woody99

アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル:
[現在、SCP-000-JPは透明な防弾ガラス性の箱に収納されており、同時に同じ材質の小さい台座に乗せられています。その箱はサイト-2112内部の部屋(25x25x25m)の中央に設置された台座の上に置かれています。箱の蓋は厳重に施錠されており、箱自体は台座に固定され持ち出せない様にされています。また、SCP-000-JPの周囲15m以内に植物(花、樹木、海藻、その他これらに準じるものを含む)を運搬するのは禁止しています。]

説明:
[SCP-000-JPは、デフォルメされたキリンが腰を下ろすポーズをした置物であり、千葉県████市在住の████家の庭にて発見されました。設置のバランスが悪いためか、何度か落下した結果表面の塗装が一部剥げ落ちています。一見ただの置物であり、造形が同一の置物が園芸用品店『████████』にて製造、販売されていました。現在、『████████』は既に倒産しており、SCP-000-JPに関する『████████』関係者への聞き取りは困難な状態です。████家にて発見されたSCP-000-JPは一家の母親が1か月前に購入したと証言しています。

SCP-000-JPは昼間には特に問題のある効果が発生しません。しかし、日没から日出までの夜間、又は特に薄暗い悪天候の日において効果を確認できます。SCP-000-JPが存在する地点から半径2mから10mまでの範囲に存在する植物を、通常では考えられない速度で成長させます。この活動は植物のみに対して効果が確認されており、████一家4人や庭で飼われていた犬(ミックス種)1頭に効果が現れない事から実証されています。効果が現れる植物の種類に限度はなく、草花から樹木、海藻に至るまで効果が現れます。SCP-000-JPの存在する地点によって効果に差異は無く、真空状態や水中でも周囲に効果が現れると確認されています。

SCP-000-JPの効果によって異常成長した植物000-JP-Aは基本的には一般的に知られる通りの姿に成長します。しかし、枯れ落ちる段階になっても成長をし続けて本来では考えられないような異様な形状や機能を持ち始めます。成長速度には植物によって誤差が生じますが、本来の約10倍の速度で成長し続け巨大化していきます。巨大化した植物はそのまま付近の植物と一体化し、時に一方的に飲み込むように更に成長をし000-JP-Bになります。更に成長が進むと000-JP-Bは000-JP-Aを編み込みように太さを増し、周囲の建造物や動物、人間をも編み込みながら成長し続けます。000-JP-Bの最大の成長規模は全長約15m、直径は約7m、外周は約40mになります。外見的には全長よりも外周の長さが印象深く、複数の植物が編み込まれた歪な姿をしており「巨大な手編みマフラーのようだ」「ファンタジー世界の大木のよう」という住民の証言も確認されています。しかし、SCP-000-JPの周囲2mまでに000-JP-Bが浸食することは無く、SCP-000-JP事態が異常成長に巻き込まれる事はありません。

財団は早朝の████家からの警察への通報を基に現地に赴きました。成長は停止しているものの既に周囲の家屋や電柱、住民を取り込み巨大化した000-JP-Bの内部に消防隊に偽装し突入しました。内部にはSCP-000-JPの周囲に開いた空間を発見し、その中で████家と飼い犬を保護しました。同時にSCP-000-JPの異常性を認識し救助と同時に確保しました。SCP-000-JPを財団に向けて移送しこの地点から離れると000-JP-Bは急激に縮小し始め、最終的には本来の植物の形状に戻りました。元に戻った全ての植物は枯れていました。000-JP-Bの跡地には飲み込まれた家屋の残骸と共に人間や動物の死体が確認でき、いずれも全ての体液が搾り採られたように干からびた状態でした。財団は████家や周囲の住民からSCP-000-JPに関しての聞き取りを行い、母親から「庭に動物の置物を飾った頃から庭がジャングルの様になった。夜寝ている間気付かぬ内に猛烈に成長していた」という証言を入手し、SCP-000-JPの異常性の断定をしました。████家全員と周囲半径500mに居住する住民、通報を受けた警察官と消防隊員及びその関係者全員に記憶処理を行い解散させました。枯れた植物は000-JP-C、発見された死体は000-JP-Dとして資料として財団に収容されました。なお、破壊された家屋は局所的な竜巻による損壊、被害者は竜巻に巻き込まれ死亡と記憶処理を行いました。]

000-JP-Cと000-JP-Dは調査用のサンプルとしてサイト-7004に保管されています。000-JP-Cは調査の結果、一般的な同じ種類の植物DNAの内容と99.99%一致しており、DNA内容物に関する変化は確認されいません。しかし、一部の細胞膜と細胞壁が通常の数百倍に巨大化した痕跡が確認されました。これは、巨大化した植物細胞が縮小して戻る際に何らかの理由で戻らなかったと考えられます。このような経緯に至った原因は現時点では不明です。000-JP-Dは解剖の結果、いずれも体内の体液が90%近く失われていたと確認されています。全身の至る所に大小の円形の傷跡が確認され、その周囲から植物の葉や花弁の一部が残留していました。異常成長した000-JP-Bの一部が000-JP-Dの皮膚を貫き体内に挿入された可能性が考えられます。この想定が事実なのかは現時点では未確認です。

様々な植物との関連性を調査した結果、主に以下の様な結果が確認されました。

サンプル名(詳細) 外見的変化 構造的変化
カビ(アオカビ) 確認されず 確認されず
毒草(トリカブト) 巨大化 毒の強さが約20倍に増強
毒キノコ(ベニテングダケ) 確認されず 確認されず
サトウキビ 巨大化 糖度が約20倍に増強

以上の事から、キノコを含む菌類には影響が及ばないと考えられます。また、毒や糖分等植物の持つ効用が増強される可能性も考えられます。現在も調査が継続されているので断定はできません。
調査結果の差異と、SCP-000-JPの表面の塗装が剥がれ落ち完全な状態では無い事との因果関係は不明です。剥がれていなかった場合、菌類の様な例外が発生しなかった可能性もありますが、現段階では確認できません。
また、SCP-000-JPの半径2m以内に植物を設置した場合、どのような植物でも異常成長の兆候は確認できませんでした。全長3mの樹木を設置した際には、2mより高い位置の幹や葉だけが異常成長をし巨大化しました。半径10mより外に運搬した際には、異常成長した部位のみが枯れ落ちてしまいました。SCP-000-JPがどのように周囲の範囲を計測しているのかは不明です。