Tono369
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scp-jp7.jpg

██研究員が描いたSCP-XXX-JP-2のスケッチ

アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル:
SCP-xxx-JPを実行可能な全地域を 封鎖・監視する試みは現実的ではないため。後述するプロコトル[怨み様]の実行により、SCP-xxx-JPの間違った儀式手順を浸透させることによる抑制、儀式の神秘性を失わさせることによる情報の風化が図られました。
コンピューターネットワーク上、特に大規模掲示板や動画投稿サイト等に対する監視を行い、SCP-xxx-JPの正しい手順を発信している人物を見つけた場合状況に応じて発信者に接触し情報の削除・改変を行い、必要と判断されれば発信者を拘束または記憶処理して下さい。
SCP-xxx-JPを実行した疑いのある人物が発見された場合、儀式の途中ならば中断させ記憶処理を行い、SCP-xxx-JP-1を所持していた場合回収してサイト-81██の基本収容ロッカーに保管して下さい。同時に「対象者」に対する調査も行い保護して下さい。
実験を行う際はレベル3以上の職員の許可を得た上で、サイト-81██内の建物および駐車場を使用して下さい。

説明:
SCP-xxx-JPは特定の地域内で行った場合、同地域内にいる任意の人物に肉体的損傷を与えることができる儀式行為です。
以降、SCP-xxx-JPを行う人物を「実行者」、SCP-xxx-JPの対象となる人物を「対象者」と呼称します。
SCP-xxx-JPを行うことによって対象者に引き起こされる肉体的損傷には差異があり、実行者がSCP-xxx-JPの有効性を強く信じている場合や、 実行者が対象者を強く怨んでいるほど重度のものになるようです。

SCP-xxx-JPの有効地域はおおむね北緯██度██分、東経██度██分地点から半径60mk圏内で、茨城県北部から栃木県東部に跨っています。中心部と思われる地域の調査が行われましたが、SCP-xxx-JPの発生原因と思われる物品、人物、自然物、施設等は確認されず、SCP-xxx-JPと関連性があると思われる伝承等も確認されませんでした。

SCP-xxx-JPは20██/██/██以降、茨城県北部で原因不明の死傷事件が広域に渡って報告され始めたため調査が行われ、一部の小中学生の間で流行し、インターネット掲示板等で話題になった『うらみたまの儀式』という噂話に関係性があると判明しました。
儀式の手順は以下の通りで、噂話で語られていた手順は正確なものではなく厳密な儀式手順は括弧内に記載します。

用意する物:ガム(食品なら何でもよいがガムが適当)、銀製品か銀紙(純度sv900以上、1.5g以上の銀製品でなくてはならない)、紙(ガムと銀製品を包める程度の大きさ)、ペン(紙に描くことができれば何でもよい)

手順1:室内で呪いたい対象の顔を思い浮かべながら似顔絵を描く(対象の顔を思い浮かべていれば何の図形でもよい)
手順2:ガムを食べる(用意した食品を口に含み数回噛む)
手順3:ガムを食べながら歩き、公園のような広い場所に行く(おおむね2ヘクタール以上の場所)
手順4:手順1の紙にガムと銀紙を包んでゴミ箱に捨てる(銀製品でなければならず、捨てる場所はどこでもよい)
手順5:[編集済み]と唱える。([編集済み]唱える)
手順6:北東方向に進むと、200m以内に必ず何かしらの人形(SCP-xxx-JP-1)が落ちているので拾うと呪いたい対象の元に「うらみたま」が現れる。(対象者は SCP-xxx-JP-2を視認、接触できるようになります )
手順7:人形(SCP-xxx-JP-1)を傷つけると呪いたい対象に不幸な事が起こる( SCP-xxx-JP-1を破損されると SCP-xxx-JP-2が対象者を攻撃します)

上記のSCP-xxx-JP-1は多くの場合日本国内で市販されている一般的な「人形」と分類される多種多様な玩具でありSCP-xxx-JP-1自体に異常性は見受けられません。実行者が SCP-xxx-JPを行う以前から手順6に記載されている範囲内に落ちている場合が多く、実行者が発見する前に財団職員が回収しても「通行人が落とす」「風で何処からか飛んでくる」といった手段で別のSCP-xxx-JP-1が手順6の範囲内に現れます。
なお実行者の目の前で職員が回収しする、実行者から譲り受ける、奪うなどした場合はそれ以降 SCP-xxx-JP-1は出現しません。

SCP-xxx-JP-2は対象者以外感知することができない正体不明の実体であり、口や眼球のような器官のある肉質の球体が複数寄り集まったような見た目をしており、対象者が肉体で触れること以外の物理的干渉を受け付けません。
手順6を実行した段階では対象者の周囲を浮遊し、眼球のような器官を対象者に向けたり喃語のような音を発する意外の行動を取りません。
手順6の状態で中断した場合でも、 非常にグロテスクな外見のSCP-xxx-JP-2が常に近くに存在するというストレスから食欲減退や不眠症を起こし、健康状態の悪化や精神異常を起こす場合が多々があります。
SCP-xxx-JP-1に触れた実行者以外の人物も10秒~3分間ほどSCP-xxx-JP-2を認識することができます。

手順7が実行されるとSCP-xxx-JP-2は口内にある鋭利な歯で対象者の肉体を噛み千切り、噛み千切られた対象者の肉体は消失します。 どこまでを対象者の肉体とするかはまちまちで、対象者の体内に埋め込まれている医療器具や身に付けている物品は同時に消失する場合と消失せずにその場に残る場合があります。
対象者の体内にGPS、鋼鉄製のフレームを埋め込む実験では肉体の一部と認識されましたが、フレームは歯で切断されGPSはロストしました。
体内に武器等を埋め込んでSCP-xxx-JP-2を攻撃する試みは、刀剣・銃器・爆発物などが実験で使用されましたが全て失敗しています。
元相撲取りのD職員が素手で SCP-xxx-JP-2を攻撃した際は「殴っている手応えはあるがいくら殴っても青あざ一つ付かないし、たとえ目玉を殴られてもコイツは無反応だ」と語っています。

20██/██/██以降、SCP-xxx-JPの発生を抑制するためプロコトル[怨み様]が実行されました。
「『怨み様』とは明治時代に実在したカルト教団の教祖・浦見鳥右衛門という人物」「浦見は目玉がびっしり描かれた包帯を身に纏い、希少鉱物である自然アルミニウムを胸部埋めん込んだ人形を用いて呪術を行っていたとされる。」「浦見は死してもなお信者たちに恐れ奉られ、儀式を行うことで祟り神となった浦見を召喚できると考えられていた」「噂話で伝わっている儀式手順や呪文は間違って伝わったもの」というカバーストーリーを作成。
このカバーストーリーを元に以下のメディア展開を行いました。
・漫画家████氏の連載作品██████(ギャグ色の強いホラー漫画)にて「怨み様」を題材にした作品を掲載。
・怨み様を題材にした映画を財団のフロント企業████社から制作。宣伝を大々的に行う。
・映画公開記念として怨み様に関する特集番組をテレビで数回放送、この際、財団の██博士が怨み様に関する研究をしている民俗学の博士として出演しています。
結果、映画はとんでもない駄作として酷評を受けましたが「怨み様」の浸透は成功し、映画放映された20██/██/██以降SCP-xxx-JPの発生は██件しか確認されていません。

補遺:
あと何本か続編を作る予定があるのでB級ホラー映画を作ってみたい職員はプロットを書いてみないか?  -██博士