アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPの管理担当者はアニメーション、漫画書籍、テレビゲーム等の創作物への興味が無い、または極端に薄い人員を配置してください。ただし常時二人を最低人数とし、必要に応じ投入する形を取ってください。また、お互いに相手がそれらに興味を持っていないか常に気を配ってください。それら創作物に興味を持っている兆候が現れた場合には、担当職員は役職に関係無く理事会に報告する義務を持ちます。
SCP-XXX-JPはサイト-81██の無機物保管エリアの担当者の数と同じだけの鍵付き強化プラスチックケースに収容し、鍵は担当者が一人一つずつ管理してください。実験に用いる際は担当者全員の合意の元で行ってください。現在SCP-XXX-JPの実験は無期限で凍結されています。担当人員は必要に迫られた場合を除きSCP-XXX-JPについて担当外の人員に口外することを避けるべきです。
説明: SCP-XXX-JPは一般的なノートパソコンの形状をしています。特異性を発現させる条件に当てはまらない者は通常のノートパソコンと同様に使用することが可能です。
しかし、アニメーション、漫画書籍、テレビゲームに関心があり、それらに登場するキャラクターに異性的魅力を感じる人間(SCP-XXX-JP-1)がSCP-XXX-JPの画面を視認したときにSCP-XXX-JPの特異性が発揮されます。 特異性が発揮されている間はSCP-XXX-JPは電源の供給を必要としません。SCP-XXX-JPの画面にはSCP-XXX-JP-1が理想とする姿(自覚していた好みと異なるケースが報告されていますが求心力には変わりが認められません)のキャラクター(SCP-XXX-JP-a)が表示され、SCP-XXX-JP-1へ語りかけます。SCP-XXX-JP-aの姿は被験者が獣姦性愛、機械性愛、人形性愛などの特殊な嗜好を持っていてもそれに応えます。どのような姿であっても発声は日本語で行われます。
内容は「やっと会えた」「ずっと会いたかった」と以前からSCP-XXX-JP-1を知っていたことを伝えるものから始まり、創作物における「運命的な出会い」を演出します。この時SCP-XXX-JP-1は軽度の陶酔状態に陥りますが、声をかけたり体に触れる等の行為で容易に覚醒可能です。その後もSCP-XXX-JP-aは恋人であるように振る舞い、SCP-XXX-JP-1に「愛してる」と言うように誘導します。一日の会話は最長一時間程度で終わりますが、SCP-XXX-JP-1は翌日以降もSCP-XXX-JP-aとの会話を強く望み、妨害されると強い暴力性を表します。
「愛してる」というワードを発声したSCP-XXX-JP-1の次の睡眠時に夢の中にSCP-XXX-JP-aが現れます。これは「愛してる」というワードを口にしてから眠るまでにAクラスの記憶処理を行うことで防ぐことが可能です。この夢は非常に現実的で夢だと認識するのは困難だと報告されています。夢の中でSCP-XXX-JP-aはSCP-XXX-JP-1に性交を要求します。それに応じるとおよそ60%の確率(統計不足です。あくまでも暫定的に出された数字であることを留意してください)で次の面会時にSCP-XXX-JP-aがSCP-XXX-JP-1へ妊娠したことを伝えます。それを聞いてからSCP-XXX-JP-1は三分以内に消滅します。この時GPSなどの機器はSCP-XXX-JPを示しますが、監視カメラ、肉眼、エコー検査装置を用いてもGPS機器は確認することが出来ませんでした。通信機器はノイズを発するだけで、消失したSCP-XXX-JP-1との通信には未だ成功していません。 その後30から40時間後に骨、眼球、小腸と大腸、頭頂部の皮及び毛髪、身に付けていた物品がSCP-XXX-JPの前に突如現れます。これはDNA検査の結果SCP-XXX-JP-1のものであることが確認されました。
SCP-XXX-JPは███県██市で発見されました。
近隣住民から腐敗臭がすると通報を受けた警察が立ち入った際に前述の人体の一部を発見し、███県警に配置されていた財団職員が特異性を感じ財団へ連絡。偶然近くにいたエージェント███と共に近隣住民及び警察官の記憶処理、SCP-XXX-JPの収容を済ませました。
これは夢か?
遂に二次元と繋がった。やっぱり俺の想いは[既存作品のキャラクター名]に届いていたんだな。
ああ、もう死んでもいい。あ、いや、彼女は俺の子供が欲しいと言っていたからまだ死ねないか。
…どうやって養ったらいいんだろう。
俺が向こう側に行けたらいいんだけどな。
実験記録XXX-JP-001 日付20██/██/██
対象:D-XXX-JP-01 男性
実施方法:直接 SCP-XXX-JPを視認させ、経過を観察する
結果:三日目にSCP-XXX-JP-aから妊娠したことが告げられ、D-XXX-JP-01は消失。32時間後に「食べ残し」が出現。それと同時にSCP-XXX-JP-aが画面上に現れ「ありがとう、あなた。ごちそうさま」と発言し、消えた。
分析: SCP-XXX-JPが人間を捕食することが確定した。
実験記録XXX-JP-002 日付20██/██/██
対象:D-XXX-JP-02 女性
実施方法:直接SCP-XXX-JPを視認させ、経過を観察する
結果:SCP-XXX-JP-aは男性の姿で現れた。男性被験者の場合と異なり夢の中での性交を受け入れてから、次にSCP-XXX-JP-aと面会した際に消失した。
分析:SCP-XXX-JPが人間を消失させるには障害物で遮られていない、あるいは近距離でなければならないらしい。しかし女性の場合は妊娠したら消えるのかと思ったが予想が外れたな。しかし、あるいは着床を何らかの方法で認識している可能性もある - ██博士
実験記録XXX-JP-003 日付20██/██/██
対象:D-XXX-JP-03 男性
実施方法:直接SCP-XXX-JPを視認させ、経過を観察する。ただし愛してると言わないように通達している。
結果:実験開始から七日目に SCP-XXX-JP-aから別れが告げられ、以降D-XXX-JP-03の前には現れなくなった。これを受けてD-XXX-JP-03は自殺を図るが事態を察した職員が阻止。強い絶望と喪失を感じているらしい。Aクラスの記憶処理を行うとSCP-XXX-JP及びSCP-XXX-JP-aのことは忘れたが、絶望感と喪失感は消えなかった。その後観察を続けたが回復の兆しは見られず、月例解雇処分とした。
分析:やけに愛してると言わせようとするから確かめてみたら、やはりそのワードがトリガーになるようだな。しかし前回の実験と併せて考えるとSCP-XXX-JP-aはずいぶん気が短いようだ。 - ██博士
実験記録XXX-JP-004 日付20██/██/██
対象:D-XXX-JP-04 男性
実施方法:初接触以降D-XXX-JP-03を拘束し、SCP-XXX-JP-aと面会させずに経過を観察する。
結果:翌日D-XXX-JP-04は半狂乱になって叫んでいた。夢を見せる危険性を考慮し、鎮静剤等の薬品の使用はしていない。SCP-XXX-JPは一日非活性化状態だったが、更に次の日にD-XXX-JP-04が部屋内に立ち入っていないにも関わらず特異性を発現。画面内のSCP-XXX-JP-aは「子供が死んでしまった」ことを嘆いた後に特異性を消失。詳しくはXXX-JP-04音声記録を参照
分析:とても嫌な予感がする。本当に妊娠していたなら今まで産んだ子はどこに行ったんだ - ██博士
あ[嗚咽]なた、なんで来てくれなかったの
私はあなたをこん[嗚咽]なに愛しているのに
ああ、もうお腹の子も死んでしまった…
私たち、あんなに愛し合ったじゃない。あなたも愛[嗚咽]してるって言ってくれていたのに
[二分間程の慟哭]
愛しているわ、[D-XXX-JP-04の本名]
██県██市、██県██町それぞれ新たにSCP-XXX-JPが一体ずつ発見されました。
最初の事件同様、近隣住民の通報があり、██博士の提言を受けて同様の事件を調べていたエージェント██が対応しました。
██市は最初にSCP-XXX-JPが発見された場所の隣の市であり、██町はサイト-81██に一番近い町であることからSCP-XXX-JPが産んだ子供ではないかと推測されています。
あまり長距離を移動することは出来ないと考えられますが、正確な移動距離と範囲内のどのPCに移動するかが分からないことと、SCP-XXX-JPの特性上、被験者の消失を防ぎきれない可能性が高いことからSCP-XXX-JPの実験は理事会によって禁止されました。
実験準備中に███研究助手が不意をついて他の人員を殴り、隙をついてSCP-XXX-JPを抱えて逃走した。軽傷であった他の研究助手が通達し、武装した職員によって施設内で███研究助手は確保された。███研究助手はBクラスの記憶処理を施した後、別部署へ転属となった。
最後に食い殺されるのが分かってるのに、あそこまで入れ込めるものなのだろうか。私には分からない感性だ。なんにせよ、そのての人間には立場や理念を捨ててでも手に入れたい魅力的なオブジェクトであるらしい。収容プロトコルの変更が必要だ。 - ██博士
理事会は██博士の申請を承認。収容プロトコルが変更されました。並びにセキュリティクリアランスがSafeからEuclidへと格上げされました。
ページリビジョン: 12, 最終更新: 11 Apr 2015 02:08