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アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: safe

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JP-1は当該個体が発見された家屋に収容されています。SCP-XXX-JPの収容されている家屋の内部は常に監視し、SCP-XXX-JP-1の活動によって発生したSCP-XXX-JP-2は、その物質に関する活動が終了した後、速やかに回収し焼却および破棄してください。また回収の際、担当職員はjp-1の活動している範囲内に侵入しないように注意してください。家屋内に一切の外部的な自然条件が介入しないよう、定期的な修繕を行ってください。エージェントは家屋内に存在する活動対象前のJP-2と推測される物質について、一切家屋の外部に出さないよう注意してください。周辺住民に対してはカバーストーリー「ガス漏れによる危険」を流布し、家屋内への侵入事案が発生した場合には侵入者を速やかに確保、Aクラス記憶処理ののち解放してください。侵入者がjp-1によって殺害されていた場合は活動範囲内にない遺体部分を処理し、遺族にはAクラス記憶処理ののちカバーストーリー「事故死」を適用してください。

説明: SCP-XXX-JPは人間女性の特徴をもつSCP-XXX-JP-1、その活動によって発生したSCP-XXX-JP-3からなる、一連の行動サイクルです。

SCP-XXX-JP-1(以下JP-1)は○○県○○市郊外に存在する家屋で発見された、アジア系の特徴を持ち、三十台後半と推定できる加齢の特徴を持った人間女性です。これらの特徴は1950年代当時に収容されてから現在に至るまで変化を見せておらず、当該個体が食事や排泄、睡眠を欲求する意志または実際の行動も、現在まで確認されていません。また当該個体に対するコミュニケーションの試みも、当該個体の活動に対する集中及び対話への無関心さにより、どのような形でも成功していません。JP-1はあらゆる攻撃や拘束行動に対して影響を受けないことが確認されています。後述する収容時の状況から、当時家屋に在住していた女性がオブジェクト化したものと推測されています。
JP-1は常に、一般的な家庭で行われる家事の一種とされている行動をとります。現在確認されている行動として、
・所持している洗濯板と金属製のたらい、出現した水による出現した衣料の洗濯
・箒とちりとりによる出現したゴミの収集、および収集した内容物の分別
・出現した食材と調味料を使った、備え付けの調理具による調理
があり、JP-1はこれらの活動をある段階まで続行します。そしてある段階まで到達した際、後述するSCP-XXX-JP-2がJP-1の周囲に出現します。

SCP-XXX-JP-2(以下JP-2)は前述した活動が終了した際に、家屋内に散乱した状態で現れる物質群です。出現するメカニズムは現在までにおいて不明であり、また物質としての発生プロセスも未確認です。発生したJP-2の内容および特異性については付記するリストを参照してください。
新たなJP-2が発生すると、JP-1は発生したJP-2に対して、種類に対応した前述の活動を再開します。この際、新たに発生したJP-2に対しての第三者による介入はJP-1によって阻止され、第三者が活動範囲内にいた場合排除されることが確認されています。この排除行動は重篤、もしくは致死的な影響を介入した第三者に与え、それにより現在までに○○名の職員が死傷しています。またこれらの行動によって発生した物質も新たなJP-2と認識されることが、排除行動時の監視データにより判明しています。
活動が終了し、ある一定の形式に収束したJP-2は、種類に対応した特定の場所へ自動的に転移します。転移プロセスについては、どのような高精度映像機器であっても確認できていません。
JP-2の種類 検査結果 補足
金属製のたらいとそれに充満した水 活動の終了後、組成および内容物を検査。特異性は見当たらず。衣類の洗浄に使用された。 調査の結果、1960年代に○○社から販売されていたものと特徴が一致。○○社は現在倒産している。家屋外へ転移。
プラスチック製の洗濯板 検査の結果、特異性は見当たらず。 衣料の洗浄に使用された。 調査の結果、1960年代に販売されていた一種と特徴が一致。販売していた○○社に異常性は確認されていない。金属製のたらいと合わせて家屋外へ転移。
泥らしき物質が付着した複数の衣料 衣料に特異性は見当たらず。泥については水に混ざった状態でのみ確認、収容されている地域のものと組成が一致した。 調査の結果、衣料は1960年代当時に販売された子供用のものと特徴が一致。メーカーは多岐に渡り、それぞれに対して調査を継続中。「干された」状態で家屋外へ転移。一部の衣類に「たろう」「かなこ」という手書きの文字が確認され、これは後述する児童の名と一致する。
5mの金属製もの干し竿とそれをかけるもの干し台 家屋外の庭に当たる場所に発生。特異性は確認できず。衣類の乾燥に使用されている。 1960年代に販売されていたものと特徴が一致する。洗浄後の衣類がかけられた。○○着の衣類がかけられたとき、また存在する数が0の時、新たに発生することが確認されている。
様々な材質の衣類用ハンガー 特異性は見当たらず。衣類の乾燥時に掛ける場合と、ゴミとして処理する場合が存在。 調査の結果、1960年代に○○社から販売されていたものと特徴が一致。○○社は現在倒産している。衣類がかけられた状態で家屋外へ転移。
植物の葉 特異性は見当たらず。 回収された時期によらず、紅葉現象を示している。葉の種類は家屋近辺に存在する落葉樹と一致。平均的な量は○kg。袋に収納された状態で家屋玄関先へ転移。
木製の箒とプラスチック製のちりとり 劣化実験を施しても劣化の兆候が見られない。衝撃による破壊後は特異性を消失することが確認された。 調査の結果、1960年代のものと特徴が一致。家屋玄関右の壁に立てかけられた状態で転移。
ポリビニール製ゴミ袋 外部の衝撃、特に刺突に対して一般に普及しているものより耐性を確認。焼却後は特異性を消失。 ビニールの色は黒。収集された葉はこの内部に収納される。家屋玄関先へ転移。
一般的に食材や調味料とされる有機物 調理されたそれらを回収し検査。特異性は確認されなかった。Dクラスによる摂食実験では「お袋の味がした」という回答が得られた。 この回答がミーム的な影響によるものかは検証中。調理されたものは常に四人分の分量が存在。作成される種類は和食となる傾向が見られる。調理されたものは家屋内のテーブルに転移し、それが存在する限りは新たなこのJP-2の発生は確認されていない。

SCP-XXX-JPは1960年代、家屋に在住していた児童の通報を財団が傍受したことによりその存在を確認、家に向かった近隣住民一名及び警察官一名が排除行動により重傷を負ったことから異常性が判明し、収容されました。発生および処理されていたJP-2の調査により、当時家屋に在住していた児童の親にあたる成人男性がJP-2として処理されていたことが判明しています。また児童二名への聴取により、児童に対する排除行動は極めて穏当なものであったことが確認されています。これがどのような条件の元でのものであるかは、条件外であった場合に推測される危険性の高さから、検証されていません。

事件記録:収容時、家屋の玄関に発生していたJP-2がエージェントの侵入時に外部に拡散。 JP-1がそれを追跡する形で収容違反が発生しました。追跡時にその活動範囲内に存在した一般住民数名、鎮圧に赴いた警官数名、また外部に待機していたエージェントが死傷しました。JP-1はJP-2を回収後、収容されていた家屋に戻りました。この事件により、発生したJP-2に関して、JP-1の活動が終了する前に持ち出す試みは禁止されています。またその意図的な拡散も禁止されています。

補遺1: