アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Neutralized
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはサイト-81██の標準人型収容室に収容されます。SCP-XXX-JPとの接触は原則禁止とされ、SCP-XXX-JPの実験も現在全て承認されません。SCP-XXX-JPはサイト-81██にある死体安置収容ケースに収容されています。実験、検査等を行う際はセキュリティクリアランスレベル3以上の職員の許可を得て下さい。SCP-XXX-JPの性質が確認された場合は、ただちに報告をして下さい。
説明: SCP-XXX-JPは一般的な10歳児1で、異常な出産経緯、過ごした生活環境により影響された面はありませんでした。SCP-XXX-JPは傘を用いた浮遊が可能です。浮遊中に、SCP-XXX-JPの体勢や筋力などに肉体的疲労は与えられませんが、浮遊終了後に相応の疲労を与えられると推測されています。SCP-XXX-JPは基本自在に進路を掌握できますが、風により傘が煽られる等、外的影響によりコントロールを失われます。
傘を用いたSCP-XXX-JPの飛行を目視2、SCP-XXX-JPによる文章、絵または口頭により傘による飛行を認知する事により、被害者は傘による飛行が可能という認識災害を発症します。被害者は日常生活において傘を用いた飛行を試みますが、SCP-XXX-JP同様に飛行する事は不可能です。最終的に被害者は、高所から傘を用いた飛行を試みるようになります。被害者らのインタビューによれば高所から飛行し、風の流れに乗る必要があるとの推測を抱きます。この認識災害は記憶処理、学問的論破などを用いても回復する見込みはありません。
SCP-XXX-JPの性質が確認されたのは、██山で発生した集団飛び降り自殺の調査でした。自殺者が全て傘を所持していた点と、██山周辺住民のインタビューによりSCP-XXX-JPの認識災害を受けている事が判明されました。のちに財団により周辺住民は終了されました。財団は認識災害を与えていると思しきSCP-XXX-JP(本名:████)の収容を試みました。当時、大型台風が██山付近を直撃しており、SCP-XXX-JPはその暴風により傘のコントロールを失い、行方不明となったと推測されます。その後、SCP-XXX-JPは風化された遺体となって██県の住宅街で落下したのを確認、回収されました。
財団により回収された後、性質を発揮する事はありませんでした。また、遺体を目撃した周辺住民、回収したエージェントに認識災害が見られませんでした。性質の発生がないか、SCP-XXX-JPは継続調査が行われます。
補遺: SCP-XXX-JPの遺体発見時、傘に書かれていた血文字
さむい たすけて