埼玉中央製造株式会社が満を持してお届けする新作乙女ゲーム「いKeterメン♡恋」!
その詳細を██████で一足先に公開!!
Story
ある日突然目の前に現れたSCP-███-JPの影響を受けた主人公は、検査の為にサイト-81██につれてこられるよ。
そこで色んな男の人に出会うよ。恋愛するよ。そんなストーリーだよ。
キャラクター
主人公 (CV:なし) ※名前変更可
攻略対象
育良啓一郎 (CV:█████)←こいつはCV中の人でもよくね?
差前鼎蔵 (CV:████)
神山謙蔵 (CV:████)
那澤なごむ (CV:█████)
SCP-094-JP (CV:█████)
SCP-210-JP (CV:████)
サブキャラクター ~その他にも魅力的なキャラクター―がたくさん!~
(考え中。女性職員いっぱい出したい)
タイトル : いKeterメン♡恋
対応機種 : ███████████████
ジャンル : 恋を確保、収容、保護するAVG
メーカー : 埼玉中央製造株式会社
発売日 : 20██年██月██日
価 格 : 通常版:6,200円(税込) 限定版:8,400円(税込) ダウンロード版:5,400円(税込)
キャラクターデザイン&原画 : くしま小豆
シナリオ : 新路まお
オープニングテーマ 「恋愛ユークリッド」
エンディングテーマ 「ケテルケテリラ」
歌 : Sacrifice Curse Prayer
予約特典 : ドラマCD「彼女のお菓子作り ~あの子のケーキを確保、収容、保護せよ!~」
あらすじ
「あの子が手作りのケーキを振舞ってくれるらしい」そんな噂を耳にした五人は、彼女のケーキが焼き上がるのを今か今かと待っていた。
しかし自分だけ彼女のケーキを食べられないことに嫉妬したSCP-210-JPが、焼きあがったばかりのケーキを彼女から奪ってしまった!
このままではケーキにありつけない! そう思った五人が起こした行動とは……?
限定版特典 : 描き下ろしイラスト&SSを収録した限定小冊子
ドラマCD「育良啓一郎殺人事件 サイト8181での悲劇 ――犯人はゴリラ」
あらすじ
ここはサイト-8181内のカフェテリア。そこで遅めの昼食をとっていた5人+1体は、差前の提案で暇潰しにサイト-8181内で、育良が何物かによって殺害された面白いおぞましい事件が起きたという設定で、仮想の推理ゲームを始める。
果たして育良を殺した犯人は、一体誰なのか……!?
各店舗特典
ア██イト店舗特典 : カレに甘い言葉を囁いてもらえる撮り下ろしシチュエーションボイスCD ~エージェント・差前鼎蔵(CV:████)&SCP-094編(CV:████)~
数量限定ア██イトセット特典内容
・カレに甘い言葉を囁いてもらえる撮り下ろしシチュエーションボイスCD ~エージェント・差前鼎蔵(CV:████)&SCP-094編(CV:████)~
・カノジョにドぎつい言葉を浴びせてもらえる撮り下ろしシチュエーションボイスCD ~前原愛編(CV:ゴリラ)~
・オリジナルラバーストラップセット
(また、オンライン限定予約特典として更にA4クリアファイルが付属!)
ス██ワース店舗特典 : カレに甘い言葉を囁いてもらえる撮り下ろしシチュエーションボイスCD ~エージェント・育良啓一郎(CV:█████)&SCP-210-JP編(CV:█████)~
数量限定ス██セット特典内容
・カレに甘い言葉を囁いてもらえる撮り下ろしシチュエーションボイスCD ~エージェント・育良啓一郎(CV:█████)&SCP-210-JP編(CV:█████)~
・結城博士の羊でおやすみCD
・書き下ろし小冊子(24ページ)
(██月██日までの早期予約特典として更にブロマイドセットが付属します)
ソ██ップ店舗特典 : カレに甘い言葉を囁いてもらえる撮り下ろしシチュエーションボイスCD ~神山博士編(CV:████)&エージェント・那澤なごむ編(CV:█████)~
い██ん店舗特典 : オリジナルドラマCD「サイト-8181ガマン大会開催!」
あらすじ
彼女がサイト-8181を離れている間、談話室では5人+1体が雑談に花を咲かせていたが、ある時誰が彼女に最もふさわしい人物かと口論になってしまう。
ここは誰が最も彼女にふさわしい男か、正々堂々と勝負をするしかない!
そして5人+1体は、彼女をかけて何故か我慢大会をすることになり……?
アリ██ET店舗特典 : オリジナルSDキャラ缶バッチセット&描き下ろしブロマイド
「育良くん、そっちはどう?」
聞きなれた声に振り返る。
そこには、不安そうな顔で僕と、僕が抱きかかえている女の子を見つめるエージェント・猫宮、――猫宮さんの姿があった。
「こっちも大体片付いたけど、この子がなかなか泣き止まなくて……」
今まで何度もそうしたように、抱きかかえた女の子の頭を撫で、もう大丈夫だよと囁く。
それでも、女の子は未だに僕にしがみ付いたまま離れようとしない。
服もすっかり女の子の涙で汚れてしまった。買ったばかりの服だったのだが、この状況ではそんなことは言っていられない。
「そっか、よっぽど怖かったんだね。……かわいそう」
「こんなに小さな子が、あんなものをすぐ近くで見ちゃったんだ。無理もないよ」
今僕達は、市街地で突如発生したオブジェクトの初期収容任務でここにいる。
一時間ほど前、市街地で突如SCPを思しきオブジェクトが発生したとの連絡が入り、ここから最も近くに位置するサイトから僕達が現場に送り込まれた。
幸いなことにオブジェクトは収容スペシャリストの人々によって、先程無事に確保されたという連絡が入っている。怪我を負った民間人や職員も、ごく僅かで済んだ。
すぐにオブジェクトはサイト内に運び込まれ、博士達によって様々な調査や実験が行われるだろう。
ここでの僕や猫宮さんを初めとしたエージェントの仕事は、その収容任務の事後処理だ。
今回の場合市街地で発生したと言うこともあって、多数の人間がオブジェクトを目撃している。
ミーム汚染等を伴うものではなかったのが唯一の救いだが、それでもオブジェクトを見てしまった人間には、簡単な記憶処理をしなくてはいけない。
「お姉さんたちが何とかしたから、もう怖くないよ。大丈夫」
猫宮さんが優しく声をかけるが、それでも女の子は僕の肩に顔を押し付けたまま、ぼろぼろと涙を零しつづけている。
この子が泣き止み次第、僕達はこの子にAクラスの記憶処理を施す。
あれだけ怖いものを見たことも、この子はこれから忘れてしまう。忘れてしまえば、もう泣くこともない。
……とはいえ、これだけ泣きじゃくる様子を見ていると、流石に可哀想に思えてくる。
「ん?」
くい、と誰かにズボンを軽く引っ張られる。
猫宮さんと一緒に視線を右下に落とすとそこには、肩を微かに震わせた小さな男の子が立っていた。――確か、この女の子のお兄ちゃんだったはず。
女の子のように泣いてはいないが、それでも単に強がっているだけで、先ほど見たものにすっかり怯えているのが見て取れる。
「育良くん、この子は?」
「この子のお兄ちゃんだよ、二人とも……あれのすぐ近くにいたらしい」
「この子達の親はどこにいるの?」
「軽い怪我を負って、向こうで医療スタッフの手当てを受けてる。処理も向こうでやってくれるって」
「……そうなんだ」
彼は決して泣くものかと言わんばかりにぎゅっと唇を噛み、泣くのをこらえていた。
猫宮さんがしゃがんで、そんな男の子の頭をそっと撫でる。
「君は泣かないんだ? 立派だね」
ある程度場数を踏んできた僕や猫宮さんだって、未だに任務中に恐ろしくて泣きたくなることもある。
それなのにこの子は、あれだけ恐ろしいものを見ても必死に泣くのを我慢している。強い子だなと、思った。少なくとも、誰にでも出来ることではないのは確かだ。
「お姉ちゃん、お兄ちゃん。……これ」
「……え?」
男の子がズボンのポケットを漁り、何かを僕達に差し出す。
その手のひらの上には、飴玉がふたつ。どうやらこれを僕と猫宮さんに、ということらしい。
(grejumさんに147-JPと243-JPと998-JPが実は繋がっていると聞き、感動して泣きながら書いてたやつ。
998-JPに出てくるエージェントさんのお話。)
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僕の母親は幼い頃、一人の消防士に命を救われたらしい。
その消防士はその時の火傷がもとで亡くなってしまったそうだが、
彼が燃え盛る炎の中で必死に母の名前を呼び、手を伸ばしてくれたおかげで今の自分が、そして今の僕がある。
幼い僕に、母はよくそう言い聞かせてくれていた。
何度か母と一緒にその消防士のお墓に行ったこともあった。
墓前に菊の花と線香を供え、僕は母親と顔も知らない命の恩人に手を合わせた。
自分の命を犠牲にしてでも、誰かを助けようとすること。
それは決して正しいこととは言い難いのかもしれない。
それでもあの人のように優しくて、勇気のある人間。
あなたはそんな人になりなさいと、お墓参りの帰りにいつも母はそう言っていた。
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ゆっくりと万年筆を机の上に置き、書きあがった退職届をもう一度見直す。
何もおかしいところがないか確認した上で、それを折り畳み、封筒に入れる。
糊でしっかりと封をした時、改めて自分がもう逃げられないところまで来ていることを感じた。
「(……案外こんな時でも、冷静で居られるんだな)」
この計画を立てた時は、途中でためらいが生まれたり、直前になって急に怖くなって尻込みしたりするものだと思っていた。
だがこんな状況でも僕の思考はやけに澄み渡っており、迷いらしい迷いも感じない。
もちろん、今更この計画を止めようとは思わない。
まさか自分がこんなに肝の据わった人間だとは思ってもみなかった。
出来ることは全てやったつもりだ。
後は行動に移すだけ。
多分僕は、これから死ぬのだろう。
もし死ななかったとしても、決して無事ではいられないことは確かだ。
死ぬことが全く怖くないと言ったら、多分嘘になる。
ただそれ以上に、自分が死ぬ覚悟でやったことが、全て無駄に終わってしまうほうが怖かった。
彼女は彼女にできることをすると言っていた。
それなら、僕は僕にできることをするしかない。
今も彼女が僕を信じてくれているように、僕も彼女を信じたい。
たとえそれが、どんな結果になろうと。
「……」
大きく息を吸って、椅子の背もたれに体を預ける。
実行までにはまだ少し時間がある。
これが言葉通りの意味で最後になるかもしれないのだ。ちょっとくらい休んだっていいだろう。
そのまま、ゆっくりとまぶたを閉じる。
頭の中に浮かぶのは、幼い母の命を救ったという消防士のことだった。
母はよく、あの人のようになりなさいと言っていた。
幼い僕はその言葉に頷いたが、それがどういうことか、ちゃんとわかってはいなかったと思う。
ただ誰かが危険な目に遭っていたら、自分の命を犠牲にしてでもその誰かを救おうとする。
僕はそういうことができる人間にならないといけない。そんな風に受け止めていた。
そのせいか昔は、何としても自分はそういう人間にならないといけないのだと、焦ったり悩んだりすることもあった。
たとえば、子供の僕が何か悪いことことをすると、
「お前は彼のような人間にならないといけないのに、どうしてそんなことをするんだ?」
そう囁く声が聞こえるような気がして、子供心にそれが酷く恐ろしかったのもよく覚えている。
そんな気持ちを克服したのは、高校生の頃だっただろうか。
自分の進路を母と相談している時に、僕の方から母に打ち明けたのだ。
僕が一通り話し終えた後、母は涙を流しながら僕を抱き締めて、ぽつりぽつりと語り始めた。
母が言うには、かつての母も全く同じことで悩んでいたそうだ。
彼は自分を助けようと炎の中に飛び込み、そのせいで亡くなってしまった。
自分は彼に命を救ってもらった以上、それに相応しい生き方をしないといけない。
かつての母はそう考え、焦り、悩み、――時には大きな過ちを犯しそうになったこともあったらしい。
母は泣きながら僕に謝っていた。
自分と同じ気持ちを僕にも抱かせてしまったことに、とても後悔していたようだった。
だが実を言うと僕は、それを聞いた時にちょっとだけ安心したのだ。
僕と同じようにかつての母も迷い、悩んでいたのだと。
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まぶたを開き、腕時計に目をやる。
予定の時間まで、あと少しのところまで来ていた。
僕は椅子から立ち上がり、傍にかけてあったグレーのスーツを羽織る。
今の僕が、母の言うような人間になれたのかはわからない。
少なくともそれは、僕自身が勝手に決めて良いことではないと思う。
だがこの計画を立てた時に、一つだけわかったことがあった。
僕と母が彼から受け継ぐべきだったのは、多分想いだ。
きっと彼からしてみれば、僕達が無事に生きてくれているだけでもいいのだと思う。
それでも命を助けられた側として、彼に何かをしてあげたい。
そう思った時にすべきことが、彼の想いを受け継ぐことなんだと僕は考えている。
『あの人のようになりなさい』
それは決して自分の命を犠牲にしてでも誰かを救おうとする人間になるという意味じゃない。
身を挺して母を守った彼の想いと、そして勇気を受け継いだ人間になることなんだと、僕は思う。
そして、その受け継がれたものを僕なりの形で示せる瞬間が、
「きっと、今だと思うんだ」
僕は僕なりの形で、彼の想いや勇気を受け継いでいると信じたい。
そして彼の想いや勇気、母の想いや優しさが、こうして僕に受け継がれていったように、
僕の想いや勇気はきっとどこかで、そしてどこかに、繋がっていくのだと信じたい。
その想いが繋がる先は、僕にはわからないが。
「見ていてくれ、ゼメルア」
僕は、先程書いた辞表を胸ポケットにしまった。
僕が小学生に入る前のころ。
そしてまだお父さんが優しくて、僕を殴ることも、何日も家を空けることもなかったころ。
一度だけ、お父さんと映画を見にいったことがありました。
それは僕が大好きだったアニメの映画でした。
僕が映画のCMを指さし、これが見たいとお父さんにお願いして、連れていってもらえることになりました。
お父さんの運転する車に乗って、僕は隣町の映画館に行きました。
映画のストーリーは今も覚えています。
夏休みのある日、主人公が町はずれで不思議な生き物と出会います。
主人公はその生き物と楽しいことや嬉しいことを一緒に経験して、時には危険なことにも巻きこまれて、それでもなんとか主人公達はそれを乗りこえて、
……最後に主人公と不思議な生き物は永遠のお別れをむかえて、映画はそこで終わりました。
この出会いを絶対に忘れないと、
たとえもう会えなくても、心の奥底で自分達はつながっている。だから自分達はずっと一緒なんだと。
主人公はお別れの前に泣きながら、そう言っていたのをよく覚えています。
僕はお父さんが買ってくれたポップコーンと飲み物にも手を付けず、ずっと映画を見ていました。
映画が終わったあと、お父さんは僕に「楽しかったか?」と聞いてきました。
僕が頷くと、お父さんは何も言わずに僕の頭をなでました。
これが、最後にお父さんが僕の頭をなでてくれたときでした。
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妖精さんと一緒にこの場所で暮らすようになって、二ヵ月くらいたってから、僕はその映画のことを思い出しました。
僕に勉強を教えてくれる先生や、妖精さんのことを僕に聞いてきた博士は、僕が欲しいと思うものはできるかぎり用意する、と言っていました。
だから僕は、毎日の勉強が終わってから、先生にその映画が見たいとお願いしました。
先生はその映画を知っているようで、僕がその映画を見たいと言ったら少し驚いていました。
それでもすぐに笑顔で、「博士とお話しして、大丈夫だと言ってもらえたら渡しますよ」と言ってくれました。
僕がどうしてその映画を見たいと言ったのか。
先生や博士はとても頭のいい人たちだから、その理由はきっとわかっていると思います。
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数日後、先生は勉強が終わってから、僕がお願いした映画のビデオを渡してくれました。
そして部屋のビデオデッキの使い方を僕に教えてから、先生は僕の部屋から出ていきました。
先生が出て行ったあと、僕は手に持ったビデオのパッケージをずっと眺めていました。
パッケージには主人公と不思議な生き物、そして主人公の友人達が描かれています。
僕があの日映画館でお父さんと見たポスターと、同じものでした。
結局その日の僕はビデオを見ずに、出されたご飯を食べお風呂に入って、そのまま寝てしまいました。
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その夜は夢を見ました。
僕と妖精さんが初めて会った日の夢でした。
裏山の奥にあった、ずっと誰も住んでなかった家。
その家の中にあった、にごった水が入った大きな大きな水槽。
その水槽の中から、僕に助けを求めてきた妖精さん。
僕はその水槽から妖精さんを出してあげて、誰にも見つからないようにこっそりとお家に連れていって、水を張ったお風呂に入れてあげました。
妖精さんはお風呂の中で、僕に何度も何度もありがとうと言っていました。
それから、児童相談所の人と警察の人がお家にやってくる日まで、僕と妖精さんはいろんな場所に行きました。
僕はあまり外で遊んだことがなかったし、妖精さんは少しの間しか水の外に居られなかったので、行ける場所はそんなにありませんでした。
それでも妖精さんは、僕が見せようとしたもの全てに驚いて、そして喜んでくれていました。
妖精さんは僕と一緒に居られて嬉しいと言っていました。
僕も嬉しかったです。
お父さんはよく僕を殴りながら、お前は何の役にも立たない人間なんだと言っていました。
でも妖精さんは、僕が必要だと言ってくれました。
僕が居なければ自分はずっとあのままだったと、僕は妖精さんの恩人なのだと。
こんな僕でも誰かの役に立てるのだと、妖精さんは教えてくれました。
だから妖精さんが僕に感謝しているのと同じくらい、僕も妖精さんに感謝しています。
きっと僕は、妖精さんのためならなんだってできます。
目が覚めた時、僕はテーブルの方を見ました。
そこには、昨日先生が渡してくれた映画のビデオがありました。
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僕は怖いのだと思います。
この映画の主人公と不思議な生き物と同じように、僕と妖精さんにもいつかお別れの時がくるかもしれないことが。
映画の中で主人公は、この出会いを絶対に忘れないと、
たとえもう会えなくても、心の奥底で自分達はつながっている。だから自分達はずっと一緒なんだと。
お別れのシーンで泣きながら、そう言っていたのは今でも覚えています。
僕と妖精さんのお別れはどんなものになるんでしょうか。
僕はあの主人公のように強くて、勇気のある子どもではないと思います。
きっと僕はあの主人公のようにはなれません。
ちゃんと妖精さんとのお別れができる自信がありません。
それに、僕は妖精さんがいなくなったらどうなるんでしょうか。
妖精さんがこの場所にずっといるためには僕が必要で、
だから僕もここにいないといけないんだと、博士は言っていました。
なら妖精さんがいなくなったら、僕がここにいる必要はないと思います。
僕はまたあの家に戻ることになるんでしょうか。
あの映画を見たころのお父さんは、あの家にはもういません。
映画を見た後のように、僕の頭をなでてくれることも多分ありません。
あのころと同じ映画を見ても、きっと僕はあのころに戻れません。
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僕は朝食の後、妖精さんのところに行きます。
そして、いつものように妖精さんとお話をします。
でも、妖精さんにあの映画が見たいと先生にお願いしたことは、秘密にしておこうと思います。
いつか僕と妖精さんがお別れしないといけない日のことを考えていたなんて、知らせたくないから。
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そして帰ってきたら、先生が来るまでこのビデオを見ようと思います。
ビデオを見ても、僕はお父さんが優しかったころに戻れません。
ビデオを見ても、僕が妖精さんとのお別れをちゃんとできるかはわかりません。
それでも見てみようと思います。
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僕が今悩んでいることに、きっと答えはありません。
僕は僕なりのかたちで妖精さんとの別れに向き合わないといけないんだと思います。
だからこのビデオは教科書ではないのかもしれません。
たぶん毎日先生が僕に渡してくる算数のプリントとは違うと思います。
それでもあの主人公の勇気が、なにかのかたちで僕の役に立ってくれるかもしれません。
いつか、僕と妖精さんにお別れの時がきたら。
SCP
・双子(本家にも双子のSCPがあるのでそれとかぶらないようにしたい)
・子供向けホビーアニメあるあるを引きおこすSCP(ジョーク行きかも)
Tale
・考古学とか民俗学ゼミの人がなんかSCPにまつわるもんみつけたりしないかなみたいな願望をTaleにしたい。
・147-JP-1くんのお話。147-JPと147-JP-1くんの劇場版ドラ○もんみたいな関係いいよね。