SCPくおうぜ!!

コンコン、
静かな部屋の中にノックする音が響く。
██████管理官はまとめていた書類を机の上に置き、ドアの方へと向かった。
ドアを開けると、二人の博士が立っていた。
「こんにちは、前原博士に虎屋博士。中へどうぞ」
██████管理官はニッコリ笑って二人を招き入れると、外を確認してからドアを閉めた。

「あなた方をお呼びしたのは他でもない、とある実験を手伝ってもらいたいのです。」
██████管理官は二人に一枚の紙を渡すと、ニッコリと笑って話を続けた。
「どうです?今まで誰もやらなかったことでしょう。ですが、これはいつかはやらなくてはいけない問題だと思うのです。」

「それはそうかもしれないが・・・。お前は正気なのか?せめて対象をSCP-682にしなくてもいいのでは?」

前原博士が珍しく心配そうな面持ちで██████管理官を見る。

「いえ、SCP-682が対象でなければいけないのです。もしもこの実験が成功すれば、今まで人間に害しか与えないと思われていたSCPたちも見直されることでしょう。」

██████管理官は何がおかしいのかわからないといった顔つきで話を続けた。

「あと2時間でSCP-682はサイト81██へと輸送されてくる手はずになっています。まだ時間はありますが、今のうちに向かっておきましょう。」

「・・・なぜSCP-682はおとなしく連れて来られているんだ?」

前原博士は頭の上に?マークを浮かべ、首をかしげている。

「いや、それがですね」

██████管理官はニコニコしながら一枚の報告書を机から取り出した。

「この報告書によると、SCP-682は食通らしく、食べたことのないものに興味を持つようです」

██████管理官の手には「小噺〜鰐蕎麦〜」と書かれた報告書が握られていた。

「その食べたことのないものと言うのは誰が用意するんだ?」

「・・・そのために虎屋博士を呼んだんじゃありませんか。」

██████管理官は当たり前と言った感じで虎屋博士の方へ向く。

「虎屋博士、あなたの料理の腕前はかねがね噂で聞いておりました。材料はこちらで用意するので、今日は存分に腕を振るってくださいね。」

「いや~。そう言ってもらえると嬉しいです。わかりました。頑張って美味しい料理を作り上げてみせますよ。」

「それは楽しみです。SCP-682に食べさせた後、私達にも作ってくださいよ。ぜひ一度食べさせて貰いたかったんですよ。ねぇ、前原博士」

██████管理官は顔色が悪くなっていく前原博士を尻目に、時計を確認する。

「あっ、もうこんな時間だ。皆さん急ぎましょう。」

██████管理官と、唐揚げの乗った皿を持った前原博士は足早に部屋を出て行った。