真と、SCP-XXX-JP-1-A、-B、-C、-D、-Fを見せる]

████: はい、そうです。

霧崎博士: この家に住んでいる者達の素性を調べましたが、貴方とは血縁関係にないようです。姓も全員異なっており、貴方がこの家に来る以前に接点があったという調査結果も得られませんでした。なのにどうして、見ず知らずの人達の事を家族だと?

████: どうしてって言われても [5秒間の沈黙] 何かおかしいですか? 世の中の結婚する人達は、血の繋がりはないけど結婚して家族になるし、養子縁組だってそうです。まさか俺が父さん母さんの実の子じゃないから家族じゃないなんて言いませんよね!?

霧崎博士: いいえ、失礼しました。確かに血縁でなくとも家族にはなれますね。では次の質問です。貴方がこの家の者達と家族になった経緯を話してください。どうやってこの家へ行き、何が起こったのかを。

████: 俺があの家に行って家族になった日の事ですか? 素晴らしい日でした! あれは忘れもしない今年の5月22日。

霧崎博士: 入籍した場合、姓は同じになります。ですが貴方達は別姓のまま、お互いを家族と言っているように見えます。

████: それが自分達の名前ですからね。別に同じ姓を名乗らなきゃ家族にはなれないって事もないでしょう。

霧崎博士: [SCP-XXX-JP-1-F-2の写真を見せる] この人物は貴方にとって何ですか?

████: 俺の大事な妹です。お菓子作りが趣味で、休みの日にはクッキーやプリンなんかを作ってくれるんですよ。スーパーで買う物よりずっと美味いんです。将来はパティシエになるのが夢だって言っていました。悪戯好きで、よく俺の事を驚かせるんです。廊下の角なんかで隠れて、俺が来た時に「わっ」って。最近は慣れてきたので驚かなくなりましたが。あいつ、それが気に入らないらしくてすねてるんですよ。次は絶対に驚かせてやるから覚悟しろって— [以降は重要でない為割愛]

霧崎博士: 貴方が妹さんをどれだけ思っているかはよく分かりました。ですが貴方が妹と呼んでいる人物は、貴方と血の繋がりはありませんよね? 貴方が父や母と呼ぶ者達もそうです。そしてその両親と貴方の妹も又、血は繋がっていない。それなのにどうして家族だと思っているのですか?

████: 血の繋がりが無ければ家族じゃないんですか? それじゃあ養子縁組の人達は家族じゃないとでも言うつもりですか! 俺には妹が居るし、父さんや母さん、じいちゃんもばあちゃんもみんな俺の家族です。世界で一番大切な、掛け替えの無い家族です。血の繋がりなんて関係無い。そんなものは家族にならない理由にはならない。これ以上俺の家族を侮辱するようならもう何も答えないぞ。

霧崎博士: では、最後の質問をします。これに答えてくださったらお帰しします。

████: やっと帰れる……。じゃ、さっさと質問しちゃってください。

霧崎博士: いつから、どのようにして彼等と家族になったのですか?

████: ああ、それは忘れもしない。今年の5月22日の事ですよ。あそこの山にはキャンプ場があって、昔子供会で行った事があるんです。懐かしくなって、ちょっと自転車に乗ってキャンプ場までサイクリングしたんですよ。で、帰りに脇道を見付けて、ちょっと探検のつもりでそっちに行ってみたんです。道を進んでる途中で小屋みたいな建物をいくつか見ましたね。そのまましばらく進むと、今住んでいる家が目に入りました。家を見た瞬間、無我夢中で自転車を漕ぎました。気が付くと俺は家の玄関に居て、家族が出迎えてくれてたんです。「息子が帰ってきたぞ」って父さんが喜んでたっけ。そう、見た瞬間に分かったんです。父さん、母さん、じいちゃん、ばあちゃん、そして妹。その時はまだ名前を知らなかったけど、でも絶対に父さんだ、母さんだって確信できたんです。自然と俺の口からは「ただいま」って言葉が出ました。家族みんなが「おかえり」って言ってくれて、初めて来た筈なのに、なんだか懐かしい気持ちになって……ああ、俺は帰ってきたんだな、って気持ちになったんです。不覚にも俺、涙を流しちゃって……母さんは今でもその事を話題に出してくるんですよ。いや、たまになんですけどね。後はそう、その日は俺が帰ってきたお祝って事で御馳走だったんですよ。[以降は重要でない為割愛]

霧崎博士: ありがとうございました。それではインタビューを終わります。

[記録終了]

████:

霧崎博士:

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霧崎博士:

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霧崎博士:

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霧崎博士:

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霧崎博士:

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霧崎博士:

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霧崎博士:

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霧崎博士:

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霧崎博士:

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霧崎博士:

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霧崎博士:

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霧崎博士:

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霧崎博士:

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霧崎博士:

████:

霧崎博士:

此処に家族を建てる
昭和二十三年十一月二十三日
佐伯正信

加齢によりSCP-XXX-JP-1の構成条件から外れるか、3箇月以上SCP-XXX-JPに戻らない、或いは3箇月以上他のSCP-XXX-JP-1と親密な接触ができなかったSCP-XXX-JP-1は、SCP-XXX-JP-1集団から除外されます。



温もりを求めて

評価: 0+x
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最初の通報後に発見された山口伊助氏の遺体

アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: 12月から3月の間、SCP-XXX-JP発生地域に派遣された職員は深夜1時から朝6時までの5時間、SCP-XXX-JPの周囲を道路工事等のカバーストーリーを立てて封鎖し、一般人を遠ざけてください。その間、周囲のSCP-XXX-JP全個体の動きを観測し、不測の事態に備えます。SCP-XXX-JPには150℃以上の熱源を近付けさせないようにしてください。
SCP-XXX-JPが発生する4箇月の間、SCP-XXX-JPに対してエリア-1514に向けた誘導を行ってください。SCP-XXX-JPの痕跡は朝6時以降に隠滅してください。

説明: SCP-XXX-JPは12月から3月までの4箇月間、深夜1時から朝6時にかけて発生する人型存在です。発生範囲は直径180mから317mの間である事が観測されています。SCP-XXX-JPの発生開始日と終了日は不定ですが、4月から10月までの期間においてSCP-XXX-JPの発生報告は現在までありません。SCP-XXX-JPは『山口伊助氏が公園で凍死している。周りには氷でできた複数の足跡があって不気味だ』という内容の通報があり、財団に発見されました。

SCP-XXX-JPは不可視の人型存在です。発生地域の熱分布を測定した結果、周囲よりも非常に低い温度2を示す空間を発見。さらにその空間は移動する人型のように見える事が観察されました。現在までに観測されているSCP-XXX-JPは██体で、ばらけて行動、あるいは集団で行動しているのが確認されています。低温存在であるため観測できていますが、コンクリートや金属等の障害物をすり抜ける事から、実体を持たない存在であると結論付けられました。

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SCP-XXX-JPの足跡

SCP-XXX-JPに触れた物体は、その低温域によって凍結します。この性質を利用し、水を凍らせる事でSCP-XXX-JPの姿を観測する実験が行われました。正確なSCP-XXX-JPの姿を観測する為に、動きの見られないSCP-XXX-JP-12に向けて遠距離から慎重に放水した結果、和服姿の日本人女性の形をした氷像が出来上がりました3。その他のSCP-XXX-JPに対しても同様の実験を行った結果、それぞれ服装や姿は違うものの、概ね日本人らしき形となる事が判明しています。現在までに1体のコーカソイドらしきSCP-XXX-JPが観測されています。

SCP-XXX-JPは30℃から40℃の物体が付近にある場合、その物体に接触しようと試みますが、炎等の高温体からは遠ざかる動きを見せます。最初にSCP-XXX-JPが発見された地域には、12月から3月にかけて家の出入り口に篝火を焚く等4する風習が伝わっており、これはSCP-XXX-JPへの対策であると見られています。

SCP-XXX-JPに松明に灯した炎を当てた処[データ削除]。

SCP-XXX-JPが物体に接触すると、接触部分が凍結します。更に、接触部分には急速な霜の生成が確認されます。この霜の一部を採取し鑑定した結果、その発生原理以外に異常性が無い事が確認されました。SCP-XXX-JPが触れた痕跡で最も多いのは“足跡”で、殆どの足跡は靴や草鞋で歩いたような形状をしています。

SCP-XXX-JPに接触した人間が死亡した場合、SCP-XXX-JPの個体数が増加する事が判明しています。
 
 
実験記録005- - 日付1997/01/19

対象: SCP-XXX-JP-17

実施方法: D-XXX-12に-180℃の環境でも生存可能な防寒装備を取り付け、対象に触れさせる。

結果: D-XXX-12の手が対象内部に侵入した瞬間、それまで停止していた対象が動き出した。対象はD-XXX-12を通過。傍観装備内部のマイクからは凍結音のみが拾われた。D-XXX-12はこの時点で全身が凍結。活動状態となった対象は辺りを歩き回り、早朝5時と共に消失した。

分析: 対象との接触に防護服は意味を為さない事が判明。物理的な囲い込みでは収容できないだろう。

翌日、SCP-XXX-JPの新たな個体が1体観測されました。

 
実験記録008- - 日付1997/02/05

対象: SCP-XXX-JP-42

実施方法: 対象に炎を接触させる。

結果: D-XXX-16が松明の炎を対象に近付けると、対象は炎から逃れるような行動を示した。そのまま炎を対象と接触させると[データ削除]。

分析: 炎等の熱源を忌避する性質から、熱による無力化が可能であると考えられていたが[データ削除]。しかし一般人を守る為には、この地域に存在する篝火の風習は効果を発揮しているようだ。

翌日、SCP-XXX-JPが8体増加している事が観測されました。これは死亡した被害者の数と一致しています。

1997/02/05: SCP-XXX-JP-1へ150℃を越える熱源を接触させる事が禁止されました。
 
 
 
事件記録005- - 日付1997/02/11

04時44分、山口家の住民全員がSCP-XXX-JPの集団に襲われる事件が発生しました。山口家は熊本県龍ヶ岳町5からSCP-XXX-JP発生地域に引っ越してきた一家で、当地域の風習を知らず、もしくは知っていても実行せずにいた為に今回の襲撃に遭ったものと思われます。玄関の扉から腰の曲がったSCP-XXX-JP-38が通過し、その後を追うようにして他のSCP-XXX-JPが家内に進入した事が判明しています。この事件は観測中のSCP-XXX-JP群が、山口家を目指すように移動し始めた事で発覚しました。財団が現場に駆け付けた時には、山口家内に居た5人全員がSCP-XXX-JPとの接触による凍結で死亡していました。この事件は集団食中毒として処理され、遺体は調査の後、異常性が無い事が判明した為に親戚遺族に返却されました。

この事件を受けて、SCP-XXX-JP全個体を監視する為に担当職員の増員が決定されました。

1997/02/12: SCP-XXX-JPが5体増加している事が観測されました。
 
 
SCP-XXX-JPは、消失地点付近から再発生する事が確認されています。これは4月から11月の8箇月の期間を開けたとしても同様です。そしてSCP-XXX-JPは炎等の高温を忌避する性質から、追い込みによる誘導が可能です。周囲一帯に民家の存在しないエリア1514にSCP-XXX-JPを誘導し、誘導後SCP-XXX-JP群を篝火で囲い込む収容計画が現在進行中です。

補遺:
 


 


Nanimono Demonaiさんの技らしい。


Acquisition Log SCP-███-█
 

SCP-1264
SCP-2077

scp-jp 生命 蘇生 自己複製 知性 自我 人間型 国内収容

containerketermedicalmind-affectingscpsensorytactiletransfiguration
容器 keter 医療 精神影響 scp 感覚 触覚 変形