- SCP-XXX-JPに関する報告書
- 想定読者という考え方の啓蒙
- SCP-XXX-JP 進化する死者とワガママな女王
- tale:SCP-XXX-JPに関連した音声記録の一部抜粋
- SCP-WWW-JP 壁を指す人
- SCP-XXX-JP 豆腐の角
- SCP-YYY-JP 究極の肉体美
- SCP-アイディア
- tale:生物の収容について
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPの収容は現在なされていない.詳細は下記説明を熟読すること.
説明:SCP-XXX-JPは,日本語のSCP報告書に関して発生する特異な現象である.通常,研究データの報告書は様々なルールに縛られ執筆される.それらは,一見して一般の人には読みにくいとされる文書とされる文体かも知れないが,それぞれに明確な理由があって制定されており,このようなルールとなっているのであって,財団における報告書のような文書には,このルールを守るべきであると執筆者は考える.
例えば,SCP報告書には句読点にカンマやピリオドを使わない.これは通常,国際ルールとして句読点にカンマやピリオドを使うルールがあり,それに従った伝統ではあるものの,主に報告書を読むであろう研究者にとって最も馴染み深いものであり,可読性を考えればカンマやピリオドを使う事が好ましいだろうことは想像に難くない.他にも,報告書は断定すべき事柄であり,「です.ます.」といった口調は好まれないはずである.など,様々な箇所に不親切で不適切な表記が見られる.しかし,現状それらルールを守った報告書は存在しない.なぜか? それこそがこのSCP-XXX-JPである.
SCP-XXX-JPは,日本語で書かれた財団のSCP報告書,また,それに関する付属資料等に発生するミーム効果である.そのミーム効果の影響を受けた財団職員は,なぜか「です.ます.」調などの,不適切な報告書の書式,文体を適切である.と誤認識するようになる.現状,あらゆる記憶処理はその効果を及ぼさない.そのため,適切なルールに従い報告書を執筆した職員にそれが誤りであると強く指摘するようになるだろう.どの時点でこのミーム効果を受けるかは不明だが,このミーム効果が明るみに出ない現状,o5評議員や日本理事を含めたほとんどの職員がこのミーム効果を受けていることが推定される.
このミーム効果は,時に報告書の可読性を著しく低下させ,収容違反を引き起こす原因となりうる.そのため,早期収容の要請と共にオブジェクトクラスをKeterに指定すべきであると進言する.
誰だ、こんなイタズラを書いたのは、私が書いていることになってるじゃないか、せめてちゃんと財団の報告書フォーマットにしないと――██博士
このエッセイは初心者が陥りがちなミスを「想定読者」という考え方で解決しようというエッセイです。初心者というよりも「評価がマイナスになり記事が削除になった」という執筆者に宛てた内容でしょう。私は「失敗した理由の8割が読者を想定していないためだ」という部分に気づいてほしいために筆を取りました。
想定読者という考え方
「想定読者」とは元々このエッセイの執筆者が創作関係の友人との会話で発生した造語なので、小説用語ではありません。ただ、この考え方は特に初心者に重要な考え方なので、取り扱わせて頂きます。
「想定読者」とは、つまり、執筆中の脳内にだけ存在する架空の読者のことです。そして、どんな文章も「想定読者」を想定しながら書かれているはずです。
極端な話、このエッセイも「想定読者」が存在します。例えばこのエッセイには漢字が多量に使われています。これも読者に幼児が居ない。という想定の元で書かれていて漢字を使う、という選択をしているわけです。これが小学校入園前の児童を対象とした文章ならば「こんな かんじに、ひらがな だけを つかって かくはず だよね。そして、つかう ことばづかい も やわらかい ひょうげんに すると おもうんだ」これは読みにくい上に、まず幼児が読むことは無さそうなので想定しないわけですね。
実際にはこの「想定読者」は執筆者の脳内にしか存在しません。この精度を高め、現実の読者に如何に近づけるか? というのは創作における永遠の命題です。どういうことかといえば、もし完璧な読者を想定できるなら、完璧な作品が作れるという結論になります。どんな人間が読んでも意図通り、とはいかずとも狙った層から狙った感想を引き出せるわけです。編集者を想定読者にすれば、想定中最も感銘を受ける文章を書いて賞を取るぐらい余裕になります。
しかし、現実は無情です。実際には同じ文章を読んでも100人いれば100通りの情景を想像するのが普通であり、この時、100通り全てを想定することはできません。中には猫と書いているのに犬を想像されるような、予想外の感想も絶対に含まれます。故にここで創作者は妥協しなくてはなりません。100人いたら80人が似たような感想を持つ文章、という妥協です。そしてこの狙った80人と実際に読んだ時に伝えたい意味を伝えたい通りに理解する人数の差が想定読者の精度です。もし、想定読者が漢字を読めない層だった時、先程の幼児向け文章を自然と書く人は「伝えたい意味通りに伝えることが難しいから、幼児向け文章に漢字を使わない」という変換を無意識に行っているのです。
アナタが伝えたいことは何か?
この「想定読者」を意識的に使うに当たって、大切なのは想定読者にどんな感想を懐かせたいか? 何を伝えたいのか? つまり、最終的な目的です。全体では何を伝えたいのか? この文章では何を伝えるべきなのか? それらは段落ごとにまとまっているか? まとまめきるのが難しいならその混乱はどの程度か? そして、全てを読んだ時、どんな感想を抱くか? 読者が100人いたら99人を手のひらの上で転がすつもりでなくてはいけません! 執筆しようと思った時、その前に一言自分に問いかけて下さい。「アナタが記事を通して伝えたい内容はなんですか?」それは想定読者のみならず、話の終着点であり、なの目標です。
「想定読者」がどんなに上手く機能していても、目標が定まっていないと意味がありません。何故なら、想定読者にどのような感情を吐き出させたら成功なのか? が分からないためです。これを設定しないと、ゴールのないマラソンのようだらだらと書き続けてしまいます。例えそれが膨大な文章であっても、それはただ道に迷って無駄に走っているだけなのです。
そもそも、読者が求めているのは「怪奇小説」です。つまり、怖いと感じさせたらその小説は成功なのです。時に「怖い」以外の何かである可能性はあるでしょうが、いずれにせよ「なんらかの感情を湧き立たせる」ことに終始します。極論すればただそれだけであり、数多あるSCP報告書はただその目標に至る道筋が違うだけと言えます。どんな創作であっても、この部分は大きく変わることがありません。最終的な目標は「読者に何らかの感情を与えること」であり、設定は全て「目標に必要な舞台装置」の一種であり、SCP財団はそのための「舞台」です。この点を理解しないと「想定読者」はうまく機能しません。
流石に感情励起が最終目標というと大さっぱすぎますので、さらに考えてその感情をどうやって湧き起こさせるか? まで踏み込んで下さい。これは物語の根幹であり、これを意識していないとなかなか面白い記事は書けません。例えば執筆中の記事を1言で説明できるか? という物もありましたが、そういった形で「何故怖いのか?」を理解していてください。これは目標に辿りづくための大雑把なルートです。
想定読者と学術的な正しさ
想定読者という考え方をした時、SCP報告書は一つの矛盾を抱えていることにお気づきでしょうか? そう、SCP報告書は報告書である以上「学者が学術的知識のある他の人間に対して説明するための報告書」という想定読者で書かれている体の文章であり、同時に現実の読者にとって「怪奇小説」なのです。これを区別して書かなくてはいけません。以前、学名について書かれたエッセイを書きましたが、これは前者「学者の報告書」という読者を想定した時の注意点です。これは実際に学術的知識がない人間に書くことは難しいものです。そのため、学名は単純なルールで成り立ち、それさえ正確に書ければそれなりに見れるものになる。という付け焼刃の知識を提供し、SCP報告書ではそれで十分対応できる内容だからこそ、このエッセイがあります。
しかし、よく考えて下さい。この「学者の報告書」は空想の読者であり、一種の想定読者でしかありません。実際に読むのは「怪奇小説」を期待する一般的な、学術知識のない現実の読者です。もちろん100人もいれば1人か2人は学術知識を持っているかもしれませんが、その1人を想定して99人を犠牲にするのはハッキリ言って無駄です。アナタが書くべき本質が「怪奇小説」であることを忘れないでください。「報告書」と「怪奇小説」を両立する方法は簡単です。1つはアナタが書こうとする分野の学術的知識を身に付けること、もう1つはわからないことは書かないことです。例えばアナタが光線ついて詳しくないのなら「未知のエラーのため測定できず、詳細は不明です」と書いてしまえば光学知識のある読者も「不明なら仕方ない」と納得するわけです。全部が全部不明では問題ですが……
この問題で最も多い事例は、下書きで学術的な指摘を受けた時、それをそのまま全て書く人が初心者には非常に多いことです。(そして私は学術的な指摘をすることも多い人間ですが)はっきり言ってその必要はありません。学術的な指摘はごちゃごちゃと難しい内容ですが、一言でいえば「この表現は報告書の体的にアウト」という意味でしかありません。指摘を汲んで難しい長文を入れると全体のバランスが悪くなることも想定されます。少なくとも難解な長文は読者の「読む気力」を奪う結果になります。「怪奇小説」を期待している読者なのですから、難しく理解しにくい文章に対する反応も想定すべきです。そうなった場合「学術的にアウトな表現」を「学術的に正しく直すこと」だけではなく、設定そのものを変えて「学術的にアウトな表現ごと全てなかったことにする」というのもアリなのです。それは常に頭の片隅に置くべきでしょう。その取捨選択は執筆者であるアナタにあるため、学術的指摘をする人に遠慮は必要ありません。場合によっては「全部削った方がいいと思うけど、まあ、執筆者がその難解表現を選ぶなら……」と指摘を諦める人も多いはずです。
想定読者の補正
想定読者という考え方をしてみよう、とアナタが感じたならば、いつか直面するのはアナタが想定している読者と現実の読者がどの程度違うのか? その精度はどのレベルか? という問題です。しかし、想定読者の精度を上げるには、実際に執筆し他人に読んでもらい、感想を聞いて補正すること以外に手段がありません。完成させる意義などと言われますが、それの内半分はここにあります。これは漫画だろうと論文だろうと日常会話だろうと全て共通して同じです。現実問題として初心者が高い精度をいきなり手に入れるのは難しいのです。そこで3つの手段を例として挙げます。
1つ目は下書きディスカッションです。下書きディスカッションは短期的に見れば、他の、時に熟練の執筆者から生の声を聞いてそれを修正することができる場です。これは非常に貴重な経験であり、作品の質に直結する有意義な場ですが、もしアナタが想定読者という考え方を持っていれば、もう一つの側面が見えてくるはずです。つまり「アナタの想定する読者」と「現実の読者」との乖離を指摘される場として見ることができるのです。長期的に見ればアナタの「想定読者」を補正し精度を上げ、SCP記事を書く上での「想定読者」を育てることができる貴重な場です。SCP内で他に同じ場所といえば完成した時にできる「ページごとのディスカッション」のみであり、下書きディスカッションほど気楽に作成できるわけではありません。下書きの修正のみならず、アナタの想定読者を鍛える場としても使ってみて下さい。
2つ目は塩漬けにすることです。完成した記事を発表したいとはやる気持ちを抑え、1週間ほど執筆した内容全てを忘れて別のことしましょう。別の記事を書いてもいいですし、テレビゲームに夢中になってもいいです。とにかく何らかの手段と時間を用いて、頭の中から執筆した記事の内容を追い出してください。完全に追い出すことは不可能ですが、ある程度忘れた頃に読み返せば、アナタの書いた内容がアナタの意図とどれほど離れているかを冷静に読むことができます。これによりアナタ自身が現実の読者に一歩踏み寄ることができます。1人でできるという意味でも、アナタ自身が実感できるという意味でも有用です。
3つ目は現実で、あるいはネット上のSNSで、誰かと会話することです。想定読者は日常会話でも無意識に使われています。例えば会話中に「どう言えば相手に伝わるか?」という形で悩んだことが誰しもあるでしょう。「こういう風に言えばこの冗談で笑ってくれるかな?」という程度でも構いません。その想像こそが想定読者であるはずです。恐らく執筆中は1段落するまで書いてから、読み返しつつ脳内の想定読者と相談するような長い手順を踏んでいるはずです。対して会話は高速でのやり取りであり、精度を手早く上げミスをなくす必要があるため、意識すれば最高難易度の鍛錬場となります。最高難易度だからと身構える必要はありません。なんたって日常会話です。気楽にやりましょう。
この3つの手段以外にもたくさんの場があるはずです。暇や手段を見つけては精度を鍛えていきましょう。終わりはありません。アナタの想定外の読者は常にいます。全人類と深い友情を結んでその人となりを正確に理解すれば終わるかもしれませんが、現実的ではありません。故にこれは創作者の永遠の命題なのです。
想定読者の活かし方
ここから先は想定読者そのものではなく、それに関連した話になります。他のエッセイにも書かれていることでもありますが、翻訳文章特有の回りくどさが、時に理解してもらえないこともあるので、あえて暴論を断定して書きます。例外も多数あるという前提で読んでいただけると幸いです。
エピソードから考えるという手法
初心者がよくやってしまうミスを日本語で適切に説明するのなら「アナタの考えた妖怪の設定羅列」になってしまうことです。ここで、他のエッセイではやんわり書いていますが、あえて断言させていただくと「アナタの考えた妖怪の設定」なんて誰も聞きたくありません。特にそれが「アナタの考えた"最強"の妖怪の設定」(通称、X-Men症候群)だと余計聞きたくありません。そこにどんな愛着があっても、です。読者が期待しているのは「その設定の先にあるなにか」です。これを避ける最も簡単な手順は物語の骨子から考えることです。何故なら経験的に、感情を湧き起こすオブジェクトの設定を考えるより、感情を湧き起こすエピソードを考える方が簡単なためです。
多くの初心者がSCiPの特異性から考えてしまいがちです。それを悪いとは言いませんし、それから生まれる名作もあるでしょう。ですが、執筆で簡単なのは逆であるということも念頭に置いて下さい。先ほどの「のび太とひみつ道具のエピソード」から考え、その物語に必要な「ひみつ道具」の特異性を書きだすのです。例えばSCP-189-JP という記事があります。これは水晶でできた人間という「ひみつ道具」と、その純粋さを利用し騙して破壊し水晶を売り払った悪人「のび太」のエピソードが根幹にあります。このエピソードに必要な特性は「身体が高価で破壊しにくいもので構成される」「非常に純粋で他人に好かれようと努力する」「人間」といった特性が必要になるわけです。「のび太」は一般人でも財団の博士でも誰でも構いませんし、時にSCiP自体が「のび太」になることもあります。例えば普通のボノボがその例です。
その後の執筆には2パターンがあります。1つは先ほどのSCP-189-JP のようにそのエピソードを音声記録などにそのまま書く方法です。もう1つはウエイン牧師の真珠の門のように元のストーリーを匂わせるだけ匂わせて一切明かさない手法です。自分の考えたエピソードを活かせるものを選ぶといいでしょう。どちらが活かせるかは「想定読者」に聞いて下さい。それでも悩むなら下書きディスカッションで聞くといいでしょう。
勘違いして欲しくないのは、エピソードから考える手法はあくまで「初心者にオススメ」であり、万人に強要したいわけではないということです。エピソードがなくとも「アナタの考えた妖怪の設定羅列」の中にはその先を想像させる要素が十分にあり、面白いものもかなりあります。ですがそれは、SCP記事に無数にある妖怪たちを華麗に躱しながら、針の穴を通すように組み立てられたものです。「想定読者」がある程度鍛えられ、SCP記事をよく読み、どう書けば面白いかわかっている人が書く方が"向いている"というのはわかるでしょう。自信がないならエピソードから考えてみて下さい。次に書く項目の「愛着を捨てる冷酷さ」を得るためにも有効です。
無駄な部分は無駄である。
当たり前のことを項目のタイトルにしていますが、これをイマイチ理解していない初心者は多いです。特に自身が生み出したSCiPに愛着を持つとこれをよく理解できなくなります。愛着を持つな、とは言いません。が、とりあえず「持たない方が便利」とは言っておきましょう。
SCP報告書はあくまで「怪奇小説」です。想定読者を上手く機能させている人ほど、この部分をよく理解しています。先述した最終的な目標である「感情を湧き起こす」ために必要な要素と必要でない要素を区別して考えてみて下さい。不要な要素、特に不要な特異性があればそれは全て切り捨てましょう。シンプルな方が妙な混乱を生まず「想定読者」を複雑にする必要がないためです。この時、エピソードから考えた場合は、必要と不要が分かりやすいので、その意味でもオススメです。
オブジェクト(特にその設定)に愛着があると、この特異性は目標に不要だから設定ごと変える。という部分に躊躇を持ってしまいがちです。ですが、よく考えて下さい。あくまでオブジェクトの設定は「目標」に必要な舞台装置です。アナタが愛着を持っているのは単なる舞台装置であるわけです。しかも演劇に邪魔な要素を含んでいます。この項目は「だから装置の改造から始めましょう」という提案です。その舞台装置を活かすために、劇のシナリオの方を変えようとしないで下さい。慣れた人はそうやって名作を生むこともできますが、初心者がやるとほとんどの場合失敗します。これが「愛着を捨てる冷酷さ」というものです。もちろん、私にも自分の考えたオブジェクトに多少なりとも愛着はあります。でもその設定を変え、時に完全な別物になるとしても躊躇はありません。何故なら、面白いシナリオで読者を楽しませることこそ、オブジェクトを考えた理由なのですから。
以上を、執筆初心者に向ける「想定読者」という考え方、とします。これに拘る必要はありませんが、一つの目安となれば幸いです。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid Safe Euclid Keter
SCP-XXX-JPはその特異性のため、収容方法は定期的に検討されその都度変更されるべきです。収容エリア-8177はそれを可能とする各種機材、および建設部材を十分に配備します。SCP-XXX-JPはその正確な特異性を財団が把握するまでに幾度となく収容違反を引き起こし、甚大な被害を生みました。その傾向を把握する目的として、以下に過去の特別収容プロトコル記録を一部抜粋します。
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JP-C-1はサイト-8182の電子的にロックされた標準人型オブジェクト収容室で管理されます。収容室は職員の立ち入りを禁止し、接触にはDクラス職員を用いてください。ガラス越しの面会室であれば面会が可能です。SCP-XXX-JP-B群は自発的に行動をしないため、同サイト内の隔離ICUにて栄養剤の点滴と人工心肺により通常の延命措置を受けます。
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JP-C-1はサイト-8182の電子的にロックされた標準人型オブジェクト収容室Cに、SCP-XXX-JP-A群は同サイト内の隔離動物飼育施設A群に収容されます。SCP-XXX-JP-C-1に対するインタビューはレベル3以上の職員の許可なしに行えません。またその質問内容は事前に精査され、事前に決定した原稿以外の発言を禁じます。SCP-XXX-JP-B群は同サイト内の標準人型オブジェクト収容室Bにて栄養剤の点滴と人工心肺により通常の延命措置を受けます。
SCP-XXX-JP-C-1およびSCP-XXX-JP-A、B群の排泄物は収集後、焼却されなければなりません。収集作業にはDクラス職員を用います。収集作業を行った職員は一ヶ月間隔離され、その後抗吸虫薬にて治療を受けます。管理外のSCP-XXX-JP-AおよびSCP-XXX-JP-Bは機動部隊による大規模な回収作戦が検討されており、同時にSCP-XXX-JPの中間宿主の同定が研究されています。また、関係職員は週に1度、便検査を行い感染の有無を確認してください。
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JP-C-1はサイト-8182の標準人型オブジェクト収容室Cに、SCP-XXX-JP-A群は同サイト内の標準人型オブジェクト収容室A群に収容されます。この収容室内には安全が確認されるまで職員の立ち入りを禁じ、施錠には必ず閂を用います。SCP-XXX-JP-C-1に対するインタビューはレベル3以上の職員の許可なしに行えません。またその質問内容は事前に精査され、定められた原稿以外の発言を禁じます。SCP-XXX-JP-B群は十分に拘束され、同サイト内の隔離ICUにて栄養剤の点滴と人工心肺により通常の延命措置を受けます。
SCP-XXX-JP-C-1およびSCP-XXX-JP-A、B群の排泄物は収集後、焼却されなければなりません。収集作業にはDクラス職員を用います。収集作業を行った職員は一ヶ月間隔離され、その後抗吸虫薬にて治療を受けます。無人排泄物回収システムを現在開発中です。また、サイト-81██職員全てに抗吸虫薬を投与し、SCP-XXX-JP感染の疑いがある人物は全て拘束された後に隔離されます。管理外のSCP-XXX-JP-Aが存在するとみて、機動部隊う-32("虫の知らせ")にて回収作戦が決行される予定です。同時にSCP-XXX-JPの中間宿主の同定が研究されています。また、関係職員は週に1度、定期的に便検査を行い感染の有無を確認してください。
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JP-B群は各10個体を残し、残りを全て破壊することが決定されています。B群保存用個体は十分に拘束され、サイト-8182内の標準人型オブジェクト収容室または標準生物飼育室にて通常の延命措置を受けます。B群保存用個体が破損、または寿命などで個体数を減らした場合、レベル3以上の職員から許可を得てSCP-XXX-JP-A群の内、人間以外を優先して必要数を選び出し、十分に拘束した上でSCP-XXX-JP-C影響下に晒して、補填に使われます。
SCP-XXX-JP-A群は収容セクター-8176内の専用収容施設群に収容されます。SCP-XXX-JP-A群は通常の人型収容施設と同様に管理されますが、その際直接的な接触を禁じます。詳細は人型収容標準規定024-JPを参照してください。また、人型ではないSCP-XXX-JP-Aは感染以前の動物と同様の飼育を行います。
SCP-XXX-JP-C-1はサイト-8182の標準人型オブジェクト収容室Cに収容されます。SCP-XXX-JP-C-1に対するインタビューはレベル3以上の職員の許可なしに行えず、その質問内容は事前に精査され定められた原稿以外の発言を禁じます。
SCP-XXX-JPに関連した施設、区域に入室する際は耐NBCスーツを着用し、退室時にスーツ着用者は十分な除染作業を行ってください。また、耐NBCスーツを着用した保安員により収容エリア-8177および収容セクター-8176全域が封鎖されています。SCP-XXX-JP-C-1およびSCP-XXX-JP-A、B群の排泄物は収集後、焼却されなければなりません。SCP-XXX-JP感染の疑いがある人物は全て拘束された後に隔離されます。管理外のSCP-XXX-JPが確認された場合、機動部隊う-32("虫の知らせ")にて回収作戦が決行されます。またSCP-XXX-JPの中間宿主となる数種の淡水巻貝を大規模に駆除する作戦が決行予定となっております。関係職員は毎日、皮内反応検査を行い感染の有無を確認してください。
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JP-B群は各10個体を残し、残りを全て破壊することが決定されています。B群保存用個体は十分に拘束され、サイト-8182内の標準人型オブジェクト収容室または標準生物飼育室にて通常の延命措置を受けます。B群保存用個体が破損、または寿命などで個体数を減らした場合、レベル3以上の職員から許可を得てSCP-XXX-JP-A群の内、人間以外を優先して必要数を選び出し、十分に拘束した上でSCP-XXX-JP-C影響下に晒して補填に使われます。
SCP-XXX-JP-A群は収容セクター-8176内の専用収容施設群に収容されます。SCP-XXX-JP-A群は通常の人型収容施設と同様に管理されますが、その際直接的な接触を禁じます。詳細は人型収容標準規定024-JPを参照してください。また、人型ではないSCP-XXX-JP-Aは感染以前の動物と同様の飼育を行います。
SCP-XXX-JP-C-1は収容セクター-8176およびサイト-8182と500㎞以上の距離を置いた収容エリア-8177内の専用収容施設Cに収容されます。専用収容施設CはSCP-XXX-JP-C-1の実家を模倣して建造され、SCP-XXX-JP-B-2561、2562を収容することが許可されています。SCP-XXX-JP-C-1の発言は常に監視録音され全て記録されます。施設内に設置されたテレビは外部放送を遮断し、財団が精査した教育用アニメーションを3番組以上放映します。
SCP-XXX-JPに関連した区域に入室する際は耐NBCスーツを着用し、退室時にスーツ着用者は十分な除染作業を行ってください。SCP-XXX-JP-C-1およびSCP-XXX-JP-A、B群の排泄物は収集後、焼却されなければなりません。SCP-XXX-JP感染の疑いがある人物は全て拘束された後に隔離されます。管理外のSCP-XXX-JPが確認された場合、機動部隊う-32("虫の知らせ")にて回収作戦が決行されます。またSCP-XXX-JPの中間宿主となる数種の淡水巻貝を大規模に駆除する作戦により、XXX-JP-C-21地点を中心として生息する巻貝のおおよそ半数が駆除され、現在もその活動は続いております。関係職員は2週間に1度、皮内反応検査1を行い感染の有無を確認してください。
説明: SCP-XXX-JPは人類を含む哺乳類全般の血管に寄生する住血吸虫科住血吸虫属2の寄生虫(学名:Schistosoma .sp)です。他の住血吸虫属の寄生虫と大きく異なる点は、虫卵が極めて小さく、拒絶反応を起こしにくい点です。また通常と違い消化器官周辺のみならず脳や肺など複数個所に寄生しますが、症状は非常に軽度な感冒症程度で済みます。糞便に混ざった虫卵の拡散も確認されていますが、他の住血吸虫属同様、中間宿主である淡水棲貝類への感染なしに他者への感染せず、糞便による虫卵拡散も少ないためその感染力は非常に弱いです。中間宿主を経由しない虫卵接触による飛沫感染、空気感染、接触感染、水中を遊泳する幼生に触れる経皮感染を起こし、その感染力は非常に強いものとなっています。SCP-XXX-JPは一般的な抗吸虫薬により容易に治療が可能です。あらゆる薬物に強い耐性を持ち、血管に散在的に寄生する性質から外科的な除去は難しく治療法は確立されておりません。
SCP-XXX-JPに寄生された哺乳類はSCP-XXX-JP-Aに指定されます。感染からおおよそ1週間程度で症状を発症し、初期自覚症状は咳発熱などの感冒症と似た症状であり発症率は40%程度です。病状が進行したSCP-XXX-JP-Aは後述するSCP-XXX-JP-C-1の居場所を何らかの方法で知覚し、その方向へ進みたいという欲求が植えつけられます。この症状はCクラス記憶処理 Bクラス記憶処理除去できます この症状が出た時点で、SCP-XXX-JP-AはAAクラス記憶処理を含むあらゆる記憶処理を無力化し、更に過去に受けた記憶処理の影響も取り除きます。
SCP-XXX-JP-CはSCP-XXX-JPに対して信号を発する変異体、もしくはオリジナル個体です。SCP-XXX-JP-Cの宿主SCP-XXX-JP-C-1は現在一人のみ確認されており収容時8歳の女性です。SCP-XXX-JP-Cの特異な点は宿主の思考を何らかの手段で読み取り、その願望を他のSCP-XXX-JPとその感染者を用いて叶えようとする点です。命令信号の伝達手段は不明ですが現在電波と複数波長の微量放射線によるものと判明しておりSCP-XXX-JP-AとSCP-XXX-JP-C-1の接触 SCP-XXX-JP-C-1の音声の認識 SCP-XXX-JP-C-1の視認SCP-XXX-JP-C-1への半径20m 200mへの 接近を必要としますが、その範囲はSCP-XXX-JP-C-1の願望に比例すると想定されており、現在は半径50mほどで安定しています。
命令を伝達されたSCP-XXX-JPは即座に活性状態となり、短期間で仮死的な状態に陥ります。SCP-XXX-JP-Aの脳血管内に散在する虫卵が急激な拒絶反応を発生させ、急激な炎症により多数の脳梗塞、脳内出血により脳の大部分を破壊され、この状態に至ると推定されています。この状態のSCP-XXX-JP-AをSCP-XXX-JP-Bに指定します。SCP-XXX-JP-Bは主に心肺や消化器官など生命維持に必要な生理反応と運動系に関連する部位が残り、可能な限り与えられた命令を遂行しようと試みます。この際、自身の負傷等は一切考慮されず、命令の変更は再度命令の伝達が必要です。命令を達成したSCP-XXX-JP-Bは活性状態が解除され、再度命令を伝達されるまで活動を停止します。SCP-XXX-JP-Aに戻っているのではないかと推定されますが、運動系以外にあたる脳の大半を破壊されているため、自発的行動が不可能となっており確認は困難です。活性化したSCP-XXX-JP-Bは栄養失調により数日中に死亡に至ります。この寿命は栄養点滴等により延長できますが、脳出血の悪化により10年程度で心肺停止にいたると見られております。
追記: SCP-XXX-JP-C-1は一定間隔で新たな特性を獲得することが判明しました。SCP-XXX-JPは収容当初、支配能力を持つ1人の少女と考えられていましたが、度重なる収容違反の都度改稿され、収容から約三ヵ月経過した時点でこの特異性が発見されました。獲得する特性はSCP-XXX-JP-C-1の願望の影響を大きく受けることが推定されています。その中には原理不明のものを多く含み、現時点で住血吸虫の範疇を逸脱しています。新たな特性は全個体に同時共有されますがその方法は不明です。新たに得る特性は
- 命令範囲の拡大。
- 感染経路および対象の拡大。
- 症状の大幅な変化。
の3傾向に分類できます。SCP-XXX-JP-Cのみが脳、肺に寄生しないことから収容時点で既に何度かの特異性変化があったと推定されています。現在、特異性獲得能力がSCP-XXX-JP-C-1の願望に左右されると推測され、情報統制と放送教育により願望に方向性を持たせ、かつ特異性獲得直前に願望を達成することで獲得防止が図られています。下表に現時点で確認されている特異性を併記します。特異性変化が確認された場合、ただちに研究担当主任へ報告してください。
特異性獲得の推定タイムライン
対象 | 特異性 | 獲得推定時期 | 説明、判明状況 |
---|---|---|---|
SCP-XXX-JP-A、C | SCP-XXX-JP-Bへの変化、支配能力 | 収容以前 | 収容直前に得られた特性と推定される。この特性が公道上で多数のSCP-XXX-JP-Bを発生させ、財団の目に留まり回収に至った。この時点で数名のSCP-XXX-JP-BおよびSCP-XXX-JP-Cを回収。この時点でSCP-XXX-JP-Aは判明していなかったため回収されず、目撃者は記憶処理にて解放。 |
SCP-XXX-JP全体 | 虫卵極小化、寄生部位の変化 | 収容以前 | 上記「SCP-XXX-JP-Bへの変化支配能力 」を参照。おそらく最初期の変異であると推定されている。 |
SCP-XXX-JP-A | Cクラス記憶処理の無効化 | 201█/04/15 | 多数のSCP-XXX-JP-Aが回収時の記憶処理を解除され、更に下記特性により管理外のSCP-XXX-JP-Aがサイト-81██へ誘導されたため事件XXX-JP-C-4となった。SCP-XXX-JP-AにBクラス記憶処理と抗吸虫薬にて治療を施し解放。一部のみ研究目的で回収された。寄生虫であることが判明し、人間型ではないことと支配能力が知性ではなくSCP-XXX-JP-Cに備わっていることからオブジェクトクラスが引き下げられる。 |
SCP-XXX-JP-A、C | SCP-XXX-JP-Aの誘導 | 201█/04/15 | 上記「Cクラス記憶処理の無効化 」を参照。 |
SCP-XXX-JP全体 | 飛沫感染、空気感染 | 201█/04/18 | SCP-XXX-JP-C-1の特性実験中、SCP-XXX-JP-A収容室の電子ロックが財団職員により解除され収容違反が発生。SCP-XXX-JP-AとSCP-XXX-JP-C-1の接触を許し、大規模な暴動事件XXX-JP-C-7に発展した。その後、保安要員の手により終了。財団職員██名が負傷。 のちの検査で財団職員数名に感染が確認された。この時点では住血吸虫の性質上、飛沫感染の可能性は軽視されていた。 |
SCP-XXX-JP-C | 命令伝達手段が視認に拡大 | 201█/04/23 | 保安要員と担当研究員を含む職員█名により、収容違反事件XXX-JP-C-12が発生。SCP-XXX-JP-C-1のサイト外部に露出直前に、保安要員らの手で終了された。この件で上記「飛沫感染、空気感染、接触感染獲得」が明るみになる。前事件との時間差は潜伏期間と見られる。低精度である便検査の改善が求められた。オブジェクトクラス引き上げが要請され、受理された。 |
SCP-XXX-JP全体 | 薬物耐性獲得 | 201█/04/27 | 抗吸虫薬[編集済]に対する薬物耐性の獲得。住血吸虫類では初の事例。旧来の薬剤変更により対応。しかし、この薬剤は副作用が大きく継続使用が必要なため治療が困難となる。 |
SCP-XXX-JP-A | 記憶処理の無効化 | 201█/04/30 | Bクラス記憶処理によりSCP-XXX-JP-C-1への進行欲求を抑えていた収容中のSCP-XXX-JP-A群が記憶処理を無効化。強化ガラスを破壊し収容違反に至った事件XXX-JP-A-18が発生し、保安要員の手でAクラス記憶処理を施し制圧。しかし、すぐに無効化され多数の負傷者と感染者が発生。更にサイト-81██へ誘導された管理外SCP-XXX-JP-Aが殺到し多数回収に至る。この際、SCP-XXX-JP-C-1の両親にあたるSCP-XXX-JP-A-2561、2562も回収された。 |
SCP-XXX-JP全体 | 薬物耐性獲得 | 201█/05/08 | 事件XXX-JP-A-18で確保、収容したSCP-XXX-JP-Aから薬剤変更後もSCP-XXX-JPを検出。あらゆる薬剤に抵抗を得たと思われ、新規薬剤を開発中。中間宿主を特定。より簡易な検査が可能となる。強力な感染力と治療不可能な特性により、オブジェクトクラス引き上げが要請され、受理される。 |
SCP-XXX-JP-C | 命令伝達手段が20m以内への接近に拡大 | 201█/05/10 | SCP-XXX-JP-C-1の実験中、実験のために連行していた元Dクラス職員SCP-XXX-JP-B-106が突如活性化。拘束具を一部破損、逃走を試みた事件XXX-JP-B-20が発生。直後に保安要員の手で終了した。その後の実験でSCP-XXX-JP-C-1への接近によるSCP-XXX-JP-Aの活性化が確認された。SCP-XXX-JPに関する実験の禁止が提言されるも、次々と新しい特性を発見していることから、未発見の特性による大規模収容違反の恐れを理由に却下される。 |
SCP-XXX-JP全体 | 耐寒、耐熱性休眠卵 | 201█/05/15 | 顕微鏡にて虫卵の観察中、特異な卵の一群を発見。実験の結果、休眠状態と判明。休眠中は凍結や加熱、真空減圧などに対し強い耐性を持ち、胃酸に触れると活性化し休眠を解くことが判明した。この時点で焼却以外の除去手段がなくなる。 |
SCP-XXX-JP全体 | 接触感染、エアロゾル感染 | 201█/05/19 | 別のSCiP実験のため隔離拘束していたDクラス職員が突如SCP-XXX-JP-Bとなる事件が発生。その直後、事前待機していた保安要員の手で解雇し終了。後の実験により命令伝達距離が拡大していること、接触感染により容易な感染能力を得ていることが判明した。 |
SCP-XXX-JP-C | 命令伝達範囲の拡大 | 201█/05/23 | 命令伝達範囲の拡大が止まらないことから、命令伝達範囲が時間経過と共に拡大し続けるものに変異したと断定。後の実験により、SCP-XXX-JP-C-1願望に比例して拡大すると判明し現在は縮小しているものの、この時点では不明。 |
SCP-XXX-JP-A | 吐き気、嘔吐、咳嗽、くしゃみ、悪寒、発熱 | 201█/05/30 | SCP-XXX-JP-Aに感冒症様の症状が発生し感染力が増大する。一般的な薬剤にて対処療法が施行され一定の効果を得る。後の実験により、SCP-XXX-JP-C-1の願望に比例して症状が悪化すると判明するもこの時点では不明。 |
SCP-XXX-JP-A | 皮膚障害、肺水腫、肝硬変 | 201█/06/03 | 上記症状の悪化と考えられる。SCP-XXX-JP-C-1にぬいぐるみが与えられた際、これら特性が消失し願望の影響が偶発的に発覚。O5評議会より特異性獲得の遅延を目的とした作戦「XXX-JP-C-32」が認証、決行される。決行時点での命令伝達範囲は1㎞以上と推定されていた。SCP-XXX-JP-A-2561、2562を利用し、SCP-XXX-JP-C-1の誘導及び輸送に成功。封じ込めが完了する。 |
補遺1: SCP-XXX-JPに関連する音声記録を参照したい場合は、以下から閲覧可能です。
SCP-XXX-JPに関連する音声記録の抜粋
補遺2: SCP-XXX-JP-C-1の成長に伴い、特異性獲得防止が再び問題となる恐れが指摘されています。現在、SCP-XXX-JP-C-1はSCP-XXX-JP-B-2561、2562との再会に満足し財団に比較的協力的です。この状態は現在1年以上安定しており、教育による精神矯正によりその効果は持続しています。しかし、SCP-XXX-JP-B-2561、2562の自我が既にないとみられること、現在背面から栄養点滴されているものの、SCP-XXX-JP-Bはいずれ心肺停止により死亡することからこの状態は持続せず、大規模な収容違反になると予測されています。また耐NBCスーツによる感染防止効果もいずれは無効化してくるとみられ、その対応が検討されています。
タグ予定:keter scp-jp 国内収容 寄生 生物災害 伝染性 適応
SCP-XXX-JP-C-1へのインタビュー音声記録XXX-JP-8
対象: SCP-XXX-JP-C-1
インタビュアー:█████研究員
付記: 回収から█日経過。この時点ではSCP-XXX-JP-C-1は支配能力を持つ少女として認識されており、その正体が寄生虫であることなどは判明していませんでした。これには住血吸虫の検出が非常に困難であることなども関連しています。
<録音開始,201█/04/15>
█████研究員:こんにちは、SCP-XXX-JP-C-1
SCP-XXX-JP-C-1:おじさんだぁれ?
█████研究員:私は君の担当研究員だよ
SCP-XXX-JP-C-1:あのね、違うの。えすしーじゃなくて私████っていうの。
█████研究員:(外部と連絡を取り許可を得ながら)そうか。なら████ちゃん、質問いいかな?
SCP-XXX-JP-C-1:あのね、私ママに会いたいの。ここ怖い。
█████研究員:質問に答えてくれたらそれも考えよう。
SCP-XXX-JP-C-1:ほんと? 絶対だよ!?
█████研究員:████、君が公園にいた時のことを話してほしい。
SCP-XXX-JP-C-1:違うの! 私は悪くないの!
█████研究員:分かっているよ、ただ話が聞きたいだけなんだ。
SCP-XXX-JP-C-1:えっとね、あの時風船がね。びゅーって飛んでっちゃったの。それでね、それでね。それで、おじさん助けてって言ったの。わたしどうしたらいいかわからなくてね。だから、悪くないの!
(事件の詳細を映した監視カメラの映像による補足: SCP-XXX-JP-C-1が公園付近の歩道にて、手にした風船を誤って手放し街路樹に引っ掛ける。泣き出したSCP-XXX-JP-C-1を見かけた通行人がSCP-XXX-JP-C-1に声をかけ、接触)
SCP-XXX-JP-C-1:そしたらおじさんががくんってなってね。風船をはいってしてくれたんだけどね。おじさんが変だったの。で、助けてってなってたらおばさんがひっぱってね。そしたらおばさんが守ってくれたの。
(監視カメラの映像による補足: SCP-XXX-JP-C-1と接触直後に通行人は極端な無表情を浮かべ、風船を手に取りSCP-XXX-JP-C-1に手渡したのち活動停止。SCP-XXX-JP-B-1に変異し命令に従ったと推定。異常を感じた通行人の女性がSCP-XXX-JP-C-1の肩に触れた後、自身の子供を投げ捨てSCP-XXX-JP-C-1を担ぎ上げて数m移動。このことからこの時点で付近の住民の多くが感染していたと予想される。女性をSCP-XXX-JP-B-2に指定)
█████研究員:なるほど。もっと落ち着いて喋っていいんだよ?
SCP-XXX-JP-C-1:それでねそれでね。おばさんがおうちに運んでくれたの。だけどね怖くてね止まってってなっててね。そしたらうーうーってパトカーが来てね。お巡りさんがどうしたのて。だから、おばさんがびゅーって走ってね。その時にはみんなどんどん倒れちゃってたの!
(警察職員の証言による補足: 通報を受け駆け付けた████巡査長は、SCP-XXX-JP-B-2に不審を抱き職務質問を試みる。████巡査長到着時点でSCP-XXX-JP-C-1は█名の通行人に触れ、そのうち█名がSCP-XXX-JP-Bに変異。しかし、この時点では命令伝達のために接触が必要だったため、全員がその場で活動を停止。SCP-XXX-JP-B-2はSCP-XXX-JP-C-1を下すと████巡査長と同行していた████巡査に体当たりを試み、そのまま活動を停止)
SCP-XXX-JP-C-1: お巡りさんが大丈夫? って聞いてきてね。あ、お巡りさんは一人ころんじゃったんだけどね。それで大丈夫って言って。それからおばさんが死んじゃったの! そしたら怖いおじさんが来て気が付いたらここにいたの。
(警察職員の証言による補足: この時点で異常性を認識した警察職員により財団に連絡と救援要請。付近に居合わせたエージェント███がSCP-XXX-JP-C-1を回収。エージェント███は幸運にもその時点で未感染だった。この時点でSCP-XXX-JP-B-2は死亡していないが、活動停止していたため勘違いと思われる。)
█████研究員: よくわかったよ。風船を拾ってくれたおじさんに触った時に、なにか変なことがあったりしたかな?
SCP-XXX-JP-C-1: わかんない!
█████研究員: なるほど。おばさんの時は?
SCP-XXX-JP-C-1: 同じだよ。でも肩ぐるましてもらった時に怖かったから止まってって思ったら止まったの。
█████研究員: 命令を何らかの形で受容し、その伝達には接触が必要ということか。他に何かなかったかな?
SCP-XXX-JP-C-1:んーわかんない。めい……せっしょ?
█████研究員:ああ、難しいことを言ったね。他に覚えてることはあるかな?
SCP-XXX-JP-C-1:ない! ねえ! いつ? いつママに会えるの!?
█████研究員:君がいい子にしてたら必ず会えるよ。
SCP-XXX-JP-C-1:あのね! 約束だよ! 忘れないでね! おじさんもいい子にするんだよ! 絶対忘れちゃダメだからね!! ママがくるんだ! やった!
<録音終了>
終了報告書: 録音終了から2時間後、管理外のSCP-XXX-JP-Aがサイト-8182に殺到。この理由について全員が「こちらへ向かわなければならないと思った」と供述しており、その中には██頭の犬および██匹の猫、█頭の牛、█匹の[編集済]を含みます。またSCP-XXX-JP-C-1回収地域周辺の住民███名を回収。その後の検査で全員がSCP-XXX-JPのキャリアであることが判明。ここに至りSCP-XXX-JPが寄生虫による感染症、もしくは寄生虫を媒介した何らかの現象であることが判明しました。この時点では薬剤による治療が簡易であったため、人間以外のSCP-XXX-JP-Aを研究用に残し、他は治療後Bクラス記憶処置を施して解放しています。
SCP-XXX-JP-A-2561へのインタビュー音声記録XXX-JP-20
対象: SCP-XXX-JP-A-2561
インタビュアー:█████博士
付記: SCP-XXX-JP-A-2561はSCP-XXX-JP-C-1の父親にあたります。インタビューはサイト-408内にある専用収容施設に隣接された実験室にて、防弾ガラスを挟んで行われています。
<録音開始,201█/05/10>
█████博士:やあ、SCP-XXX-JP-A-2561。気分はどうだい?
SCP-XXX-JP-A-2561:最悪の気分だよ。
█████博士:そうか。君たちが隔離されている理由はわかるかね?
SCP-XXX-JP-A-2561:病気だっていうんだろう? じゃあ、なんでうちの娘は別の場所にいるんだ? 早く会わせてくれ。だいいち、俺は健康だ!
█████博士:君の娘さん。SCP-XXX-JP-C-1の位置情報は伝えていないはずだが、何故それを確信しているんだ?
SCP-XXX-JP-A-2561:わかるんだよ! それくらい!
█████博士:何故かね?
SCP-XXX-JP-A-2561:……親の直観だ。そんなことより、この強制収容所は人権侵害だ。警察に訴えてやる!
█████博士:それはいいが。まあ、冷静になろう。もしかすればこれから行う質問次第で君たちを娘さんに合わせることも可能かもしれない。
SCP-XXX-JP-A-2561:本当か?
█████博士:努力はしよう。
SCP-XXX-JP-A-2561:怪しいな。
█████博士:SCP-XXX-JP-C-1、つまり、君の娘さんについてなにか特殊な点があったなら教えてほしい。
SCP-XXX-JP-A-2561:特にない。行方不明。つまりお前らに誘拐されるまでは病気一つしなかった。ああ、誘拐の2か月ほど前にちょっと熱を出したくらいだな。
█████博士:詳しく聞かせてほしい。
SCP-XXX-JP-A-2561:熱を出して下痢しただけだよ。あー……思い出してきたな。ちょっと前に田んぼの脇の用水路で泥だらけになって、その時に水でも飲んで腹を壊したんだろうってことになってた。
█████博士:! その場所は? この地図で示せるか!?
(自宅付近の地図を見せるとSCP-XXX-JP-A-2561はある地点を示す。この地点をXXX-JP-C-21地点に指定)
SCP-XXX-JP-A-2561:ここだ。だいたいの位置だがな。
█████博士:ありがとう。これでこの病気の大きな進展があるだろう。中間宿主の特定ができるかもしれない。███研究員! 至急、現場付近に待機しているフィールドエージェントへ連絡を!!
SCP-XXX-JP-A-2561:用事は済んだか? さあ、娘に会わせてくれ。
█████博士:……善処しよう。
SCP-XXX-JP-A-2561:おい、その沈黙はなんだ? 話が違うぞ! 騙しやがったな!
█████博士:おい、SCP-XXX-JP-A-2561が興奮状態だ。鎮静剤を投与しろ。
SCP-XXX-JP-A-2561:待て、頼む! 一目でいいんだ。あいつは泣いてないか? ずっと一人ぼっちだろう? あいつは真っ暗だと一人で寝れねえんだ。頼むよ! おい、待っ――
█████博士:録音を終了する。
<録音終了>
終了報告書: この後、SCP-XXX-JP-A-2561が興奮状態に陥ったため催眠ガスを噴霧し専用収容施設へ戻しました。SCP-XXX-JP-A-2561とSCP-XXX-JP-C-1の接触は収容違反の危険があるため、このインタビュー直後の時点では却下されました。
音声記録XXX-JP-31
対象: SCP-XXX-JP-A-2561、SCP-XXX-JP-A-2562
インタビュアー:█████博士
付記: SCP-XXX-JP-C-1収容移動作戦「XXX-JP-C-32」決行直前に行われた音声記録です。作戦「XXX-JP-C-32」はSCP-XXX-JP-C-1が面会を要求する両親"SCP-XXX-JP-A-2561、SCP-XXX-JP-A-2562"をDクラスとして臨時雇用。放射線遮蔽コンテナを搭載したトレーラーに配備し、未感染を確認している職員の手で収容エリア-8177内の専用収容施設へ輸送する作戦です。SCP-XXX-JP-Cの特異性獲得能力にはSCP-XXX-JP-C-1の願望の影響が多数認められるため、最大の要望である両親との生活を与えることで収容違反に繋がる特異性獲得率低下を図ります。
<録音開始,201█/06/06>
█████博士: 以上だ。何か質問は?
(説明を聞いたSCP-XXX-JP-A-2562のすすり泣く声が響く。SCP-XXX-JP-A-2561はしばらく沈黙)
SCP-XXX-JP-A-2561: ……やっとウチの娘に会えるのか。
█████博士: ああ、君たちには大変申し訳ない。彼女をなんとかすることが我々にはできなかった。タイムリミットもおそらくあまりない、このペースでいけば数年以内に人類は彼女に支配されるだろう。君たちが彼女を宥めてくれることだけが、我々に残された唯一の賭けだ。
SCP-XXX-JP-A-2561: 説明を受けてわかったよ。お前たちが事実を言っているってことが…… 多分それも事実なんだろう。取り除く努力をしたことも俺たちが死ぬことも。
█████博士: そうだ。私たちは君らに死ねと言っている。
SCP-XXX-JP-A-2561: でも、会わなきゃもっとあの子は大勢人を殺すんだろう? それは父親として止めなきゃな。
(SCP-XXX-JP-A-2562の泣き声が大きく響く。SCP-XXX-JP-A-2561はその肩を抱きしめる)
SCP-XXX-JP-A-2561: お前はあの子と会わなくてもいい。なあ、博士。俺一人でもなんとかなるんだろう?
█████博士: おそらくは…… それが長続きするとは思えんが
SCP-XXX-JP-A-2562: やめてください! あの子と会えるなら私はなんだってします!
█████博士: そうか。このトレーラーの荷台に乗ってくれ。ギリギリまであの子の影響を受けないでいられる。後のことは我々に任せてくれ。もし……もし、SCP-XXX-JP-C-1と遭遇後、自我が残っているなら、彼女を叱り、厳しく、まっすぐに育ててくれ。
SCP-XXX-JP-A-2561: それはもしできなかったらどうなるんだ?
█████博士: ……。
SCP-XXX-JP-A-2561: 良い目はみられないってのはわかってるつもりだ。
█████博士: ……答えることは禁止されている。
SCP-XXX-JP-A-2561: つまり、俺たちはあの子の教育係だろう? だから俺たちに説明なんかした。ただあの子を誘導して一緒に暮らすだけなら荷台に縛り付けときゃいい。それをしないのは、あの子が俺たちを生かすかもしれないと踏んでるってことだ。なら、もし教育が失敗した時が悲惨だとすれば、その分やる気もでるかもしれない。
█████博士: 実際、そこまでは期待していない。ワガママな暴君を宥める誕生日プレゼントとして働けば十分だ。君たちが教育係としての職務を果たせなくても我々は次の手段を考える。……ただ、君たちには同じ親として心の底から同情するよ。
SCP-XXX-JP-A-2561: そうか……。なに最後に親としての役目を果たすだけだ。同情なんてしなくていい。さあ、出発してくれ。早くあの子を抱きしめてやりたい。
(輸送、その後の待機の約2時間。その間、SCP-XXX-JP-A-2561とSCP-XXX-JP-A-2562の会話が続く)
SCP-XXX-JP-A-2561: ……騒がしくなってきたな。そろそろか。
SCP-XXX-JP-A-2562: ずいぶん久しぶりに会いますね。あの子は大きくなったでしょうか?
SCP-XXX-JP-A-2561: 流石に三ヵ月で大きくなるのは早すぎる。あ! 開くぞ! ████(SCP-XXX-JP-C-1の本名)
SCP-XXX-JP-C-1: パパ! ママ!! 会いたかったの! ずっと会いたかったの!
SCP-XXX-JP-A-2561: ████元気ニシテタカ? モウ大丈夫ダヨ。ぱぱハズット一緒ダヨ(以降、数時間に渡り似たような内容を繰り返し告げ続ける)
機動部隊隊員: こちらアルファ1、 SCP-XXX-JP-C-1をトレーラーに誘導成功。……なあ、博士。
█████博士: なんだアルファ1。
機動部隊隊員: この仕事は[罵倒語]だな。
█████博士: ……気持ちはわかる。だが、私語は慎めアルファ1。
機動部隊隊員: 了解。輸送を開始する。
<録音終了>
アイテム番号: SCP-WWW-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: その性質からSCP-WWW-JPの完全な封じ込めは困難です。毎年日本時間で11月25日02時05分から監視カメラ網、および財団管理の衛星カメラを使用するSCP-WWW-JP探査専用プログラム「天網恢恢-Ver0.602」を用いて関東圏全域のSCP-WWW-JP発生地点を割り出してください。探査用プログラムにアップデートがある場合、毎年10月25日までにアップデートを行い、模型を使用した試験を事前に済ませてください。SCP-WWW-JPの発生が確認された場合、ただちに財団職員が向かい、SCP-WWW-JP目撃者を確認次第、聞き取り調査の後にBクラス記憶処理を施し解放してください。その際、目撃者数が大規模となる等、必要であれば適宜カバーストーリー「変質者の出没」を使用してください。
説明: SCP-WWW-JPは毎年日本時間で11月25日02時04分58秒から64分17秒間に渡り、関東地域周辺のランダムな地点に発生する人間型の実体です。発生時間、および消失時間は常に同じです。現在、SCP-WWW-JPが確認された発生地点は52例あり、構造物の近くまたは内部に発生すること以外、発生地点に規則性は確認されておりません。SCP-WWW-JPは床面から30㎝ほど浮遊して出現し、最も近い壁面を指で示し続けます。この時必ず身体の向きは壁に向き合う形で出現します。指し示す方向は最も近い壁であること以外、規則性はありません。SCP-WWW-JPの顔は常に正面だけが見え、首関節の可動範囲を無視して観測者を追います。観測者が複数いる場合、全員が正面の顔を認識します。写真映像等に偶発的に映った場合も、正面の顔だけが確認されます。SCP-WWW-JPは常に無表情を保ちますが、03時08分12秒に表情を変え、その3秒後消失します。
SCP-WWW-JPは出現のたびに毎回違う人物が出現します、肌が異常に白いこと、目の下に濃いクマが確認されること、手術衣のような緑淡色の服を着用していること以外に共通点はありません。確認している限りでも年齢身長性別が全て異なります。顔写真での身元の特定は9件判明していますが、多くは過去や未来の人物を含み、規則性はみられませんでした。稀ながらSCP-WWW-JPが出現時から負傷していることがありますが、その際流血等は見られず、その理由や関係性は不明です。SCP-WWW-JPに対する破壊の試みは現在まで全て失敗しており、ヌープ硬度試験等の測定結果が常に機器の限界を超えて測定不能となることから、外部からの干渉を完全に遮断していると予想されています。SCP-WWW-JPは壁を指し示す、最後の3秒間表情を変化させる、以外の行動をとることはなく、知性および感覚等の存在については今のところ不明です。SCP-WWW-JPが指し示す方向の調査はすでに行われていますが、壁や建築物の内部等に異常は発見できませんでした。目標が外宇宙である可能性や、発生中の壁内に異常がある可能性等が指摘されていますが、予算の問題や消失前の現場到着が困難である点から現在確認中です。
SCP-WWW-JPは1924年に初めて財団がその存在を認知し、以降、断続的に観測されています。その出現地点予測が非常に困難かつ広範囲に渡ることから、現在、確実な観測・研究ができていません。現時点で、財団がその存在を各節的なものを含む確認例は52例。その内直接確認しているのは24例で、最後の直接確認例は2013年の発生です。現在、人工衛星と監視カメラ網を使った検索プログラムを開発していますが、容姿が毎回極端に異なること、範囲が広すぎることなどを理由に開発は難航しており、確実な発見に至っておりません。現バージョンVer0.589602では、全データから可能性が高い順に5000件1000件程度まで絞り込むことが可能です。特別収容プロトコルの改定案がある職員は、担当の研究主任へ連絡をお願いします。
インタビューWWW-JP-20
対象: SCP-WWW-JP-8の目撃者、WWW-JP-8-1に指定
インタビュアー:エージェント█████
付記: SCP-WWW-JP-8は1974年に発生したSCP-WWW-JPです。発生地点は東京都███区にある高架下。コンクリート製の柱を指し示す形で出現しました。SCP-WWW-JP-8の容姿は、20歳後半の成人男性に見え、腹部に大きな損傷があり、衣服に付着した多量の出血痕と臓器の過剰な露出がありますが流血はしていませんでした。SCP-WWW-JP-8の目撃者、WWW-JP-8-1に対して偶然付近に待機していたエージェント█████により、聞き取り調査が行われました。当時の特別収容プロトコルでは早期発見には至らず、警察機関への通報により発生地点が判明しております。
<録音開始,1974/11/25>
エージェント█████: あなたが先ほど、高架下でなにを見たのか、教えて下さい。
WWW-JP-8-1: あんた、警察かい? 俺は今酔ってるわけでもシャブをキメていたわけでもないぞ? なのに幻覚をみたんだ。ただそれだけだ。ちょっとどうかしてたらしい。
エージェント█████: 警察とは似たようなものです。逮捕等はしませんので、その幻覚について詳しく教えていただけませんか?。
WWW-JP-8-1: 宙に浮く人間だ。気持ち悪いくらい肌が白くて……なんだっけ? 手術する時に医者が着る服みたいなのを着てた。
エージェント█████: それは何をしていましたか?
WWW-JP-8-1: こっちをじっと見ながら、柱を指差していた。顔がやけに不気味だったな
エージェント█████: なぜそれを幻覚だと思ったんですか?
WWW-JP-8-1: 最初、浮いてるのは目の錯覚かなにかで、ただ、気持ち悪りぃ奴もいるもんだって思ったんだ。だけど、違った。奴は真後ろをみていたんだ。振り返ってたわけじゃねえ。首がねじれたか逆にくっ付いたみたいに背中を向けてこっちを見てたんだ。
エージェント█████ 幻覚はその他に何か行動をしましたか?
WWW-JP-8-1: いや。ただじっと見つめてくるだけだった。ふと振り返って見つめられていることに気が付いた時、俺はかなり近くにいて、あまりにも異常だったから、その……虚勢を張るためにそいつに詰め寄ったんだ。
エージェント█████: なるほど。その際、幻覚にはなにか変化がありましたか?
WWW-JP-8-1: 全く。何の変化もなかった。ただ、こっちに顔を向けてじっと見つめてきた。俺はその態度に何かが吹っ切れて、そいつを思わずぶん殴ったんだ。奴は鋼鉄みたいに硬くて手が折れるかと思ったよ。あれが幻覚なら、なんか勘違いしてコンクリートでもぶん殴ったのかもしれねえな。
エージェント█████: その推測に関しては、後ほど解明いたしましょう。その後はどのようにし、現場を立ち去りましたか?
WWW-JP-8-1: 奴はその間もずっと無表情でなにが言いたいのかさっぱりだった。それからどれくらいだろう? 1分くらいだと思うが、やけに長く感じたから1時間くらい経ってるかもしれない。それくらい呆然としていた頃に、奴は突然ニタァと笑って、それからふっと消えちまった。俺がびっくりしてたらあんたが走ってきた。それだけだよ。
エージェント█████: なるほど。ご協力感謝いたします
WWW-JP-8-1: なあ、これ職質ってやつだろ? だったら、なあ、おい、ちょっと待――
<録音終了>
追記1,1974/11/25:このあとWWW-JP-8-1はBクラス記憶処置を受け、解放されています。
追記2,2007/12/08:SCP-WWW-JP探査プログラムの開発中、SCP-WWW-JP-8が財団職員█████と酷似していることが偶然判明しました。しかし、財団職員█████は発生当時2歳であり、彼はこの高架下を訪れた経験がありませんでした。腹部の損傷との関係は不明です。
追記3,2010/08/02:財団職員█████はSCP-███-JPの収容違反時に死亡しました。その際、腹部に大きな損傷があり、臓器を露出させていたことが判明しております。身元が判明している中には他にも似た事例があり、SCP-WWW-JPは未来または過去の人物をランダムに模倣しているとの意見があります。また、SCP-WWW-JPが模倣対象の死亡時の姿であることは、過去の人物を模倣していることから否定されています。
safe scp-jp 未収容 破壊不能
執筆補足:極めて規則的なのに、理解の糸口さえよくわからないナニか。というものが、一番怖い気がして作りました。
調べてわかる点はピンポイントかつ毎回同じ。毎回違う点は規則性がなく大幅に変化する存在です。
そのため、あえて██や[データ削除]をあまり使わずに書いています。ここは消した方がいいという指摘を募集。
タブはなに付けたらいいんですかね?
書いておいてなんですが、ミスター・ネタかぶりの予感がします。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはサイト-8181の危険物収容室に電源を抜いた状態で収容されています。SCP-XXX-JPは鉄製の鎖を2重に巻きつけ扉が開かないことを確認した上で、南京錠にて施錠してください。また、収容室内に豆腐を持ち込むことを禁止します。
説明: SCP-XXX-JPは一般的な形状の家庭用冷蔵庫です。1980年代の製品とデザインや機構が類似していますが、一致する製品はなく製造元は未記載のため不明です。調査の結果、金属部に一部に未知の金属が含まれていることが判明しています。SCP-XXX-JPの特異性は庫内に豆腐類を収容した際に発生します。SCP-XXX-JP内に入れられた豆腐類はおおよそ10分後に変化を始め、Trypoxylus dichotomus(カブトムシ)の頭部に酷似した角状の物質SCP-XXX-JP-Aを上部近辺から発生させます。豆腐そのものに変化はないため微細な衝撃で自壊しますが、その際、SCP-XXX-JP-Aは容易に取り外すことができます。豆腐以外の物品を収容した場合は、通常通り作動します。
SCP-XXX-JP-Aはらせん状に積み重なった数種のカーボンナノチューブで構成され、その性質上、高熱以外での破壊は困難です。質量はSCP-XXX-JP-Aの質量分増加し、おおよそ3時間ほどでSCP-XXX-JP-Aの発生は完了します。SCP-XXX-JP-Aの発生はSCP-XXX-JPの扉を閉めている間だけ進行し、電源が入っていなければ進行しません。角の質量をどこから得たのかは不明です。発生が完了したSCP-XXX-JP-Aの先端は非常に鋭利であり、SCP-XXX-JP-Aが人間の頭部に接触し負傷を与えた場合、対象は即座に死亡します。この時、負傷の程度は影響せず、2㎜ほどの裂傷であっても特異性が確認されます。解剖の結果、死因は全てが多量の脳出血と断定されています。他の生物または生物以外の対象には特異性を発揮しませんでした。
████県████市内の小学校にて連続突然死事件XXX-JP-Aが発生。その死因が全て脳出血であったため財団の目に留まりました。調査の結果、小学校の生徒█████氏が所持していたSCP-XXX-JP-Aのみが回収され、█████氏はBクラス記憶処置を受けました。しかしその2週間後、同様の事件XXX-JP-Bが発生。█████氏が2本目のSCP-XXX-JP-Aを所持しており、SCP-XXX-JP-Aの入手方法を尋ねると事件XXX-JP-A時点とは異なる「冷蔵庫に入っていた」との証言を得てSCP-XXX-JPが回収されました。█████氏の両親によりSCP-XXX-JPはリサイクルショップで購入したとの証言があったため、現在製造元の追跡調査が続けられています。
実験記録から一部抜粋
以下の実験は、自壊した豆腐から取り出されたSCP-XXX-JP-Aを使用して行われます。また、倫理的な観点から、Dクラス職員は麻酔で昏睡させた上で拘束し使用されます。
実験記録 - XXX-JP-2
対象: Dクラス職員D-0712
実施方法: D-0712の頭部にSCP-XXX-JP-A先端部を勢いをつけて接触させる。
結果: D-0712の頭部に2㎜ほどの裂傷を確認。その約2秒後D-0712の死亡を確認、解剖の結果、脳出血と断定されました。
分析: XXX-JP-Aの再現に成功。対象にSCP-XXX-JP-Aをぶつければ即死するらしい。
実験記録 - XXX-JP-8
対象: Dクラス職員D-0722
実施方法: D-0722の頭部にSCP-XXX-JP-A後端部を勢いをつけて押し付ける。
結果: D-0722の頭部に2㎜ほどの裂傷を確認。その約2秒後D-0722の死亡を確認、解剖の結果、脳出血と断定されました。
分析: どうやら頭部の負傷がトリガーのようだ。単に接触させるだけでは、鋭利とはいえ傷つかないし、後端部であっても傷がつければ対象は死亡する。
実験記録 - XXX-JP-15
対象: Dクラス職員D-0728
実施方法: ロボットアームにSCP-XXX-JP-Aを固定。ロボットアームを操作しD-0728の頭部にSCP-XXX-JP-A先端部を押し付ける。
結果: D-0728の頭部に刺傷を確認。その約1.5秒後D-0728の死亡を確認、解剖の結果、脳出血と断定されました。
分析: 人間の手で操作する必要はないようだ。投げつけてもいいし、今回のようにロボットアームでも作動する。
実験記録 - XXX-JP-19
対象: Dクラス職員D-0732
実施方法: D-0732を壁に固定。転倒時に頭部が接触する位置にSCP-XXX-JP-Aを設置し、固定器具を開放。
結果: 4度目にD-0732は予定位置へ転倒。D-0732の額に刺傷を確認。その約2秒後D-0732の死亡を確認、解剖の結果、脳出血と断定されました。
分析: 偶然頭にぶつかっても死ぬようだ。カーボンナノチューブ素材は工業的な価値があるが、死人が出る以上、よほどのことがないと使えないな。
実験記録 - XXX-JP-22
対象: Dクラス職員D-0735
実施方法: D-0735の頭蓋を外科手術にて切除。大脳皮質を露出した状態で、額にSCP-XXX-JP-Aで刺傷を作り、脳出血の経過を観察する。
結果:〔編集済み〕
分析:〔編集済み〕
タグ:euclid scp-jp 国内収容 道具 物理法則
執筆補足:豆腐の角に頭をぶつけると死ぬ
どうしようもないアイディアでごめんなさい(本家投稿時にこの補足は消去されます)
アイテム番号: SCP-YYY-JP
オブジェクトクラス: Safe Euclid
特別収容プロトコル: SCP-YYY-JPを露出部がないよう不透光性の布で全体を3重に包んだ上で梱包用の紐等を用いて結束し、サイト-8181の低危険物収容ロッカーにて保管されています。移動・保守の際は必ず結束している紐の状態を確認し、問題があれば交換してください。また、SCP-YYY-JP-Aを撮影する行為を禁止します。
追記:SCP-YYY-JP-A-2はサイト-8181の仮設人型生物収容室で保管されています。SCP-YYY-JP-A-2は耐荷重2t以上の特設ベッドを用い、その身体を拘束具にてベッドに固定します。そのためSCP-YYY-JP-A-2は介護を必要としますが、その介護には一般職員を用いSCP-YYY-JP-A-2をなるべく視認しないよう行ってください。点滴等の交換点検時には点滴とSCP-YYY-JP-A-2の間に衝立を設け実施します。賞賛等の筋肉を褒める行為発言を禁じます。SCP-YYY-JP-A-2は元財団職員であり、財団に対して非常に協力的なため、研究内容引き継ぎ用の携帯電話の所持が許可されています。
説明: SCP-YYY-JPは高さ1.8m、幅0.4mの全身鏡です。付属されたスタンドなどはなく、壁に立てかけ固定する使用方法をとります。SCP-YYY-JPに映る自身の姿を見た人物はSCP-YYY-JP-Aに指定されます。映像や写真等、間接的な目視でもSCP-YYY-JP-Aとなりますが、自身の一部分以上がSCP-YYY-JPに映る必要があります。人間以外の生物には影響がありませんでした。SCP-YYY-JP-Aとなった人物は即座に衣服を脱ぎ捨て、男性であれば股間部以外、女性であれば胸部と股間部以外を露出するとSCP-YYY-JP、もしくは手短な鏡等で自身を写しながらボディビルのポージングと似た姿勢をとろうとします。これを第一段階と指定します。姿勢はSCP-YYY-JP-Aの知識に依存し、必ずしもボディビルの基本ポーズに則るわけではありません。ダブルバイセップス・フロント、もしくはサイドチェストが多くみられますが、これは知名度によるものと思われます。SCP-YYY-JP-Aは一つの姿勢につき数秒から数分間維持してから、また別の姿勢をとることを繰り返します。第一段階に至った場合、その影響はBクラス記憶処理にて取り除くことができます。
第一段階をおおよそ1時間程度様々な姿勢変更を繰り返したSCP-YYY-JP-Aは自身の体形に不満を持ち始め、その場でトレーニングを開始します。これを第二段階と指定します。第二段階に至ったSCP-YYY-JP-Aは指示を受けるなどした場合、その指示に従い行動しますが可能な範囲でトレーニングを試みます。トレーニング内容はSCP-YYY-JP-Aの知識に依存し、ボディビル等の身体トレーニングに詳しい者ほど、それに近い適切なトレーニングを優先するようになります。器具があればそれを利用してトレーニングを行い、なければそのような器具を入手しようと試みます。充分な知識を持たない場合、不適切なトレーニングを実践しようとし、その際の、危険行為により実験中█件の死亡例が発生しています。知識の不十分なSCP-YYY-JP-Aに対し、事前に教育を行うことで適切なトレーニングへ矯正できることが確認されています。第二段階おおよそ24時間継続したSCP-YYY-JP-Aは、次第に体脂肪率が大きく落ち、正常な範疇を大きく超え首から下の筋肉を膨張・肥大化させた体型へと変わります。この時必ず身長も伸長し、第二段階を終えた時点で平均して身長2██㎝、体重1██㎏程度まで成長します。充分に知識がない、器具が入手できない等の理由で、十分なトレーニングが実施できなかった場合でも同様の異常成長が確認されていますが、その成長は非常に遅れ、72時間以上に及びます。SCP-YYY-JP-Aが第二段階に至った場合、その影響はAクラス記憶処理でも取り除くことができませんでした。
充分に肥大化したSCP-YYY-JP-Aは、鏡の前で前述と同様の姿勢をとり確認を行います。この際、自身の体形に満足すると第三段階に移行します。この時点でSCP-YYY-JP-AはSCP-YYY-JPを見る前の意識を取り戻します。第二段階中の記憶は残っていますが、多くの場合、SCP-YYY-JP-Aとなる以前の美意識に従い肥大化した身体に後悔する姿が見受けられます。この時点で影響受ける以前に生活習慣を戻しても体形は一切変化しなくなります。第三段階に至ったSCP-YYY-JP-Aが不老であるかどうかは現在確認中です。第三段階に移行したSCP-YYY-JP-Aは、目視した人物の美意識を一時的に変化させ、SCP-YYY-JP-Aの体型は素晴らしいと認識させます。この効果はSCP-YYY-JP-Aの筋肉の隆起量および皮膚の露出量に比例して強くなることが判明しており、また、写真や映像等の間接的な目視でも発生します。この効果は最も強力な時であっても意志により抵抗が行え視界から外れた時点で即座に消失しSCP-YYY-JP-A自体には影響を与えません。
補遺:回収の際にSCP-YYY-JPの影響を受けた███研究員(以降SCP-YYY-JP-A-2)は、現在、第三段階に至りサイト-8181にて職場に復帰していますの人型生物収容室にて保管されています。またSCP-YYY-JP-A-2には筋肉隆起の激しい姿勢、および裸体を可能な限り控える指令が通達されています。SCP-YYY-JP-A-2を対象として影響前の状況に戻す試みは、本人の希望により保留されています。現在、全て失敗に終わっており、外科的な摘出が検討されていますが認識変化により困難が予想され、対応を検討中です。
追記:第三段階となったSCP-YYY-JP-Aは筋肉の肥大に必要な行動(具体例としては身体トレーニングを追加継続する、食事を行う、十分な睡眠等)をとることで、更なる筋肉の肥大化を招くことが判明しました。SCP-YYY-JP-A-2は現在体重を███㎏まで肥大化させ、自力での移動が困難となっております。ベッドに拘束した上で点滴による栄養補給を行い、脳波を計測し10分以上の睡眠を妨害することでその成長は急激に低下し体型の維持が可能ですが、その状態であってもわずかな成長が確認されています。また、筋肉の肥大化に伴い目視した人物の美意識を変化させる強制力が回避不能になりつつあり、対応を急いでいます。
タグ予定:safe scp-jp 国内収容 道具 認識災害 視覚 強制力
執筆補足:限りなく-Jなのでどう変更・追加したらいいか悩ましい。
当初のオチはものすごくどうでもいいんだが、図体がでかくなるくせに顔と[編集済]は小さいままなんだな。そりゃ戻りたくなるわ。――エージェント████でしたが、下品すぎてやめました。(本家投稿時にこの補足は消去されます)
ネペンテス型SCP:要するにウツボカズラのSCP。N.jamban(和名なし、シャンパングラス型の袋を付ける)の近縁種で、内溶液を飲むよう誘い相手を殺して栄養……にしたら、根が肥料に弱いから枯れる。
蓋の裏にある蜜を、特記すべき栄養がないにも拘らず他の動物は何故か舐めたがり、なめた動物の多くはその場で脱糞するため、袋に糞を集めて栄養にするという、N.lowiiってSCPモドキが実在するからそっちに引きずられる。
下痢してしまう→便器型の袋へ排泄→常習性がある→繰り返すうちに謎の生き物へ→そうなると他の獲物を探し出す→問題は収容が異常に難しい(高地性ネペンテスは野生下では育つが、栽培は困難を極める)とか?
純粋製造機:見た目は普通の逆浸透膜浄水器だけど、対象物をろ過すると純粋無垢なものが得られる。きれいなジャイアン的な。でも本体は水での使用方法と同様に対象に高圧をかかって生き物なら死亡して、偽物が手に入る。どうやってろ過器に人間詰め込むかな?
痴漢多発地帯:特定の時間だけ男性の外套および制服以外の服が消える道。警察官は除外されるからどんどん冤罪が出てくる。男性にとって最も恐ろしいSCPかもしれない。
死体型SCP:昔見た首吊り自殺体は怖かったな、という印象をなんかうまくSCPにまとめたい的なあれ。
アイコンの青いトカゲ:長所は飼ってるペットだから簡単に撮影できて欲しい写真をつけられる。欠点はこいつは人慣れしすぎてて怖いところがイメージできない。
僕が向いてない説:恐ろしいSCPでも生物型だと、どうやったら自宅で維持管理できるか考えちゃうあたり、知識がある生き物関係は逆に恐怖がマヒして怖くできないかも。一般的に無理と思われるだろうライオンやワニや大蛇も飼えると思ってるし、飼うための知識もあるしなぁ。
僕が向いてない説2:幽霊を見ると、二度見して近寄って聞いて嗅いで触って枯れ柳だと判断してしまう性格がネック。ホラーというのは恐怖を形にする物なので、恐怖が薄い僕は向いていないのではないか? 逆に言うとそこを意識しないといいものが作れない。具体的には幽霊よりもヤ○ザが怖い。→じゃあヤク○をモチーフにしよう。という形。クトゥルフだってラブクラフトの海鮮物への恐怖でできてる。
藪蛇博士の生物関連教育セミナー記録
えー、では、本日の講義を始めます。新人の皆さんはあと半年で研修も終わりますので、定期的に顔つき合わせる退屈な講義もようやく折り返し地点です。頑張って耐えてください。
はいそこー、無駄話なら挙手して講義室の外へ出なさい。それが報告書に関する内容だとしてもです。
眠い? 任務で徹夜続きなのは同情しますが、この講義内容は生物収容サイト利用時に必修なので、耐えてください。
ごほんっえっと、今日は先日配布した資料3-12を開いて……はい。
本日は動物型SCPにおける収容管理の問題についてお話します。
まあ、ここにいる方々の一部はすでにご存じだと思いますが、知らない方のためにある講義です。
ただし、詳しいからと言って寝たりしないように、居眠りは講義室の外でお願いします。
いいですね?
まず、多くの生物型SCPは特別収容プロトコルが「これで正しいのかわからない」という問題を抱えていることを、この半年で多くの方がご存じでしょう。
ただし、正しくなくても、おそらく収容違反は起こらないでしょう。ですが、彼らを「長期に渡って生かすことができるか?」この点に置いて多くの疑問を残しながら、現場裁量によって都度変更を加えているのが現状です。
なぜこのようなことが起こるのか? これは至極単純で、例えばえー、そこの君。君の専攻は分子系統学だったね? 生物学の今最も盛んな分野だ。では、スズメの飼育方法を繁殖に至るまで答えてみなさい。
うん……
うん……
はい。はい。よろしい。座って。
はい、彼のように生物学に長けた学者であっても、家畜以外の動物で特定のとある種、その中でも特に繁殖に関しては知らないということが多いのです。しかし、これを彼の努力不足と批難するのは間違いですね。
なぜなら私も知らないから。おそらく世界中の誰もが知らないでしょう。
意外にも身近な動物でありながら、スズメの繁殖生態はよくわかっていません。ありふれすぎて動物園などでも飼育されてませんし、一般人での飼育例もほとんど知られていません。日本だと野鳥は捕獲禁止だしね。
だから、人工繁殖に成功した人がたぶんいません。簡単なのか難しいのかもわかりません。
元々動物の研究ってのは、家畜なら進んでいるんですが。逆に人間に直益がない動物は全然進んでいないんですね。
特に節足動物だとか爬虫類だとか、淡水魚、腹足類や環形動物は未知の世界です。獣医学なんかも動物ではなく家畜のための学問で、爬虫類を診れる獣医ってのはたいてい趣味と独学で学んだ人たちです。
全生物の内、8割以上の種は研究の専門家がほとんどいないわけです。現在、日本で最も有名な爬虫類研究所は、文学部出身のマニアが作ったアマチュア研究所というくらいです。研究機関がないのだから当然、専門家はいません。
動物ではありませんが、遺伝子組み換えを使わず交配のみで生み出された現時点で最も青いバラの品種もアマチュアの手で作出されました。青龍というこの品種からバラ属初の青い色素が発見されています。
対して、人間の専門家、医学者は何万といるにも関わらず未だ研究中です。ですから生物の世界は素人が本業の合間であっても本気で調べれば新しいことの一つ二つすぐに見つかる程度の暗闇です。
具体例としては、とある小学校の理科教師が「希少で河川の下流に棲み、幼生は最大21㎜、産卵数が平均130個」と知られていたナガレタゴカエルの情報がすべて間違っていたことを論文で発表しました。
「生息数が日本では現在最も多い種の一つ、やや上流に棲み、幼生は平均30㎜、産卵数は130-300個」が真実です。
かつて海外の学者さんが日本に来た際に短期的に調べて発表したが、実はもっと上流にうじゃうじゃいた。というのが真相ですが、以降日本には両生類の専門研究者が一人もおらず、誰も訂正せずに数十年放置されて、しかも図鑑の誤字脱字が事実としてネットに拡散。情報が錯綜して誰もわからなくなったカエルでした。
日本一生息数の多いかもしれないカエルでそれです。いくら莫大な資金力を持つ財団でも存在しない人材を確保することはできません。
私の専門は爬虫類、特にキノボリトカゲですが、両生類どころか魚類や節足動物、環形動物まで担当しています。工業で言えば、船大工にC言語のコンパイラ仕様について尋ねるくらい分野が別です。ですので詳しいことがよく分からないまま経験則で挑戦していたりします。
はい、そこ寝ない。顔を洗ってきてもかまいませんよ? はい。いってらっしゃい。
ところが、テレビではたまに爬虫類専門家として出てくる人たちがいますね。彼らは半数以上が博士号を持ってない、ただの爬虫類マニアのアマチュアです。
といっても、飼育に関しては学者よりずっと詳しいし、学術的には素人といえど、動物問屋や爬虫類専門店を経営してたりするし、学者との交流もある。世界で誰も成功してない種の繁殖に成功してるマニアは、ニュースにならないだけでたくさんいます。
更に爬虫類を専門にしている生物学者でも、特定のとある種となると、その種のマニアの方がまず詳しい。哺乳類と一口にいっても、犬とクジラとネズミと様々いるように、爬虫類にもカメヘビトカゲとたくさんいますからね。
ですが、SCPというのはそんな事情を無視して突如出現します。血統維持が重要な奴らも一部いるのです。感染検査に抗原が必要なため、複数個体生かさなければならない寄生虫なんかがそうです。不老不死なら飼育は楽ですね。でも、人工繁殖の成功例がない種と似ていることは、動物型の場合、無視できない数がでてきます。それらの繁殖に関しては我々の試行錯誤が必要になるわけです。
そのため、生物型SCPの保守職員の方々には多くの元アマチュアが在籍しています。
趣味でプログラミングを学ぶアマチュアであっても、C言語に詳しくない船大工としては神のような存在です。彼らなくして生物型SCPの収容はありえません。
これらに関連して、特別収容プロトコル制定の問題がありますね。例えば、昼行性の昆虫食トカゲ。彼らをカルシウム不足で殺さない方法を知っている方はいますか?
はい、前から2番目のそこの君。
そう、ダスティングですね。よく知ってるね? 君、なんか飼ってる? ああ、レオパか、なるほどね。
ダスティングとは、つまり、餌昆虫にカルシウム粉末や各種ビタミン剤を振り掛けて与えることです。
昆虫食の動物はほとんどが生きた虫しか食べませんが、昆虫は種によって栄養価が大きく異なり、対して人工環境で与えられる昆虫は限られています。人間と同じ。毎日ハンバーグでは体調を崩すのは当たり前なわけです。ですが、彼らにバリエーション豊かな食事を供給することは困難を極めます。
そこでコオロギや最近ですとローチ。要はゴキブリなどの虫餌は栄養剤で補正して与えるわけですね。爬虫類だけでなくふりかけが使える多くの種がこの栄養添加を使用して飼育されます。
ちなみに、ミルワームは消化が悪いのと栄養バランスが悪いため、今はあまり使いません。覚えておいてください。あれは食事を拒否した時だけ与えるオヤツです。
余談ですが、爬虫類。特にヘビは食に異常なこだわりをみせます。これは絶食に極めて強いことが影響します。たいていの健康な爬虫類は体格にもよりますが、小さくても一か月程度の絶食で健康を損なうことはありません。
そのため個体差や種族差が激しいですが、好まない餌のみを与えた場合や強いストレスを受けた場合、餓死するまで拒食を続けることは珍しいことではなく、また、一部は温度を視覚で把握するため、体温を持たない餌に関心を持たない事もあります。
ストレスに弱いのは、みなさんプレッシャーでお腹を下すことがあるでしょう? 爬虫類は体温がない分、消化にエネルギーの大半を使うため、お腹を下すことは生死を掛けた危険な症状です。吐き戻しも同様ですね。ストレスから消化器官が弱った場合、即座に拒食につながりますので、隠れ家等は必ず設置します。飼育環境自体がストレスで、好まない餌を食べないため栄養失調を起こすこと例もよくあります。
さて、話をカルシウムに戻しまして、ダスティング以外の手段では、紫外線があります。紫外線の中でも特定の波長。UV-Bを利用して爬虫類はビタミンD3を生成します。ビタミンD3はカルシウムの吸収に関係する栄養素で、この波長の紫外線がなければクル病というカルシウム欠乏症により死んでしまいます。
栄養剤によるビタミンD3は自己生成するビタミンD3と成分が異なることにも起因します。
しかし、UV-Bは一般的なガラスやアクリルでは99%以上遮るので、爬虫類用のUV-Bを照射する照明や直射日光による週1の日光浴が求められるわけです。
その他、保温の仕方や湿度の維持、収容ケージの通気性や広さ。日光浴中の熱射病回避方法。季節に合わせた冬眠の準備など、種によって様々な対応が求められ、細かなコツまで含めれば無数にあります。
エアコンのちょっとした温度設定、湿度の調整、通気性の確保が人間には何でもない範囲で命取りになる種もいます。実験が難しい理由です。
そこで、例えばニホンカナヘビに近縁とみられるSCPの収容プロトコルに「60㎝×30㎝×30㎝の密閉されたアクリルケースで収容し、通年の保温を確認し、給餌にはミルワームを与える」と書かれていたらどうなるでしょうか?
気体を媒介した何らかの特異性を持っていた場合でも、これは不適切だとわかります。
まず、通気性は爬虫類にとって死活問題のため蒸れ死ぬ恐れがあり、ニホンカナヘビは多種多様な餌を必要とするため栄養失調の危険もあって、更に保温屋内飼育を試みると何故か難易度が跳ね上がる種であるため、このSCPは短ければ一週間、もって半年でしょう。
特に蒸れは急性症状なため、一日目に致命的状況に至る可能性は高いです。
これら人工的な環境での飼育法というものを、専門の学者であっても案外知りません。研究者の領分は野生下での観察であり、じゃあこの種の魚を水槽で飼うとどういう問題があるのか? というものは、養殖しない限り通常考えないためです。
まあ、たいてい自分の専門分野であればデータから飼育手順を思いつきますが、その手法はマニアが数十年試行錯誤した経験に劣ります。
日用品のこれを使えば確実に飼えるといった意外な方法で安価にクリアしているか、逆にその方法だと最初はよくても経年劣化とともに問題が起きて失敗するため、数千倍の値段だがこれを使うべき。そんな経験則ですね。
特に先ほどのように、財団には船大工はいてもプログラマを抱えていないことがたびたび起きるわけです。そのため、同じ工業だからという理由で船大工がプログラミングをすることは多々あります。
ん? はい、なんでしょう?
はい……うん。わかった。顔を洗ってきたなら、早く席に着きなさい。報告はいりません。
で、えーっとどこまで行った? そうそう。ここまで現状を把握したのなら既に思いついているでしょうが、問題になるのは、船大工がどれだけC言語の現場を知っているか?
つまり、報告書の執筆者がマニアの情報に詳しいか? そして、これら収容プロトコルは、スペシャルか? という話です。
爬虫類型SCPの収容方法で、紫外線について言及していない報告書はたくさんあります。
しかし、保守職員は優秀なのできちんと紫外線を照射する照明を使い、ケースの天井に穴をあけます。
そう、保守職員の方々は優秀なのです。ですから、研究員の方は踏み込んで書かないでください。
例えば元獣医の研究員の方が、先ほどのダメな例、カナヘビに近縁なSCPに「飼育ケージの素材を全面アクリルで密閉」と指定した場合、保守職員からすぐさま連絡と修正案のやり取りがなされますが、その間にSCPは致命的なダメージを負い終了してしまうかもしれません。
この時「アクリル製で60×30×30"以上"のケージ」と書いたならば、保守職員は90×45×45の天板と側面に十分小さな穴を開けたケージを持ち出し、飼育してくれるでしょう。
保守職員はプロです。学者という意味ではアマチュアでも、飼育員としては学者を遥かに超えます。彼らは柔軟に対応してくれるため、書かなくても問題が起きないのです。
保守職員には人間に飼われた歴史がない動物を趣味で飼育している方が多数在籍し、初めて見る種でも観察と情報と知識と試行錯誤の末に、禁止事項さえわかっていれば何とか維持方法を思いつく、と考えてください。
しかし、時に彼らと研究員とで意見を違うこともあります。これらの飼育方法は大部分が飼育者の勘を頼りに形成されており、明文化していない技術や手法もたくさん……例えば生体の肌の質感で湿度を調整する、なんて職人芸は熟練の飼育マニアでないと難しい手法ですね。それら手法は感性頼りで明確な基準がないためです。
これは爬虫類だけでなく、両生類、一部の鳥類、クモ類やムカデ類といった節足動物、昆虫類でも特にゴキブリや高山性のクワガタ、淡水貝、粘菌、それらの飼育、繁殖方法は、その分野のマニアでないと手に負えず、時に絶望的だったりします。
いいですか?
たとえ、研究員であるあなたが生物学者であり、その動物の生態や器官に詳しくても、飼育に関しては保守職員に負けると自覚してください。特別収容プロトコルは、飼育経験がないなら極力シンプルに書いてください。保守職員の方々に混じったその分野のマニアが柔軟に対応してくれます。不用意に踏み込めば、意外な部分がその生物型SCPの命を奪います。
まあ、それでも「この種は人工環境だと、野生下と極めて異なるこの飼い方をしなければ何故か死ぬ」という例は多数あるので、変な禁則事項を踏むことはあるかもしれませんが。
逆に保守職員はもしその収容プロトコルに問題があれば、すぐさま報告を。あなたが詳しい分野は、あなただけがその間違いを指摘できると思ってください。これは他の分野のSCPと決定的に違うところです。
保守職員が研究員に対して収容方法に関してのみ「それは誤りです」と言える発言・問題提議権を強く持っています。でなければ、生物型SCPというのはまともに収容できないのです。
これは生物学における、お金にならない、興味を持つ人が少ない、学問の分野の壁、生き物は個体差から柔軟な対応を求める。
そういった部分から生まれた問題です。生物飼育に関わるならどこの業界も抱えている問題でしょう。
長年、動物園やその他の仕事で飼育に関わってきた方は、それをよく理解しているかと思います。うなづいている方もちらほら見るね。うん。私も苦労した。
優秀な人材を集めるのに十分な資金力を持つ財団も、専門家が必要数存在しない分野では慢性的な人材不足というわけです。
というわけでー、本日のまとめです。
・生物型SCPの特別収容プロトコルは、長期飼育、累代飼育の観点では不完全なことがある。
・そのため、なるべく細部をその知識を持つ保守職員に任せる形とし明記しない方がよい。
・明らかに飼育が難しいと判断される特別収容プロトコルは、担当保守職員から速やかに指摘を受ける。
・それらが増えた結果は、収容違反やSCPの損失を招くことになるため注意する。
以上、この4点だけでいいので、覚えて帰って下さい。
まあ、結論としては基本に立ち返っているんですけれどね。
うん丁度いい時間だ。以上で講義を終わりにします。何か質問がある人は挙手を……
はい、君。
はははっ。いい質問ですね。この講義室に他の新人教育セミナーと比較して女性が多い理由ですが、動物が好きという人は女性に多いからです。
マニアでない男性はボールパイソンやオオタカを目の前に出された時、恐怖で触れない方が大多数です。これは未知に対する正常な敵対反応です。対して、女性の多くは怖がりながらも手に持つくらいはできます。
この動物慣れ、というのはウシやウマ、そして、大型のヘビやライオンなどの大型獣を扱う際には非常に重要です。慣れた結果ミスをしろという話ではないですよ? 怖がる、つまり自身を敵として認識し怯えている相手を「なにか思わぬ反撃がくるのでは?」と、本能的に警戒するのです。
また女性は特に体調を推察する観察力が優れている方も多いので、その点でも保守職員には多数在籍し重宝されています。ただ、特化した知識のある「マニア」は男性が極端に多く、研究員や保守主任になる方には多いですね。
他に質問がある方ー……
なに? エージェント████が寝てる? ええ、顔を洗っても寝ることに私もびっくりです。あとで補講するの、やっぱりわたしなんですかね?
次回は、えーっと、植物型SCPにおける病害虫対策です。時間に遅れないように。以上
tale-jp
執筆補足:一種の執筆支援tale、詳しくない人が変に踏み込んで書くと、詳しい人から見た時に意外な部分でリアリティを損なうから曖昧にしとこうぜって内容を、無理やり専門家の不在とこじつけて正当化した文章です。
実はこれには落とし穴があり、曖昧に書いても例えば「一般的なNepenthes類(ウツボカズラの仲間)の栽培に準じてください」とか書けばそれで解決するように見えて、実はウツボカズラには低地性種と高地性種で育て方がかなり違うといったこともあります。
が、さすがにこの手の禁則事項は知らないと回避できないと思いますし、全て知るには相当なマニアになる必要があるし、なによりピンポイントで踏むことは珍しいので無視しましょう。実際学術論文書くわけじゃないですしね。こだわりたい方がこだわればいいのです。
ただ、せめて属名、採取地くらいは書いてくれないと、まず殺すと思っていいです。属名は専門家やマニアが見れば即座に判明する情報ですし、どの特徴もなければモノタイプ(1属1種、場合によっては1科1属1種)として扱います。学名は応用が広いです、ある程度生き物の範疇に収まっていれば、分類できない生き物はいないと思ってください。ようするに学名の属の後にsp.と付ければいいだけです。あと、採取地は非常に重要な特別収容プロトコルです。黒塗りしないで!
それらはなんでかというと、属が違うだけで飼い方が180度異なる種は多いです。蜘蛛型なだけでは飼育方法は不明です。ですが、その土地の気候は非常に重要で、例えばどこどこの山で採取された、その山は毎晩霧が出る。そこの種(場合によっては既存種のこの地域の個体群)は毎日霧がないと衰弱する。ってのはよく見かけ、とりあえずその採取地を人工的に再現すれば9割飼えます。そのためピンポイントな採取地が重要になることが多いです。
他にも似たようなtale案がいくつかありますが、基本的に生物に関連した意外な落とし穴の話です。知性の話で○歳児と同等の知性がある。なら、何ができて何ができないのか? とか、知らないと難しい話ですね。
ちなみに、だいたい7歳前後から時制の理解が可能です。そして、時制を理解していないが会話能力がある存在の文章は極めて読みにくいです。過去形未来形がたびたび混濁して現在進行形で発言され、時に主語が省略され、しかも時系列を無視して思いついた順で発言するためです。
保育士の方とかは聞き慣れているかと思います。それを書くと子供の発言を自然に演出できたりします。
以上、どうでもいいと思う人には至ってどうでもいい話!