河上清掃員の道具入れ
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アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは、サイト-8181に設置された低脅威度物品収容ロッカーに保管されます。このうち、SCP-XXX-JP-1から一度取り出されたSCP-XXX-JP-2は、異なる性質ごとに真空状態を保ち、SCP-XXX-JP-1と別のロッカーに保存して下さい。SCP-XXX-JP-3は含有されている物質に応じて適切な処理を施し処分して下さい。

説明: SCP-XXX-JPは、█████社から発売された茶葉の入った缶と一致しており、中には茶葉が250g入っています。 外装であるSCP-XXX-JP-1は「狭山茶」と書かれたラベルと、内容物である茶葉に関する一般的な説明がされたシールが貼られている、外見的には特に異常性の見受けられないアルミ製の缶です。また、内容物は成分検査の結果では異常は見られず、SCP-XXX-JP-1から確認されている全ての茶葉は通常のそれとなんら変わりありませんでした。この内容物をSCP-XXX-JP-2に指定します。

SCP-XXX-JPの特異な点は、SCP-XXX-JP-1の蓋を開けた人間が法を犯したことがあるか、また、その時の内容はなんだったのかによってSCP-XXX-JP-2で濾し取った「茶」の性質が変化するというものです(以降この茶をSCP-XXX-JP-3とします)。 SCP-XXX-JP-3は、SCP-XXX-JP-1を開けた人間の、日本国で定められている法律上の違反が悪質であればあるほど、人体に有害な物質になっていくと推測されます。現在、SCP-XXX-JP-3からは11種類の科学物質が発見されています。法を犯していない人間であれば、SCP-XXX-JP-1に記載されたとおりの、無害なSCP-XXX-JP-3が濾されます。性質の変化は、「缶の蓋を開けたその瞬間」に確定する、と判明しています。

SCP-XXX-JPのフタを閉めると、SCP-XXX-JP-2の性質の変化はリセットされ、次に開けた人間の経歴によって決定されます。 SCP-XXX-JP-1からSCP-XXX-JP-2を取り出して蓋を閉めた場合、再び蓋を開けると250gになるように未知の手段でSCP-XXX-JP-2が補充されています。また、取り出したSCP-XXX-JP-2や他の物質をSCP-XXX-JP-1に入れ、蓋を閉めもう一度開けた際には、性質の統一されたSCP-XXX-JP-2で250gに満たされています。この際、余剰分としてSCP-XXX-JP-1に入れ、消失した物質の追跡をGPSなどで幾度か試みましたが、全て失敗しました。 これに対し、SCP-XXX-JP-1から取り出されたSCP-XXX-JP-2は取り出された時の性質を保ち、濃さなども変わらずに、半永久的にSCP-XXX-JP-3を濾し続けることができます。 これらの特性により、█回の実験などで、████gのSCP-XXX-JP-2が収容されています。

SCP-XXX-JPは20██年に埼玉県の民家で発見されました。SCP-XXX-JP-3を飲んだ6人が同一の体調不良を訴え、47歳の男性と21歳の女性が死亡しました。埼玉県警が食中毒の可能性を捜査する過程でSCP-XXX-JPに行き着き、エージェントを介して財団に収容されました。この事件の捜査の関係者、及び死亡しなかった当事者4名にはクラスBの記憶処理がなされ、カバーストーリーとして「シメサバによる集団食中毒」が用いられました。 SCP-XXX-JP-3を淹れる際にSCP-XXX-JP-1を開けた43歳の女性は窃盗の常習犯で、█回の任意同行を経て█万円の罰金を支払っていた他、裁判では暴行罪での敗訴記録が残っています。

補遺1: 同一時期に█████社から販売されたSCP-XXX-JPと同じ商品を回収したところ、特異点を持つ物はSCP-XXX-JPのみでした。
いつ、どこで能力をこの缶、茶葉が得たのかは現時点では不明です。
補遺2: SCP-XXX-JP-3を飲み干した人間は全員、SCP-XXX-JP-3を淹れた容器の底に以下のメッセージを認識します。しかし、飲んでいない、または飲み干さなかった人間には認識することはできません。

What is the crime you violated?

大学に通いながらアルバイトをして生計を立てる日々。愛知でも田舎の方で生まれた僕は、県内の学校だというのに進学と共に都市部に出てきて一人暮らしをしなければならないのだった。と、いっても、もう8ヶ月も前から続けている生活だ。最近では最早ウンザリとした日常と化していた。

街はクリスマスを祝い終え、ムードは既に年末年始。バイト仲間達も正月の話で盛り上がっていた。
そんな中、彼女もナシ、この歳になっても友達の少ない僕は、どうせ年が明けても一人で部屋でゴロゴロしているんだろうなぁ…と、惨めな自分の姿を想像しながら今日のシフトを終えたのだった。珍しく今日は残業がない。かと言って、特に何かする事がある訳でも無いのだ。
「帰ろう…」誰も見ていないところで呟いて、バイト先を出た。

バイト先から自宅までは3キロほどだろうか。道中にあるコンビニで夕飯になるレトルトのおかずと夜のお供の菓子類を買い、歩くこと20分。今日はいつもよりちょっと早い、8時前の帰宅だ。少しテンションが上がったところで、我が家に辿り着いた。といっても、月六万の狭い部屋だ。アルバイトの学生には妥当な部屋だろう。隣にあるのはこの辺では有名な██社の大きな社員寮。立派なマンションだ。いつかこんな所に住みたいなぁとマンションをみあげてみると、一つの窓に目がいった。まるで、吸い寄せられる様だった。

そして、彼女に出会った。

美しい。窓際で安楽椅子に座り、本を読む女性を見て、単純にそう思った。同時、一つの些細な疑問が頭に浮かんだ。あんなに美しい人が、うちの家の近くにいただろうか?あんなに美しい人を、一度見たら忘れるはずがない。人混みの中にいたとしても、すぐに分かってしまう程に綺麗な女性だった。偶々会ったことがないだけだろうか…。そんなことを考えながら、もう一度その窓に目をやると、もうそこには彼女は映っていなかった。見間違いだったのか?いや、それにしてはハッキリしすぎていた。絶対にあの人はこの建物にいる。…探してみようか。
ついさっきの出来事なのに、思い出すたびにもう一度見たい、会ってみたいと彼女への想いが募っていく。こんな気持ちは初めてだった。


「ごめんなぁ、仕事残っちゃってさ。」

定時通りに会社を出た俺は、歩きながら妻に電話をしてアリバイを確保した。
駅前のオフィス街を通り過ぎ、改札を通る。帰宅路とは逆方向の電車に乗り、2つ目の駅で降りる。仕事終わりに向かうところとして、この頃頻度が上がった経路だ。

10ヶ月ほど前に妻と籍を入れ、程なくしてある飲み会で出会った女と関係を持つようになった。学生の頃から、色んな女と同時期に付き合うことに特に何も感じなかった。
人を好きになったこともない。独身であるというのが嫌だっただけで、妻に特別な感情があったわけでもないのだ。

クリスマスを経て、新年を間近に控えた町は、少し浮足立っている。年末の休みに入り始めているからだろうか、駅前は人が多かった。
10分程歩くとあいつの住むマンションに辿り着いた。一応、周囲に知り合いがいないか確かめてみる。


あの日以来、僕はよく彼女を見かけるようになった。毎日というわけではないが、目に入ってくる機会が増えたのは確かだった。ある時は信号で止まっているバスの横を通りがかった時に。ある時は喫茶店の窓際の席。ある時は通りに面したブティックで服を選んでいた。毎回、見惚れてしまった。声を掛けようとはするが、会話したことは今のところ一回もない。あの人と話してみたい。あの人に近づきたい。そのことだけを考えながら、気づいたら年も明けて早一ヶ月。嗚呼、僕の願いが叶う日は来るのだろうか。


今日から新年度だと言うのに
僕は大学などにも行かず
ただひたすら彼女を探し続けた
変わったことなど特にない
強いて言えば前よりも見かけることが多くなったことくらい
相変わらず出会えない
話せない
見かけるのに
そこで止まってる
もう疲れてしまった
でも会いたい
視界の端に居た気がして
見回してみてもいない
会いたい

会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたいぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ嗚呼アアァァァぁぁぁぁあ嗚呼あゝ嗚呼嗚呼アァァぁあ会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい

もう、疲れた。