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アイテム番号: SCP-300-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-300-JPは現在4体が収容されており、それらは全てサイト-8144内の第1生物収容室に併設された飼育室にて特別飼育ケージを用いて収容されています。昆虫の飼育及び調理技術に秀でた財団職員3名(うち1名を補佐とします)を担当職員とし、当番表を元に2日に一度を目安としたSCP-300-JPの定期的な監視を行って下さい。担当職員は備え付けられた温度センサが常に120℃を下回らないよう注意し、定期的に鰹節や煮干しの粉末、野菜を給餌して下さい。飼育ケージは常に清潔に保つ必要があります。

サイト-8144内の全ての職員は仕事がない場合、または医師の判断のもと、担当職員または医師の監視のもとで飼育室への入室が許可されています。ただし、飼育ケージ及びSCP-300-JPに触れることは担当職員以外に許可されません。

またSCP-300-JP-Cの発生に備え、担当職員は以下の目録に記された材料を常にストックして下さい。


鶏卵 1個
牛乳 150mL
小麦粉または薄力粉 100g
サラダ油 1L
塩化ナトリウム 少量
グルタミン酸またはグルタミン酸ナトリウム 少量


SCP-300-JP-Cの発生を確認した場合、担当職員は発生後数時間以内を目安とし、以下のプロトコルに従いSCP-300-JP-CのSCP-300-JP-D期への移行を促して下さい。

  1. 適切な容器を用いて卵白及び卵黄、牛乳、小麦粉を混ぜ合わせ、混合液を作成して下さい。このとき、砕いた氷を混合液に加えることでSCP-300-JP-D期への移行がスムーズに行われることが担当職員により報告されています。
  2. 作成した混合液にSCP-300-JP-Cを浸して下さい。
  3. SCP-300-JP-Cを混合液から引き上げ、170℃から180℃に加熱されたサラダ油にSCP-300-JP-Cがきつね色になるまで浸して下さい。
  4. SCP-300-JP-Cをサラダ油から引き上げ、ろ紙またはウエスを用いて余分な油を除去して下さい。
  5. SCP-300-JP-Cの表面にグルタミン酸と塩化ナトリウム粉末を少量塗してください。
  6. 特別飼育ケージの砂地に深さ50mmほどの穴をSCP-300-JPに収容数と同数開け、穴一つにつき一体ずつSCP-300-JP-Cを埋めて下さい。

説明: SCP-300-JPは一般的な鈴虫(Homoeogryllus japonicus)に類似した外見を持つ昆虫で、体長はおよそ20mmです。長野県で鈴虫をはじめとする昆虫を飼育していた██氏の死後、遺族の報告により存在が判明し、また氏の遺稿から一連の収容手順やSCP-300-JPの生涯が判明しました。SCP-300-JPの自然界における生息は現在、報告されていません。

SCP-300-JPの特異性の一つとしてその生態が挙げられます。SCP-300-JPは超好熱性細菌を上回る耐熱性を有しており、生育温度はおよそ130℃から150℃です。これはSCP-300-JPが古細菌とも異なる特殊なタンパク質及び生体膜構造を有してるためと考えられます。

SCP-300-JPの生涯は以下の4段階に大別されます。

SCP-300-JP-A(卵期):SCP-300-JP-Dは卵である長さ5mmほどのSCP-300-JP-Aを産卵し、その数時間から数日後に活動が低下し死亡します。産卵数は一般な鈴虫と異なり、一度に5個程度です。また一度に10個以上産卵した例は報告されていません。

SCP-300-JP-B(幼虫期):50日から90日が経過するとSCP-300-JP-AからSCP-300-JP-Bが生まれます。生まれた直後のSCP-300-JP-Bは白色をしていますが、動物性タンパク質を主食とし成長すると共に黒ずんでいきます。およそ60日の経過後、SCP-300-JP-Cに移行します。

SCP-300-JP-C(蛹期):不完全変態を行う鈴虫と異なり、SCP-300-JPは蛹化を行います。この際、前蛹1からSCP-300-JP-Dに移行するためには、普段の生育温度以上の高温環境、動物性タンパク質、カゼイン、ステアリン酸やマーガリン酸を代表とする飽和脂肪酸、グリアジン、グルタミン酸、ナトリウムイオンを必要とします。これら物質のうちいくつかは体内構造の形成や神経伝達物質などに役立てられると考えられ、また一般的な昆虫の羽化にかかる期間と気温は反比例関係にあることから、高い温度環境下で蛹になることで羽化までにかかる時間を短縮しているのではないかと推測されています。これらの条件が不十分の場合、SCP-300-JP-CはD期に移行することなく活動が低下し、やがて死亡します。

SCP-300-JP-D(成虫期):十分な条件下ではSCP-300-JP-Cは数日後にSCP-300-JP-Dとなります。SCP-300-JP-Dの発する音色を聞くことで、心理的・生理的な心身の向上ないし回復が見られます。一例では不眠、不安障害、鬱病、多動症、認知症、パニック障害、脳梗塞に伴う高次脳機能障害に対し一時的ないし恒久的な効果が確認されました。音色を機器に録音し、機能を複製する試みは現時点では成功していません。SCP-300-JP-Dの個体数の確保、及び各サイトへのSCP-300-JPの分与が提案されています。


補遺-300-い:20██/██/██、エージェント██により当時収容していた11体のうち、10体のSCP-300-JPが殺害されました。これは担当職員が当時C期だったSCP-300-JPの監視を怠っていたためだと思われます。エージェント██はサイト-████へ配属が移転されました。