朱紅屋さんの陳列棚

余分な脚

SCP-■■■-JP

オブジェクトクラス:Safe

特別収容プロトコル:SCP-■■■-JPは県町の財団私有地で管理されています。カバーストーリー「小規模な資材倉庫建設予定地」を流布し、周囲にロープを張り、私有地である旨を記載した立入禁止の看板を設置してください。
SCP-■■■-JPには鍵のついた蓋を取り付け、定期的にチーム「井戸端会議」による観察、点検、および周辺地域におけるSCP-■■■-JP-2の摂取よって外見に異常性を持った生物が確認された場合これのの捕獲が行われます。
SCP-■■■-JPを用いたDクラス職員や人間以外の生物を対象にSCP-■■■-JP-2の投与実験を行う場合レベル3以上の職員から許可を得た上で桑名博士への実験報告書の提出を義務付けます。

説明:SCP-■■■-JPは■県■町で発見された直径60cm深さ約15mほどの古びたコンクリート製の井戸のような外観の貯水槽と、取り付けられた金属製の蛇口からなるオブジェクトです。
鶴瓶や蓋は付属せず、内部の水を蛇口へ汲み上げる機構が付随していないにも関わらず、蛇口を捻ると貯水槽内の水を蛇口から提供します。蛇口は井戸の内壁から垂直に金属製の金具で取り付けられており、蛇口から伸びる水道管は井戸底部に向けて真っ直ぐに10m伸びています。
蛇口を使用し汲み上げた水には通常の汲みおいた水と同等の成分しか抽出されませんでしたが、井戸から直接汲み上げた水には未知の成分が含まれることが判明しました。以降蛇口を含む貯水槽本体をSCP-■■■-JP-1、直接汲み上げた水をSCP-■■■-JP-2と呼称します。
SCP-■■■-JP-2を経口摂取した場合、その生物の脚に該当する部位が一本生成されます。生成部位はその生体の下肢に当たる部分に集中し、元あった脚から枝分かれするように生成された事例も観察されています。生成された脚はその生体が本来持つ脚と同等の構造を有していますが、あらゆる神経が通っていないため動作させる事は出来ず、寒暖や痛痒を感じることはありません。生成された脚は手術によって切除可能です。
また生成される脚の左右は完全にランダムで、切除後もSCP-■■■-JP-2を経口摂取した場合切除部分からの脚の生成が見られました。生成された脚を切除していない場合、SCP-■■■-JP-2を摂取しても足の生成は見られません。蛇等の足を持たない生物にはなんの変化も見られませんでした。点滴などの経口以外の方法でSCP-■■■-JP-2を摂取した場合、脚の生成は見られませんでした。この特性により、付近の昆虫、動物類への異常を引き起こしていたものと見られます。また、近隣に民家が存在せず藪の中に長らく放置されていたことも相まって人的被害が出る事は無かったようです。
近辺へツーリングに訪れた複数人の証言による「脚が一つ余分に多い生物群」の目撃情報によりSCP-■■■-JPは発覚、発見されました。

補遺い:貯水槽内部の水をいくら汲み上げても外部から水を投入しようとも水位の増減は観察されませんでした。

補遺ろ:収容のため貯水槽の掘削工事が行われましたが内部深度に反してどれほど外部を掘り進めてもその外観の全貌を明らかにすることができず、近隣の土地を財団私有地にする事で保護、観察することとなりました。

補遺は:近隣を訪れた財団職員が 、蛇口を捻って得た水を飲用する事は許可されました。