アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル:
SCP-XXX-JPは、1,2m×0,5m×0,6mの水槽で収容しています。またSCP-XXX-JPにはミズクラゲ(Aurelia sp.)ないしそれより毒性の低い刺胞動物以外決して餌として与えるべきではありません。SCP-XXX-JPには刺激を与えないでください。収容水槽は月に1回、Dクラスの手によって清掃されるべきです。。また清掃の際は必ずスーツなどで肌の露出を無くしてください。
説明:
SCP-XXX-JPは大小様々なアオミノウミウシ(Glaucus atianticus)というウミウシの一種です。SCP-XXX-JPは通常種と一見変わっている点はありません。SCP-XXX-JPの異常特性は、有毒な刺胞動物なら、何でも捕食できる点です。本来この種はヒドロ虫の一種しか捕食しません。本来のこの種同様、SCP-XXX-JPは捕食によって得た毒を鰭の先端に貯えます。毒の強さは捕食した生物により変化します。またSCP-XXX-JPは狩りの方法も本種との大きな違いです。SCP-XXX-JPは蓄えた毒を粘液として鰭の先から放出します。この毒は水溶性で毒の範囲は平均半径10mにおよびます。これによって死んだ刺胞動物を捕食します。またこの毒の放出はSCP-XXX-JPが強い刺激を受けた際、もしくは周囲に自分を捕食する可能性がある動物がいた場合にも確認されました。この毒は皮膚吸収性のためSCP-XXX-JPによって汚染された水は素肌で触れるだけでも害になりえます。SCP-XXX-JPには雌雄は無く1体だけでも繁殖を可能にします。SCP-XXX-JPは群れで活動をし、今まで確認された最大の規模は███体になります。SCP-XXX-JPは自分自身の毒や他の個体の毒にも耐性があります。異常な防衛能力と高い繁殖力からSCP-XXX-JPは推測██████体がまだ自然界に生息されていると推測されます。
補遺: SCP-XXX-JPは日本の██████の海岸で発見しました。██████海岸で未知の毒による死亡事故で財団の目にとまりました。注目するべき点は本来、本種はこの地域にはいないという点です。現在████体捕獲されています。この海岸の特殊な地形とSCP-XXX-JPが長期の泳ぎに適した体ではないことからこの海岸以外の海域からは存在を確認されていません。SCP-XXX-JPの輸送中に同じ輸送船で輸送されていたSCP-████の収容違反により輸送船が沈没し、推定13匹のSCP-XXX-JPが脱走しました。
実験記録XXX‐ 日付█████/██/██
対象: SCP-XXX-JPの個体1体。
実施方法: 餌として毒のないクラゲを与える。毒のない生物も捕食するのか実験。
結果:対象は捕食はしなかった。
分析:毒の持った生物しか、捕食しないようです。-████博士
実験記録XXX‐ 日付█████/██/██
対象: SCP-XXX-JPの個体1体。
実施方法: 餌としてカツオノエボシ(Portuguese Man o' War)を与える。どのような毒を作るか実験。 > 結果: 対象は捕食した。毒は未知の毒に変化し、Dクラスによる実験の結果数分で毒が体を廻り、対象のDクラスは死亡しました。
実験記録XXX - 日付█████/██/██
対象:SCP-XXX-JPの個体1体。
実施方法: 餌としてギンカクラゲ(Porpita porpita)を与える。他の種だとどうなるのか実験。
結果: 対象は捕食した。 毒は未知の毒に変化し、Dクラスによる実験の結果、非常に強いアレルギー反応を起こし、対象のDクラスは死亡しました。
分析:毒は何倍も強い未知の毒になるようです。 -████博士
実験記録XXX - 日付█████/██/██
対象:SCP-XXX-JPの個体一体。
実施方法: 餌としてキロネックス・フレッケリ (Chironex Fleckeri) を与える。
結果: 水槽の水はすぐさま蒸発をしました。発生した気体に肌が晒されることで起きる激痛により██名のDクラスおよび財団職員が死亡しました。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス:Safe
特別収容プロトコル:
SCP-XXX-JP-AとSCP-XXX-JP-Cは、現在サイト794に保管されています。SCP-XXX-JP-Aへの立ち入りは、SCPに割り当てられた関係者のレベル3職員の許可が必要です。SCP-XXX-JP-BはSCP-XXX-JP-Aの性質から、SCP-XXX-JP-A内に保管されています。
説明:
SCP-XXX-JP-Aは、各辺5mの立方体です。材質は未知の不透明なガラスのような物質で、非常に頑丈で強い耐熱性を持っており、現在SCP-XXX-JP-Aに損傷を与えることは成功していません。一つの面には同じ物質でできた扉とスイッチとレバーが取り付けられています。スイッチは扉の開閉のためのものと思われ、内部はSCP-XXX-JP-B以外には何も無い状態で、レバーを下ろしていない状態では異質な点は見られません。レバー下ろした状態では、内部の物質が腐敗、劣化、状態変化、消費などを全く受けないようになります。生命体の場合は細胞が永久的に不老状態になり、いかなる傷、打撃、病気、苦痛も受けなくなります。キイロショウジョウバエ(D.melanogaster)を使った実験では、本来の寿命の10倍以上の間、食料や水のない状態で生きることが確認され、現在も生命活動を続けています。SCP-XXX-JP-BはA6判の240ページほどの手記と思われるものです。SCP-XXX-JP-Bは全てで800冊ほどあります。SCP-XXX-JP-Bに書かれている言語は未知のものですが、それらを観覧した人物は自身が最も得意とする言語と置き換えられ認識します。SCP-XXX-JP-CはSCP-XXX-JP-Aの外部に取り付けられている部品です。これらの部品は損傷がひどく、どのような用途で使われていたかは定かではありません。
補遺: SCP-XXX-JP-Bの内容の一部を抜粋したものです。
いよいよこの星から脱出するときが来た。もはや大地も海も空も核で汚染され、人が住むべきところではない。私が開発したこの脱出用ポッドの中にさえいれば、飢えも汚染も気温も寿命さえも私に影響を及ぼすことはない。お前らは永遠に腐った星で争い合うがいい。
ポッドの中の暮らしはなかなかいい。どれだけ長く宇宙に漂っていても、十分なだけの娯楽を持ってきた。どんなに自分の好きなことをしていても、だれも私の邪魔をしない。軍のために一日中、兵器の開発をしたときとは大違いだ。
もし人の住める星に着いたら何をしようか。私の偉大なる科学力で原住民を従え、私の国を作らせるのもいい。そうなると私のここまで来るに至った記録が必要だ。この手記に少し手を加えれば、例え言葉を知らない猿でも私の偉大さが伝わる。さすが私だ。
いったいどれだけの月日が流れただろうか。いくら本を読んでも、映画を見ても、ゲームをしても、なぜか私の心は満たされない。むなしい。とにかくむなしい。こんなことなら、友人の一人ぐらい連れていけばよかったかもしれない。
生物とは何のために生き、何のために死ぬのか。私が永遠を彷徨うなか、この宇宙のどこかで生まれては死ぬ。私とはいったい何なのか。(ここから先の数万ページにはおびただしい数の数式がならんでいました。現在この数式は研究員によって研究されています。)
わかった。全てがわかった。こんなものはいらない。私はこの永遠から抜け出そう。もし永遠が生命あるところへ、着いたなら、この手記を読んでくれるのを願おう。(このページを最後に手記は終わっています。)
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: インターネット上や何らかの文献および発表などでSCP-XXX-JPまたはそれに類似される数式が見つかった場合はすぐに削除処置をしてください。現在SCP-XXX-JPを解く、または研究することは非推奨です。SCP-XXX-JP-Aが目撃された場合、すぐさまSCP-XXX-JP-Aは終了されます。
説明:SCP-XXX-JPは量子数学における非常に難解で複雑な方程式です。そのためSCP-XXX-JPの解を導くのには解き方を知っている場合でも数カ月の時間を要します。知能指数が大体160以上の人物がSCP-XXX-JPを閲覧した場合、1%の確率でSCP-XXX-JPを解くという強迫性障害にかかります。これはSCP-XXX-JPを閲覧した時間が長くなるごとに確率は増していきます。この強迫性障害はクラスA記憶処理を施すことにより、完治することができます。
この強迫性障害にかかった被験者がSCP-XXX-JPを解くことを試みた場合、被験者は未知の手段によってSCP-XXX-JPの解き方を理解します。被験者がSCP-XXX-JPの解を導き出した際、被験者には幻聴、めまい、恐怖感などの症状が現れます。その数分後、被験者は通常、人間が発音することの出来ない未知の言語を唱え続けます。この時点で被験者とコンタクトを取ることは不可能です。さらに数分後には被験者の骨格、内部的構造などにも変化が見られます。
まず体格は以前の被験者の身長と関係なく3m以上に巨大化し、皮膚の上皮細胞は硬質ケラチンに満たされて硬化し、腕と指は7mほどまで細長く伸び、翼手目の翼と同じように飛膜が指と指の間に結んでいます。また親指の爪は非常に発達し、鉤爪のようになります。頭部は胴体と一体化し、鼻、耳などの器官は見られず、代わりに眼と口に置き換えられます。体温は55℃にまで上昇し、また一切の生命維持活動が必要ではなくなります。そのため内臓器官もほとんど無く、それに加えて骨の内部は空洞が多く非常に軽量で、これらから総体重は20㎏となり、巨体での飛行を可能にします。翼の付け根からはほとんどが筋肉でできた触腕が個体にもよりますが6本ほど生えています。これにより銃器や複雑な機械などを使用を可能にします。この時点で被験者はSCP-XXX-JP-Aとなります。SCP-XXX-JP-Aは様々な言語で、人間とのコンタクトを可能としますが、敵対的です。またSCP-XXX-JP-Aの同じ個体同士では共通の意思があることが確認されました。
補遺: 既に解が出され、解を出す過程などが書かれたSCP-XXX-JPを閲覧をしても、閲覧による強迫性障害を除けば特に被験者に異常は見られません。また知能指数が低いなどの理由で強迫性障害が発症していない場合でも、正しい手順で解を出せれば、対象はSCP-XXX-JP-Aに変態します。
対象: SCP-XXX-JP-A
インタビュアー: ████博士
付記: SCP-XXX-JP-Aを拘束した状態での一回目のインタビューです。
<録音開始>
████博士: あなたの名前は?
SCP-XXX-JP-A: 好きに呼べ。
████博士: あなたは██氏(被害者)ですか?SCP-XXX-JP-A: この体はそうだが、お前が話している我は違う。
████博士: あなたはだれですか?
SCP-XXX-JP-A: 神だな。
████博士: あなたの目的(話が遮られる)
SCP-XXX-JP-A: さらばだ。(対象は拘束具を鉤爪で切り裂き、████博士に向かい襲い掛かりました。すぐさま警備員が対象を射殺しました。)
<録音終了>
対象: SCP-XXX-JP-A
インタビュアー: ████博士
付記: 新たに発見されたSCP-XXX-JP-Aの別個体とのインタビューです。またSCP-XXX-JP-Aとは個室で監視カメラと録音装置により会話を行い、敵対的な行動が行われた場合、即座に銃殺されます。
<録音開始>
SCP-XXX-JP-A: また貴様か。
████博士: あなたの目的は何ですか?
SCP-XXX-JP-A: ああそうだったな。お前ら人間を恐怖させるためとだけ言っておこう。SCP-XXX-JP-A: あと、ひとつ質問をいいか?
████博士: どうぞ。
SCP-XXX-JP-A: 今、お前らはそこにぶら下がっている箱で、我のことを遠くから監視しているのだな?
████博士: はい、そうですよ。
SCP-XXX-JP-A: それさえ分かれば十分だ。(SCP-XXX-JP-Aは鉤爪で、自身の腹部を切り裂き、死亡しました。)
<録音終了>
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは生物収容ユニット内の、大型の猛禽類用のケージにて収容されています。給餌は赤外線ゴーグルを装着したDクラスにより、一日二回冷凍マウス、ウズラ、ヒヨコなどを与えます。また清掃も同様です。新しいSCP-XXX-JPの個体が発見された場合、必ず外科手術により鳴き声を発せられないようにしてください。
説明: SCP-XXX-JPは鳴禽類に似た、非常に発達した肺と鳴管や気管から成る声道を持つ肉食鳥です。SCP-XXX-JPの体長は120㎝、翼開長は300㎝、体重は18㎏で飛行は可能です。またSCP-XXX-JPは聴覚器官を持っていません。また
SCP-XXX-JPは皮膚に哺乳類の汗腺に似た器官を持ち、SCP-XXX-JPがストレスを感じたとき、あるいは狩りを行うときなどに、この器官は未知の酸性物質と発光酵素を分泌します。またSCP-XXX-JPの羽毛には非常に不安定な発光物質が含まれており、これらの化学反応により非常に強い生物発光を可能とします。これは100M㏅に相当します。
SCP-XXX-JPは豪雨、特に落雷が発生しているときに狩りをよく行います。SCP-XXX-JPは獰猛な性格をしており、自分より大きい生物にも積極的に襲い掛かります。SCP-XXX-JPが獲物を見つけた際、SCP-XXX-JPは生物発光を行い、対象に向かい急降下します。対象への襲撃が成功したならば、対象の聴覚器官の近くで雷鳴に非常によく似た鳴き声を発します。この鳴き声の大きさは推定170㏈以上になり、これにより対象の意識を奪います。
補遺: SCP-XXX-JPは19██年、███県の███市で、鼓膜が破けており、内臓などが食い漁られている死体が相次いで目撃されたことにより、財団の目に留まりました。この事件は財団により隠蔽され、今現在、財団下で繁殖した個体を含め、50羽ほどの SCP-XXX-JPが監視下にいます。
以下███県の██の██郷土館にて確認されたSCP-XXX-JPについてだと思われる文献の一部です。
雷なりせば必ず逃げしまへ。ぞもなればが為、雷にはまれはべらむ。
最近、日の緯の国よりやりてきし豪商に彼の山には雷の鳥ゐれば、決しゆくかしと言ひせば、ぜひとも其の鳥生け捕りにせまほしと言ひ、十数人の用心棒引き連れ、山に向かひき。其の後、帰りてきしは聾者になりし数人の用心棒のみなりき
其の鳥は羽広げば9尺ほどになり、普段は彼の山にて身隠したり。嵐の日に度々、人さとにおとづれては、身雷にし、人喰らう。また其の鳥の羽と███まぜれば、「データ削除済」
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは現在、日光に当たる小型生物収容ユニットで飼育されています。給餌は給餌機に水と固形栄養剤を入れ、清掃は一カ月に一回行われます。SCP-XXX-JPが収容されているユニットから半径5㎞に昆虫などの小動物を持ち込むのは推奨されません。またSCP-XXX-JPの繁殖行為はできる限り阻止されるべきです。
説明: SCP-XXX-JPはあらゆる生物との間で繁殖できると考えられる生命体です。SCP-XXX-JPと他の生物との間でうまれた生物は両親の器官や体の構造などの生物的特徴をある程度引き継ぎます。これは現在の環境下で有利な生物的特徴を優先的に引き継ぎます。繁殖が終わった後、親側のSCP-XXX-JPは死亡します。またパートナーがSCP-XXX-JPの体格よりかなり上回る場合での繁殖行為は好みません。SCP-XXX-JPは雌雄は無く、また、卵生や胎生、また████にもなります。
SCP-XXX-JPと過去に交配した生物種がSCP-XXX-JP自身にとって好都合なように動くことが確認されています。これはその交配した種以外にも及び、影響を及ぼすタクソンは実験により目と分かっています。飼育下ではSCP-XXX-JPが捕食を行う際、獲物は一切の抵抗を見せず、自身から腹などの弱点となる部位をSCP-XXX-JPに向けました。この能力は実験の結果、約半径5㎞ほどに及びます。
現在、SCP-XXX-JPはDNA調査や器官、生物的特徴などから以下の生物と交配しており影響を与えると推測されます。昆虫類
鞘翅目 | 直翅目 | 蜻蛉目 | 鱗翅目 | 双翅目 | 膜翅目 | 半翅目 |
ハト目 | アマツバメ目 | ブッポウソウ目 | スズメ目 | ハチドリ目 | キツツキ目 | █████目 |
重歯目 | 齧歯目 | ████目 | ███目 | ███████目 |
███目 |
████目 | ███目 | ███████目 | ████目 | ███████目 | ████目 | ███████目 | ████目 | ████目 |
補遺: 現在、SCP-XXX-JPの形状は平均の体長15㎝ほどで体重は約500gです。頭部は1対の角と歯の生えたクチバシとエラがあり、また目は複眼で6つあります。また聴覚器官は脚部にあります。胸部は4対の外骨格の脚と羽毛に覆われた翼がありこれで飛行します。腹部は皮膚があり、また尾びれとアピトキシンを含んだ針があります。また有袋類の育児嚢もありますが、SCP-XXX-JPの性質上あまり使いません。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは出入り口にエアフィルターを取り付けた室内栽培プラントで栽培されています。SCP-XXX-JPの蕾ないし花が確認された場合にはその日のうちにそれらを切り取り、プラント内に併設されている焼却炉に廃棄してください。栽培方法は一般の根菜類と同じもので構いません。またいかなる理由があっても女性職員がプラント内に栽培プラントから半径1キロメートルの範囲内に立ち入ることは禁止されています。
説明: SCP-XXX-JPはニンジン(Daucus carota subsp.sativus)に類似した根菜類です。環境の変化や病気に非常に強く、栽培はとても容易です。生物がSCP-XXX-JPを体内に取り入れた場合にはSCP-XXX-JPに含まれる未知の毒素により直ちに死亡します。ただしこの毒素は人間にのみ無害なものになります。また主根や葉は通常のものと比べ栄養価が高く、また非常に美味であることが確認されています。
SCP-XXX-JPの特異性は花にあります。SCP-XXX-JPが生成する花は通常のものとは全く異なります。花は五つに分かれた花弁を持ち、多種多様な色彩のものが確認されています。それらは人の美的観点において非常に魅力的に見えます。これは正常なものです。また精神をリラックスさせる、安心感をもたらすと形容される香りを有します。SCP-XXX-JPの開花時期には雄蕊から大量の花粉が常時放出されます。これらは非常に軽く、また衣服などに付着しやすい構造をしています。花粉を人間の女性が吸い込んだ場合、体内に異常な症状が発生します。
症状としてはホルモン分泌の変化、精神不安定、貧血、吐き気、頭痛、胸が張るなどの症状が見られます。このとき感染者の子宮内には人間の胎児に似た腫瘍が発生します。腫瘍内にはプロセスは不明ですがSCP-XXX-JPの種子が生成され、その数に応じて腫瘍は膨張していきます。これにより感染とは別に腹部が膨らむ、着床出血などの症状が引き起こされます。一般のレントゲン検査ではこの膨張は一般的な胎児の成長と見分けはつきません。これらの症状はおよそ十ヶ月間に及び、感染の最終段階では腫瘍は子宮から切り離されます。腫瘍が十分な状態にまで膨張し、それが外気に触れた際には腫瘍は破裂します。これによってSCP-XXX-JPの種子は周囲に拡散され、また感染者には重大な体的損傷をもたらします。この損傷はすぐさま適切な処置を施さなければ致命的なものとなります。
これらの症状はまだ初経を迎えていない、もしくはすでに閉経した、何らかの理由によって不妊となっている場合でも適用されます。女性がSCP-XXX-JPの感染、発症を防ぐ手段は子宮を取り除くこととすでに妊娠していることのみです。(事件報告-XXX-JP参照)
補遺: SCP-XXX-JPは19██/█/██に██県の山間部に位置した集落で回収されました。集落内の女性が同時期に集団妊娠したという情報を財団が入手し、派遣された医療専門家とエージェント達によって発見に至りました。集落には偽装シナリオ「ウィルス性子宮異常」が伝えられ、感染者には腫瘍を摘出された後にAクラス記憶処理を施し、無事に元の生活へと復帰させました。なぜ突然SCP-XXX-JPが発生したかは明らかとなっていません。(インタビュー記録-XXX-JP参照)
インタビュー記録-XXX-JP
対象: 集落の住人(匿名によりA氏と表記)
インタビュアー: ██博士
付記: SCP-XXX-JPに関してのインタビュー。A氏は集落内でニンジンの栽培を営んでおり、多くのSCP-XXX-JPは彼の畑から回収されました。
<録音開始>
██博士: このニンジンは前々から集落内に存在していたのですか?
A氏: いえ、違います。三、四年前の収穫期のときに他のニンジンに紛れて生えていました。花が全く違うのですぐに分かりましたよ。
██博士: どうやってそれを増やしたのですか?A氏: 数が少なかったので種を作るのには苦労しましたが株分けなどをして何とか増やすことができたんです。
██博士: なるほど。ではなぜそのニンジンの種子を再び蒔いたのですか?
A氏: とても美味しかったからです。丈夫で大きさも申し分なくおまけに病気も害虫も絶対にない。まるで魔法のようですよ。それに花もとても綺麗だったので観賞用に庭にも幾つか蒔きました。それにしても家内は無事なんですか?ウィルス性子宮異常なんて聞いたことがなくて不安で不安で。
██博士: ええ、無事ですよ。きっと。
<録音終了>
メモ SCP-XXX-JPは明らかに意図的に人類にとって魅力的に見えるようにできている。これが何者かの手によって人工的に作られたものなのか、それともSCP-XXX-JPが自らそう変化したのかは不明だが、何にせよSCP-XXX-JPの流通は大きな混乱を招くだろう。 -██博士
事件報告-XXX-JP
20██/██/██
██県██市████病院にてSCPオブジェクトによるものと思われる惨殺事件が発生し、至急財団エージェント達による鎮圧化が行われました。病院内では無数の████が植えつけられており、また病院内にいたと思われる一般市民は[データ編集済み]で、生存者はいませんでした。植えつけられていたものからはSCP-XXX-JPのDNAが検出されたため、この事件はSCP-XXX-JPによって引き起こされたものだということが判明しました。この事件は病院内で無差別テロが起きたという偽の情報によって収束され、財団の懸命な努力によって国やメディアが情報を拡散するのを防ぎ、隠蔽することに成功しました。
病院内を調査したところ、事件と同時刻に出産が行われた手術室からは母親と手術を担当していた病院関係者の████された遺体が発見されました。しかしその時出産したはずの胎児の発見には至りませんでした。このことからこの事件は身籠った状態でSCP-XXX-JPに感染した母親が汚染を受けた胎児を出産したことによって引き起こされたという仮説が立てられ、現在失踪した胎児を捜索中です。また、どういう経緯で母親がSCP-XXX-JPに感染したかは明らかとなっていません。
内容3