Usurahi(生前)

ここに見るべきものはありません。お探しなのは多分こちらでしょう。

アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPの動向は、XXX-JP特設対策部隊よって常時監視されます。SCP-XXX-JP発生予測地域に対しては、プロトコル・“ヘルメス”に基づいて住民の避難誘導及び上空の飛行規制を行ってください。

SCP-XXX-JPが発生した場合、現象の消滅を確認した後XXX-JP特設対策部隊を出動させ、ENUI-51の大量散布及びその他の記憶処置と情報処理を用いて事態の隠蔽を行ってください。被害地域に財団の施設が含まれる場合、SCP-XXX-JPの消滅後にXXX-JP特設対策部隊が該当施設に突入し、セキュリティシステムの修復を試みます。20██/██/██追記:事件F-XXX-JP-d3を受け、SCP-XXX-JPの発生予測地点の特定方法が再検討されています。SCP-XXX-JPの発生時期が近づいた際は、万一に備え、財団施設内の重要データ及びオブジェクトの退避を即座に開始できるよう準備してください。

説明: SCP-XXX-JPは3年に1度の周期で発生する不可視の異常現象で、直径9~12 kmの球形の空間内に影響を及ぼします。この空間の中心点は、海抜-1000~800 mの範囲に出現することが確認されています。この現象は発生後、時速約65 kmで移動を開始し、発生地点から300 kmほど移動した後消滅します。進行方向は北半球の場合西南西、南半球の場合西北西です。

SCP-XXX-JPは影響下に置かれた人物に対し、その人物とは全く異なる経歴を辿った非実在の人物の記憶を植え付け、さらに周囲の電子記録(人事ファイルや電子メールなど)をその記憶と矛盾しない内容に改竄します。この際植え付けられた偽の記憶には、その人物が本来知り得ないであろう情報も含まれています。また、周囲の状況と書き換え後の記憶に大幅な差異がある場合でも、対象者は自らの記憶を疑うことはなく、むしろ周囲の状況を異変として捉えます。例えば、記憶改竄後の経歴に鑑みて「いるはずのない区画」にいる場合、対象者は「何者かによって移動させられた」と考えます。これは服装・書類などの改竄後の記憶と矛盾するあらゆる事象についても同様であり、このためSCP-XXX-JPが対象者に何らかの暗示、あるいは精神操作を行っている可能性が指摘されています。加えて、記憶を書き換えられた人々及び改竄された記録は共通の「偽りの過去」を共有しており、そのため影響下にある人物同士が対話する場合、違和感なく会話が成立します。影響外の人物と会話する際には互いの認識に差異がある場合が殆どですが、このような場合においても彼らは自らの記憶を疑うことはなく、からかわれていると思う、相手の正気を疑うなどの反応を見せます。このような違和感を感じさせる出来事が立て続けに発生した場合、彼らはしばしば偏執病と類似した症状を示すようになり、次第に周囲の現実を疑うようになります。

SCP-XXX-JPの発生は、現在は廃棄された施設であるサイト-81██周辺で19██/8/20に初めて観測されました。当時サイト-81██には██名の職員が勤務していましたが、SCP-XXX-JPによってその全員の記憶と全ての電子記録が改竄されました。この際サイト-81██と一時的に連絡が取れなくなりましたが、数時間後、近隣の財団施設に、サイト-81██管理者の赤平坂博士と名乗る人物からサイト-81██の異変についての通報がありました。彼は「サイト-81██で大規模な異常現象及びオブジェクトの収容違反が発生した」と主張していましたが、実際には赤平坂博士なる人物のデータは財団に存在せず、そのため財団は彼を拘束しサイト-81██の調査を行いました。その際サイト内の全人員の記憶および電子的記録の内容に現実との齟齬が見られたため、本現象の存在が認知されることとなりました(インタビュー記録XXX-JP-81██を参照)。この時サイト-81██では記憶の改竄によって生じた混乱のために█件のオブジェクトの収容違反が発生していましたが、機動部隊員及び収容スペシャリストによりその全てが再確保され、他サイトに収容されました。また、サイト-81██は自意識を持たない植物系オブジェクトの収容を専門としていたため、SCP-XXX-JPが他のオブジェクトにもたらす影響は不明です。なお赤平坂博士を名乗る人物は、実際にはエージェント・██であったことが明らかになっています。

SCP-XXX-JPの発生はサイト-81██での発生以降██回観測されていますが、逆にサイト-81██以前に発生したという記録は一切残っていません。そのためSCP-XXX-JPはサイト-81██で起きた何らかの事件を起源とするのではないかという説が提唱されています。しかしながら、サイト-81██に存在した記録や記憶が失われてしまったために、詳細は明らかになっていません。

SCP-XXX-JP発生のメカニズムは未だ解明されていませんが、統計によりある程度の規則性に基づいて発生していることが示されています。そのため、財団は次回のSCP-XXX-JP発生地点を大まかに予測することができます。(事件報告F-XXX-JP-d3を参照)