アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe Euclid
特別収容プロトコル:
SCP-XXX-JPは、標準的な産婦人科の分娩室と同じ様式をとった特別収容室内で、SCP-XXX-JPに各種ケーブル、エアー、水配管を行った状態を維持し,AC400V(50Hz、60Hz問わず)をロボットの電源として常に通電してください。SCP-XXX-JP-1の可動範囲である半径2mの範囲には、SCP-XXX-JP-1が低速運転状態になっていることを確認した上で進入してください。
SCP-XXX-JPは20mx20mx10mの床面を水平なコンクリートで作成された収容室の中央に収容されています。SCP-XXX-JP-1の可動範囲である半径4m×長さ9mの範囲には動作したアームの直撃等により死亡する可能性のあるため職員は近づかないでください。
周囲には最低限の安全を確保するため高さ2.5mの安全柵で囲み、6箇所の電磁弁付きドアと各種安全機器を使用した安全回路を構成していますが、異常性が発動した場合は、そのすべてが無力化される点に注意し行動してください。SCP-XXX-JPをコンクリート製の地面へ固定し各種ケーブル、エアー、水配管を行った状態を維持し、AC400V(50Hz、60Hz問わず)を電源として常に通電してください。この際、停電時用の非常用高出力発動発電機を別系統で1台停電時に即時起動できるように整備してください。SCP-XXX-JP-1には、潤滑油が必須なので、定期的に油を差すようにしてください。
説明:
SCP-XXX-JPは黄色い210kg20kg可搬の6軸垂直多関節ロボットを中心としたシステムです。
一般的にロボットアームと呼ばれるSCP-XXX-JP-1とコントロールを行っているSCP-XXX-JP-2がシステムの中核を担っているようです。SCP-XXX-JP-1はSCP-XXX-JP-2に記録されたプログラムの位置情報の場所にのみ移動することが███研究員の解析によって判明しています。
SCP-XXX-JPの特性は、SCP-XXX-JP-1の半径2mの範囲に妊娠している人間が侵入した場合に発動します。このとき妊娠の期間に関係なくSCP-XXX-JPは、異常性を発動します。SCP-XXX-JPの動作中はリアルタイムでプログラムの内部情報が書き換えが行われており、一切の教示作業を行うことなく、動作しています。被害者の足元から、分娩台を模した治具が突如出現し、被害者を拘束します。その後、胎児が出産に適していない場合、薬品の入った注射器に見えるハンドを出現させ被害者の腹部に刺します、薬品を注入すると母体の容体が少し悪化し、母体内の胎児が急成長します。注入後出産の際に行われる適切な医療行為を行い、新生児を取り出し、母体に治療が必要な場合は、治療を行い分娩台型の治具より開放します。
SCP-XXX-JPの特性は、SCP-XXX-JP-1の半径4m長さ9mの範囲に妊娠している人間が進入した場合に発動します。このとき妊娠の期間に関係なくSCP-XXX-JPは、異常性を発動します。SCP-XXX-JP-2に付属しているティーチペンダントのを見ることによって動作プログラムがSCP-XXX-JPの動作中にリアルタイムで内部情報の書き換えが行われていることが確認できます。このとき一切ロボットに動作位置の教え込みを行うことなく、動作しています。被害者から最も遠い位置に、分娩台を模した治具が突如出現します。SCP-XXX-JP-1は、拘束用のハンドを出現させ被害者を拘束、分娩台型の治具に固定します。その後、胎児が出産に適していない場合、薬品の入った注射器に見えるハンドを出現させ被害者の腹部に刺します、薬品を注入すると母体の容体が悪化し、母体内の胎児が急成長します。取り出しの際、SCP-XXX-JP-1の動きが高速であることと、動作時のトルクが大きい為、人間の皮膚や体組織が耐え切れ母体の死亡につながります。また、生き延びたとしてもかなりの障害が残ることになります。作業が変わった場合、その状況に応じた、プログラムが自動的に読み出され、動作します。SCP-XXX-JP-1が空中で何かを取る動作をすることにより、SCP-XXX-JP-1先端部に様々な物が出現し処置を行いました。
ロボットが空中で何かを取る動作のシュミレーション画像
プログラム動作終了後24時間は使用されたプログラムがSCP-XXX-JP-2記録装置内部に保存されます。保存時間中にPCカードまたはUSBメモリを用いることによって動作のプログラムを入手することができます。以下は、財団が行った実験をまとめたものです。
ロボット実験記録
プログラムの内容を解析することに少し手間取っています。何せツールの数が尋常でない数ありまして・・・注射器優先で進めますよ。エージェント・████
産業用ロボットの操作資格を持つ████研究員が作成したプログラムにより、手動で注射器を異空間から取り出し、内容物を取り出し解析を行いました。解析結果は細胞の生成速度を上昇させる効果のある[削除済み]と、遺伝子内部の「プロモーター」や「エンハンサー」を変更するものでした。これにより体の形態を変更しているものとみられます。また、確認した注射器に貼られたラベルには、「急速形態変更剤 RRTTI-250Ω」との記入がありました。何らかの要注意団体の関与の可能性があります。現在まで████本の注射器が確認されています。ペンダントにて全体を確認できますが、実験での使用量と内容物の量から、複数のSCP-XXX-JPが存在し、使用中である可能性が示唆されています。
SCP-XXX-JPは、神奈川県██市██にある自動車製造工場内で財団フロント企業を通じて、工場内に工事に入っていたエージェント・██████によって発見されました。同工場の遊休品置き場に置かれていたSCP-XXX-JPの型式が、製造元と思われていた███████社の型式に無いことが確認され、収容にいたりました。この時、SCP-XXX-JPは製造後に一度も起動されていないことが初回起動時に確認されています。
旧収容下の補遺1:20██年██月██日SCP-XXX-JPはサイト-████にて異常性を発動させました。収容室にて軽作業に従事していた妊娠中のD-1836がSCP-XXX-JP-1の可動範囲内に進入した瞬間足元から分娩台の形をした治具が出現、D-1836を拘束しました。
その後未知の薬品の入った注射器をSCP-XXX-JP-1の周囲の空間から出現させSCP-XXX-JP-3に取り付け、D-1836の腹部に注入しました。異常に気がついた職員が非常停止釦を押しましたが、SCP-XXX-JP-1は停止せずその後も動作を続けました。D-1836は出産予定日よりも4週間ほど早い状態で産気づき、その後出産しました。新生児は無事取り出され。D-1836の容態も非常に安定しています。
補遺2事故A:20██年██月██日SCP-XXX-JPのあるサイト-████にて大規模停電が発生しました。SCP-XXX-JPはその時4時間ほど電源喪失状態にありました。その時SCP-XXX-JPは成長をしました。元の型式から割り出した、可搬重量の20kgから成長後の型式から割り出された210kg可搬のロボットへと状態が変化しました。突然の成長の理由については████博士が解析中ですが、電源喪失による変化の可能性が高い為現在の収容プロトコルに変更されました。
一度でも電源を切っていたら成長を起こしていた可能性があるわけです。それに気がつかなかったら元メーカーと同じ大きさまで成長すると仮定して、 最大可搬重量は1350kgになることが予想されます。どんなサイズの人間でも運べるようになるため非常に危険です。まあ、最高速度は210kg可搬の方が速いのですが・・・。████研究員
補遺3事件B:20██年██月██日変化後のSCP-XXX-JPを用いた実験を行う為サイト-████にて下記の実験を行った際に、発生した事件です。
妊娠していたDクラス職員を用いて、SCP-XXX-JPの性質の変化を見るために実験を行いました。実験中近づいたDクラス職員をこれまでの実験では見られなかった類の拘束具を用いて固定しました。その後メスの付いたハンドが高速で動き[削除済]新生児は無事取り出されました。新生児にはイエネコの耳に相当する物が頭頂部にありました。今後の他の種類の新生児が出ないか、追加の調査を検討中です。
補遺4:██県に作成されたサイト-████にて、誕生した人型実体に教育を施しています。きちんと教育される個体もいれば、反抗的な個体も存在します。反抗的な個体ほど急速形態変更剤の影響により本能的に行動し、他者に攻撃を仕掛けているようです。性格も元となった生物の影響を受けているため、配置された職員は、各種動物の主な特徴や性格を熟知しておく必要があります。
以下の記録はすべて変化後のSCP-XXX-JPを使用した実験になります。
実験記録SCP-XXX-JP-A2- 日付20██/██/██
対象:
妊娠4ヶ月のD-3571
実施方法:
D-3571をSCP-XXX-JPの可動範囲内に進入させ。
その後の経過を観察、記録した。
結果:
D-3571はSCP-XXX-JPが縫合用のハンドを高速で動作させ、大量出血を引き起こし終了しました。取り出された新生児は脚部がハシブトガラス(Corvus macrorhynchos)の脚部を人間サイズにしたものになり、背中にはハシブトガラスの羽部分と同じ構造の大型の羽が生えていました。また、腕には、黒い羽が生えており、目には、瞬膜も確認されました。飛行能力の有無については、確認が取れていません。飛行能力があるようであれば、我々の教育しだいでは偵察任務等で優秀なエージェントになる可能性があります。
追記20██年██月██日:実験によって生まれた新生児は問題なく成長し、知能指数は平均的ですが、物忘れしやすい傾向にあります。
飛行能力に関しては、グライダーのように滑空するレベルの能力を持ち合わせていることがわかりました。地上から羽ばたき、空へ飛ぶには筋力が足りないようです。
分析:
動作時のプログラムから巨大注射器の中身が急速成長促進剤兼遺伝子組み換え剤であることがわかりました。遺伝子組み換え剤でどのような物に変化するかの実験は承認されました。
プログラム内容記録(抜粋):
~ サブプログラム内容 |
母体の様子 |
巨大な注射器を取り出した。 |
巨大な注射器に恐怖し震えている |
動作速度20%でメスをD-3571へ入れた |
急速成長剤により衰弱し、無人で動作することに恐怖している。 |
動作速度100%で縫合動作を行った |
衰弱している。縫合針と糸により腹部の肉が裂け多量の出血が確認される。 |
プログラムエンド時 |
母体となったD-3571は出血多量により終了している。 |
実験記録SCP-XXX-JP-A80- 日付20██/██/██
対象:
妊娠2ヶ月のD-4573
実施方法:
D-4573をSCP-XXX-JPの可動範囲内に進入させ。
その後の経過を観察、記録した。
結果:
D-4573は腹部や内臓等の器官に損傷を負うことなく生還しました。
追記20██年██月██日:実験によって生まれた新生児は問題なく成長し、知能指数も一般的な人間よりもかなり高いということが確認されました。かなり賢く、████博士の予想を上回るほどに成長しました。
強靭な脚部を使用しての跳躍や、高速で走ることに適していますが、頭脳が優秀で財団へ従順であるため何らかの作業に使用できないか検討中です。
また、身体的な特徴の変化としては、成長の過程で尻尾が9本に分かれました。
そろそろ実験で生まれた子供たちをどうにかしないと増える一方です。試験的に何か役に立つことをさせてみた方がいいのではないでしょうか?████研究員
検討しよう。████博士
プログラム内容記録(抜粋):
サブプログラム内容 |
母体の様子 |
3Dカメラで母体上を探索した。 |
駆動音と動作速度に恐怖している |
新生児を取り出した。 |
急速成長剤により衰弱し、出産により疲労しているようだ |
湯浴みを行った。 |
衰弱している。新生児の様子をみて狼狽しているように見える。 |
プログラムエンド時 |
新生児の様子に狼狽しているが、意識ははっきりしているようだ。 |
度重なる実験の結果から妊娠の期間と動物への形態変化の関連性があるという結果が出ています。妊娠期間が短いほどに動物である要素が増えていくようです。 逆に出産間際では、変化が全く見られないことがありました。動物の要素によっては財団でも有効に働いてもらえる職員の育成が可能ですが、扱いにくい要素を持った場合の処理について倫理的な観点からの懸念があります。
実験記録SCP-XXX-JP-A134- 日付20██/██/██
対象:
妊娠2ヶ月のD-4573
実施方法:
D-4573をSCP-XXX-JPの可動範囲内に進入させ。
その後の経過を観察、記録した。
結果:
D-4573は腹部や内臓等の器官に損傷を負うことなく生還しました。 D-5089が帝王切開の必要なくすんなりと出産が出来ました。出産後に取り出された新生児にはヴェロキラプトル(Velociraptor)に見られる特徴がみられました。肌は羽毛に覆われ、細く長い尻尾と足の親指は大型の鉤爪が有り、その他手足にも小型ながら鋭い鉤爪が存在します。
追記20██年██月██日:実験によって生まれた新生児は成長しました。他の個体と異なり、戦闘実験では、かなり攻撃的で残忍な性格をしています。巧妙な手口を使い数名のDクラスを殺害しました。
プログラム内容記録(抜粋):
サブプログラム内容 |
母体の様子 |
3Dカメラで母体上を探索した。 |
駆動音と動作速度に恐怖している |
新生児を取り出した。 |
急速成長剤により衰弱し、出産により疲労しているようだ |
湯浴みを行った。 |
衰弱している。新生児の様子をみて悲鳴をあげているように見える。 |
プログラムエンド時 |
新生児の様子に狼狽し意識が朦朧としているようだ。 |
実験記録SCP-XXX-JP-A256- 日付20██/██/██
対象:
妊娠2ヶ月のD-5236
実施方法:
D-5236をSCP-XXX-JPの可動範囲内に進入させ。
その後の経過を観察、記録した。
結果:
D-5236は腹部に重大な損傷を受け終了しました。
D-5236は胎児のサイズから帝王切開を受け、鉗子で体組織を挟む際の力により出血量が増大し終了しました。
出産後に取り出された新生児にはアムールトラ(Panthera tigris altaica )の下半身と人間上半身がケンタウロスのように合わさった形態をとっていました。これによる影響がどれほどかはわかりませんが、これまでの実験で初めて存在が確認された固体です。
追記20██年██月██日:実験によって生まれた新生児は成長しました。攻撃的な性格をしています。対人実験では、トラと同じ脚力と人間の腕力を使ったすばやい攻撃で数名のDクラスを殺害しました。知能もそこそこあり、財団の言うことをわかってはくれますが、脱走の機会を虎視眈々と狙っているようにも思えます。
現在人虎、人馬が確認されています。かなり強力な個体なので警備チームは気を引き締めて警備をお願いします。人馬のほうは、サラブレッドなんで特に気をつけてください。気性が荒い上に精神的に弱いですから。████研究員
プログラム内容記録(抜粋):
サブプログラム内容 |
母体の様子 |
3Dカメラで母体上を探索した。 |
急速成長剤によりかなり衰弱している |
新生児を取り出した。 |
母体はすでに終了している |
プログラムエンド時 |
母体は終了し、新生児の産声が響いている |
これまでに実験でかなり凶暴な子も確認されている。我々只の人間ではかなわない部分も多々出てきているそろそろ使用方法を改めたほうが良いかもしれないな・・・████博士
人虎、人馬について
両個体とも他の人型実態とは大きく異なった形態をとっています。両個体ともケンタウロスのようにヒト(Homo sapiens)の上半身にウマ(Equus caballus )やトラ(Panthera tigris)の首から下にあたる部分が合わさったような形態をしています。
現在収容している2個体の内人虎は上記報告書の通りです。人馬についてはDNAを解析したところ人間の遺伝子の他にサラブレッドに見られる特徴が発見され、元となったウマの種類が何処かのサラブレッドであった可能性が高いと確認されました。
サラブレッドの特性から、数分間継続して60〜70km/hの速度で走ることができることが確認されています。しかし、ケガをしやすく、物音や閃光に弱いなど、肉体的・精神的にデリケートであることも確認されています。現在は████研究員が専属して2個体の収容を行っています。
人馬や人虎に襲われれば我々はひとたまりもないでしょう。鎮圧に機動部隊が必要になるかもしれません。特にこの二個体は取り扱いが難しいです。これ以上負荷をかけないよう実験は中止したほうが良いのではないでしょうか? ████研究員