Red Hot Sugar

アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは高い気密性を保つ構造で、一辺が8cmの高密度ポリエチレン製容器に封入し、サイト-8122の施錠可能なロッカーに収容してください。一週間に一度収容状態を確認してください。容器に破損が見つかった際は気密室にて移し替えを行い、終了後は速やかに気密室内部の消臭を行ってください。

実験に用いる際はレベル3以上のセキュリティクリアランスを持つ職員の許可を得た上で、実験施設に到着するまでは決して容器を解放しないでください。収容違反が発生した際は速やかにSCP-XXX-JPを容器に再収容した上で、サイト-8122内全域での殺虫剤散布を行うようにしてください。

説明: SCP-XXX-JPは███社製のゴキブリ用置き型殺虫剤に酷似した形状をしています。容器表面にはヘブライ語で"פרי עץ הדעת"……「知恵の樹」の刻印がされています。このような刻印のある製品の製造記録が███社側に無いことから、類似性があるだけのオブジェクトであると結論付けられています。

このオブジェクトは黄色い三角柱型のプラスティック製容器と内容物の餌で構成されており、容器の大きさは5cm×3cm×3cm×0.8cmです。容器の中央には(調査の結果、[削除済]、さらに成分不明の物体5gで構成された)餌が設置されています。この餌は本来の量から少しでも減少していた場合、20時間に一度本来の量に回復します。様々な実験の結果、規定量以上に増える事は無いとの結果が得られました。

SCP-XXX-JPの特異性は自身が持つチャバネゴキブリ(Blattella germanica)への極めて強い誘引性、及び摂取したチャバネゴキブリが急激な変態を遂げる点にあります。変態したチャバネゴキブリは高い知能を発揮するようになり、人間のように二足歩行を始め、道具の作成を嚆矢とした文明生活を営み始めます。また、SCP-XXX-JPの誘引性は臭いに由来するものであり、密閉されていない場合の効果範囲は直径1km圏内であることが判明しています。

SCP-XXX-JPに設置された餌を摂取したチャバネゴキブリ(以後SCP-XXX-JP-Aと表記する)は、接種から24時間以内に変異が完了します。変異はSCP-XXX-JP-Aから発生した子世代、孫世代にまで受け継がれていきます。また、SCP-XXX-JP-Aは昼行性となり、気門が閉塞して肺呼吸となることも確認されています。二足歩行に際して他の4足は人間の腕と同等の可動性を持ち、鉤爪は指のように繊細な作業を可能とします。

補遺1: SCP-XXX-JPは██県██町内の一軒家から発見されました。当時当該家屋には[削除済]の男性が一人で暮らしていましたが、出勤時刻になっても出社しない男性を不審に思った同僚が男性宅を訪問し、男性が死亡していたために警察に通報したことが発見の契機となりました。
男性の死亡原因はSCP-XXX-JPと無関係の[削除済]でしたが、事後処理中に家屋内部をいくら殺虫処理してもチャバネゴキブリが湧きだす問題が財団の知るところとなり、原因を捜索した結果、当オブジェクトが発見されるに至っています。

補遺2: SCP-XXX-JPを使用して行った実験報告書(実験は現在も継続中です)