アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはサイト-81██に隣接した排水機能つき専用倉庫へ栓を抜いた状態で収容してください。倉庫内への立ち入りは原則として禁止されています。立ち入る必要のある場合は倉庫に設置された除湿機を用いて倉庫内の水分を完全に取り除いてから入室してください。
説明: SCP-XXX-JPは外寸1600mm×720mm×620mm内寸1550mm×680mm×470mmの陶器で作られたバスタブです。SCP-XXX-JPは行方不明となった細胞生物学者███ ██の自宅から発見されました。SCP-XXX-JPの排水口からは1mほどのパイプが底面を伝うように伸びており、水の排出を行います。またパイプの排出口に彫られている螺旋状の溝から、SCP-XXX-JPは何らかの機器と接続する事が可能であると推察されます。SCP-XXX-JPと同型の浴槽は今のところ発見されていません。
非活性状態のSCP-XXX-JPはオブジェクトの内壁表面に空気中の水分を結露させる性質を持ち、その性質によって0.1mL以上の水分が液体化した時に活性化状態となります。
活性化状態のSCP-XXX-JPはオブジェクトの存在する建物内にいる、オブジェクトの存在を認知している人物(以下:被験者と表記)に「SCP-XXX-JPを液体で満たしたい。」という強い衝動を抱かせます。
この衝動について被験者は全員が「母から諭されているようだ。」と供述しています。
この衝動は実験によって、時間経過とともに強くなること、年齢に比例して初期症状が強くなることが確認されています。
また、SCP-XXX-JPの非活性化、被験者へのAクラス記憶処理、建物内からの移動のいずれかが生じることによって衝動が消滅する事も確認されています。
活性化状態のSCP-XXX-JPへ39,630.4mLの液体が入ると、被験者の持つ衝動は「SCP-XXX-JPの中に存在する液体に浸かりたい。」というものに変化します。
その衝動に従い、被験者がSCP-XXX-JPの中へ入ると、腰まで液体に使った時点で意識を失い、全身に筋弛緩が起きた結果、液体内に沈んでいきます。この時点では被験者は溺死をしないという点に留意してください。
完全に液体に浸かった被験者は足を曲げ頭位の姿勢をとります(この状態をSCP-XXX-JP-1とします)。この姿勢移動に被験者の意志が存在するかは確認できていません。
SCP-XXX-JP-1状態となった被験者は時間経過によって若返っていくようにみえます。外的観察実験及び被験者の解剖実験によると10分間で1年分の若返りが見られることがわかっています。SCP-XXX-JP-1状態の被験者を液体から取り出すと、意識を取り戻すことなく、肺に入っている液体で溺死してしまい、液体除去の処置を施した被験者も未だ意識を取り戻していないため、記憶の若返りをしているかという点は未解明です。
SCP-XXX-JP-1状態を続け、被験者が受精卵の状態まで戻ると、排水口の蓋がパイプからの圧力で外れ、液体を排水します。防水テープ等による蓋の固定や異物投入による排水口の閉鎖はパイプ内から働く圧力によって、今のところ成果をあげていません。
パイプの排出口から排出された受精卵はDNA配列が海洋生物である[編集済]に似た構造へとかき換えられています。
構造の書きかえられた受精卵の培養実験は、現在申請中です。
実験記録01█ - 日付20██/██/██
被験者: D-4391。25歳男性。
実施方法: 水道のない密室でのSCP-XXX-JPへの接触
結果: SCP-XXX-JPとの接触後20分の時点で失血死により死亡。D-4391の体液でSCP-XXX-JPの0.5割が満たされた。
彼の願いを叶えるためにはあと20倍の体積が必要なようだ。 — ██ ██博士
実験記録02█ - 日付20██/██/██
被験者:D-4461。27歳男性。D-4462。23歳男性。D-4463。32歳男性。D-4464。25歳男性。
実施方法: 水道のある部屋でのSCP-XXX-JPとの集団接触。
結果: SCP-XXX-JPとの接触後30分でSCP-XXX-JPが活性化。SCP-XXX-JPの活性化後20分の乱闘が発生。D-4461がSCP-XXX-JPに入水した時点で実験終了。
どうやら集団での使用は出来ないようだ。 — ██ ██博士
実験記録02█ - 日付20██/██/██
被験者: 健康体の男性Dクラス職員20人(D-4482~D-4502)
実施方法: 水道のない密室でのSCP-XXX-JPとの集団接触。
結果: [編集済]
概ね予想通りの結果となった。しかしよくあんな風呂に入れるものだね。 — ██ ██博士
補遺: 細胞生物学者███ ██が教鞭をとっていた███大学で、彼女について調査を行ったところ、年齢を偽っていたのではないかとの噂が流布されていました。