アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
取扱方: SCP-XXX-JPはサイト-81██の低危険度物品収容庫に保管されます。
実験はエアロックを備えた実験室内で、レベル4職員の監督の下で行ってください。Dクラス職員以外が直接実験を行うことは認められません。担当のDクラス職員は可能な限り、手袋等の保護具を着用することが推奨されます。
概要: SCP-XXX-JPは一般家庭向けのシステムキッチンです。2口のガスコンロ、シンク、調理台が備わっており、これらの設備は適切な配管に接続すれば正常に動作します。型番は████████-██で、199█年、█████社によって製造されたものであると確認されています。他の同型のシステムキッチンから異常性は報告されていません。
SCP-XXX-JPを用いて調理を行う際、そのシンク内に魚類 (SCP-XXX-JP-1と指定) が発生します。多くの場合、この実体は短時間で消失しますが、その分泌物や体の一部は残留する場合があります(実験記録を参照)。
補遺: SCP-XXX-JPは、20██年に██県の中古品取扱業者から回収されました。元の所有者を突き止めてインタビューを行った所、SCP-XXX-JPの異常性は「突然出現した」もので、「気持ち悪いので売った」と回答しています。また、その後の背景調査で、元の所有者が異常性を確認する2日前、その10歳の息子が失踪していたことが判明していますが、関連は不明です。関係者には適切な記憶処理が行われました。
実験記録XXX-1 - 日付20██/04/12
実施方法: SCP-XXX-JPのシンクに水を溜める。
結果: 1時間観察を続けるも、異常性は発現せず。海水を用いた場合も同様の結果に終わった。
分析:「調理」を行わなければならないと考えられる。 — ████博士
実験記録XXX-2 - 日付20██/04/12
実施方法: SCP-XXX-JPのコンロでほうれん草を茹で、茹で汁をシンク内に流す。
結果: 茹で汁とともに2匹のウグイ (Tribolodon hakonensis) 、4匹のオイカワ (Zacco platypus) と推定される実体が発生、シンク内を跳ね回る。調理を担当した職員が捕獲を試みたところ、実体は消失した。職員の手に残った粘液は、該当の種が分泌するものと一致した。
分析: 実体が熱湯の影響を受けている様子は見られなかった。本当に「通常の魚類」なのかという点には疑問が残る。 — ████博士
実験記録XXX-5 - 日付20██/04/14
実施方法: SCP-XXX-JPのコンロを用いて市販のポップコーンを調理。
結果: ポップコーンが弾け始めた時点で、シンクからイセゴイ (Megalops cyprinoides) と推定される実体が1mほど跳ね上がる。実体はそのままシンクに落下し消失。以降、異常な現象は観察されなかった。
分析: シンクを使うことは必須ではないようだ。 — ████博士
実験記録XXX-8 - 日付20██/04/21
実施方法: SCP-XXX-JPの調理台の上でマアジ (Trachurus japonicus) を捌く。
結果: 調理中、シンク内にはカージナルテトラ (Paracheirodon axelrodi) が断続的に発生を続ける。調理後、職員が三角コーナーに捨てたはずの頭部と内臓が消失していることが判明した。消失の瞬間は捉えられておらず、その行方も不明である。
分析: 魚を調理したところで何か変わるわけではないのか?別の魚でもう一度やってみよう。 — ████博士
実験記録XXX-9 - 日付20██/04/22
実施方法: SCP-XXX-JPを用いてブリ (Seriola quinqueradiata) を捌く。
結果: まな板に載らなかったためにシンク内に置いたところ、対象は消失した。実験は中断された。
分析: 魚で実験するのは止めた方がいいかもしれない。 — ████博士
実験記録XXX-12 - 日付20██/05/14
実施方法: 一通りの調理を行って料理を作る実験。2名のDクラス職員で作業を分担し、カレーライスを作ることを試みた。
結果: 複数の異常な事象が発生。
- 洗い桶に玉ねぎを投入した職員が、その中に混入している半透明の球体を発見した。後の分析で、これはクロマグロ (Thunnus orientalis) の水晶体であることが確認された。
- 牛肉を切り分けていた職員が、シンクに目を遣った瞬間に包丁を放り出して飛び退く。職員は「鮫がいた」と証言しているが、監視映像では特に異常を確認できなかった。職員は調理の続行を拒否したため、代替の職員が投入された。
- 後の調査で、職員の交代後にまな板の上の牛肉が減少していたことが確認された。この牛肉は発見されていない。
- 鍋に水を汲んだところ、その中にオニダルマオコゼ (Synanceia verrucosa) と推定される実体が出現。鍋から飛び出したため、職員が背鰭の棘によって負傷した。実体はそのまま消失。職員には即座に抗毒素が投与され、後に回復した。
- 食器を洗っていた職員が、洗い桶の底に沈む不規則な形の「殻」を発見。対応する現生種は存在しなかったが、デボン紀に生息した板皮類 (Coccosteus) の頭甲と極めて類似していることが判明した。
- 実験後、カレーライスを食した職員の1人が全身麻痺の症状を呈した。分析の結果、血中からテトロドトキシンを検出。カレーライスを食した他のDクラス職員に異常はなく、混入経路は不明である。
分析: 魚体の一部のみであれば消失しないと思われる。また、絶滅種が発生したことは非常に興味深い。 — ████博士
実験記録XXX-15 - 日付20██/06/06
実施方法: 天ぷらを揚げた後、シンクに冷ました天ぷら油を流す。
結果: 担当職員は慌てて身を引く。直後、排水口から[編集済]。検死結果では[削除済]が判明し、死体は隔離されて焼却された。
分析: 現生種はもちろん、化石種にもあんな[削除済]を持った魚は存在しない。一体何だったのか。 — ████博士
scp-jp safe 魚 外部エントロピー
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
取扱方: SCP-XXX-JPは、それを完全に覆い隠すように建造された鉄筋コンクリート製の建物内に収容されます。実験、探査時を除き、SCP-XXX-JPの内部への立ち入りは禁止されています。常に2名以上の職員によってSCP-XXX-JPの監視を行ってください。
現在の取扱方は、SCP-XXX-JP-2実体を速やかにSCP-XXX-JP-1と接触させることで、それ以上の実体の発生を防ぐことに焦点を当てています。SCP-XXX-JPの扉や窓は極力開放した状態に保つことが推奨されます。活性化事象の際、担当職員はSCP-XXX-JP-2実体への建物への侵入を補助してください。
事象の終了を待って、SCP-XXX-JP-3実体はその身元を聞き出した上で記憶処理を施し、カバーストーリーを適用して送り返してください。
概要: SCP-XXX-JPは███県███市に位置する4階建てのアパートです。
不定期な間隔で、アパートの411号室に設置された火災報知機が鳴り始めます。同時に、アパートの正面玄関内部にSCP-XXX-JP-1と指定される男性が出現します。
さらに、SCP-XXX-JPの周囲3m内に、SCP-XXX-JP-2、SCP-XXX-JP-3と指定される実体が複数体出現し始めます。SCP-XXX-JP-2実体は3歳から5歳の幼児の姿をしており、建物の開口部から内部に侵入することを試みます。SCP-XXX-JP-3実体は成人女性で、この活性化事象の発生中は何も行動をとることなく、SCP-XXX-JP-2実体を微笑みを浮かべて眺め続けます。SCP-XXX-JP-2、SCP-XXX-JP-3は、火災報知機が鳴っている間は不定期に出現を続けます。
SCP-XXX-JP-2実体がSCP-XXX-JP-1と接触すると[編集済]、火災報知機は鳴り止みます。この瞬間、SCP-XXX-JP-1と全てのSCP-XXX-JP-2実体は、SCP-XXX-JP内部に存在するあらゆる人員、機器とともに一切の痕跡を残さず消失し、SCP-XXX-JPは最初の状態に復元されます。SCP-XXX-JP-3実体は、活性化事象の間の自身の行動について何ら説明を行うことはできませんでした。
補遺XXX-1: 身体的特徴を元に各実体の身元確認を行ったところ、SCP-XXX-JP-1は、異常の出現時に行方不明となった411号室の住人である██ ██と一致することが確認されました。SCP-XXX-JP-3実体は実在の人物で、SCP-XXX-JPを中心とした半径███km内に居住する女性だと確認されました。SCP-XXX-JP-2実体の身元が確認されたことはありませんが、その相貌にはSCP-XXX-JP-1、SCP-XXX-JP-3実体との類似が指摘されています。SCP-XXX-JP-3実体への質問では、対応するSCP-XXX-JP-2実体が自分と似ていることは認めつつも「知らない子供」であるとの証言が得られています。
補遺XXX-2: SCP-XXX-JPは200█/█/██に収容されました。アパートへの侵入を試みる不審な親子連れを目撃した周辺住民が警察に通報し、警察はアパート内にいた全住人が失踪していることを発見しました。また、直後に辺りを彷徨っていた█名の女性が保護されたことから、財団は異常な事件と見て調査を開始しました。カバーストーリー「ガス漏れ」が適用されて現場周辺は封鎖され、関係者には記憶処理が行われました。██日後に2度目の活性化事象が発生し、周辺住民の移転とともに収容施設の建造が決定されました。
インタビュー記録XXX-1:
日時: 20██/██/██
対象: SCP-XXX-JP-1
インタビュアー: エージェント███
付記: 101号室に仮設の拠点が設営され、エージェント███はその内部で活性化事象の発生を待ちました。インタビュー時間を伸ばすため、例外的にSCP-XXX-JPの開口部を閉鎖することが認められました。<記録開始>
(SCP-XXX-JP-1はアパート正面の自動ドアを押さえつけている。)
エージェント███: お伺いしたいことが…
SCP-XXX-JP-1: 話は後だ!手伝ってくれ!子供が入ってくるだろうが!
(102号室からSCP-XXX-JP-2実体が出現。後に部屋の窓から侵入したことが確認された。エージェント███はこの窓の鍵について「閉めたはず」と証言している。)
SCP-XXX-JP-1: う、うわあああ!
(SCP-XXX-JP-1は階段を駆け上がり、411号室に飛び込む。エージェント███が続いて中に入ると、SCP-XXX-JP-1は慌てて鍵を閉める
エージェント███: お名前を伺っても宜しいでしょうか。
SCP-XXX-JP-1: ██ ██。
エージェント███: 今、起こっていることについて何か知っていますか?
SCP-XXX-JP-1: 分かるわけがない。こっちが教えて欲しいよ。
エージェント███: 前回もこれと同様だったのですか?(活性化事象の発生は財団の管理下で██回目である。)
SCP-XXX-JP-1: 前回?前回って何だ。
エージェント███: …覚えていないのですか?
SCP-XXX-JP-1: こんなことが何回もあってたまるか。変なことを言うな。
(エージェント███は、外で撮影されたSCP-XXX-JP-3実体の写真を端末上に表示する。)
エージェント███: この女性に心当たりは?
(SCP-XXX-JP-1の顔が青ざめる。)
SCP-XXX-JP-1: し、知らない。何なんだその女は。
エージェント███: 本当に知らないのですか?
SCP-XXX-JP-1: 知らない、知らないって言ってるだろう!それを近づけるな!
(SCP-XXX-JP-1はベランダに向けて走り出す。しかし、ベランダに出る扉を潜ろうとしたSCP-XXX-JP-1は、見えない壁に衝突したかのように弾き返される。)
SCP-XXX-JP-1: 糞…何で…
(エージェント███は部屋の玄関を確認。郵便受けからSCP-XXX-JP-2実体の手が突き出し、鍵を探っている。)
SCP-XXX-JP-1: 待って…
(エージェント███はベランダから飛び降りる。)
<記録終了>
タグ:scp-jp euclid 人間型 建造物 国内収容
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル:
SCP-XXX-JP標本はサイト-81██の5m×5m×3m収容房に設置された水槽内で、絶縁油に浸した状態で保管されます。収容房はサイト内の電気系統から完全に遮断し、内部に光源は設置しないでください。収容房に立ち入る場合は絶縁性の全身防護服を着用し、導電体を所持していないことを確認してください。
未収容のSCP-XXX-JPが存在する可能性があります。不審な放射線障害が報告された地域において、担当職員はSCP-XXX-JP-e検出装置(詳細は技術文書SCP-XXX-JP-1を参照)を用いてその痕跡を調査してください。
新たに収容されたSCP-XXX-JPは全て破壊されます。収容房の隣に設けられた専用の炉において溶融させた後、収容房内の別の水槽において、SCP-XXX-JPと同等の状態で1週間保管してください。その後は異常性のない廃棄物として扱って構いません。SCP-XXX-JPと電気的に接続された可能性のある全ての物品も同様に対処してください。
説明:
SCP-XXX-JPは異常な電子を生産する太陽電池パネルです。外見的には異常性のない太陽電池パネルと区別できず、その寸法やロゴは既存のメーカーいずれかのものと一致しています。
SCP-XXX-JPのセルを通過した電子(SCP-XXX-JP-eと指定)はその近傍に存在する原子核を不安定化し、崩壊を誘発します。巨視的には、汚染された物体が放射能を有するかのように観察されます。また、SCP-XXX-JP-eが他の太陽電池セルに侵入した場合、そのセルはSCP-XXX-JPへと変異し、SCP-XXX-JP-eを生産するようになります。
補遺:
SCP-XXX-JPが発見されたのは、「環境先進都市」を謳い、公共施設や一般家庭への太陽光発電の普及を進めていた███県████市です。市内に位置する███高校の教員、生徒が相次いで放射線障害の症状を示したことが財団の注意を惹き、潜入したエージェントにより建物の電気系統が高度に放射化されていることが報告されました。全面的な調査の結果、校舎の屋上に設置されたSCP-XXX-JPが原因であると特定され、回収されました。校舎は取り壊され、カバーストーリー「身元不明線源」が適用されました。
また、この後も放射線障害の報告が相次いだため、市内全域で大規模な浄化作戦が行われ、全ての太陽電池パネルは撤去されました。これ以降、████市においてSCP-XXX-JPは発生していません。
20██-██-██、施設スタッフにより収容棟の外壁に「自生」している小型のSCP-XXX-JP個体が発見されました。この個体を検査したところ、太陽電池セルは不揃いで、発電能力やSCP-XXX-JP-eの生産能力は認められませんでした。しかし、内部に蓄えられていた電子はSCP-XXX-JP-eであることが確認されました。SCP-XXX-JP-eの漏洩経路は調査中です。
我々は今までSCP-XXX-JP-eをウイルスのようなものだと考えていた。だが、この収容違反事例は「ウイルス」では説明できない。もっと生物的な特性を持ったものだと考えるべきなのか、それとも「生物」として進化しつつあるのか。今後とも警戒を要する。
- SCP-XXX-JP管理主任 ██████博士
タグ:scp-jp euclid 電気 可視光 放射性 伝染性
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル:
SCP-XXX-JP-2が地球上から視認できないことを確実とするため、SCP-XXX-JP-1は常に太陽高度20°以上の場所に配置する必要があります。地上施設でこの条件を維持することが困難であるため、機動部隊れ-8(”雨燕”)が編成され、収容任務を遂行しています。
機動部隊れ-8(”雨燕”)の隊員には、██ヶ所の財団航空基地へのアクセス許可が与えられます。各基地には最低1機の輸送機とその乗員を配備し、常に離陸可能な状態を保ってください。
SCP-XXX-JP-1はビーコンを取り付けた状態で、輸送機内において収容されます。収容にあたる隊員は、定期的に天候の安定している近隣の基地に着陸し、機体と乗員の交換を行うことで確実な飛行を維持してください。
説明:
SCP-XXX-JP-1は直径12cm、重量183kgの球体です。表面には複雑な幾何学模様と数学記号が刻まれています。放射線や音波を透過せず、表面からのサンプル採取も失敗したため内部構造や材質は不明です。表面には6ヶ所のネジ穴があり、SCP-XXX-JP-3に取り付けることを意図して設計された人工物だと見られています。
SCP-XXX-JP-2は直径およそ300万kmの球体です。太陽とSCP-XXX-JP-2の位置関係は、地球とSCP-XXX-JP-1の位置関係に対応して移動します。SCP-XXX-JP-2表面には[削除済]パターンが存在し、これを直接視認した高等動物は全脳神経系の壊死によって死亡します。また、写真などを通した間接的な曝露では、40%の被験者に脳神経系の萎縮が発生しました。
SCP-XXX-JP-3は人工衛星の残骸です。SCP-XXX-JP-1を搭載して地球-太陽系のL1点に投入されていたと見られていますが、20██/██/██に地球に墜落しました。以下が、その対応にあたった財団スペースガードとの通信記録です。
14:05 SCP-XXX-JP-3「助け[判別不能]」
14:04 エージェント████「そちらの所属は?」
14:05 SCP-XXX-JP-3「財団[判別不能]収容衛[判別不能]T-153[判別不能]」
14:06 エージェント████「どのような状況ですか?」
14:08 SCP-XXX-JP-3「想定外の[判別不能]減に失敗し[判別不能]」
14:09 エージェント████「我々にできることはありますか?」
14:12 SCP-XXX-JP-3「[判別不能]常に太陽の側に[判別不能]」
14:15、SCP-XXX-JP-3は秒速15kmで大気圏に突入、北緯23°、東経138°付近の海域に落下しました。SCP-XXX-JP-3が発するビーコン信号を元にサルベージ船が急行し、SCP-XXX-JP-1とSCP-XXX-JP-3の回収に成功しました。
SCP-XXX-JP-3の調査の結果、機体の中枢には有機的な制御回路が存在し、SCP-███に似た構造とヒトのDNAが検出されました。推進・姿勢制御システムには未知の技術が用いられており、重要部品が失われているためその修復は不可能でした。機体は大きく損壊していましたが、構造部材は熱により変質しない未知の材質で、大気圏突入以前に不明な原因によって破壊されたと推測されます。構造部材の一つには財団のシンボルが刻み込まれていましたが、財団データベースには該当する衛星は登録されていません。
SCP-XXX-JP-1とSCP-XXX-JP-2の関係が理解され、収容プロトコルが策定されるまでの██日間で████名が犠牲となり、█████名が永続的な障害を負うこととなりました。
タグ:scp-jp keter 太陽 外宇宙 球体 認識災害 国外収容
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル:
10個体のSCP-XXX-JPが、サイト-8181において小動物収容房内の専用飼育容器に収容されています。飼育容器は非金属製・密閉構造で、SCP-XXX-JP個体を底面に閉じ込めるため、王水を流す溝が掘られています。詳細は技術文書XXX-1を参照してください。生体に対する毒性が高いため、直接の皮膚接触は避けてください。
1日に1度、1個体につき10gの鉄を給餌してください。担当者の許可なくこれ以外の金属と接触させてはなりません。SCP-XXX-JPは適切な酸、塩基等を用いて、その構成元素を完全に酸化させることで終了することが可能です。一定以上の重量に達したSCP-XXX-JPは分裂によって増殖するため、不要な個体は間引いてください。
SCP-XXX-JPの発生源と目される████山全域は、カバーストーリー「重金属汚染」が適用されて民間人の立ち入りが禁止されています。山腹には5箇所の坑道が存在し、その入口にはエアロックが設置されています。内部への進入には担当者の許可が必要です。████山の周辺では定期的に水質・土壌検査を実施し、逸出個体を確実に排除してSCP-XXX-JPを管理区域内に封じ込めてください。
説明:
SCP-XXX-JPは金属で構成されたナメクジ状の移動体です。組成は吸収した金属により変動しますが、共通して█%以下の[編集済]が含まれており、これによってその流動性を保つと同時に、その生物的な機能を維持していると考えられています。
加熱
補遺:
SCP-XXX-JPは199█年、████山周辺での水質調査
探査ログXXX-6:
数回の予備調査の後、200█-██-██に本格的な坑道の探査が行われました。以下はその記録です。
探査はエージェント角谷(以下K)、エージェント坂下(以下S)の2名で行われた。XXX-6薬液タンクとその噴霧器、分析機材、酸素ボンベ、通信装置を搭載した2人乗りの電池駆動ATVが支給された。両名のHAZMATスーツとATVの金属露出部は、入念に樹脂で被覆された。
本部「こちら本部。状況の報告を。」
K「現在、2番坑道のエアロックを抜けたところだ。壁面は石積み。SCP-XXX-JPの痕跡はない。」
本部「了解。そのまま前進せよ。」
(30分後、壁面は金属に覆われ始める。数個体のSCP-XXX-JPが這い回っている。)
S「入口から500m。XXX共が出現している。」
K「焼くか?」
本部「前進の障害となる個体は排除しろ。」
(液体金属が滝のように流れ落ちている。)
K「表面にいくつか漢字のようなものが書かれている。…”栓”?」
(エージェント角谷からの映像が途絶。エージェント坂下のカメラは、弾け飛ぶ円盤と通路から転落するエージェント角谷、円盤の下の穴から噴出する無数のSCP-XXX-JP個体を捉える。エージェント坂下のバイザーに貼り付いたSCP-XXX-JP個体によってその表面が”鍍金”される。)
S「何だ!?何も見えない!」
本部「落ち着け!装備中に剥離剤があるはずだ!」
(10分後、エージェント坂下はバイザー表面の鍍金を除去する。)
S「…さっきと違う場所だ。いつの間に移動したんだ?」
(カメラが左右を見渡し、広間のような空間が映る。床をSCP-XXX-JPが這い回る。エージェント角谷とATVは見当たらない。)
S「あいつは何処へ…」
(SCP-XXX-JPが広間の中央に集合してゆく。ガイガーカウンターが鳴り始める。)
S「何だと!奴ら放射性金属でできてるのか!?撤退する!」
(エージェント坂下は振り向いて走り始める。)
直後、放射線量が測定限界を振り切って上昇、通信途絶と同時に、山腹の地震計が深度4を捉えました。エージェント坂下は戦死と判定されました。
2時間後のデブリーフィング中に、エージェント角谷からの映像が一時的に復帰しました。
(エージェント角谷は終始無言で坑道を登っている。地形から、4番坑道の入口に近い場所と推測される。壁から液体金属が滲み出し、足元を流れている。この時間、4番坑道入口からの監視映像に異常は認められなかった。)
エージェント角谷は、4番坑道入口から50mの地点で発見されました。映像記録と矛盾しますが、タンク内の薬液は使用された形跡がなく、スーツに金属の付着や損傷はありませんでした。消化管内から1個体のSCP-XXX-JPが発見され、死因は重金属中毒によるものと結論づけられました。
タグ:scp-jp keter 地下 金属 自己複製 国内収容