回収時のSCP-XXX-JP |
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アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは両面を固定し、不透明な箱に入れ、SCP-XXX-JPが視認できない状態で保管して下さい。なんらかの要因でそれが不可能な場合、着用している衣服で包むなどして内側が見えない状態に保って下さい。また閉経前の女性職員は人種、性転換手術の有無などに関わらずSCP-XXX-JPにはいかなる接触も持たないで下さい。
説明: SCP-XXX-JPは貝合わせ(中世日本の上流階級の子女たちが行った神経衰弱にした遊び)で用いられていたハマグリの一つです。貝合わせで用いられる一般的なハマグリと同じように金箔による優美な装飾が施されており、片方の内側には妙齢の女性の肖像、もう片方の内側に老女の肖像が描かれています。SCP-XXX-JPは描かれたモチーフこそ独特ですが、それ以外に他のハマグリと外見的差異は無く、また男性への影響は性同一性障害者も含め報告されておらず、身体構造が女性であるかどうかでSCP-XXX-JPへの反応が定まると推測されます。
貝合わせは前述の通り神経衰弱に良く似ており、出貝と呼ばれる中央に置かれた貝の”つがい”を並べられた貝殻の中から探しだす遊びです。この貝合わせ遊び中、SCP-XXX-JPの老女が描かれた側が出貝になった場合、その”つがい”である妙齢の女性が描かれた側が正解となりますが、もしもこの解を女性が引き、貝を合わせた場合、10分~12時間後にその女性に倦怠感、目眩、末端冷え性、生理不順などの更年期障害と類似した症状が現れ、さらに1~5日後には毛根がメラニンを生成しなくなる、クーパー靱帯の劣化、皮膚の油分の減少などの異常な老化現象、それでも放置し続けた場合、10~15日後にたとえ年若く健康な女性であっても閉経が起こり卵巣が活動を停止してしまいます。これは健康で妊娠中でないDクラスの男女八人で行った実験の結果明らかになりました。また老女の肖像を知覚するだけでも吐き気、倦怠感を催すことが同じくDクラスを用いた実験で明らかになっています。もしもこの貝を合わせてしまった場合、また貝合わせを行い、妙齢の女性が描かれた側を出貝とし、老女が描かれた側の貝を合わせることで異常な老化を止めることが可能です。卵巣も徐々に正常な活動を行うようになります。しかしこの方法は貝合わせを『ルールに則ったゲーム』として行わなければ効果がなく、SCP-XXX-JPを合わせるだけでは一度始まった老化を止めることは出来ません。
SCP-XXX-JPは19██年、██県██村で7█歳ほどの老女が出産をしたという情報を調査に訪れたエージェントによって回収されました。エージェントはこの女性に接触しましたが、彼女は自分は2█歳であると語り、後の調査の結果、戸籍上2█歳であることが確認されました。女性からの聞き取りにより貝桶(貝合わせの道具一式)がSCP-XXX-JPの可能性ありと判断。回収ののちこの女性と親族、村民にはAクラスの記憶処理が施され、別のエージェントにより戸籍も改られました。
補遺:
SCP-XXX-JPは女性に対する大いなる脅威だが、一応対応手段は見つかっている。しかし我々が回収する前には……あまり考えたくはないな。-██博士